広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

南通りのクローバー

2024-06-08 23:08:06 | 動物・植物
秋田市の南大通り「中通六丁目」交差点。
西方向

南方向
南東角はかつてバドワイザーの缶がてっぺんにめりこんでいた373共同ビル
今回は、上の写真手前・北東角の歩道の車道際に注目。
車両感知器の柱と信号柱・照明柱の間に植えこみがある。街路樹のケヤキではなく、アジサイが植えられている。

5月上旬、ここが白くなっているのに気付いた。

小さな白い球形のものがぽんぽんと。

シロツメクサ(クローバー)の花。
更地になって間もない土地にも咲いていたように、どこからともなくやってきて、力強く繁茂する植物だけど、ここが決定的に違うのが、葉の色。
クローバーの象徴ともいえる鮮やかな緑ではなく、暗い色。最初、違う植物かと思ってしまった。でも、葉の形は間違いなくクローバー。
アントシアニン色素によるであろう、黒というか暗めの赤色が、葉の多くを占める。若い葉は緑が多いようで、成熟した葉は縁だけ緑色。

こんなシロツメクサがあるとは知らなかった。葉がこんなに特徴的なのに、花は典型的なシロツメクサなのもおもしろい。
野生ではなく、園芸品種だろうと調べると、千葉県のハルディンという企業が扱う「クローバー ティントシリーズ 」の1つ、「ナイト」という品種のようだ。
ナイトは night なのか knight なのか不明。辻村深月の小説「クローバーナイト」は、knight のほうだそうだけど、あやかった品種名なのかも不明。

ティントシリーズは計12品種あるらしく、白っぽい緑や赤が混じった葉の品種、花も赤い品種もある。寄せ植え、ハンギング、グラウンドカバーなどの用途を想定している。牧草でなければ雑草という印象しかなかった(蜜源とかグラウンドカバーもあるけれど【9日追記・緑肥=土壌改良も】)シロツメクサに、園芸品種があったのに少々驚いたが、中にはどこかで見覚えのある品種も。クローバーもかわいらしくてきれいだと、思わされた。

南大通りの植えこみは、ライラックなどいろいろな小低木(2010年の記事)やタツタナデシコのような草本も見られる。地元の人たちがそれぞれ植えて管理しているのだろうか。別に迷惑になっていないし、雑草ぼうぼうや土が露出しているよりはずっといい。シロツメクサも、近くの人が植えたのだろう。見た限りでは、ほかの植えこみでは見つけられなかった。

ナイトは縁取りがあることで、葉の1枚1枚を認識しやすい。となると、四つ葉のクローバー探しが、いくらかラクになるかも。僕はこれが苦手で、1度も見つけたことがないのだけど。
かれこれ1か月咲き続けている
ナイトの端には、
左の塊もシロツメクサ?
葉が小さく、赤い(中心部は緑)株があった。植えられたばかりなのか、品種名を記した札もささっていた。見ないでしまったが、ティントシリーズ「ワイン(登録名:天使のピアス ビューティー=商品名と登録名が違うってこと?)」?
この状態だと、ナイトに負けてしまいそう。
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崖の野良キウイ

2023-09-19 22:33:00 | 動物・植物
今年初夏、秋田駅からも近い、秋田県立循環器・脳脊髄センター(旧脳研)裏手の崖下の道を歩いている時に発見。
8月撮影。右の斜面
この斜面には、道路拡張前は大きなソメイヨシノがあった。
2011年までに、斜面は固められて【10月1日補足・「擁壁」と言うのかな】今の形の道路ができた。それ以降は、崖上に低木や草が少々茂る程度。夏には、クズのツルが崖上から斜面へ下りてきていた。
6月撮影
この時気付いたのは、クズよりも頑丈そうな別のツルが下りていたこと。6月時点ではクズはまだ目立たないので、時期的にも早い。
6月撮影。上に青いアジサイが咲く
ツルの茎は木質化し、葉柄は赤く、葉は硬そうで毛が生える。これって…

6月中旬には、花殻が数個。

花弁は白だったようだ。


7月下旬になると、茶色くて毛が生えた果実が少々(花の数より少ない)。

これはやっぱりキウイ? にしては、少し小さいし、楕円より円(球)に近い形だし。
キウイに近縁で、日本に自生するサルナシ(別名コクワ)?
どちらにしても、鳥のフンとともに種が落とされ、芽が出て育ったのだろう。野良キウイまたは都市型サルナシ。

ネットで調べると、サルナシは果実に毛がないらしい。これは毛があるから、小さい(または栄養不足で大きくなれない)キウイなのか。
ところで、キウイもサルナシも雌雄異株(関連記事)なので、この近くにオス株もないと、果実が実らないはず。改めて写真を確認すると、アジサイが写っている写真の左に、同じ葉が茂る別株がある。それがオス株かもしれない。
また、キウイもサルナシも、雌雄同株の個体も存在する(キウイでは雌雄同株の品種がある=自家不和合性ではないということか?)そうだ。初めて聞いたが「雌雄雑居性」という語もあった。ならば、1株だけで果実が実ることもありそう。

9月中旬現在では、葉の陰に1つだけ果実が残っていて、7月と大きさは変わっていない。
消えた果実は落ちてしまったのか、誰か(鳥? 動物=ハクビシンとか? 通行人??)に食べられたのか。日本での一般的なキウイの収穫期は10月から11月頃だそうだから、まだ早かったのでは。
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千畳敷の花

2023-06-18 23:24:18 | 動物・植物
先週末、少しだけ久々に弘前へ行って、「リゾートしらかみ」で帰ってきました。その話はまた後日として、今回は、青森県深浦町・千畳敷海岸の植物。
リゾートしらかみの一部列車は、千畳敷駅で15分間停車し、海岸を散策できる時間が設けられている。
2011年秋2020年正月(海岸には行かなかったけど)に続き、3度目の体験。
ブナ編成
千畳敷駅ホームの反対側の段丘は、前回来た時は、“氷のカーテン”で覆われていたが、今回は緑で覆われていた。

この日は雨上がりのくもり。
砂は湿っていて、ところどころ水たまりもあった。そこを歩き回って、そのまま車内へ戻るのだから、車内の床の清掃は手間なことでしょう。玄関マットでもあればいいのだけど。

これまでと変わらない風景だと思いつつ、列車へ戻ろうとすると、大きな岩の一部に目が留まった。
中央に緑色!
岩の途中に植物が生えている。しかも緑色でない色も見える。
ズーム
中央の背の高いのはギシギシ。右にピンク色の丸い花、左にそのつぼみ。
ネギの仲間の「アサツキ」だ!
秋田では、若芽を「ヒロッコ」として食べるため栽培もされるが、野生ではこんな所に生えるのか。

別のもっと大きな岩に目を転じると、
上のほう
さらにたくさんの草と花。

下はアサツキがたくさん咲き、上のほうはオレンジ色。
デジタルズーム
オレンジ色のはユリ。スカシユリ(エゾスカシユリ?)ではないだろうか。
緑が濃い時期の千畳敷は初めてだったが、新たな一面を見られた。


リゾートしらかみは、乗り遅れ防止のため、発車3分前に警笛を大きく長く鳴らす。
前回は、列車が遅れて8分停車に短縮されたせいか、放送での事前告知はなく、いきなり鳴ったのでびっくりした客もいた。
今回は、千畳敷到着時前、堺正幸さんの自動放送で、散策時間があることとともに「3分前に汽笛を鳴らしますので」遅れないようにとのフレーズが流れた。車掌の肉声放送では「3分前に3度」と案内があったほか、実際に鳴らす直前には、ホームに降りて、近くにいた乗客たちに「間もなく大きな音が鳴りますので、ご注意ください」と声をかけてくれた。
※いつの間にか、つがる運輸区(旧弘前運輸区ほか)は「弘前統括センター」に、東能代運輸区は「東能代統括センター」に改組・改称されていた(弘前が2023年、東能代が2022年?)。リゾしらの乗務は従来通り、車掌が鰺ケ沢駅、運転士が深浦駅で交代しており、千畳敷駅時点では車掌東能代・運転士弘前の組み合わせのはず。


それと千畳敷海岸には、民宿や土産店・食事処が多少あって、以前のリゾしら停車時には、呼び込みをしてイカ焼きなどを売っていた。2020年正月でも、そのうち1店の人だけは手を振って見送ってくれた。
ところが今回は、呼び込みどころか営業しているかどうかさえ怪しい雰囲気だった。平日だったからかもしれないが。乗客はそこそこいて、営業していれば飲み物くらいは売れたでしょうに(車内での販売体制も変化したので後日)。

弘前の話は続く
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川を渡る葛'23春

2023-06-06 22:30:06 | 動物・植物
以前、秋田市中央地域を流れる旭川の刈穂橋下流にある「川を渡る葛」を紹介した。
電柱を支えるためのワイヤーが川を越えて対岸に刺さっているのだが、それにクズのツルが何重にも巻き付いて、昨年夏にはすだれのようになっていた。そして、秋になると葉が落ち、枯れたツルが巻き付いた状態で早春を迎えていた。その後。
4月中旬。ここの堤防斜面にはスイセンが多い(過去の記事
今年は春が早く、もうソメイヨシノは咲いていた頃だが、川辺の植物はやっと芽吹き始めたかどうかの状態。まだ茶色い部分が目立ち、枯れたクズもそのように見えるけれど…
対岸の枝垂れ桜は散りつつあった
クズの根本(岸)に注目。
枯れたツルの中に緑の葉が!

縞模様のカバーを迂回するように
さっそく新芽が出ていた。
それじゃあ、前年の枯れたツルの上を覆うように、根本から新たなツルが伸びていくのかと思いつつ、それから1か月後、5月中旬。
写真では分かりにくいですが


川中央の上空、ワイヤーの先のほうにも、緑色が点々と見えている。根本から直接伸びているのではない感じ。
拡大


枯れていると思っていた、古いツルからも、新芽が出ているようだ。地上部が枯死したのではなく、木質化して冬越ししていたのか。

それから20日ほど経った現在。
周りの他の草木の繁茂も旺盛


部分的に枯れたツルが見える箇所もまだあるが、ほとんどが緑色になった。

昨シーズン以前も、これが繰り返されてきたのだろう。遠くないうちに、ワイヤーを覆う“太い緑の棒”のようになり、さらに垂れ下がって、再びすだれになるに違いない。

その後、旭川が増水した
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10月の線路際の植物

2023-01-24 22:42:46 | 動物・植物
JR東日本パスで静岡市へ(前回の記事)。
10月中旬だというのに、何か所かで見かけた花のこと。
JR清水駅前から線路沿いに続く、「清水駅前銀座」アーケードの末端にある防災倉庫(物置)。
背後が東海道本線
物置の屋根は、びっしり・こんもりと緑の葉と赤紫の花で覆われている。物置の隣の建物にも続いている。根本は線路際の地面にあるのか。

アサガオ?!
2008年11月に訪れた時も、同じ植物が咲いているのを見かけて驚いた。アサガオが秋に咲いていることと、アサガオが野生化して雑草になっていることに。
葉や花の形状からして、夏の花の代表であり、日本で古くから親しまれる「アサガオ」ではない。
近縁の西洋系のアサガオの1つ、「琉球アサガオ」「オーシャンブルー」「宿根アサガオ」とも呼ばれる、標準和名「ノアサガオ」。「宿根」の名の通り、0℃以下にならなければ越冬できる多年生。
だから、寒冷な秋田では見かけないのか、それともマルバアサガオ、ソライロアサガオなどの一年生の西洋系アサガオといっしょくたにして意識しないのか。
なお、西洋系のアサガオは全般に、昼過ぎまでしおれずに咲き、秋になっても咲き続ける(=寒さというか冷涼な気候に比較的強い)傾向があるようだ。

東海道本線を渡って少し歩いて、巴川橋りょう。東海道本線にはこんな濃い緑色のトラスの橋が多いような。
甲府から乗ってきた特急「ふじかわ」が折り返して再び甲府へ向かう
その線路際にも、ノアサガオ。
分かりにくいが、奥のほうなど葉の中にある線状の赤いものは、オシロイバナのつぼみと咲き終わった花殻のようだ。オシロイバナは夕方に開花する。
秋田では、オシロイバナは小学校や民家の花壇でたまに見る程度。野生化したものは見たことがない。オシロイバナも暖地では越冬できるようだ。


写真は撮れなかったが、JRの線路を覆うようにノアサガオが茂って咲いているのも、2か所で見かけた。
1つは引き込み線のような列車があまり通らなそうな所。もう1つは富士駅構内を出るか出ないかの身延線の、たぶん本線だったように見えたのだが。
アサガオのツルの細さならば、線路と、下のバラスト(砕石)のすき間は通り抜けられる。列車に踏まれて切れても、すぐに脇芽を伸ばして、線路を覆ってしまう、という流れだろう。JR東海は線路管理に厳しそうだけど、その程度なら放っておくのか。

10月の朝顔
秋の線路際の植物といえば、ススキにセイタカアワダチソウといった印象だけど、場所によってはアサガオもあるのだった。そういえば、今回の旅行先では、線路際のススキは見かけた記憶がない。秋田では繁茂して(10月の泉外旭川駅)いるのに。

旅行記はこまごまと続く
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川を渡る葛

2022-08-23 20:48:42 | 動物・植物
秋田市楢山登町と旭南二丁目・三丁目の間、馬口労町通りの旭川に架かる「刈穂橋」。竿燈まつりが終わった翌朝、「御幣流し」の儀式が行われる場所でもある。
そこから下流方向を見ると、
奥のほう
先方で川が右へカーブしており、そこの上空を覆うように緑のものが見える。
拡大
楢山登町から旭南三丁目に向かって右上がりに、大量の葉っぱ?

近くで撮影

対岸のシダレザクラに向かって一直線に太い緑

川を横断する、線状のものに、つる草がからみついているのだった。からみつかれているのは、何かのケーブルかと思った。
上の写真の位置から対岸を拡大
ケーブルではなく、対岸にある電柱のてっぺんから出ている、ワイヤーだ。
左端の電柱につながる。奥に見えるのが刈穂橋
この電柱は、電力柱。対岸の、一方通行の狭い市道(下り新屋線・旭南三丁目バス停の先方付近)沿いに立っている。
バス停側から。赤い線付近がワイヤー

反対側から。つるの先端が見えている
電柱から、沿道の駐車場・シダレザクラ、そして旭川をまたいで、楢山登町側の岸にワイヤーが伸びている。ワイヤーの根元は、草に覆われていて確認できず。電柱から楢山登町の岸まで、(ワイヤーの長さでなく)距離にすれば50メートル程度あろう。


電柱からワイヤーが伸びて、近くの地面につながっていることはある。
「地支線」と呼ばれるもの(単に「支線」と呼ぶことも多そう)。関西電力送配電ホームページでは「電柱にかかる力のバランスを取り、電柱がたおれないようにするための設備。」と説明している。かかる力と角度や長さ等を計算して、設置するらしい。
地支線に人や車がぶつからないための黄色いカバーや、つる草を途中で止める黒い部材(つる巻き上り防止ガード、つる巻ストッパーなど)も見かける。

あちこちでたまに目にする地支線は、電柱から5メートルくらいの地面につながっているのが普通のはず。人や車が通る道路沿いでは、長すぎると迷惑だろうし。
川を渡って、しかもこんなに長いのは珍しいではないだろうか。こういう分野の愛好家サイトがありそうなものだが、見つけられなかった。
旭南の道路はカーブしていて、それに沿う電線も一直線でないから、電線によって引っ張られる力のかかり具合が特別で、こんなに長くする必要があったのだろうか。でも、同じような環境の隣の電柱は支線なしで自立しているようだけど。


次に巻き付いている植物。
3パーツで1組の大きな葉っぱと、夏に咲く赤い花、そしてどんどん伸びるツルが特徴的な、「クズ(葛)」。
クズの花(千秋公園で8月上旬撮影)。ほのかに甘い香り
葛粉とか葛根湯とか、最近は「葛の花由来イソフラボン」の健康食品とか、有用な植物のイメージもあるけれど、現状の実態の大部分は雑草。千秋トンネルの口の上からつるが数本垂れ下がったりもする。
元は自生していなかったアメリカでは、外来種として迷惑がられているとのこと。

ワイヤーの細さと比べて、クズのツルがかなり太く巻いているので、二重三重、それ以上に巻き付いているのだろうか。それでも足らず、川面に向かって垂れ下がってもいる。「のれん」のように。

その重量はどのくらいだろう。改めて写真を見ると、楢山登町側でワイヤーが少したわんでいるように見えなくもない。また、旭川が増水したら、垂れ下がったクズが水の流れに浸かり、それによってワイヤーに想定していない負荷がかかるおそれはないだろうか。あるいは強風が吹いても、風に当たる面積が増えるから同様に。下手したら、電柱が倒れたりしないか。

先日の大雨後も特に変化はない。ちなみにクズのツルのほうも目立った影響はなかったようで、枯れたり減ったりはしていない。
Googleマップストリートビューによれば、少なくとも2012年以降は巻き付いているから、この程度は問題ないのでしょう。

でも、つるガードが存在するのだから、東北電力(今は「東北電力ネットワーク」?)はそれを取り付けても良さそうなもの。クズの勢力だと、そんなもの意味ないか。でなければ、楢山登町側の岸を草刈りして、クズを元から枯らしてもいいのに。
やっぱり、大した影響はないから、からませ放題にしているのでしょう。
2022年は対岸目前のここが限度か?
だけど、過去のストリートビューを見比べると、年々、ワイヤーのより先(旭南側)のほうへツルの先端が近づいており、勢力が拡大しているように見える。草本だから、ツルは冬になると枯れて、春にイチから伸び始めるはずだけど。数年後には、電柱のてっぺんに到達したりして。
この後、冬の様子
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泉外旭川駅の植物

2022-07-06 23:26:06 | 動物・植物
2021年3月に開業した、秋田市のJR奥羽本線・泉外旭川(いずみ そとあさひかわ)駅。順調に利用されていると思う。

「(着工前~)開業前の秋田市による予測と比べて、開業後の実際の利用者数が少ない」と報道されたことがあったが、それは、秋田市の予測が大甘というかいい加減というかテキトーだったのが原因だ。多めに見積もることで、市議会や市民の理解を得ることを狙ったのだろうけれど。【7日補足・そのことを見抜けなかったのか、指摘できなかったのか、スルーしてしまった市議やマスコミが情けない(駅新設自体は、下記の通り反対ではないです)。】

秋田市の予測は、1日当たり乗車人員(降車は含まない)2118人。
開業後、2022年2月の調査では、平日1124人、休日510人。

予測と実際のズレは事実として置いておいて、実際の乗車数を見る。秋田で1000人超が乗る駅となれば、「利用者が多い駅」と言っていい。
秋田県内で乗車人員が多い駅は、飛び抜けた秋田駅に続いて、土崎駅1779人、追分駅1507人、大曲駅1330人。横手駅以下は1000人を切る。※2020年のデータであり、計算方法も泉外旭川駅とは異なる可能性があり、単純な比較はできない。
新しくできた無人駅が、秋田県内で10位以内であろう利用者数なのだから、泉外旭川駅を造ったこと自体は間違いではない。
それに、交通渋滞軽減、二酸化炭素排出量削減、自家用車に頼らない持続可能な街など、利用者数だけでは測れない開業効果もある。

そもそも、予測段階で土崎駅より多い利用者が見込まれるのなら、駅員を配置することもあり得たと思う。JR東日本からそんな話が出なかったのは、同社としては、秋田市が示す2118が、アテにならない数字であることを分かりきっていたのでしょう。


今回は、泉外旭川駅にある植物の話。
泉外旭川駅下りホーム。背後が秋田貨物駅・土崎駅方向
↑上の写真のように、5両編成までは列車先頭部が屋根末端に合わせて停止。
泉外旭川駅は、上下線が離れた区間にある。上下線の間の、使われなくなった鉄道用地に駅舎が建てられ、外からは地下道で行き来する構造。
上の写真で、左に見える黒い建物が駅舎・地下道階段。奥左右方向の穴が開いた壁は、駅舎とホームを結ぶ渡り廊下みたいな通路。上りホームは駅舎左方だが、下り側よりもホームとの距離が近く、通路は短い。

6月頃から泉外旭川駅で、4つの花が咲いているのに気付いた。
通路。左が駅舎、向こうが上りホーム
通路の秋田駅寄りには、「秋田機関区」や「秋田運転支所」だった建物が残る(今も何らかの形で使われていそう)が、それと通路の間にスペースがある。客は立ち入りできない。
草が茂る中、サビたレールと車止めに、機関車の部品(排障器とか雪かきの類)らしきものがオブジェのごとく置かれているほか、整地された部分もあって、工事業者やJRの車が駐まっていたり、今は電気関係っぽい新しそうなグレーの箱が6つ置かれていたりする。その通路寄りに最初の花。
通路から手が届かない位置に、小さな花壇
木製の枕木の新品で囲っているようだ。
色あせた「アジサイ花壇」の札があり、小さい株にしてはたくさんの花を咲かせたアジサイが植えられている。写真は見頃を過ぎている。
これは2021年7月15日に、男鹿市のアジサイ寺として知られるようになった雲昌寺の苗木提供と指導により、JR社員、地域住民や園児が植えた18本。植えた当初は、もっと大きい苗のほうが…と思ったものだが、1年でここまで大きくなって咲いた。
2021年7月撮影。1株に葉が4枚くらいしか着いていなかった
現状ではもう少し湿り気があったほうがいいようにも思われるが、水やりはしているのか? そして、年々大きくなってこんもりするに違いないが、その時は窮屈になるのでは?


あと3つの植物は、勝手に生えたものだし、見えにくい通路の土崎側なので、知る人は少ないでしょう。
下りホームから

ズーム
草が生え放題の中で、白いハルジオンだかヒメジョオンは別として、大きめの植物が3つ、近接して生えている。
角度を変えて
写真だと分かりづらい。まずは、背が高く枝のように赤い茎を伸ばすのは、街場ではおなじみヨウシュヤマゴボウ。1株だけだが鉄道用地では珍しい。早いもので、房状の白い花がもう咲いている。帰化植物で有毒。

次は、ヨウシュヤマゴボウの両側に1かたまりずつ(上の写真では手前・右のみ)、垂直に伸びた茎から、咲き終わってしおれたような黄色い花が出ている。
これは鉄道用地ではたまに見るかもしれない、マツヨイグサの一種。夕方から朝に咲き、昼にはしぼむ花。
マツヨイグサの仲間は、見分けが難しい複数の種が、園芸植物や帰化植物として定着している。これはオオマツヨイグサかメマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)辺りかもしれない。
※マツヨイグサは「月見草」と呼ばれることもある。白い花の「ツキミソウ」という種も実在し、それもマツヨイグサの仲間という、ちょっと複雑な関係。太宰治が「富嶽百景」で「富士には月見草がよく似合う」としたのは、マツヨイグサのことらしい。

もう1種は、マツヨイグサ以上にまっすぐに天へ伸び、その先に細いトウモロコシもしくはルピナス(ノボリフジ)のような花(花穂)を付ける植物。ちょっと気持ち悪い雰囲気もあって、じっくり見たことはない。
これも線路沿いでわりと見かけ、泉外旭川駅でも数は多い。アジサイ花壇の周りにも生えている。写真ではつぼみなのか咲き終わったのか、花は見えないが、小さい黄色い花がたくさん咲く。
この植物は「ビロードモウズイカ」。やはり帰化植物。
「ビロード」は葉などに毛が生えているからだろう。
「モウズイカ」は外国語のようだけど、「毛蕊花」。でも、ビロードと毛でダブっているような。
「アイヌタバコ」「ニワタバコ」と呼ぶこともあるようだが、タバコとは近縁ではない。葉の雰囲気からの連想か。
たくましい外来植物3種
鉄道用地の草刈りも大変である。泉外旭川駅の線路間の場合、列車運行や乗客への影響はないだろうから、このままになりそう。
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笑顔のテントウムシ

2022-06-21 22:38:06 | 動物・植物
※この記事にはテントウムシの写真があります。昆虫が苦手なかたはご注意ください。

テントウムシがいた。

体長5ミリほどで、光沢のある黒に赤っぽいオレンジ色の点。
「ナミテントウ」。

日本人がテントウムシというと、赤地に黒い点のナナホシテントウを連想することが多い。実際、日本全土に広く分布する種だそうだが、僕は1度、遠目に見たことしかない。小学校1年生の時、教室に入ってきたもの。

一方、我が家の庭など秋田市内では、ナミテントウをよく見る。
ナミとは「並」で、この種も日本では一般的なテントウムシ。

「ナミテントウ」で画像検索すると分かるが、ナミテントウの甲羅(外羽、鞘翅)の模様はバリエーションが多い。
秋田で見たことがあるのは、写真の黒地に赤点(2紋)のほか、薄いオレンジ一色(無紋)、薄いオレンジに小さな点が19個(19紋)、の3パターン。
※19紋は、草食性で害虫とされる28紋のニジュウヤホシテントウと間違えそうだが、草食性は光沢がなく、肉食のナミテントウは光沢がある点で見分けられる。

子どもの頃見た、子ども向け書籍では、黒に赤点の写真しか出ていなかったから、それだけがナミテントウだと思いこんでいた。だから3タイプのテントウムシが同じ場所にいるのを見た時は、異種が仲良く同居しているのだと思ってしまった。
ネットの情報によれば、大別するとその3パターンだが、点の大小や形のバリエーションはとても多い。黒に赤点が4つの4紋もいる。
北日本では19紋型が多く、2~4紋型は九州方面に多いとWikipediaには出ているが、秋田では2紋は皆無ではなくそこそこいる。4紋は見たことがない。

昔図鑑で見たナミテントウは、赤い部分がほぼまん丸だったのだけど、秋田ではそれは少数派なのかもしれない。
冒頭とは別個体。赤の色味も違うかな
赤い部分が黒に侵食されて、ちょっとしたロールシャッハ・テストみたいな形。

そして冒頭の個体は、

きれいな三日月型の赤点。にっこりと笑顔のよう。

こういう柄のナミテントウは、見る位置(例えば頭側から)によっては目玉に見えそう。外敵から身を守る役に立っているのだろうか。
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川反の白鳥

2022-02-01 23:51:39 | 動物・植物
秋田市街地を南北に貫く旭川。歓楽街「川反(かわばた)」の「川」でもある。
竿燈大通りに架かる二丁目橋
旭川を下って、一列で二丁目橋の下をくぐろうとしているのは、
5羽の白鳥!

秋田市にも、越冬なのか、さらに南で越冬する中継点なのか、多くの白鳥が飛来する。旭川では、ここの下流の太平川合流点(2014年の記事)や、上流の旭川地区辺りでは、数十羽程度が休んでいることがある。ここら市街地でも、一家族程度の少数の群れが休んでいるのを、ごくまれに見ることがあった。今回もそうかもしれないが、灰色の幼鳥はいない。
くちばしの色からすると、オオハクチョウ。

川の流れに任せて下っているようで、人が歩くのと同じくらいの速度。急ぎ足で地下横断歩道をくぐって先回り。大きなケヤキが並ぶ(2015年の記事)、那波家の水汲み場跡にさしかかる。


列が崩れて一直線でなくなった
上を並走する怪しい人間に警戒しているのかとも思ったけれど、
さらにバラけて、あちこちきょろきょろ
川反を下から眺めているかのよう。鳴き声も出さず、そのまま下っていった。
どこまで下っていくのやら
旭川ダムの機能が向上したためか、昔と比べて、平常時の水位が低下した旭川。夏場のように一部淀んだり川底が露出したりするほどではないが、大きな白鳥だと、川底に脚が付いてしまうかもしれない。
冬の使者の北帰行は、春のきざし。まだ寒中だし、依然50センチ近く雪が積もり、連日寒いけれど。北帰行は平年だと2月中頃からぼちぼち始まるようだ。気の早い群れは、2月初めでも帰るのかな?
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街中の鷹

2022-01-04 23:35:37 | 動物・植物
※お読みいただく前におことわり※この記事には、鳥が小動物を捕食する写真があります。ご承知おきの上、ごらんください。

昨年末の昼前。自宅にいると、視野の片隅、横の窓の外を、上から斜め下に急降下する物体が見えた。
そこはご近所の庭。柿の木があり、カラスが食事や遊びで飛び回ることがあるので、それかと思ったけど、真っ黒ではなく茶色い気がした。
おそらく着地しているので、こっそりと窓に近寄ると、そこにいたものは…
鳥が何かをつかまえている!!
飛んでいってしまわないうちに、急いでカメラを準備して撮影。

つかまえられているのは、ネズミのようだ。
鳥はカラス級の大きさだけど、肩幅が広いようなどっしりした体型(翼を閉じているとネコより小さい)。目付きはそんなに鋭くないが、ワシとかタカだろう。身近な猛禽類と言えばトビ(トンビ)だけど、これは腹など白いので違う。

最初の写真を見ると、上のほう、庭の隅近くの雪に、ネズミの足としっぽらしき跡が付いている。歩いているところを、上から見ていた鳥に襲われたようだ。
鳥はネズミの毛をむしり取りつつ、食べ始めた。よそへ運ばず、その場で食べてしまうようだ。

ここは仮にも秋田市中央地域。直接面してはいないが、道路を通る車の音や人が動いていることが分かる音が断続的にする場所。鳥はたまにきょろきょろするが驚くこともなく、食事を続ける。
カメラ目線の写真もあるので、こちらにも気付いていたかもしれない。





鳥は休むことなく食べ続けているが、いっこうに終わる気配がない。
つかまえてすぐ丸のみのように食べ終えるのかと思っていたが、とても丁寧に食べるのだった。

その間に、ネットで調べた。
この鳥は鷹の一種「オオタカ」だと思われる。この個体は、黒目の周りが黄色いが、オレンジ色の個体もいる。羽が茶色でなく、グレーの個体もいて、それを青みがかった灰色ととらえて、「蒼鷹(アオタカ)」が転じてオオタカになったとのこと。アオサギと同じだ。したがって「大鷹」ではない。
ハトなど鳥を捕食することが多いが、ネズミなど哺乳類も食べる。食物連鎖・生態ピラミッドの頂点の生物。

JARO(日本広告審査機構)のテレビCMで、「まぎらワシ」というキャラクターが「ワシとタカは同じ種類の鳥なのに 大きさの違いで呼び名が変わる」「ワシにも区別がつかん」というのがある。
たしかに、漠然と思っていた「鷹」よりは小さく感じたが、それは「鷲」あるいはトビと混同していたこともある。実際は、基本的にはタカ類のほうがワシ類より小さいが例外もある。


トビ以外の野生のタカを、それと意識して見たのは初めて。しかもこんな場所に、向こうから来てくれるとは。
ただし、千秋公園では複数のタカ類を見ることができると、聞いたことがあった。ここは千秋公園から容易に飛来できる距離だから不思議でないし、一般的に都市部でも見られる種だそう。雪で食べ物探しに困っていたのかもしれない。
ここにネズミがいたのにもちょっと驚いた。ドブネズミだろうか。鵜の目鷹の目、こんな場所でもネズミはうかうかしていられない。

やがて、雪上に散らばる抜かれた毛と、血に染まった雪だけが残された。じっくり丁寧に、焼き魚をきれいに上手に食べる人のようだった。
降りてから食べ終えるまで、実に丸1時間(ほぼジャスト60分)かかった。
雪をかき分けて歩く
オオタカは飛び去らず、雪上を数歩歩いて数メートル離れた柿の木の低い位置に止まり、じっとした。さっきより道路に近い場所だが、やはり動じない。
オオタカは1日1回食べれば充分だそうで、次の獲物を探しているのではないのか。お腹いっぱいで飛べないのか。
そうこうしているうちに、スズメの群れが飛んできて、オオタカより高い位置の木や屋根でちゅんちゅんやりだした。オオタカに気付いているのか。下から上に向かって襲いかかることはできないはずではあるが。
きょろきょろ

能ある鷹は爪を隠してはいない
今度もなかなか動かない。再び約1時間経過、正午を過ぎた。

すると濡れ雪が降り出した。スズメはいなくなり、オオタカもいつの間にか飛び去った。ネズミの残骸も雪に埋もれた。
一富士二鷹三茄子でめでたいかもしれないけど、昨年の話だからもう関係ないのかも。そんなことよりも、生態系の頂点オオタカの、堂々とした振る舞いに感心させられた【5日・それに月並みだけど、野生の厳しさも見せつけられた】、歳末の2時間だった。
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モミジバフウ2021

2021-11-01 19:52:36 | 動物・植物
広面(ひろおもて)の秋田大学医学部附属病院正面の市道に「モミジバフウ(紅葉葉楓、ただしモミジやカエデの仲間ではない)」が街路樹として植えられ、きれいに紅葉する。遅ればせながら2017年に初めて知って、当ブログでは以後毎年紹介している。

今年は行かないと思っていた(理由は後述)が、ワクチン接種時にシャトルバスの車窓から見えてやはりきれいだと思い直し、出直した。
一斉に紅葉せず、グラデーションになる
これまでは10月末~11月では散り初めていることが多かった。昨2020年は遅めで盛り。今年の紅葉も全体に遅い感じがするが、ここも昨年よりさらに遅れているか。まだ緑の葉もあるし、散っている葉が少ない。

今年、モミジバフウをあきらめかけた原因は、少し前の秋田魁新報の記事。
道路管理者である秋田市が、紅葉前にバッサリと太い枝を切ってしまったとのこと(樹種の言及はなかったと思う)。
この効率優先の管理方法について秋田市議会(の委員会か何か?)で取り沙汰され、今後は見栄えや木の生育にも考慮した管理を行っていくことを、市役所内の関係部署で申し合わせた、といった内容だったと記憶する。

秋田市以外の自治体も含めて、こまめな剪定や落葉の処理が負担といった理由で、バッサリ切り落とすことはされている。剪定には税金が使われるわけだし、落ち葉は沿道・地元の住民が掃除するとしても、高齢化や空き家の増加でままならない場所も増えているはず。
少なくとも今後は、高木になる街路樹を新たに植えることは難しい世の中になるかもしれない。むしろそれが持続可能な道路・街に求められるかもしれない。
ただ、それで「緑豊かな街」などとは言えなくなるだろう。今の秋田市だって、街なかの緑は多いとは言い難い。

そんな記事を読んだ後の接種帰りの車窓(写真は後日再訪時)。切られたモミジバフウなどなく、これまで通りの紅葉。新聞には写真も出ていたのに…と南へ進むと、
これか
「谷内佐渡(やないさど)」バス停のところ。県道28号と交わる「秋田大学付属病院」交差点から、すぐ南の元県道と交わる「大学病院入口」交差点の間の木(7本?)だけが、バッサリだった。1本に葉が10枚くらいしか付いていない状態にされていた。

残りの北側
最近の記事にちなんで地名。上の写真、大学病院に向かって左・西側は広面字蓮沼。右・東側は基本的には広面字糠塚(柳田字糠塚ではない)だが、写真手前の交差点付近では東側も蓮沼。角のローソンが秋田広面蓮沼店なのは間違っていない。

さて、セントラルフィットネスクラブの前のモミジバフウ。
足元も紅葉?
ひざ丈ほどにこんもりと紅葉した植物が茂っていた。それもモミジバフウ。

切り株から生えたひこばえかとも思ったが、現役の木の根本にも茂っている。種が芽生えたにしてはここだけこんなにならないだろうし。

ここの木々は、紅葉時期がずれるし、実がなる木とならない木があるようで、遺伝的に同一ではないようだ。となると、この木だけ、根からブッシュ状に新芽が出やすい性質なんだろうか。
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アジサイさまざま

2021-07-15 23:00:38 | 動物・植物
大雨の危機はとりあえず落ち着いたようで、暑くなった。秋田市は、晴れて連日真夏日。平年には10日以上早いが、梅雨明けしてもおかしくない【16日追記・16日に梅雨明けした。平年より12日早く、史上7番目の早さ。四国、近畿、東海はまだ明けておらず、東北北部が先行するのは24年ぶり(1997年)だそう。】。アブラゼミも鳴き出した。
そんな気候なので、もう終わりつつあるが、秋田市内で見つけたアジサイのある風景。

アジサイは、在来のガクアジサイと、それが改良されたセイヨウアジサイに大別される。昔は、庭植えされるのは赤か青の花、せいぜい葉が斑入り程度だったと思う。
後に、鉢植えで「ヒドランジア/ハイドランジア」などとして、さらに品種改良されたのが出回り、最近はそれが地植えもされるようになったようだ。色の入りかたや八重咲きなどさまざまなアジサイがあるのに気付かされる。

昔ながらのセイヨウアジサイ
こんもりと大玉のアジサイが道端に咲いていた。紫系の花。
アジサイは、土壌のpHで花色が変わると言うけれど、それ以前にそれぞれの株(品種)の固有の色あいがあるので、リトマス試験紙のように、単純に赤と青を行き来するわけでもない(しかもリトマス紙と逆で、酸性土壌で青寄り、アルカリ性土壌で赤寄りになるらしい)。

この場所は、
仲小路のアトリオン駐車場前
アジサイは、花がなくても葉や樹形でそれと分かるが、花がないと存在感が薄くて見落としてしまう。
この辺の半年前は…
再掲)雪の中


何でも植わっていそうな泉のハミングロード。もちろんアジサイがある。
ガクアジサイ
保戸野千代田町から泉へ渡って、泉小学校の手前の区間に多い。品種も複数あるが、20年以上前に植えられたはずで、そう珍しいものはなさそう。葉っぱがキザギザ気味のなどはあった。
ここで取り上げるのは、額が青いガクアジサイなのだけど、
ピンクの花(額も中も)が混在
花の咲き始めと終わりの違いではない。長期間観察してみたが、常に色が違っていたので。
違う株と一体化している可能性もなくはないが、1株の中で部分的に花色が違うのか。枝変わり/芽条変異?
全景
中央付近が全体に赤みがかっているようにも見える。うち2輪が明確にピンク色。
1輪だけまだつぼみのもある


旭川沿いの歩行者が通れる河川管理用通路。その手形側にも、アジサイがまとまって続いていた。
第一新中島踏切

青系セイヨウアジサイが多い
その中に、初めて見たアジサイが。
花は普通

こんなアジサイ見たことない
どこが違うかって、茎(枝)の色。
普通は葉と同じ緑なのに、これは黒い!
【17日追記・第一印象としては、違和感があってぎょっとしてしまった。】

園芸品種に「黒軸アジサイ」とされるグループがあるそうだ。花色は、ほかにもさまざま作られていた。
木質化した木の色ではなく、黒というか濃い紫色。
花は、アントシアニン系色素の中でもデルフィニジンという色素だと思われるが、デルフィニジンではこんな濃い色にはならなそう。茎ではまた違うアントシアニン類が出ているのか。花や葉の色は影響されずに、ごく普通のアジサイというのがおもしろい。


男鹿市のお寺など、同じ色の株ばかりを植えて埋めつくすのもきれいだけど、ひとつひとつの花を見比べるのもいい。それも梅雨時限定の楽しみで、まもなくほかの草木の緑にまぎれてしまう。
アジサイの風景は続く
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初夏のマメ科の花

2021-05-27 23:45:16 | 動物・植物
5月中旬に、秋田市泉地区で見かけた、マメ科植物の花々をまとめて。
マメ科には、この初夏の時期に花を咲かせるものが少なくないが、姿や花の形はさまざま。中には有毒なものもあるので、食べないでください。

マックスバリュ泉店の、道路沿いの植え込み。
本来は何かが植えられていたのか、それとも何もなかったのか。今はいろいろ生えてしまっている。2014年のオープン時からそのままなんだろうか(少なくとも2020年は同じ状況だった)。



この時は、表面を覆うように柔らかい葉が生い茂り、その中に青紫の花がたくさん咲いていた。“雑草”にしては大きくきれいな花。葉の形、花の形は典型的なマメ科植物のもの。

「ハマエンドウ」。
エンドウマメに似た姿で、海辺に咲くから「浜豌豆」なのだけど、エンドウ属でなくレンリソウ属。
秋田市内でも海岸には生えているそうだけど、実物を見たのはここが初めて。ハマヒルガオは、秋田市内では市街地や海から遠いエリアでも、よく見かけるのだけど。植え込みの砂に、根や種子が混ざって増えたのだろうか。
海から遠いハマエンドウ
本家エンドウは、ピンク色か白い花で、形はきれいだけどさほど大きくはない。ハマエンドウのほうが花としては美しい。スイートピーを小さくしたようでもある。スイートピーはレンリソウ属。ハマエンドウに鼻を近づけると、かすかにスイートピーと同じ香りがした。
この後、豆ができるはず。
【29日追記】もう1か所でハマエンドウを発見。秋田駅東口Weロード下の、留置線と道路の間のサツキの植えこみで、泉より遅れて咲いていた。


同じ植え込みでは、ハマエンドウに混ざって、似たようだけど背の高い茎が飛び出て、小さいピンク色の花が咲いていた。同じく葉も花も典型的マメ科。
これは、秋田市内あちこちで見かける。川沿いや空き地などで。
エンドウを小さくしたような花
おそらく「ヤハズエンドウ」、別名「カラスノエンドウ」。カラス~で覚えていたが、標準和名はヤハズ~だそう。
これもエンドウ属でなく、なんとソラマメ属。
やがて小さくて黒いさやの豆ができて、それをカラスに見立てて「烏野豌豆」。「烏/野豌豆」であって「烏の豌豆」ではないようだ。
これより小さいことからスズメを連想した、「スズメノエンドウ」という白っぽい花の植物もあるが、それは見たことがない。


場所変わって、泉菅野のグランマート隣、泉ハイタウン団地前バス停の、幅がとても広い中央分離帯のような草むら。この奥でアンダーパスが建設中で、いずれ道路となるのだろう。
左が秋田菅野郵便局、奥が工事現場
草むらの一角では、若草に混じって花が2種。写真右手前、白いのは、どこからやって来たのか、家庭の庭で見かける「スズラン水仙」こと「スノーフレーク」(スノードロップは似ているが別種)。左側では黄色い花がぽつぽつ。

これもマメ科典型の葉と花。大きめで黄色い花。
これは見覚えが…2019年6月にアップした「ミヤコグサ」か?
時期的に早いが、2019年6月はすでに豆もできていたから、それが2回目以降の開花で、今が初回開花なのか?
(再掲)2019年のミヤコグサ

今回の泉菅野
比較すると、似ているが違う。
2019年のは地面をはうように広がっていたが、今回は立ち上がった感じ。
1本の花茎に付く花は、前回は2個程度、今回は5個以上付いている。それに今回のは葉や茎に毛が生えて、白っぽく見える。
こうした特徴は、外来種「セイヨウミヤコグサ」が該当する(毛は在来種でもある場合もあるそうだが、2019年に見たのはツルツルだった)。


最後は、先日のツツジの記事でも出た、秋操近隣公園。その築山のふもと。
(再掲)下に黄色い塊が
花で真っ黄色になった低木が2株あった。

ミヤコグサの花とそっくり。花色が若干オレンジ色寄り【28日補足・写真は実際よりさらにオレンジ色っぽく写ってしまいました】。葉は細長く見える。出たばかりでまだ小さいこともあるようだが、それでも、マメ科おなじみの3枚1セットの複葉。
咲きすぎじゃないかってほどびっしり
初めて見た木。「エニシダ」の仲間(エニシダ属のどれか)のようだ。
エニシダという植物名は知っていたが、こういうのか。シダ植物などとは関係なく、由来は定かではないが、外国語名が転じたものらしい。
地中海方面原産のようで、常緑種もあるそうだ(ここのはおそらく落葉樹)。魔女の乗るほうきは、エニシダの枝でできているとのこと。季語としては夏。


もう5月末。これら4種の花は、今は終わってしまったと思う。
桜が早く暖かかった4月初めの先入観か、今の時期にしてはやや寒い感じがしなくもないが、初夏から梅雨へ季節が移る。
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水仙の帯化?

2021-04-17 19:47:27 | 動物・植物
春を告げる花の1つがスイセン(水仙)。
秋田市ではソメイヨシノの直前~散った後辺りまで【5月3日訂正・散った後、遅咲き桜の頃まで】咲き、身近で目立つ草本植物の中では、いちばん早い開花だろう。
「ニホンズイセン」という種もあるが、それも含めて、すべて外来種。なお、スイセンは有毒で、ニラと間違えて中毒もよく起こるので、注意。
外花被と内花被で色が違うタイプ。外花被は萼(がく)が花弁に変わったもの
スイセンに関して、昨年アップしそびれていた記事。知識がない分野で、ネットのみが情報源なので、間違っているかもしれません。以下、特記なき写真は昨2020年撮影。
2021年。楢山の旭川岸
スイセンは、民家の庭先のほか、空き地や川辺でもよく見られる。太平川や草生津川では、桜の下で彩りを添えてくれる。旭川では舗装の穴から生えたど根性スイセンがあったが、今年も芽は出てるのは確認。

数年前、変わったスイセンの花の存在に気がついた。その後、秋田市内のあちこちで、同じ花がそこそこ咲いているのを知った。
2021年。千秋地区線路際
スイセン独特ラッパ状の内花被が細かくなっていて、菊のようにも見える。
別の場所
最初は、花弁(花びら)の枚数が多く重なった、「八重咲き」かと思った。でも、花弁が細かくごちゃごちゃっとしていて、違うような。
また別の場所
他の園芸植物同様、品種改良がされて、こういう咲き方のスイセンが出てきたのかと思った。
でも、何年も放ったらかしであろう川岸や空き地でも、この花を見かける。しかも、植えた覚えがない、我が家のスイセンの中にも1株出現。さらに、
普通の花のスイセンの中に1本だけ?

調べると、これは八重咲きではなく、「帯化(たいか)」とか「綴化(てっか)」「石化(せっか、いしか)」と呼ばれる、奇形らしい。通常は「点」である生長点(成長点)が、「線」状になってしまったもの、という説明もされていた。
突然変異、遺伝、細菌感染などが原因で、サボテンやタンポポ、ヒマワリなどキク科などでよく見られるとのこと。花だけでなく茎などでも起きる。「おかしな形の花が咲いた」とか報道される中には、帯化によるものもある。
ケイトウの花(羽毛ではなく、トサカや久留米のことでしょう)も帯化したのが固定されて、広まって一般化したもの。

帯化は奇形と知ってしまうと、偏見で失礼ではあるが、無秩序で気持ち悪く見えてしまわなくもない。
帯化は、主に「植物発生学」の分野になるそう。大学では分子生物学・植物生理学は受けて、ABCモデルによる八重咲きのメカニズムは興味深く聴いたけど、発生学はなかったので…


それにしても、昔はこんな帯化スイセンはなかった気がする。
気づかなかっただけなのかもしれないが、そうでなければ、ここ何年かで、帯化を発生させる因子(感染? 昆虫? 気候?)が秋田市内で広まったなんてことはないかな???

泉のハミングロードにも、帯化らしきスイセンがあった。
周りのだらーんとしている花
帯化すると花弁が増えて重くなってしまうようで、【18日補足・ここでは雨で濡れたこともあって】垂れ下がってしまう。

こんなスイセンも。
 2つは近くだけど別の株
外花被と同じ黄色い花弁が層になり、その間に小さく細かいオレンジ色の花弁がはさまって咲く。
これは秩序がある並び。おしべ・めしべがなさそうなので、これはほんとうの八重咲きなんだろうか? ハミングロードは地域の人たちが手入れしていて、購入したちゃんとした品種の株を植えている可能性はある。
【17日追記】八重咲き品種「タヒチ」というのがあり、それがこれ↑にそっくり。買ったものみたいだ。

上と似ているけど、また違う
これは黄色い花弁が細かくごちゃごちゃしていて、ただの八重咲きではない。帯化なんだろうか。きれいといえばきれいなような。
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土崎の秋楡

2020-12-16 20:19:43 | 動物・植物
植物の話ですが、最初の舞台は前回に続きイオン土崎港店。
前回の通り、店の建物は道路から奥まった位置にある。正面の新国道側だけでなく、もう1つの出入口である南東の市道側(幕洗川街区公園の南隣、店では南入口という扱い?)も同じ。公道から敷地内の駐車場や店入口までは、歩道付きの通路がある。その歩道部分には、街路樹のように木が植えられている。
今年の秋まで、それはケヤキの木だと思っていた。
(再掲)雪が積もった新国道側入口
上の写真で、AEONの看板の左側2本はケヤキ。すっかり落葉している。
しかし、右側の通路の並木は、枯れた葉がまだ枝に付いている木が多い。
11月中旬。南口
南入口は、スロープをはさんで幕洗川街区公園のケヤキも見える。この時点のこちら側でも、ケヤキが紅葉しているのに、通路の木はまだ緑の葉。
条件によってはケヤキでもそうなる場合はあるが、そのほかにもケヤキとは異なる点があるのに気付いた。

さかのぼって10月中旬。
葉の間に果実?!
まず葉がケヤキと違う。形は似ているが、やや小さく光沢がある。
そしてケヤキでは春に付くのとよく似た、緑色で丸くて平らな果実が、秋になっている。並木の中で、果実はなる木とならない木があった(雌雄異株というわけでもないようだ)。
また、樹皮はケヤキよりもごわごわした感じ。
11月中旬

ケヤキはニレ科、ニレ科で秋に果実ができる木はとても少ないはず。考えられるのは、その名も「アキニレ」。
ニレについては、秋田市立保戸野小学校のシンボルツリーである“ニレの木”を取り上げた。保戸野小のニレは、春に果実ができ、葉は小さめ。日本には自生しない「ノニレ」または「マンシュウニレ」という種(しゅ)らしい。札幌の北海道大学植物園にもあったので、寒さには強そう。
その後、土崎の国道7号近くのガス灯通りの街路樹が「ハルニレ」であることを知った。ハルニレとノニレはよく似ているが、ハルニレのほうが葉が大きく、秋田辺りにも自生するようだ。北海道で親しまれる「エルム」のことだし、弘前公園にも大木がある。
それらを調べた時に、アキニレという種の存在を知ったが、日本では西日本に自生するとのことで、ということは寒さや雪に弱いのだろうから、秋田で植えても育たないと決めつけてしまっていた。
開店41年のイオン土崎港店で、これだけ育っているのだから、間違いだった。

福島県を除く東北5県を管轄する、林野庁東北森林管理局(秋田市)森林整備部技術普及課のホームページ「管内の樹木一覧」には、アキニレは管内で山形県東部(の天童市と東根市の水晶山)には自生するらしいことが掲載されていた。それが事実なら秋田市でも無理ではなかろう。
ネットを見ると、秋田県立大学のキャンパス(天王か大潟かどちらか)内にもアキニレが植えられていて、今年はきれいに黄葉したそうだ。
11月下旬。紅葉のような枯れ葉のような(右側では新駐車場造成中)
上記の通り樹皮が特徴的。ハルニレとノニレはゴツゴツと縦方向に筋が入っているし、ケヤキはもっとつるんとしている。アキニレはどちらとも違う。

41年前のジャスコは、どうしてアキニレを選んで植えたのか。ケヤキやハルニレほどの大木にはならないそうなので、後々面倒にならないためかも。
見慣れて知ったつもりでいた木でも、何も知らなかったのだと、土崎の街を眺めていると、さらに別の場所でも…
この街路樹
11月上旬なのに、紅葉していないケヤキ系統の樹形の街路樹の道があった。これもアキニレだと思う。
 
果実を付けた木もあるが、やはり付けない木も。でもイオンよりこっちのほうがたくさん果実が付いていたかも。
たわわに実る

樹皮。松に似ているかな

場所は、五叉路から北税務署・跨線橋の交差点までの間の市道。
左は土崎小学校方向
区間の中間で並木が途切れていて、五差路側の一群と跨線橋側の一群で落葉時期がずれていた。

秋田市内でニレがある場所は、これで4か所知った。保戸野のほかは、3つが土崎。土崎とニレに何かゆかりがあるのか、偶然なのか。
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