乗降口に段差のない路線バス車両「ノンステップバス」のお話。
秋田中央交通でも、遅ればせながら導入が進んでいることを今まで何度か紹介してきた。
※以下の内容は、個人的な観察に基づくものです。間違いやその後の変更等がある可能性があります。
新車では、2010年に2台(ナンバーか818、819)、昨2011年末に1台(904)の計3台を購入。
おそらく自治体の補助金を受けている関係で、天王グリーンランド発着を中心とする新国道経由の路線をメインに走っている。所属は当初秋田営業所で、担当営業所の変更に合わせて臨海営業所へ転属。
そして2010年末には、小田急バスの中古のノンステップバスが転入してきた。
その後、2011年から今年春にかけても、同じタイプのバスが秋田市内の各営業所に続々と投入されて路線を問わず走っていて、見かける機会がかなり増えてきた。
中古のノンステップバスが多数導入されるのは、全国的に見ても珍しいことのようだ。以下はこのことについて。
いずれも中型バス「いすゞエルガミオ(型式はKK-LR233J1とのこと)」で、おそらくすべてが小田急バス(または子会社の小田急シティバス)で使われていたと思われるのだが、若干の差異も見られる。
確認できた車両を以下に列挙してみる。(繰り返しますが間違いもあると思います)
2010年11月頃確認
・865 臨海営業所
・866 臨海営業所
車内の運賃表示器(譲受後に中央交通で設置したと思われる)は、866以前では「小田原機器」製の液晶ディスプレイ式(枠が黒い)だったはずだが、870以降の車両では「レシップ」製の液晶ディスプレイ式(枠がグレー)が設置されているはず。
【6月30日追記】866にはレシップ製が設置されていた。865だけが小田原製?
昔からの8セグメント【2014年1月12日訂正】7セグメント(デジタル数字)のLED式や小田原機器の液晶式では「現在表示されている運賃が適用されるバス停名(交通公社前まで等)」が表示されていたが、レシップの液晶式では「次のバス停名」が表示され、この先のバス停の順番も表示されたりする。
全国的には普通だが、秋田では少数派なので、戸惑う。
【14日追記】LED式が設置されていた車両の一部において、レシップ製液晶式への交換が進んでいる模様。
2011年3月頃確認
・870 秋田営業所
・871 秋田営業所 ←運賃箱になぜか「料金箱」と表示
870
他は青い文字で「運賃箱」なのに、871は赤で「料金箱」(箱自体の機種は同じようだ)
以上の車両は、中ドア(秋田では入口として使用)が「グライドスライドドア」という、左右に分かれて独特の動きで開閉するタイプ。座席は布地がエメラルドグリーンで、背もたれのクッションが薄いらしくすぐ下に板が入っているかのように硬い。
ここまでが、1999年に小田急に導入された車両らしい。
(再掲)「865」のグライドスライドドア
以降の車両は、2000年以降に導入されたもので、通常の引き戸で、クッションが少し厚くなった模様。
2011年後半頃(11月末に初確認)
・896 秋田営業所
896からは中ドアが引き戸
2012年5月上旬確認
・915 臨海営業所
・917 秋田営業所(冒頭の写真)
・924 秋田営業所 ←座席の布地が異なる(青っぽい地色に柄入り?)
924
2012年6月1日確認
・930秋田営業所【2014年3月13日訂正】臨海営業所
930
以上、確認できただけで9台が導入されたことになる。(「916」が飛んでいるのが気になる…)
旧秋田市営バスの移管で必要車両数が増大していた時期を除けば、中古といえどもこれだけまとまって車両が導入されるのは初めてだと思われる。
国土交通省が各部の寸法や車内配色などを定めた「標準仕様」ノンステップバスではない(2004年開始の制度なので)とはいえ、ノンステップはバリアフリーに貢献するだろう(足腰の悪い人には、ちょっとした段1つでもとてもつらいもの)し、より古い車両に比べれば環境負荷も軽減されるだろうから、よしとしよう。(全部同じ型であまりおもしろくはないけれど…)
【14日追記】「933」も確認。秋田営業所所属でエメラルドグリーンの座席。これで計10台を確認。
930と933があるので、間の931・932が気になる…
【26日追記】「932」も確認。同じくエルガミオノンステップで、所属営業所等は不明。これで計11台を確認。【27日追記】932は秋田営業所所属。【2014年3月22日追記】932は、車椅子スペースの折りたたみ1人掛け席のみ、水色系に柄が入った布地。後方の2人掛けはエメラルドグリーンで薄っぺらな背もたれ。(本記事中、「柄入り」と表記している他の車両は、後方の席のこと)
【7月20日追記】「939」も確認。秋田営業所? エルガミオノンステップで、エメラルドグリーンの座席。これで計12台。
【11月19日追記】「953」も確認。エルガミオノンステップで秋田営業所所属。座席は青系柄入り。これで計13台。
【2013年2月6日追記】「958」も確認。エルガミオノンステップで、久々に臨海営業所に導入。座席は青系柄入り。これで計14台。
【2013年5月2日追記】以後の導入状況はこちらの記事をご覧ください。
左が中古の896、右が新車の819。外見上の明確な違いはない(側面ガラスの着色の有無程度か【12日追記】後部ナンバープレートの照明の位置が違う)
ところで、国土交通省東北運輸局のサイトに、同局交通環境部消費者行政・情報課が今年3月にまとめた「東北地方におけるノンステップバス導入促進について報告書」が掲載されている(http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/kk/nonstepbus/nonstepbus-index.htm)。
ざっとしか見ていないが、ノンステップバス導入が遅れている東北地方における事情の一端を垣間見られる。
報告書では、管内のバス会社に聞き取った結果も出ている。バス会社がある県名だけで、具体的な企業名は載っていないが、「秋田県事業者」とあるのは、内容からして中央交通だろう。
「秋田県事業者」さんが言っていることをいくつか抜粋すると、
41ページ「・ 平成22 年2 月に新車中型ノンステップバスを2 台導入。(初導入)・ 22 年度中に4 台の中古ノンステップバスを導入し、今後毎年2 台ずつ導入する予定。」
22年2月というのが、818、819で、4台の中古が865、866、870、871だろう。
だが、その後は上記の通り「毎年2台ずつ」を上回るペースで導入されている。
44ページ「関東の大手事業者との付き合いから、比較的新しい車両を安く購入できるルートがある。」
つまり「小田急と仲良し」っていうことね。
やはり、他社から中古を買うよりも「安く購入できる」のか!
43ページ「中古車の調達に当たって、仲介が入ると価格が跳ね上がるので、仲介手数料も公正透明性のある適正な中古市場が確立されることを望む。」
とも言っている。
報告書の本文では、総じてノンステップの中古車市場が未成熟なので入手は難しく、今後に期待するとしているが、その点中央交通は小田急と仲良くしてうまく入手していると言えそうだ。
45ページ「自社の幹部が県や市のバリアフリー委員に就任している関係からも、ノンステップバスの普及には積極的である。」
ふーん。
たしかに「秋田市バリアフリー協議会」や「秋田県バリアフリー社会形成審議会」の委員に名を連ねている。(ただし県のほうは名簿上では秋田県バス協会としての立場)
「利用者からは「こんな便利なバスは見たことがない」という声も出ている。」
そりゃそうだ。今まで秋田になかったんだから。でも、他の土地ではとっくにこれが普通のバスになっているところも多いのですが。
【12日画像追加】秋田高校脇の手形山の急坂・急カーブを登る896。3月末なので日陰斜面には残雪が
中古ノンステップバスは、秋田の街に溶け込みつつある。
上記、中型バスからは話が逸れて小型バスのことだけど、もう1つ「秋田県事業者」さんの言い分。
「秋田県では県の単独補助として、小型低床車購入補助制度がある。しかし、日野のポンチョしか現在販売されておらず、価格も1700 万円と高額である。また、ホイール幅が中型バスと変わらないことから小型バスに期待される狭い道での運行、カーブなどの曲がりやすさ等の機能面で今一つ優位性が見つからない。」
なるほど。
日野の小型路線用バス「リエッセ」がなくなり「ポンチョ」だけになっていて、それが高いとは聞いていた。
だから、(秋田以外でも)導入する事業者が少ないのだと思っていたが、運転機能・操作面での事情もあったのか。
バスメーカーもこういう地方事業者の声を聞いて、商品開発すればいいのに。
あるいは弘南バスみたいにもっと小さいバス(三菱ローザ)を導入するのはダメなんだろうか。(低床車の条件を満たさないのかな)
※その後、大型バス「三菱エアロスター」の中古ノンステップも導入された
※さらにいすゞの大型バス「エルガ」も導入
秋田中央交通でも、遅ればせながら導入が進んでいることを今まで何度か紹介してきた。
※以下の内容は、個人的な観察に基づくものです。間違いやその後の変更等がある可能性があります。
新車では、2010年に2台(ナンバーか818、819)、昨2011年末に1台(904)の計3台を購入。
おそらく自治体の補助金を受けている関係で、天王グリーンランド発着を中心とする新国道経由の路線をメインに走っている。所属は当初秋田営業所で、担当営業所の変更に合わせて臨海営業所へ転属。
そして2010年末には、小田急バスの中古のノンステップバスが転入してきた。
その後、2011年から今年春にかけても、同じタイプのバスが秋田市内の各営業所に続々と投入されて路線を問わず走っていて、見かける機会がかなり増えてきた。
中古のノンステップバスが多数導入されるのは、全国的に見ても珍しいことのようだ。以下はこのことについて。
いずれも中型バス「いすゞエルガミオ(型式はKK-LR233J1とのこと)」で、おそらくすべてが小田急バス(または子会社の小田急シティバス)で使われていたと思われるのだが、若干の差異も見られる。
確認できた車両を以下に列挙してみる。(繰り返しますが間違いもあると思います)
2010年11月頃確認
・865 臨海営業所
・866 臨海営業所
車内の運賃表示器(譲受後に中央交通で設置したと思われる)は、
【6月30日追記】866にはレシップ製が設置されていた。865だけが小田原製?
昔からの
全国的には普通だが、秋田では少数派なので、戸惑う。
【14日追記】LED式が設置されていた車両の一部において、レシップ製液晶式への交換が進んでいる模様。
2011年3月頃確認
・870 秋田営業所
・871 秋田営業所 ←運賃箱になぜか「料金箱」と表示
870
他は青い文字で「運賃箱」なのに、871は赤で「料金箱」(箱自体の機種は同じようだ)
以上の車両は、中ドア(秋田では入口として使用)が「グライドスライドドア」という、左右に分かれて独特の動きで開閉するタイプ。座席は布地がエメラルドグリーンで、背もたれのクッションが薄いらしくすぐ下に板が入っているかのように硬い。
ここまでが、1999年に小田急に導入された車両らしい。
(再掲)「865」のグライドスライドドア
以降の車両は、2000年以降に導入されたもので、通常の引き戸で、クッションが少し厚くなった模様。
2011年後半頃(11月末に初確認)
・896 秋田営業所
896からは中ドアが引き戸
2012年5月上旬確認
・915 臨海営業所
・917 秋田営業所(冒頭の写真)
・924 秋田営業所 ←座席の布地が異なる(青っぽい地色に柄入り?)
924
2012年6月1日確認
・930
930
以上、確認できただけで9台が導入されたことになる。(「916」が飛んでいるのが気になる…)
旧秋田市営バスの移管で必要車両数が増大していた時期を除けば、中古といえどもこれだけまとまって車両が導入されるのは初めてだと思われる。
国土交通省が各部の寸法や車内配色などを定めた「標準仕様」ノンステップバスではない(2004年開始の制度なので)とはいえ、ノンステップはバリアフリーに貢献するだろう(足腰の悪い人には、ちょっとした段1つでもとてもつらいもの)し、より古い車両に比べれば環境負荷も軽減されるだろうから、よしとしよう。(全部同じ型であまりおもしろくはないけれど…)
【14日追記】「933」も確認。秋田営業所所属でエメラルドグリーンの座席。これで計10台を確認。
930と933があるので、間の931・932が気になる…
【26日追記】「932」も確認。同じくエルガミオノンステップで、
【7月20日追記】「939」も確認。秋田営業所? エルガミオノンステップで、エメラルドグリーンの座席。これで計12台。
【11月19日追記】「953」も確認。エルガミオノンステップで秋田営業所所属。座席は青系柄入り。これで計13台。
【2013年2月6日追記】「958」も確認。エルガミオノンステップで、久々に臨海営業所に導入。座席は青系柄入り。これで計14台。
【2013年5月2日追記】以後の導入状況はこちらの記事をご覧ください。
左が中古の896、右が新車の819。外見上の明確な違いはない(側面ガラスの着色の有無程度か【12日追記】後部ナンバープレートの照明の位置が違う)
ところで、国土交通省東北運輸局のサイトに、同局交通環境部消費者行政・情報課が今年3月にまとめた「東北地方におけるノンステップバス導入促進について報告書」が掲載されている(http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/kk/nonstepbus/nonstepbus-index.htm)。
ざっとしか見ていないが、ノンステップバス導入が遅れている東北地方における事情の一端を垣間見られる。
報告書では、管内のバス会社に聞き取った結果も出ている。バス会社がある県名だけで、具体的な企業名は載っていないが、「秋田県事業者」とあるのは、内容からして中央交通だろう。
「秋田県事業者」さんが言っていることをいくつか抜粋すると、
41ページ「・ 平成22 年2 月に新車中型ノンステップバスを2 台導入。(初導入)・ 22 年度中に4 台の中古ノンステップバスを導入し、今後毎年2 台ずつ導入する予定。」
22年2月というのが、818、819で、4台の中古が865、866、870、871だろう。
だが、その後は上記の通り「毎年2台ずつ」を上回るペースで導入されている。
44ページ「関東の大手事業者との付き合いから、比較的新しい車両を安く購入できるルートがある。」
つまり「小田急と仲良し」っていうことね。
やはり、他社から中古を買うよりも「安く購入できる」のか!
43ページ「中古車の調達に当たって、仲介が入ると価格が跳ね上がるので、仲介手数料も公正透明性のある適正な中古市場が確立されることを望む。」
とも言っている。
報告書の本文では、総じてノンステップの中古車市場が未成熟なので入手は難しく、今後に期待するとしているが、その点中央交通は小田急と仲良くしてうまく入手していると言えそうだ。
45ページ「自社の幹部が県や市のバリアフリー委員に就任している関係からも、ノンステップバスの普及には積極的である。」
ふーん。
たしかに「秋田市バリアフリー協議会」や「秋田県バリアフリー社会形成審議会」の委員に名を連ねている。(ただし県のほうは名簿上では秋田県バス協会としての立場)
「利用者からは「こんな便利なバスは見たことがない」という声も出ている。」
そりゃそうだ。今まで秋田になかったんだから。でも、他の土地ではとっくにこれが普通のバスになっているところも多いのですが。
【12日画像追加】秋田高校脇の手形山の急坂・急カーブを登る896。3月末なので日陰斜面には残雪が
中古ノンステップバスは、秋田の街に溶け込みつつある。
上記、中型バスからは話が逸れて小型バスのことだけど、もう1つ「秋田県事業者」さんの言い分。
「秋田県では県の単独補助として、小型低床車購入補助制度がある。しかし、日野のポンチョしか現在販売されておらず、価格も1700 万円と高額である。また、ホイール幅が中型バスと変わらないことから小型バスに期待される狭い道での運行、カーブなどの曲がりやすさ等の機能面で今一つ優位性が見つからない。」
なるほど。
日野の小型路線用バス「リエッセ」がなくなり「ポンチョ」だけになっていて、それが高いとは聞いていた。
だから、(秋田以外でも)導入する事業者が少ないのだと思っていたが、運転機能・操作面での事情もあったのか。
バスメーカーもこういう地方事業者の声を聞いて、商品開発すればいいのに。
あるいは弘南バスみたいにもっと小さいバス(三菱ローザ)を導入するのはダメなんだろうか。(低床車の条件を満たさないのかな)
※その後、大型バス「三菱エアロスター」の中古ノンステップも導入された
※さらにいすゞの大型バス「エルガ」も導入
市営時代は親子のイラストに「低床」と描いてありましたが、もし続いていたら史実より早く低床やワンステ赤バスが見られたかもしれませんね。
(赤バスエルガ自体見られなかったり)
当時、中央交通はいすゞと日野としか取引がありませんでした。三菱と日産ディーゼルはいらないよということで早期に廃車されていたわけです。(市営バスからの車両はほとんどが無償譲渡だったんですよ)
また、当時は小田急以外の県外中古も多かったです。
後に三菱・日産Dと取引が始まり、小田急といっそう仲良くなって、現在に至るわけです。
今の新型のバスが市営バスの塗装だったら…と想像してしまいますね。
今、市営バスがあったら、ノンステップだけでなく、ハイブリッドや天然ガス駆動のバスも入っていたかもしれません。
低床ってのはお年寄りにとっても優しいとは思うんですけど
エルガミオはどうも他の中型路線バスより小さく感じます。
座席も前の方のはうんしょとよじ登らないといけなく感じたり、
座席の間隔が狭いように感じたりと。。。
そういえばバスといえば入り口が車体後方にあるバスや
リエッセや7mエルガミオに乗ってみたいですXD
中央交通は座席の配置が狭い仕様で購入しているみたいですね。市営バス(エルガミオ以前の車種ですが)より1列多い配置なので、狭いのはたしかでしょう。
短いエルガミオは新屋ローカル(豊浜ふれあい号)や男鹿へ行ってしまったようで、秋田市の一般路線では見かけなくなりました。
リエッセは、個人的には加減速が急なようで、あまり好きじゃありません。中央交通にはオートマ仕様もあって、余計に。(誰が運転しても、弘南バスでもそう感じたので、運転技術の差ではないようです)
実は、エルガミオじゃない中古バスも導入されているはずなのですが、なかなかその姿を見かけません。
見かけたらアップしたいのですが…