広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

自由通路のフォトスポット?

2023-04-30 23:18:56 | 秋田のいろいろ
秋田駅東西自由通路の、中央改札口の少し東寄り。
東側から西方向を撮影。奥右が改札口
その床面に、円形の表示ができていた。
「フォトポイント」
「ここからカメラを構えていただくと1枚の写真が見えてきます。ご自由に撮影ください。」
「フォト『ポイント』」という言い回しは聞き慣れないが、ここが写真を撮るべき場所ということのようなので、一般によく使われる「フォトスポット」と同義か。

で、何が撮れるのか?
この辺りからは(天候によって)鳥海山が見えるし、天井のステンドグラスがきれいだけど…
東方向
ところで、床の表示には「1枚の写真が見えてきます」とある。普通、フォトスポットなら見えてくるのは「1枚の写真」ではなく「風景」では?
そして、TDKロゴと、その関連会社で由利本荘市に本社がある「TDKエレクトロニクスファクトリーズ株式会社(旧・TDK秋田)」の名も記される。
このことを念頭に置いて、東方向・南を見ると、
左の「手」「足」「唇」のHAE(遺伝性血管性浮腫)啓発広告も気になるけれど、それではない

窓の間の柱に写真が現れた!
っていうか、TDKの広告じゃん。あと、これは「1枚の写真」ではなく、「3枚の写真」なのでは(ということは、実はこれが正解じゃないのか?!)。

以前から、ここの柱のうち東寄り10本に、竿燈まつりの写真や広告が掲出されていた。基本は竿燈で、期間を区切って、広告が出される感じか。
TDKの広告は、おそらく4月初めに掲出された。
これまでは、どの柱も同じ(または色違い)デザインの繰り返しだったのが、柱の配置を活かして、全体で1つのデザイン(正確には5本で1セット)に見えるようにして、かつ、それを探してもらおうと、フォトポイント表示も設けたのだろう。

だけど、申し訳ないですが、せっかく探しても、見つけたのがこの広告では、ふーんという程度。もうちょっとインパクトやヒネりのある写真や絵が現れるようにしたら、探し甲斐があると思う。
それに、構造上仕方ないのかもしれないが、あんまりきれいにつながって見えない。見る位置を変えたら、違う見えかたになるかもしれないし、この位置では標準レンズで撮影するには少々遠い。
だから、フォトポイントをもっと広告の近く(東寄り)にしたほうがいいような気もするが、それだと改札口から遠くて、広告効果が薄れるのかも。

今後に期待。

【5月4日画像追加・追記】
広告近くから撮影
フォトポイント表示の場所でなくても、距離や角度によってはだいたい同じように撮影できそう。
また、反対面、東向きの広告もTDKで、これまでの他社広告と同タイプの、柱1本ずつに同じ広告が繰り返されるデザイン。
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Suica準備着々

2023-04-29 23:35:38 | 秋田のいろいろ
5月27日の秋田市周辺のSuica導入に向けた準備の続き。4月始めの前回の記事は、秋田駅などの自動改札機の交換と、無人駅の上屋設置など。
その後、4月中頃になって、新たな動き。
奥羽本線・泉外旭川駅出入口ホーム側
昨年末に、運賃箱(緑色のきっぷ回収箱)が移設され、配線用配管が敷設されていた。それによって生じたスペースに、縦長の物体が2つ並んで設置された。
今はまだ、JR東日本メカトロニクス株式会社を意味する「JREM」ロゴ入りのカバーがかかっているが、これこそ、「簡易Suica改札機」、要はカードリーダー。
無人駅など自動改札機がない駅では、乗車時・降車時とも、これにSuicaをタッチする。

位置と向きからすれば、左側が出場用(上の写真正面側がタッチ部)、右側が入場用(写真右面がタッチ部)。
2台は同一の装置かと思いきや、入場用のほうが少し背が高い。何かが出っ張っている感じ。クラウド化されるそうだから、アンテナとか???


前回、ホーム下の通路に、上屋が新設されていた、奥羽本線・上飯島駅上りホーム。
※上飯島駅については、2019年の記事など参照。
2台同じ向きに並んで設置
右側が入場用と思われ、やはり上に出っ張っている。
2台は上屋中央にくっつけて設置されたため、左右にスペースが余った。そこで1人ずつ雨宿りできそう?!

一方、踏切を隔ててズレている、下り側ホーム。
階段上がホーム。後方が正式な出入り口で、左はファミマ敷地
↑階段の突き当りに以前あった、磁気式乗車駅証明書発行機が入る電話ボックス型構造物は撤去。オレンジ色の感熱紙式証明書発行機に替わった。
下り側も、階段下に上屋が新設されたが、上り側より幅が狭く、簡易改札機は1台だけ(機械の幅がちょっと広い?)。
入場・出場兼用の簡易Suica改札機というものが登場しており、それなのだろう。

上飯島駅は、上り方面・秋田駅への利用客が圧倒的多数。下り列車に乗車する人は、さほど多くないから、兼用にしたのか。だけど、基本的には乗る客と同数が降りるはずだから、じゃあ、上りホームも兼用でいいのでは…という気もする。
あと、この向きだと、西側を向いているので、冬に吹き溜まりになるかも。


ネットの情報を拝見すると、奥羽本線の南側・四ツ小屋駅と和田駅、男鹿線内各駅にも、同時期に簡易Suica改札機が設置された。四ツ小屋駅は、ホーム上に2台=入場/出場だが、和田駅や男鹿線の無人駅は1台のようだ。羽越本線の羽後牛島駅、新屋駅は不明。

自動改札機がない、秋田駅のメトロポリタン口(北改札口)では、改札の駅員が入る箱(ラッチ)が1つ撤去されていた。その跡にも、
改札外から
簡易Suica改札機が設置。1台のようで、ここも兼用か。1番線に列車が到着した時などは、多数が途切れず出場するけれど、その時にSuicaで入場する客が現れたら、流れが滞りそう。


追分駅は、自動改札機があるが、深夜早朝などは無人駅扱いになり、自動改札機は停止される。その時のSuica入出場はどうするのだろう。簡易Suica改札機も設置するのだろうか?
土崎駅も無人時間帯ができたそうだが、今のところ簡易Suica改札機は未設置。


(すでに対応済みの秋田駅以外の)近距離自動券売機の対応。
上飯島駅上りホーム待合室内の自動券売機
「チャージ」の文字とICマークが付加され、対応した。現時点では、ICカードは取り扱い停止状態になっている。秋田駅の時は「・チャージ」を隠していたのに、今回はお手軽対応。
土崎駅も2台とも対応し、やはり取り扱い停止中。


最後に秋田駅中央改札口・在来線側を入ってすぐ。
背後が改札口。左が各ホーム下り口、右は新幹線乗り換え改札口
公衆電話の右側に、簡易Suica改札機っぽいものが設置された。中途半端な位置のこれは何?
この向かい(写真左)には、自動精算機があるし。チャージ機だろうか?→1000円札1枚ずつのチャージ機だった。この記事に写真あり。

以上、乗客が接する機器類は、あらかた準備できた感じか。
あとは、Suicaのカード購入、定期券購入、チャージなどができる、黒いパネルの「多機能券売機」が秋田駅には設置されても良さそうだけど、今のところ気配はない。
Suicaの運賃や値引きサービスについて
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ひらりオープニング

2023-04-27 20:11:32 | 文字・書体
秋田市が少しだけ舞台になった、1992年のNHK連続テレビ小説「ひらり」。
2023年に再放送中で、秋田編を見た勢いで、続けて視聴している(4月からは14時台・毎日1話放送に変更)。

初回放送当時は、土曜日と冬休み中にちらりと見るくらいで熱心に見ていなかったので、登場人物は知っていても、ストーリーは初めて見るも同然。スタジオセットの収録部分が多いので、当時の街並みなどが見られるわけではないが、バブル景気と昭和両方の余韻を残す、当時の雰囲気はなんとなく感じる。

以前も触れたように、そのオープニングは、当時の連続テレビ小説としては画期的だったと、今改めて感じる。
テーマ曲が歌詞付き、空撮映像に本編のダイジェストを織り交ぜた映像、横書きで控えめに表示されるクレジットなど、ドラマの中身以上に“トレンディー”に見える。

ただし、タイトル「ひらり」だけは手書きと思われる毛筆の縦書き。その前の「連続テレビ小説」は活字(後述)の横書き。
クレジットは画面右下
クレジットは、この当時ではまだ手書き毛筆の作品もあったが、本作はすべて活字。それも、明朝体、角/丸ゴシック体ならまだしも、教科書体なのが珍しい。異例かも。
教科書体がひらりのイメージに合うのかと考えれば、合っていないような。相撲が題材のドラマだからといって、江戸文字(相撲文字=関連記事)にすると、もっとおかしくなるけれど。
「ドリームズ・カム・トゥルー」は左右で違う書体
「作」「音楽」「藪沢ひらり」といった小さい文字は、丸ゴシック体。ナールではない、硬めの丸ゴシック。
写研の石井丸ゴシックとも、モリサワの丸ゴシック(かつてのバスの行き先表示に使われていた書体など)とも、どこか違う。
(下の各画像参照)「ら」の1画目が左に戻る、「り」がつながっているのは、石井丸ゴの特徴だが、「ら」2画目の縦線は石井丸ゴほど左に膨らんでいないし、「き」はモリサワっぽい気もする。何でしょう?

教科書体のほう。
現在、モリサワからデジタル化されて発売されている(ユニバーサルデザインではない、従来からの)教科書体は「教科書ICA」シリーズ。写真植字機時代から存在し、どうもイワタの教科書体と関連があるようで、国語の光村図書の教科書の文字にも似ている。
ひらりの教科書体は、それとは異なる。

全体に柔らかい線、「石」が平べったい、「か」3画目の位置と向き、「り」が一筆書きが特徴。
写研製「石井太教科書 BT-A」と思われる。少し細い石井中太教科書 DBTというのも存在するが、1996年リリースだそうなので、違う。

昭和末の教科書や教材類では、出版社によっては石井教科書体もよく使われていた。かつての官製はがきの「郵便はがき」の文字も。だから、見覚えがあって、親しみがある文字ではある。

教科書体では、最近の一部格安フォントは別として、数字(やアルファベット)も、算数の教科書で使うような専用の形をしている。石井教科書体もそのはずだが、ひらりでは、
明朝体のようなセリフ体

写研書体がデジタル化されつつあるが、石井教科書体がそうなることはあるだろうか。石井教科書体の最後の晴れ舞台がひらりだったかもしれない。
文字については以上。



インパクトのある江戸っ子親子を演じた、花沢徳衛、石倉三郎という俳優を知ったのが、ひらりだった。
埼玉県の甲子園の常連校「花咲徳栄」の名を見ると、花沢さんを思い出す。

こんな出演者も。
「ピアノ奏者 丸山和範」
ひらりの母が、綿引勝彦と逢瀬を重ねる「バー ソワレ」のピアニストとして、時たま出演。直近では79回、90回。今のところ、演奏する後ろ姿や指先ばかりで、セリフはなく顔も見ていない。

丸山和範氏は作曲家・編曲家。
ちょうど1990年代半ば辺りから、テレビ番組などの音楽を多数担当。「古畑任三郎」のオーケストレーション(編曲)、「NHKニュースおはよう日本(1997~2008年)」テーマ曲作曲、連続テレビ小説「ちゅらさん」の音楽など。


最後に、主題歌「晴れたらいいね」について。
曲は「題名のない音楽会」で黛敏郎氏に批評されたのは、以前の記事の通り。
歌詞のほうで、当時から気になっていた2点。クレジットでは「作詩」表記だから、“歌詩”なのかな?

「サザエさん」同様、本編では表示されない歌詞が、文字放送の字幕では表示される。
その中から、「こくわ」。
キウイの仲間で日本に自生する、標準和名「サルナシ」のこと。僕はこの歌で知った。
「‘こくわ’の実」とシングルクォーテーション(字幕では左右で全角半角が違うようだけど)で囲ってあるのは、元々の詩に忠実な表記のはず。

もうひとつ。
「かなり たよれるナビゲーターになるよ」
「~ たよれるナビに ~」と歌われる部分。
これも詩の表記そのままらしい。1992年末の紅白歌合戦で歌われた(「決戦は金曜日」とのメドレー)時も、字幕はそう表記された。
年明けにクラスの女子生徒が、字幕を間違えていたとNHKに対して憤慨していたが、そうではなかったようだ。

21世紀では、「ナビゲーター/ナビゲーション」とその略「ナビ」の意味は誰もが知っている。
しかし、カーナビゲーションシステムも普及していなかった当時では、「ナビ」の語は通じなかったかもしれない。
だから、説明の意味で、詩はフル表記にしたのかもしれない。だとすれば、せめて、フリガナやカッコで「ナビ」と歌うことを伝える方法はあっただろう。
もしかしたら、「ナビ」という略語が、一般向けに広く使われた最初が、「晴れたらいいね」だったのかも。

続きはこちら
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ユキヤナギ2023

2023-04-24 23:19:14 | 秋田の季節・風景
春に白い小さい花を房状にたくさん咲かせるユキヤナギ(雪柳。柳の仲間ではない)。
庭木で見かけるが、秋田市内では、農村地域の広い敷地の生け垣にされたり(2013年の記事)、広面のショッピングモールにも植えられていた

2023年も、早く咲いたソメイヨシノと同じ時期に咲き、(ソメイヨシノより長く咲いているので)そろそろ見納め。今シーズンの秋田市内のユキヤナギの風景。
将軍野

保戸野の旭川沿い。枝垂れ桜と少しのレンギョウと

仁井田大野の集落は、ユキヤナギが多いそうで、実際に、多くの家や敷地を囲むように、ユキヤナギが植えられている。※今年の大野の桜の風景


桜に負けずに咲き誇る
ここのユキヤナギは、花弁がほのかにピンク色の株が混植。

ピンク花の品種があるようだ。大野では2か所で確認できたが、秋田市内のほかの場所では見ていない。
右下は白花
「雪」柳とは呼べないけれど、これはこれできれい。

新築のおうちの前に、ユキヤナギの若木が植えられていたお宅もあって(垣根になるには数年かかりそうだけど)、伝統は継承されているようだ。
放っておけばぴょんぴょん伸びるものを、垣根に仕立てるだけでも手間だと思う。きれいなものを見せて、撮らせていただき、ありがとうございました。また来年も。
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クレしん誤植【修正済み】

2023-04-23 23:03:19 | 文字・書体
2023年4月22日放送のテレビ朝日「クレヨンしんちゃん」第1178回(らしい)。
1・2話目は連続する「父ちゃんが坊主頭だゾ」の2016年の再アフレコ版。
3話目が新作の、
TVerより
「ひなわりなんてキライだゾ」

「ひなわり」って何?
しんのすけの妹は「ひまわり」。
しんのすけは、いろいろ言い間違い(?)をするが、妹の名を間違うことはない。

そもそも、音声のサブタイトルコールでは「ひまわりなんてキライだゾ」と言っているし、TVerの画面下の文字、番組の公式サイトの表記とも、この話のサブタイトルは「ひまわり~」としている。
テレビ朝日公式サイト おはなし一覧より
作中にも、「ひなわり」という言葉は出てこなかった。
ということで、サブタイトル画面の間違いなのだろう。
この画面の文字は、パソコンでは出力できない、写研製の写真植字機専用書体「ファニー」を使っている。だから、まさに“誤植”。

現時点では、公式サイトなどでの訂正や説明はない。できあがったものを部分修正するのは難しいとは思うが、「TVer」と「テレ朝動画」の見逃し配信でも「ひなわり」のまま。金曜日のBS朝日での遅れ放送はどうなるか。【末尾の追記の通り、週明けには修正された。BSでも修正して放送。】


うっかり「ま」を「な」と入力してしまい、修正される機会を逃して、放送されてしまったということになろう。
写植文字なので、キーボードで入力してそのまま画面になるのではなく、間に何段階か作業が増えているはずで、その分、文字を目にする人は多いと思われるが、みんな見逃してしまったのか。
ひところは、アニメ業界はギリギリのスケジュールで製作していたとか、海外で製作しているとか聞いたが、今はどうなのか。

いずれにしても、CM明け最初に大きく表示される文字、しかもメインキャラクターの名前を間違えて放送してしまうとは、恥ずかしい。「放送事故」に含めてもいいかもしれない。
※以前から繰り返すように、直接間違えた当人よりも、それを発見できないでしまったチェックする人たち=組織全体に、責任がある。
シンエイ動画さん(でいいのかな)、しっかりしてください。

【24日追記&画像追加・修正された】24日夕方にTVer、テレ朝動画を確認すると、どちらも「ひまわり」にしれっと修正されていた。
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キムワイプ車体

2023-04-22 19:33:57 | その他もろもろ
バスや鉄道車両の車体塗装の話題。
ツイッターなどネット上では、「○○バスってキムワイプみたいだ」「XXX系電車はキムワイプカラー」といった声が日々アップされている。
秋田中央交通(の一般路線バス)も、それに含まれる。


「キムワイプ」はご存知でしょうか。
キムワイプは、アメリカのキンバリー・クラーク社の「産業用ワイパー(※)」の商品名。キンバリーとワイパーからの造語のようだ。
※Wikipediaでは「紙製ウエス」「産業用紙ワイパー」としている。

日本では日本製紙クレシアが、製造販売。
2019年2月26日付、日本製紙クレシア株式会社の発売50周年の「お知らせ」によれば、アメリカでは1942年頃、日本では1969年3月から発売。
当初は十條キンバリー株式会社の扱いで、1996年の合併により日本製紙クレシア株式会社が発足。


キムワイプは、ティッシュペーパーのような使い捨ての紙だが、毛羽立たず、パルプのかすが飛び散らない特性があり、実験器具や精密機器の水分拭き取り、吸水などの用途に向く。
理系の研究室のほか工場、医療機関などでも使用されているとのこと。模型工作をする人も使うそうだ。

ボックスティッシュ同様、紙箱に入った製品で、中の紙のサイズ(シートサイズ)は大小複数ラインナップされている。
いちばん一般的なのが、120ミリ×215ミリのシート200枚入りの「キムワイプ S-200」(公式サイトの画像でもいちばんよく登場)。そのボックスはほぼ立方体。

そんなわけで、理系専攻の人の多くにとっては、なじみと思い出があるアイテム。
鼻をかんだ(紙質はむしろ硬めだし、肌の水分が吸収され、肌荒れするとか)とか、甘い味がするとか、コーヒーフィルター代わりにしたとか、“武勇伝”を語ったり投稿したりする人がいる。
最近は、日本製紙クレシアもそれを意識したのか、特設サイトやSNS発信、LINEスタンプやグッズ類まで登場している。

理系の端くれである僕も…と言いたいところだが、ほとんど縁がなかった。
必修科目の実験では、学科共同使用の実験室のキムワイプは使った。でも、卒業研究の研究室では、キムワイプは使わない(ごく限られた用途でしか使わない?)ことになっていたので。
代わりに使ったのは、生協の再生紙ティッシュペーパー。研究室の経済状況を鑑みて、ということなのだろうが、ティッシュでも困ることはなかったと思う。
大学生協の店舗では、店頭にキムワイプが陳列されバラ売りされていた(まとめ買いも可能)。今でも変わらないようで、「大学生協 研究用品カタログ」には、「実験室の大定番」として掲載。2018年版ではS-200が1箱 税込組合員価格172円、2021年版では1箱176円、1ケース・72個入り1万1600円。
同じ値段で、ティッシュペーパー5箱組が買える。紙のサイズはキムワイプのほうが小さいのだから、いかに高いかが分かる。近年、ティッシュペーパーの値上がりが著しいが、キムワイプはいくらになっているだろう。


そして、キムワイプを知る人は、そのボックスを記憶していることだろう。真四角な形と、それにデザインされた色。
公式サイトより S-200
白地に濃い緑と黄緑のライン。
僕も、個性的な名前と箱のデザインは、しっかりと覚えている。

なお、上記50周年のお知らせには、発売当初のパッケージの画像が載っていて、それは今と異なるデザイン。色はどちらかといえば黄緑色の1色印刷。いつ変わったかは不明だが、僕が初めて知った1997年には現行デザインになっていた。
また、本家アメリカ版も、やはり緑色基調だが、デザインは別物。

キムワイプのイメージカラーは緑なのだろう。公式サイトには「癒やしの緑色」のフレーズもある。
そして、現行の日本版では、濃淡2色の緑が、実質的にキムワイプの象徴になっている。コカ・コーラといえば赤、MONOといえば青・白・黒みたいな。


ここで、冒頭のバスや鉄道の車体塗装の話になる。キムワイプを知る人が、地元や旅先で見た車両の写真とともに、投稿するのだ。
ざっと見ると、道北バス、濃尾バス、たけのこ観光バス(東京都葛飾区)、相鉄バスの旧塗装、国際興業グループ各社、秋田中央交通、JR東日本115系電車“二次新潟色”(廃車済み)、JR東日本E127系電車新潟地区用(転用計画があり今後の色は不明)、JR東日本横浜線、JR東日本仙台エリア周辺の“小牛田色”などに、キムワイプを連想する人がいる。※それぞれの塗装を知りたいかたは、画像検索願います。
(再掲)右手前・国際興業グループ山梨交通
秋田のご当地ヒーロー「超神ネイガー」も、4月16日に、キムワイプの箱を持参して秋田駅西口へ出向き、秋田中央交通のバスといっしょに写真を撮って、ツイッターに投稿している。
ネイガーさんもそういう分野の人なのか、何の説明もなく「キムワイプ」の語を用いている。知らない閲覧者(21日時点で18.7万回閲覧)は戸惑ったかも。

上記各社・各車両とも、たしかに「キムワイプカラー」だと思う。「キムワイプの色」と言えば、知る人には間違いなく伝わるメリットがある。
しかし、キムワイプの箱のデザインとは異なるわけで、受ける印象は違う。色の面積、2色の比率、全体のデザイン等々により。これらの車体塗装が、キムワイプの箱と、必ずしも結び付かない。

それに、キムワイプカラーの2色の組み合わせは、キムワイプ以外にもわりと使われている。デザインというかカラーコディネート的には、「近い色の濃淡2色をいっしょに使う」のは常套手段ではないだろうか。青と水色、赤とピンクなど。
日本製紙クレシア内にも、キムワイプカラーの商品があった。
日本製紙クレシア「商品情報」では、キムワイプと同じ画像内に共存
おなじみの「クリネックス ティシュー」の緑の箱。
これも、色の組み合わせなら同じ。ちなみに、ライバルである王子ネピア「ネピアトイレットロール」にも、同じ色の袋がある。
余談だが、昔(30年くらい前?)は、水色以外の色の箱では、中のティッシュペーパーもその箱の色の紙であった。クリネックスもネピアも、その他各ブランドもそうだったはずだが、いつの間にか、全部白い紙になった。
少なくとも僕は、緑のクリネックスを見てもキムワイプは連想しない。消防車や郵便車を見て、誰もがコカ・コーラを連想するわけではないように。
「色彩のみからなる商標」に認められたMONOの3色とか、ウクライナ国旗=ふなっしーの2色ならば、ほかにあまりない組み合わせ。一方、キムワイプの2色はありふれた組み合わせで、その色の一致だけをもって「キムワイプみたい」とするのは、少々雑だと思う。


キムワイプの箱は、2色だけでなく、「地色が白色で、緑より広い面積」で、そこに「太い黄緑の帯(線)、隣接して少し細い濃い緑の帯が並行する」のが肝だと考える。
だから僕は、たしかに色はキムワイプでも、線が斜めだったり、線でなく塗りつぶしだったりする国際興業塗装を見ても、キムワイプを連想できない。
ネイガーさんにも申し訳ないが、秋田中央交通も同じ。
(再掲)現在多数派であるいすゞエルガミオ
中央交通の、特に黄緑のほうは「線/帯」とするには太すぎる。「塗りつぶし」だ。
それに、2色が直接接しておらず、間に白い線が入っているし、窓上はキムワイプでは使われないベージュ(クリーム色)で、ベースとなる白色部分がなく(※)、やはり、これをもってキムワイプとは言い難いと思う。
※現行塗装が導入された初期は、窓上が白色塗装だった。これのほうが若干、キムワイプ感が増すかも。
(再掲)現在は見られない、窓上が白い塗装


ほかにも、キムワイプカラーの乗り物がある。
先日代替わりして役目を終えた、秋田市建設部公園課の先代ごみ収集車(塵芥車)も、この2色。
でも、黄緑は地色としたほうが適切だし、間に白線が入っていて、やはりキムワイプとは違う。
(再掲)

秋田市には現役のキムワイプカラーの車もある。
2021年度に2台導入した「災害対策用排水ポンプ車」。消防車両ではなく建設部(道路建設課?)所管で、河川氾濫や大雨による浸水被害時に出動する、排水ポンプを積んだトラック。
この車体塗装は、白ベースで、濃淡2色の緑色ライン。写真を見る限りでは、2色の間に白線があるが細いようで、中央交通のバスや先代塵芥車よりは、キムワイプ感がありそう。



以上、キムワイプにほぼ思い入れがないクセに、厳しく判定してしまったけれど、僕が比較的キムワイプに近いと感じるのは、濃尾バスと横浜線。
でも、濃尾バスは、実は緑色が3色(もっと濃い緑)で、それぞれの太さは同じ。
横浜線は、ステンレスボディの帯色なので、白地ではないのだが、なぜかかなり近い印象がある。黄緑の色味が似ているのか? 同じJR東日本でも、新潟の115系・E127系には、どこか違う印象がある。
そんなわけで、真のキムワイプバス/キムワイプ電車には巡り会えていない。

キムワイプのラッピング広告車両を作るという、奥の手はありますね。
かなり昔、青森市営バスに、クリネックスの箱のデザイン(ラッピングフィルムでなく塗装だと思う)の車体広告バス(ラッピング広告という概念がまだなかった頃で、先進的)はあったかと思う。業務用商品のキムワイプでは、広告は難しいかな。
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「秋田駅から探す」バス検索 消える

2023-04-18 23:12:59 | 秋田のいろいろ
これまで何度か取り上げてきた、秋田中央交通公式ホームページの(秋田市内の)バス時刻検索。
2008年(暮れ頃?)に現在の時刻検索システムを導入して以降、基本は変わっておらず、13年目。
なお、それ以前は、2006年9月頃から、路線別に時刻表のページ(PDFや画像ファイルではなく、HTML)がアップされていた。

選択項目やボタンが近接したデザインなので、スマートフォンでは使いづらい。2008年当時ではスマホが普及していなかったとはいえ、その後の小改造で対応できる気がするのだが。
根本的な問題が、部分一致位検索やあいまい検索ができず、「バス停名の頭文字と、その読み」が分からないと検索できないこと。例えば「茨島」が「『ば』らじま」【19日追記・「高野(一区/二区)」が「『こ』うや」】であること、秋田南高校のバス停は「『み』→南高校前」、秋田西高校のバス停は「『あ』→秋田西高校入口」であることを分かっていないといけない。秋田市のバス路線網や地理・地名を把握してない人には至難の業。

現在は、「乗降りするバス停から探す」として、任意の2バス停を指定し、その間を結ぶバスの時刻・運賃を検索できるだけ。乗り継ぎには非対応。
2019年5月頃までは、「秋田駅から探す」という検索方法も提供されていた。それはさらに「路線名検索」と「バス停名検索」に分かれていた。前者はちょっとクセがあっていまいちだった(詳細省略。また当初は別の「目的地別検索」だった)が、後者はかなり重宝した。

「乗降りするバス停から探す」は乗降2点を指定するのに対し、「秋田駅から探す」は乗車バス停が秋田駅前(西口、東口とも)で固定なので、降りるバス停名だけを選択すれば検索できた。2015年から装備された「復路検索」機能を使えば、各地から秋田駅へ向かう時刻も検索できた(一方通行など要注意のバス停もあり)。

西口と東口を一度に検索できるので、東西どちらから発車するのか分からなくても、調べることができた。「乗降り~」では、西口、東口それぞれで検索するしかない。
秋田市のバス路線網は秋田駅一極集中だから、これでもほぼ全路線の時刻が調べられる。
そして、降車バス停の頭文字→バス停名→検索ボタンの3クリックだけで、バス時刻が分かるのが大きなメリット。乗車バス停の時刻だけを知りたい、つまり到着時刻は分からなくても構わない場合などに便利。乗降地点2つを指定する(5クリック)のは無駄だし、スマホでは誤操作しやすい。Googleマップなどで検索するよりも、素早く時刻が分かる。

それなのに、2019年5月、突然、「秋田駅から探す」がホームページから消えてしまった。
説明はないし、理由も不明。

ところが実は、「秋田駅から探す」検索のページ(https://www.akita-chuoukotsu.co.jp/akitaeki-search.html)は、ひっそりと残っていた。当該ページへのリンクが削除されただけで、ブックマークや履歴からアクセスできたし、Googleで「秋田中央交通 駅から」で検索すると、その検索結果トップに表示されてたどり着くことができた。
検索ページは、高額紙幣両替不可の注意書きがないなど、見かけ上は更新が停止していたものの、検索機能自体は最新の時刻を検索することができた。バス停名検索では、バス停の改廃も反映されていた(路線名検索ではおそらく未反映)。

そんなわけで、僕はパソコン、スマホとも、引き続き「秋田駅から探す」検索を多用し、「乗降りするバス停から探す」検索はほとんど使わないでいた。4月13日頃までは。


ところが、15日頃から、Google検索に表示されなくなり、ページにアクセスすると…
404 Not Found
ついに、ページ自体も消されてしまったようだ。残念。今までお世話になりました。
この代替で新たな検索システムを導入するのではなく、ただ単に消しただけで終わりそうな予感がする。


これも以前の繰り返しだが、全国各地津々浦々のバス時刻が、自宅や外出先で分かるなんて、20年ちょっと前にはあり得なかったこと。NAVITIMEやGoogleマップなどでも時刻が分かるようにもなった。
一方で、ホームページで時刻が分かるといっても、今なお、スキャンした時刻表の画像をアップしているだけのバス会社も珍しくない(それはそれで分かりやすい場合もある)。
秋田中央交通の時刻検索は、いつまで現状のままなのだろう。
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高崎鶏めし・舞茸弁当

2023-04-17 20:58:15 | 各地お土産・食べ物
3月のJR東日本パスの旅の駅弁編。峠の釜めしパルプモールドに続いて、高崎駅の駅弁。
前回触れたように、大宮駅の駅弁屋旨囲門の品揃えが貧弱になっていて、買う気にならなかった。行程では、1時間弱の待ち合わせで北陸新幹線「あさま」自由席に乗り換えて、長野へ向かうのだけど…
大宮の駅弁事情は、事前にある程度把握していたので、代案を準備していた。あさまに先行する上越新幹線で高崎まで行って、そこで駅弁を買うというもの。高崎駅には「たかべん」こと高崎弁当株式会社があり、以前食べた商品もあるので、確実にいい駅弁を購入できるはず。

北陸新幹線は、長野までは「はくたか」と「あさま」が毎時1本ずつ以上あり、この後で乗るあさまの自由席はガラガラだった。
一方、上越新幹線は毎時1本で、自由席は満席。駅弁のために20分強デッキに立つ。高崎でもほとんど降りず、多くが新潟県内へ向かう人だった。

高崎駅の駅弁店は、たかべん直営でなく、JR東日本クロスステーション運営の「駅弁屋上州」。新幹線改札内、在来線改札内、改札外自由通路沿いと3店舗あり、今回は改札外の「1号売店」で購入。
そのため、峠の釜めしやクロスステーション系列製の商品も売られていたが、たかべん商品が豊富に並んでいた。

たかべんも、明治17年創業の歴史ある駅弁業者。ダルマ型の赤いプラチック容器に入った「だるま弁当」が有名(以前食べておいしかった)。珍しいおかゆの駅弁「上州の朝がゆ」もあったが、2019年で終了。
現時点では輸送販売されていなそうだし、今回わざわざ降りたのだし、JR東日本パス提示で10%引きでもあるので、この好機を逃さず2つ購入。

鶏めし弁当 1200円 881kcal
おてふきなし。
全国各地に鶏飯駅弁があり、大館と折尾(かしわめし)が東西の横綱格。野辺地(現在は仙台?)とともに、それらの次ぐらいに知られるのが、高崎だと思う。【17日追記・大館、高崎、折尾で「日本三大鶏飯」とされることもあるとのこと。】これも以前食べて、悪くなかった記憶。

掛け紙でもスリーブでもなく、厚紙に切れ目を入れて折っただけの、簡易な蓋。中身との間に、プラスチックの内蓋やビニールがない。それを、赤い糸と白い糸をよった「紐」といういより、「太い糸」で縛ってあるのが珍しい。
色数やデザインが昔ながらという雰囲気だけど、文字はデジタルフォント
「高崎名物」とある。おそらく「鶏」なのだろうけど、読めない。【17日追記・パッケージの絵は、全体的には発売当初のものを踏襲(同一ではない)していて、絵の細部や文字は何度も変わっているようだ。】
公式サイトで各商品の発売開始年を示してくれていて、鶏めしは1934(昭和9)年。1960年のだるま弁当、1961年の特製幕の内弁当よりも歴史がある。

薄茶色の炊き込みごはん(茶飯と表記)の上に、3タイプの鶏肉が載る。鶏の照り焼き、コールドチキン、鶏そぼろ。照り焼きの下には海苔。
おかず区画。大きいのはハンバーグではなく「舞茸入り肉団子」。中央が群馬らしい「赤こんにゃく」、あとは栗甘露煮。漬物がかりかり梅、わさび風味野沢菜漬け。
鶏肉が3種類楽しめるのがうれしい。そぼろは、微細で「フレーク」みたい。
舞茸入り肉団子は、肉に味が付いていて(だからハンバーグではない?)、それが濃いめでおいしい。マイタケはよく分からなかった。※後で再び登場します。

秋田県人としては大館の鶏めしを推したいが、高崎の鶏めしもまた食べたい。だけど、ほかにも個性的でおいしい駅弁がたくさんあるたかべんなので、悩ましい。
また、昨年は山形の駅弁でない鶏めしを紹介したが、高崎にもそういうものがある。「上州御用鶏めし本舗 登利平」で、高崎駅でも改札内と改札外で取り扱う店があった(詳細は公式サイト参照)。これもいつか。


たかべんのもう1つ。
以前、秋田駅関根屋の「わっぱ舞茸」を紹介した。
その時、マイタケをメインにした駅弁など、日本唯一でほかにどこにもないだろうなどと記したら、その後、各地にちらほら存在することが判明。その中で、大所かつ歴史があるのが、高崎だった。1984年12月発売。※わっぱ舞茸は1988年8月発売開始との情報あり。
上州舞茸弁当 1350円 753kcal
ホームページでは「香り、味、かみごたえ三拍子そろった群馬名産の舞茸を豊富に使い、天ぷら、和え物、煮物等 自社独自の調理法で種々の味付けをしており、舞茸のおいしさを存分に楽しめます。」と紹介。群馬県のマイタケは、2020年で全国6番目の県別生産量。秋田県は11位。
おてふきなし。やはり簡易蓋(ただし内面にビニールポケット付きで箸と醤油が入る)、紅白糸縛り。

見た目は茶色くて地味だけど、盛りだくさん。鶏めしと共通のアイテムも。
ごはんは「舞茸ご飯」で、「醤油味で炊いた茶飯に舞茸の具を炊き込んだ大変美味しい混ぜ御飯」。栗甘露煮も。

おかずは左側が、舞茸天ぷら、舞茸入り肉団子、鶏照り焼き、エビの天ぷら、ししとう素揚げ、赤こんにゃく、花豆煮。右は舞茸佃煮風味(たぶん上のほう)、舞茸金平風味(たぶん右下)、わさび風味野沢菜漬け。

箸休め的おかずを除けば、鶏肉とエビ天以外は全部マイタケと言って差し支えなく、マイタケづくし。佃煮やきんぴらもユニークでおいしかったけれど、どっちがどっちかよく分からなくなってしまった。
わっぱ舞茸は、リニューアルにより非マイタケのおかずが増えて、相対的にマイタケが減ってしまったので、これではかなわない。

幕の内的だけどマイタケをいろいろ楽しめる。舞茸弁当の名に偽りないし、これこそご当地駅弁。
強いて難点を上げれば、発泡スチロール容器の底が、E7系普通車のテーブル上では滑って、落っこちないかちょっと怖かった。揺れる在来線車内では特に要注意かも。

舞茸弁当はぜひまた食べたいが、こういう駅弁屋さんならば、定番の特製幕の内弁当もおいしいに違いないし、だるま弁当も再び食べたいので、悩ましい。
箸袋の裏
箸袋の裏面には「普通弁当・だるま弁当」「とりめし・寿司」。
「普通弁当」とは、国鉄時代の分類で、ごはんと一般的なおかずからなる、幕の内弁当などのこと。そうでないのが「特殊弁当」で、鶏めしはこちらになるが、舞茸弁当はどっちに該当するだろう?
「寿司」とあるが、現在は駅弁としては存在しないようだが、仕出し弁当の1つとして助六寿司がある(運が良ければ駅で買えたりするのかも)。

今回の旅行の駅弁は以上。旅行記は続く
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桜と火の用心と巨大掲示板

2023-04-16 19:19:17 | 秋田の季節・風景
今年の秋田市の桜(ソメイヨシノ)は、早く咲いて、雨と黄砂の中で、ほぼ散ってしまった。
千秋公園に続いて、秋田市内各所の風景。
散り始めの自転車歩行者道・泉踏切付近

満開になって間もない1週間前。
2021年同様、開花期と「春の火災予防運動(秋田は月遅れで、4月第1日曜日から)」が重なったため、桜とともに「火の用心」横断幕が見られた。
市立中通小学校前。レアな白地・赤文字の幕

統一地方選挙の今年は、巨大な選挙ポスター掲示場(掲示板。先日の記事)の県議選仕様と桜の組み合わせも見られた。
楢山南中町の楢山街区公園

新しくなった市立秋田総合病院前
一方通行の狭い道路に面して巨大な病院が建つという、スケール感が狂ってしまう場所にあっては、巨大掲示板は意外に小さく見えた。
掲示板は、通行を妨げないよう、塀というか土留? 擁壁? にぴったりくっつけて、工夫して設置されている。

雨が上がって、黄砂が来る前の晴れ間。
市立泉小学校前
少し下がると、
枝垂れ桜も
秋田市内(に限らず国内のたいていの土地)には、学校や公園に桜の木は珍しくない。学校や公園の前に、選挙ポスター掲示板が設置されるのも珍しくない。
だけど、桜と掲示板が共演・競演する箇所は、あまりない【25日補足・皆無ではなく、市全域ではそれなりにある】。別にそうする理由がないけれど。
保戸野桜町街区公園
保戸野桜町の町名の由来は、桜並木があることにちなむそうだが、天徳寺地下道の並木を指すのか? それ以外には、この公園くらいにしか桜はないと思う。数本あるが、ちょっと不格好。
やはり桜は晴天・青空がいちばん似合うし、美しい。

私有地の民有の桜も、通行人を楽しませてくれる。
黄砂で薄曇りの仁井田大野
巨大掲示板は県議仕様が取り外され、市議選仕様がスタンバイ。
花盛りの農村
こちらも塀際設置で、後ろの脚は民地内に刺さっている。
反対側を見ても、
花盛り
せせこましい住宅街では、まず見られない春の風景。管理してくれる所有者に感謝。そして、勝手に撮影させてもらってありがとうございました。→大野といえばユキヤナギ
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千秋公園の桜2023

2023-04-12 22:16:01 | 秋田の季節・風景
2023年の秋田市のソメイヨシノは、4月4日に開花(平年-13日、前年-8日)し、4月7日に満開(平年-15日、前年-9日)となった。どちらも2021年と同日で、観測史上いちばんの早さ。
気象台の標本木よりは遅れて咲く千秋公園でも、11日に満開になったとのこと。恒例の千秋公園の風景。※昨2022年

千秋公園桜まつりは、2020年から2022年は、新型コロナウイルス感染症により、中止や縮小開催。今年は4年ぶりの通常開催で、二の丸広場のステージイベントも復活。
ただ、期間は13日から24日。そのため、「プレ開催」として、10日から前倒しでライトアップと提灯点灯を行っている。露店(出店)の営業は13日から。

正面側を通らないルートで出入りしてしまったので、いきなり、
本丸
昨年は、屋外に野ざらしでアルコール消毒液が置いてあったが、今年はなし。看板では手指消毒への協力を呼びかけてはいる。

二の丸広場。左にステージ、左上が本丸
(出店がないし、平日だし)純粋に花を見に訪れる人が多数来ていたが、思ったより少ない(理由については最後に)。二の丸広場の芝生内や、本丸の奥のほうには、ほとんどいない。
咲き具合は、たしかに満開だが、老木らしい控えめな満開。【13日補足・街なかでは散り始めたソメイヨシノも見られたが、公園内ではそこまで進んではいなかった。】


二の丸・胡月池越しに本丸
胡月池の水が、今まで見たことがないほど濁っていた。水の入れ替えでもしているのか??

毎年恒例の本丸から二の丸広場方向
もう1つ恒例、本丸の桜のトンネル。
北側から

南側から
トンネルがなくなってしまった。東=本丸外側のトンネルを構成していたソメイヨシノが消えた。
千秋公園では、桜の老朽化対策として、段階的に更新(植え替え)が進められていて、この1年間でここが対象となったのだった。
植え替えられた桜
新しい桜は、ソメイヨシノではない。報道を見たものの忘れてしまったけれど、おそらく「ジンダイアケボノ」か。ソメイヨシノに近い品種で開花時期が重なり、てんぐ巣病に強いため、ソメイヨシノの後継として植えられることが増えているらしい。
新しい桜の花

ソメイヨシノの花。芯が赤いのは終わりかけだから
花の色合いや雰囲気は、ソメイヨシノと同一ではない。

斜面際には切り株もあった

本丸から胡月池を見下ろす
晴天であれば、上の写真奥には太平山の山並みがそびえている。雨上がりのはずなのに、今日は見えない。中国大陸から大量の黄砂が飛来していて、隠してしまった。
体への影響から外出を控えるよう勧める報道もあったので、千秋公園の人出がさほど多くなかったのは、黄砂の影響かも。

秋田市の街なかを歩いていると、視程が極端に悪いようなことはなった【13日補足・気象台では「視程5キロ」を観測】が、遠くのほうは霞んでいた。霧や吹雪によるものとはまた違い、影はくっきり出ているのに、空が白く、遠くの景色も少し白いような、独特の霞みかた。上の写真では、空の上のほうは若干青空になっている。

桜まつりが本格化する週末はまた雨が続きそう。※千秋公園以外の秋田市内の桜
翌2024年の千秋公園の桜(散りかけ)
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峠の釜めし パルプモールド

2023-04-10 20:26:49 | 各地お土産・食べ物
忘れないうちに、2023年3月のJR東日本パス旅行記を進めます。まずは駅弁から。
ちなみに4月10日は「駅弁の日」だそうです。※昨年の関連記事

今回の行程は、首都圏を3度通過するので、各地から輸送販売される駅弁購入を楽しみにしていた。
東京駅に「駅弁屋 祭」ができる以前は、大宮駅の「駅弁屋 旨囲門(うまいもん)」が輸送駅弁販売店の代表だった(東京にも旨囲門はあったが)。小さい店ながら品揃えは充実し、勧め上手な店員さんもいるとかで、テレビで取り上げられていた。
今回は、新潟の鮭の焼漬弁当でも買おうかとのぞいてみると、昼前なのにすっからかん!
新潟方面は見当たらず、東北方面の駅弁もとても少ない。JR東日本クロスステーション系列の商品がほとんど。新型コロナウイルスの影響というより、店側の都合なのだろうか。そんなわけでお客も少なく、かつてのにぎわいが消えた。
上野駅には「駅弁屋 匠」ができたというので行ってみた(場所が分かりにくい。入谷改札とかいう3階)が、同様。

上野駅中央改札を出てすぐのアトレ上野に入っている、スーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘」にも駅弁があるとの情報。たしかに、旨囲門や匠より幅広い土地から来た、多くの商品が並んでいた。
「駅弁」ではないものもあったが、仙台、米沢、小田原、姫路といった駅弁大会の常連のほか、鳥取駅・アベ鳥取堂の「元祖 かに寿し(東京駅・祭でも売られることがあるらしい【13日補足・現地販売品より輸送品のほうが酢が強いという噂あり】)」なども。
ザ・ガーデン自由が丘西武秋田店があった頃、奈良の柿の葉寿司がなぜかいつも売られていたのが不思議だったが、こういう事情があって、おこぼれが秋田に来ていたのだろう。
とはいっても、海鮮系が過半数かと思われるほど多く、手頃な価格の幕の内系はほぼなくて、買うまでには至らず。きっぷ提示で10%引きサービスもないし。
※お菓子や酒もいろいろあるので、のぞいてみる価値はあると思います。

結局、高崎駅と、やはり東京駅の「祭」で購入することとなった。今回は祭で買ったもの。
昨年10月と同じく午後に入店。前回と比べると、品揃えも客も増えていて、ここでも旅行需要回復を感じた(となると、大宮のラインナップ減は、やはり運営会社側の都合では)。
鮭の焼漬はなさそうだったが、郡山「海苔のりべん」はあったし、2018年11月を最後に首都圏ではもう売らなくなったはずの大館「鶏めし」もなぜかあった。

買ったのは、日本を代表する知名度が高い駅弁ではあるが、秋田にいてはなかなか食べる機会がない商品。たぶん食べるのは2度目(10年以上前以来)。

群馬県の信越本線・横川駅、荻野屋(おぎのや)の「峠の釜めし」。
荻野屋の創業は1885(明治18)年で、当初から横川駅で駅弁としておむすびを販売していたそうで、同社ホームページでは「駅弁販売は全国でも宇都宮に次ぐ老舗」としている(冒頭の昨年の記事も参照)。箸袋には「日本最古の駅弁屋」。
しかし、峠の釜めし自体は、1957年発売開始で、思ったより新しい。
でも何か違いません? 見た目が。

茶色い素焼きの釜に、掛け紙をかけて紐でしばったのではなく、白い器に筒状の厚紙(スリーブ)を通している。

これは「峠の釜めし(パルプモールド容器)」という商品。ホームページに、
「益子焼の器が重い」というお客様の声を受けて誕生したパルプモールド容器の峠の釜めしです。
陶器の丸くなめらかな形を再現し、質感を和紙の風合いで表現しています。
容器の原料はサトウキビの搾りかす等を使用した環境にやさしいパルプモールド素材を使用しています。
とある。2012年発売開始。
「モールド」とは「型」で、植物繊維を型にはめて成形した容器ということか。電子レンジ加熱可能(うずら卵等に注意)。

従来の釜入りも併売されていて、どちらも756kcal(香の物含む)だから中身は同一のはず。パルプには「内容量420g」と表示。税込み価格は、素焼きが1200円、パルプは1100円。
高崎駅の駅弁屋では、釜とパルプ両方を売っていたが、東京駅ではパルプのみ。


今のご時世、使い捨てプラスチック容器を使うのに気が引けるが、陶器を使い捨てるのも心理的にはあまり変わらないし、何より、重くて旅行中は困る。
地元周辺では、釜のリユースやリサイクルが行われているそうだが、こまちで秋田駅まで持ち帰ったらそれは無理だろうし、車内整備・ごみ処理の人たちには、はっきり言って迷惑だと思う。
陶器を全否定するわけではないが、SDGsなどが叫ばれる今の時代、陶器産地→弁当製造地→販売地→処分地と重い容器を移動させるのは、効率が悪く、問題かもしれない。
峠の釜めしが紙容器では味気ない、陶器でなきゃという声もあるようだが、個人的には紙容器大歓迎。100円安いし。

パルプモールド容器は「和紙の風合い」とされているが、それとはちょっと違うような。もうちょっと大量生産品の趣がある。一見、発泡スチロールのおわんかと思いそう。
真っ白でなく、無漂白のコーヒーフィルターみたいな、茶色にしたら、いくぶん釜のイメージに近付いて、より受け入れられるかもしれない。技術的もしくは費用的に白いほうがいいのかもしれないが。

手触りは、厚手の紙コップ・紙皿に、細かく凹凸をエンボス加工した感じ。走行中の車内で食べても、不安定だとか滑ったりはなく、問題はなかった。
濡れおてふき付き。袋にはタケノコのチロシン、鶏肉の骨の注記入り
透明な中蓋と、その上に載る漬物(香の物)容器はプラスチック製。
漬物は、陶器版でも同じ容器に入っている。高崎駅の駅弁屋ではレジに置いてあって、購入したら個別にくれる方式。東京駅ではそれは大変だから、パルプモールドだけ扱う一因なのかも。あと、パルプモールド容器の蓋側が、やけに背が高いが、漬物収納スペース確保のため(あと衝撃吸収効果もあるかも)か。
釜型の透明容器は、ある程度密閉できてパチンと開閉できるので、旅行時に錠剤を持ち運ぶピルケースに使えそう。


ところで、峠の釜めしは関東以外の人には、名前と容器は知っていても、中身がどういう構成なのかいまいち分かっていない人も多いかもしれない。
味付きの炊き込みごはんの上に、何種類ものおかずが並べられたのが正体。一般にそういうのを「釜飯」と呼ぶようだが、少なくとも秋田など東北ではなじみが薄いのではないだろうか。
盛り付けは、陶器版と同じはず
たけのこ、ささがきごぼう、鶏肉、しいたけ、うずら卵、グリーンピースのいずれも煮たもの。栗甘露煮、杏子甘煮、紅生姜(しょうが酢漬)。

荻野屋がサイトなどで使っている峠の釜めしの写真は、タケノコがてっぺん・12時の位置にあるものが多いようだ。公式にはそれが正しい向きなのか??
陶器だと、それで炊き上げたごはんの上に、具材を盛り付けるのだろうけど、パルプモールドでもそれ自体で炊くのだろうか?


別添の漬物には、奈良漬【10日訂正】わさび漬け、ナス(「峠の小なす漬」として販売)、梅干し、キュウリ(「峠のぱりっこ漬」として販売)、山ごぼう(モリアザミ、「峠の山ごぼう漬」として販売)と5種も入っていて、充実。

食べてみて、そうそうこの味だったと思い出した【11日補足・記憶の限りでは、釜容器との味や食感の違いは分からなかった】。ごはんは、自家精米のコシヒカリ。薄い茶色で、醤油味。
全体に薄味で、炊き込みごはんはあまりなじみがない味。松山の「醤油めし」もこんな味だったと思う。秋田における炊き込みごはんは、大館・花善の鶏めしのような、塩気だけでなく甘みも強いものが多いので、それとは違う。
普段と違う味を楽しむのも、旅ならでは。見かけたら毎回必ず買いたい、というほどではないが、たまに食べたい。パルプモールド容器で。

高崎の駅弁について続く
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秋田駅改札機更新 他Suica準備

2023-04-06 20:24:35 | 秋田のいろいろ
秋田駅(中央改札口)の在来線自動改札機が新しくなっていた。昨晩交換作業がされたようなので、今日・4月6日から。
改札外側
5月27日に導入されるSuica対応のためで、それ用のタッチ部分も当然ある(黒いシールで隠している)けれど、それよりも手前の赤い出っ張り(同様にメイン部分はシール貼り)が目を引いた。
改札内側
JR東日本のプレスリリースで見ていた、2024年度下期にサービスを開始するという、QRコードで乗車できるサービス用の、QR読み取り装置だ。首都圏でも同型の改札機が導入されているそうで、着々と準備が進んでいそう。
秋田駅は、西側から順に1番~4番の4台の改札機。1番が入場専用、2番が入出場兼用、3番と4番が出場専用。QRリーダーは、入場用が1番と2番、出場用が2番と3番に設置されていて、4番にはなし(上の写真左端)。


秋田駅のもう1つの改札口・メトロポリタン口(旧・北口)は自動改札ではない。※秋田駅の改札口配置についての先日の記事
2022年11月。改札外側
上の写真右、南側に係員の詰め所があり、入場時の改札はその窓で対応。
北側には、ステンレス製の「ラッチ」が2つあり、列車到着に合わせて係員が入って、集札を行う。
そこが今日は、
北側のラッチが撤去された!
Suica導入時のリリースによれば、メトロポリタン口には自動改札機は置かず、簡易Suica改札機(リーダーライター)で対応するとのことなので【7日訂正・勘違いしていました。どうなるかは不明】、撤去跡にそれを設置するのだろうか。


奥羽本線で2駅下った、土崎駅。3月25日頃からこのようになっている(4月6日時点でも変わらず)。
改札内側。左の緑の箱は、昨秋の一部時間帯無人化で設置された、運賃箱(きっぷ回収箱)
3台あった自動改札機を1台減らして、残り2台を改札外側に移設して、工事中。自動改札機更新なのだろうけど、秋田駅よりも難工事なのか?
工事前は、路面に黄色いテープが貼ってある位置に改札機があり、写真左・南側から入場専用1番、入出兼用2番、出場専用3番。工事で1番がなくなった。
改札外側。時計を外した跡は相変わらずそのまま

【7日追記・追分駅でも自動改札機の更新が行われ、7日から新しい改札機が使われる模様。】
【9日追記・土崎駅も8日から新しくなったが、1通路減らされ入出場兼用×2台になった模様。】【5月5日追記・土崎駅では、北側の改札機は入場側を中止扱いにしており、実質的には入出場兼用と出場専用が各1通路の運用が基本のようだ。】


無人駅の泉外旭川駅では、昨年末に簡易改札機用と思われる配線スペースが設けられていた
上飯島駅では、下り側では元券売機だった乗車証明書発行機がボックスごと撤去・感熱紙式証明書発行機に交換(3月中?)。
自動券売機がある上り側には、
階段の上がホーム、以前はそこに券売機があった(現在はホーム中央待合室内)
道路からホームに上がる階段の手前に、屋根と三方に壁のあるバス停の上屋みたいな構造物が設置された。これまでは何もなかった場所。
ここに簡易改札機を置くのだろうか。
他地域では、簡易改札機が野ざらしで置かれることがあるが、秋田の雪と寒さではそうもいかないためか。この位置なら、北西の風は避けられる。
ホーム側から
もうちょっと階段近くにあったほうが、いいのでは。この位置と向きだと、簡易改札機の場所が見つけられなかったり、うっかりタッチし忘れて乗降してしまう人がいたりしそう。

Suica導入まで2か月を切り、北東北3県の全駅(+QR導入も見据えて)で、こうした準備が進められているはず。

【秋田駅以外の近距離自動券売機の対応(チャージ・Suica残高でのきっぷ購入)】※秋田駅など新幹線停車駅は2021年に対応済み
・4月17日現在、土崎駅では未対応。→4月下旬までに対応。その他続きはこちら
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秋田中央交通 復刻塗装

2023-04-04 23:32:36 | 秋田のいろいろ
先日取り上げたように、秋田中央交通が、昔の車体塗装を再現した車両(いわゆる復刻塗装)を、路線バスとして運行し始めた。
現行塗装の先々代に当たるデザインで、1990年頃までの導入車両に施されていた。その後、廃車や塗り替えにより、2000年前後頃には、姿を消していたかと記憶する。

秋田魁新報の報道によれば、秋田(大川反車庫)・臨海・五城目の各営業所に計5台を導入予定。
現時点では、3月15日頃から「秋田200か1595(ノンステップ)」が秋田営業所、3月30日頃から「秋田200か1604(ワンステップ)」が臨海営業所で、それぞれ運用開始。どちらも、新しく入った中古車で、中型バス・いすゞエルガミオまたは縦2灯ヘッドライトで同設計の初期の日野レインボー2。
ネット上の情報によれば、15-95は元小田急のエルガミオ。16-04は元京阪(つり革が三角形)のレインボー2。
今のところ2台とも、固定運用などではなく、まんべんなく運用されていると思われる。秋田市中心部で、違う時間帯に何度か遭遇できた。今回掲載する写真は、すべて1595。

前回の記事で、鉄道やバスの復刻塗装のほとんどにおいて、現役当時の塗装の記憶と照らし合わせると、復刻時のほうが、色が濃く色鮮やかに感じられるとした。
今回も同じ感想
汚れていなくて、ツルツルに見えることもありそう。それを差し引いても、緑色部分が、復刻塗装では蛍光色に近い見えかただけど、昔はくすんでもっと白っぽい黄緑色だったような… それに、今思えば、昔の塗装は、ざらっと粗かったような…

この塗装の緑色は、「黄緑色」だと思っていたが、それよりは「白を混ぜた緑色」のような感じだった。現行塗装の黄緑色とは色味が違う。
1990年代初めに短期間採用された先代塗装の薄いほうの色も、同じ白っぽい緑色だった。ただし、先代塗装は2016年頃まで残っていたが、それと比べても、今回のほうが鮮やか。
正面のデザインは、今どきではないのは確かだけど、色合いとか側面のデザインは、さほど時代錯誤でもなく、悪くない。かわいらしいような雰囲気もある。

魁によれば、企画を発案した中央交通の整備工場長が、デザインも手がけた。
この塗装をまとうのが初めてとなる、いすゞエルガミオ系車体との相性。
後部
ネット上には、現役当時の後部の写真は見当たらないが、復刻では後部のグレーが広いと感じた。
昔のバスは、側窓の底辺と、リアウインドウの底辺の位置がそろっていた。現在のバスは、低床化の関係かリアウインドウが上に寄って、その下にスペースが空いているので、そこはグレーに塗らざるを得なかったようだ。

車体形状や費用の制約もあるのを思えば、違和感なく仕上がっている。仮にもし、2度の塗装変更がなく、30年前の塗装が現在まで続いていたら、これになっていただろう。


とはいうものの、やっぱりいくつか、好き勝手に指摘させてもらいます。
・前バンパー
中央交通の塗装では、昔も今もバンパーは車体色には塗らず、銀色(昔の一部)や黒。エルガミオでは黒。
今回の復刻塗装では、前バンパーも緑に塗って、白い線も引いており、車体と一体的に扱っている。後ろのバンパーは黒なので、前後でちぐはぐになってしまっている。【5日追記・上記のようにグレー部が広くなったのを補うため、後ろバンパーも緑にするのも一案では。】【7日追記・秋田市営バスの三菱ふそうエアロミディの一部で、前バンパーがグレーの車があったが、後バンパーは黒という“前例”はあった。】
これはバンパーを含めて塗らないと、車体部分が狭くて、白線の ) ( を完全に描ききれないための措置ではないだろうか。
エルガミオの前モデル、ジャーニーKでも、初期に旧塗装の車があったが、それではカーブが上半分程度まで途中で切れたデザインだった。

・前面の黒をなくしたら
上記の通り、昔のバスはバンパーは黒かったが、それ以外に黒いものは少なかった。
今回の復刻では、バンパーのほか、ワイパーが取り付けられているフロントガラス直下も緑に塗られた。
それでも、昔と比べる黒い部分がまだある。そこも塗ってしまえば、よりリアルに昔っぽくなるかも。それは、ヘッドライトの周り(ヘッドライトベゼル)と、行き先表示左右(車椅子マークの背景)。
エルガミオは縦のヘッドライトが特徴的で存在感があるが、それが緩和されそう。
全国的には、復刻塗装でそのように塗っているバス会社がちらほらある。

・白い線の数
側面
側面には白い線が3本引かれている。うち上の2本は、前面の )V( につながり、後部にもつながる。
下の1本は、側面だけで終わっていて、途中で途切れ途切れ。こんな線あったっけ?
ネットで記録されている現役当時の写真を拝見すると、この線はない車のほうが多そう。ある車もあるが、塗装ではなく、棒状のものを取り付けているように見える。デザイン上のラインでなく、何らかの意味がある白い部品だったのではないだろうか。復刻塗装には不要だったのでは?
【5月3日追記・昔の車の下部の白い棒は「サイドバンパー」だそうだ。昔のバスでは一般的だったようで、例えば東急バスでは「昭和43年度上期の購入車まで両側面に付いていたサイドバンパー(メッキ)も徐々に外されていった。(2011年10月25日発行『東急バス 20周年記念誌』56ページ)」そうだ。】

・白い線の太さ
側面では、上2本は同じ太さ。
現役当時は、下の線ほうが細く、上の半分程度の幅だった。その下の線が正面に回りこんで )( になるわけだが、そこで一気に太くなるデザイン。
そんなところも再現していれば、メリハリがはっきりして、違う印象になっていたかもしれない。

・社名表記
側面窓下には、文字間隔を広く「秋田中央交通」。文字は、デジタルフォントと思われる丸ゴシック体。
現役当時は、表示位置が後ろ寄りなどばらつきがあったようだが、書体は活字ではない文字だったはず。現行塗装でも、2010年代初め頃までは「秋田中宍交通」に見える独特の書体が使われていた。そこも再現できたらおもしろい。
社章は、往時は金属製のものだったが、今回は印刷。これはやむを得ないでしょう。


すでに3台目も塗装ができ上がったようだ。【16日追記・3台目は1605で五城目営業所配置。】
新車や既存車の塗り替えでやらず、新規の中古譲受車を使っているのは、必ず塗り替える必要(=不要不急な塗り替えでなく)があり、それを自社工場【8日追記・もしくは懇意にしている地元整備工場】で行えるので、安く効率的に復刻塗装できるから、かもしれない。
残りも、前モデルのエルガミオ/レインボー2で実施されるのだろうか。欲を言えば、違う車種でも復刻塗装を見てみたいものだけど…

魁によれば、復刻塗装は、AkiCA1周年(3月26日)とシニアアキカ完全移行(4月1日)を記念したもの。その記念日を過ぎてしまったのに、5台がそろわないってのは、ちょっと格好悪い。それに、せっかくの復刻塗装なのだから、ホームページやバス停・車内外などで告知してもいいのに。【2024年1月25日追記・その後、車内には説明の紙が掲出された。】【2024年2月17日追記・車内掲示には「開業100周年を迎えることができました。」の文言もあるが、100周年記念で復刻塗装を実施したとは明記していない。100年が2022年、復刻塗装実施が2023年と1年ズレているからあいまいな表記にしたのだろうが、誤解を招きそう。】
2台目・3台目について
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ぽぽろーどに道路標識

2023-04-02 22:45:06 | 秋田の季節・風景
秋田駅西口(バス乗り場など)とフォンテAKITAに面し、広小路(秋田県道26号、一部区間28号と重複)と中央通り(秋田市道)をつなぐ、南北方向の道路。
広小路にも中央通りにも含まれない道路と認識しており、秋田市道ということになるはず。
一方通行やそれに伴う交通量の関係なのだろう、中央通りから広小路方向への北行きは3車線(北側交差点では進行方向別通行区分で4車線)あるのに対し、南行きは1車線。
2021年春には、北側・広小路との交差点(リボン会館跡)から、さらに北方向の市道(旧脳研=秋田県立循環器・脳脊髄センター裏手)が拡幅・対面通行化。新たにこの交差点を直進することができるようになった。
(再掲)2012年11月。左方向が広小路

(再掲)リボン会館解体後、2013年3月

対面通行開通直後2021年3月。ぽぽろーどから
進行方向別通行区分は、従来は、広小路への左折3車線+右左折1車線。右折は、駅のタクシー乗降場・タクシープール行きほぼ専用。
対面通行化後は、3番目のレーンが左折兼直進車線、4番目が右折専用となった。

ただ、従来も、対面通行化後も、車線ごとに方向を示した「進行方向別通行区分」の青地に白矢印の規制標識(警察管轄)は設置されていない。秋田県ではわりとあるかと思うが、積雪地なのに路面の道路標示しか頼りにならないのは、心もとないし不親切。

対面通行化に合わせて、「方面及び方向」の青い案内標識(道路管理者管轄)は南北両方向に新設。
南側の案内標識
↑右折方向には矢印がない(北側も同)。左折方向には「広小路」の道路の通称名を書いてもいいのでは。

北進する車の視点では、
中央通りとの「秋田駅前」交差点から北方向
路面の標示は当然見えないが、案内標識も、手前の道路上空を横切る、自由通路・ぽぽろーどにさえぎられる。
そこに最近、その助けとなるものが新設された。上の写真にも写っている。
いただいたコメントによれば、年度末も押し詰まった、先週、設置されたとのこと。
いちおう道路標識?
レーンごとに、矢印とともに行き着く地名・施設名を示しているので、規制標識ではなく、これも「方面及び方向」の1つ。
左折2車線が竿燈大通り方向、左折1車線+直進が手形を案内しているのは、先方の既存の案内標識と一致していて妥当ではある。できれば「ミルハス」「保戸野(通町)」なんかもあれば良さそうだけど、スペースが足りないか。【3日追記・というか、壁面標識があれば既存の案内標識に用がないのでは… ぽぽろーどより手前に、何メートル先の予告案内標識として設置したほうがよかったかも。】

このタイプの標識は、柱を建てて標識の板を設置する「門型式(オーバーヘッド式)」が一般的。
再掲)県道26号・竿燈大通りの折りたたみ可能な門型標識
横断歩道橋などほかの用途のものに取り付ける「添架式」もある。

ここの場合は、広義には添架式と言えるかもしれないが、そもそも、標識本体が板ではなくシート状。それをぽぽろーどの外壁に貼り付けている。その関係で、縦横比や文字サイズが、一般的な標識とは異なる。


ぽぽろーど階段の網入りガラス越しに撮影
ぽぽろーどの壁面下側、底面に向かってカーブした部分は、等間隔に区切られた板でできている。その2枠分に一致する幅の標識。
縦方向は、途中で外壁の区切りの目地にかかっていて、標識面に段差ができている。経年でそこからはがれたりしないかな。
反射素材ではある感じ
「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」では、この標識に関わる細かな規格は定めていないようだし、これで大きな問題はないだろう。
道路もぽぽろーども、秋田市の管轄だから、秋田市役所の部局間の連携がうまくいって実現したのかもしれない。門柱を建て、金属板を作るより、安上がりで済むだろうし(というかこの場所に門柱設置はスペース的に厳しく、美観も損ねそう)、運転者に親切で安全運転にもつながるだろう。
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のどじまん大変化?

2023-04-01 00:11:05 | その他もろもろ
NHKのど自慢。
2022年3月で、2013年から司会を担当していた小田切千アナウンサーが降板【4月1日補足・番組内では「司会を退く」と自らを表現】。4月から廣瀬智美/二宮直輝 両アナウンサーが交代で担当することは、先に発表されていた。
初の女性アナウンサー、2名が交代で担当するということは、時代の流れからすれば妥当だ。毎週出張が続くのは大変だったと、昔の司会者がどこかで書いていた。おふたりとも、あまり歌番組のイメージがないアナウンサーなのが、意外と言えば意外な程度(実際はそうでもないようだけど)。

そして、今年度最後・3月26日の放送内で、2022【4月1日訂正】2002年から鐘奏者を務めていた、打楽器奏者・秋山気清(きせい)さんが勇退する【4月1日補足・小田切さんは「ご卒業」と紹介】ことが明らかにされた。
最後の最後で、小田切さんが「秋山気清さん、ほんとうにありがとうございました」と話しかけたばかりに、秋山さんがそれに応えて手を振ったため、最後の鐘を鳴らすタイミングを逸して、空振りになってしまった。

後任の鐘奏者が誰なのかは明らかにされなかった。
そして、近年、小変化が生じてきた(2021年は新型コロナ対策も含めて変化)のど自慢だけに、司会者・鐘奏者交代のほかにも、何らかの変化があるのではないかという予感はしていた。

31日、公式サイトを見ると、やはり…
「▶のど自慢が新しくなります! 」「「4月から、NHKのど自慢が生まれ変わります」」

「司会は、二宮直輝アナウンサーと廣瀬智美アナウンサー。」
→それは知っている。ところで、年齢・入局順では、廣瀬さんのほうが上(初回・4月2日担当も廣瀬さん)なのに、どうして逆に掲載しているのだろう。五十音順?
「舞台セットもリニューアル、出場者のみなさんと一緒に盛り上がります。」
→これまでは地域ブロックごとにセットが異なり、時折リニューアルされていたが、全国共通になるのか?
「おなじみのテーマソングは葉加瀬太郎さんの演奏で。」
→唐突な葉加瀬太郎。生演奏ではなく、録音音源ということでしょう。(2021年4月から、オープニングは録音済みのものを流していた。エンディングは生演奏)
1つ飛ばして、
「鐘を鳴らすのは、全国各地のオーケストラ奏者のみなさん。」
→これも唐突だけど、司会者同様、毎週出張も大変だろうし。オーケストラ奏者がいない地域とかないのだろうか…
初回、4月2日の新潟県村上市は、NHK交響楽団の打楽器奏者が出演することになっている。【4月1日追記・新潟で開催するのに、東京のN響の人という初回からして、「各地のオーケストラ」とは言えないような。NHKの関東甲信越ブロックのくくりなのか。その理屈だったら、これまでだって、「各地のプロ奏者による生バンド伴奏」になる。】

飛ばした1項目が、最大の衝撃。
カラオケ伴奏で、誰でも、どんな曲でも、気軽に挑戦できます。
→生バンド演奏でなくなるということか!!!
鐘と並ぶのど自慢の真髄が、アコーディオンから続く、生演奏の伴奏だろう。

3月26日、和歌山県新宮市からの放送が、最後のバンド演奏だったのか…
編曲は、ローテーションからして西原悟さんの担当だが、近畿地方ではピアノも地元の奏者なので出演はなし。

歌い出しを間違った人、伴奏に乗れない人、どんな出場者にも、臨機応変に合わせてくれる、それ以前に、戦前の歌、2023年の歌、演歌、ラップ(※)、どんな曲でも演奏できてしまう、それがのど自慢のバンドであり、のど自慢の素晴らしさだった。
※2022年12月11日の長崎県諫早市では、SOUL'd OUTの「ウェカピポ」を歌った人がチャンピオンになり、その伴奏についてもネット上で評価する声が多かった。

カラオケというのは、民放のBSの歌番組なんかである「音源協力:DAM 第一興商」みたいなのになってしまうのだろうか。町のお祭りのカラオケ大会と違わなくなってしまうような…
カラオケだと、前奏や間奏が長い歌、もしくは前奏がない歌の対応が問題になる。生演奏では、最大限歌えるように、上手く編曲してくれていた(ピンク・レディー「サウスポー」は例外で、振り付けの都合上フル演奏)のだが。【4月2日追記・元歌がソロの曲を、出場者がデュエットで歌ったり、その逆という場合、あるいは出場者(の仲間)がバックコーラスも歌ったりということもあった(反対に、バックコーラスがある歌では、忠実に対応できないのは、生バンドの弱点ではあった)が、その時も編曲で対応していた。今後は、それらでも一律同じカラオケになるのか。】【4月5日追記・前奏があっても、歌い出すタイミングがつかみにくい曲では、そのポイントで元にはないドラムの音などを入れて分かりやすくする編曲もされていた。映像がない音のみのカラオケでは、それは難しそう。】
それに「どんな曲でも、気軽に挑戦できます」と言っているが、カラオケがない曲だってあるだろう。そういうのは、応募はがきを見た時点で、落とすのかな。
あと、最近は北海道と秋田県でしかいなくなったものの(昭和には、どこの県でもいた)、民謡での出場はどうなるのか。民謡のカラオケってあるの?
【4月1日補足・「気軽に」というのは、素人の出場者にとっては不慣れな生演奏ではなく、日頃歌い慣れているカラオケで、という意味のようだ。ただ、「生バンド伴奏で歌いたくて、のど自慢に応募した」「生バンドで歌えたのが、気持ち良かった/いい体験ができた」という出場者の声があったのも事実。カラオケで歌いたいのなら、カラオケ屋に行けばできる。】

公式サイトでは、
「もっともっと訪れた地域のみなさんとお近づきになるために生まれ変わります。」
と言っているけれど、これが出場者・視聴者が求めていることなのか…
偉大なるマンネリではあったが、それを変える必要があるのか。
公式サイトより合成
あと、番組ロゴというより表記が変わり「NHKのど自慢」が「NHKのどじまん」になるらしい。鳥(スズメ)もマイナーチェンジされるようで、羽が「の」なの?【5月14日追記・「のどじまん」のひらがなに表記になったのはロゴだけで、番組名としては引き続き漢字表記の「のど自慢」のままらしい。公式でない表記が番組名として画面に出るのは、なんだかヘン。】

日曜お昼の茶の間の光景はどうなっていくだろう。
【4月1日感想を追記】生伴奏がカラオケに変わることは、いつかはあり得るのではないかと、以前から思ってはいたが、その時が来てしまった。お金と手間はかかっても、生演奏なのが、テレビの、NHKの、人気番組ならではのアドバンテージだったと思う。素人がカラオケ音源で歌うのを聞かせたいのなら、町のカラオケ大会でもYouTube投稿でもできる。素人とバンドの駆け引き(?)や、バンドの人たちの反応などが垣間見えるのも楽しかった。NHKがそれらを捨ててしまうとは。

【4月2日訂正・↓以下は、NHKや番組関係者とは関係のないアカウントでしたので、追記を取り消します。恥ずかしながらだまされてしまった。ツイッターってこういうまぎらわしさが嫌い。なお、番組公式ツイッターは@nodojiman_nhk。】
【4月1日番組公式ツイッター(@nhk_nodojiman)の投稿より追記】4月1日15時03分に「4月からのNHKのど自慢の伴奏は、前日の予選会、本選ともに生バンドからカラオケ伴奏に。新しいスタイルは楽しみですが、出場者の歌声に寄り添う生バンドの演奏が聴けないのは残念です。(以下略)」とツイート。
残念に思うのなら、やめるなよ。やめるのを決めたのはそっちでしょと言いたくなるが、これはもしかしたら、番組側としても生演奏をやめたくなかったという意思を表す、“ささやかな抵抗”なのではと勘ぐってみたり。しかも「のど自慢」と旧表記だし。
また、4月1日時点では、ツイッターのアカウント名は「のど自慢」表記、アイコンの番組ロゴも以前のまま。


【4月2日追記・視聴後の感想】総合的には、意外にも違和感はさほどなかったというのが正直な感想。
司会者や鐘奏者はまったく問題なし。
カラオケ音源は、思ったほどは気にならず。「高校三年生」ではイントロが本来より端折られており(ただし、これまでの宮下・西原両氏の編曲とはまた違う略し方)、何らかの改変がされていると思われる【末尾の5月13日付追記参照】。その「高校三年生」の人たち(合格してしまったが)など、伴奏に乗れていない出場者はおり、対応が今後の課題だろう。音源提供の表示などはなし。
伴奏・歌声・鐘の音の音量のバランスが、以前と違った感じがして、人やテレビの設定によっては聞きづらそう。
コロナ以前のように、全出場者が同時にステージ上にいる場面が復活。ただし、オープニング終了後にいったん全員が引っこみ、順番に舞台中央のトンネル状の口から出てきて歌い(この点は大昔ののど自慢みたいだ)、歌唱後はステージ上の椅子に座って最後までいる方式。最初と最後に全出場者が壇上にいることになるが、最初のほうの順番の人が歌っている時は、ステージが少々寂しい【12月17日放送から変更。下の追記参照】。
【4月16日追記】3回見て、上手く言えないが、カラオケでは「音が安っぽい」「音色が同時にたくさん鳴って、歌声が聞きづらく感じる時がある」「前奏(または間奏)が長くなって、間延びする時がある」と感じている。
【5月14日追記】イントロが長い歌では、フェードインするように聞こえて始まることがあり、短縮しているのが明白な場合がある。
【11月10日追記】「TOMORROW」「月光」など、曲の始めのほうに比較的長い間奏が入る歌では、生バンド時代は繰り返しを省略する編曲がされていた。カラオケ化後も同様の対応がされ、間奏が完全にカットされるケースもあるようだ。
【2024年2月4日追記・歌唱前の出場者の動き変更】2023年12月17日放送(年内最後)から、歌唱前の出場者も、各自の椅子に座るようになった。各自順番直前に裏へ行って、正面から出てくる流れに。

【4月3日追記・テーマ曲について】編曲も葉加瀬太郎。声と重なって音量が小さかったので詳細は不明だが、従来とさほど違った印象がなかった。大胆にアレンジされることを危惧していたので、安心。テンポは少し早めかな。エンディングもオープニングと同じものかと思われる。
チャンピオン発表時のドラムロールに続くファンファーレは、従来とまったく違うものになった。


【4月7日追記・出場者募集時の説明について】放送の2か月前~1か月前にかけて、開催地の放送局ホームページで告知される。
4月初め時点で募集されている開催地では、3月中から募集がされていたわけだから、伴奏がカラオケになることについて説明がされているのではないかと、各放送局のホームページを見てみた。すると、4月7日時点ではその点に言及した局はなし(というか各局同じ内容)。
予選出場決定者へ送られる通知では説明があるのかもしれないが、はがきを見て愕然とするもしくはがっかりする出場者がいるかもしれないし、ないのであれば、当日会場でカラオケに変わったことを知って、以下同。
ちなみに、2015年の富山県の「予選会のご案内」の画像をネットで見つけたが、その「要領」の中に次のような注記があった。
「●バンドによる生演奏ですが、キーの変更はできません。」
→あくまで予選の話。予選通過者は、編曲者と打ち合わせてして、キーや前奏などアレンジしてもらえる。カラオケ化後も、予選では同じなのだろうか。
「●歌う曲のCD・MD・カセットテープ(ご自分で歌ったものではなく、歌手が歌っている原曲のもの、カラオケバージョンは不可)のいずれか一つをご持参ください(本選出場の20組に選ばれた場合に必要となります)。」
→本番用編曲の参考にするのだろう(オリジナルカラオケはダメってのが意外)。4月以降は、最初からカラオケがあるのだから、この項目はなくなっただろうか。


【4月16日追記・記念バッジについて】予選出場者、本選出場者それぞれに記念ピンバッジが送られ(予選/本戦で色違い?)、本選出場者は、予選時のバッジを服に着けて出演する(着けない人もいる?)。
バッジのデザインは、これまで何度も変わっているようだが、いずれも「NHKのど自慢」ロゴや鳥をかたどったものだった。
2023年4月にもバッジがリニューアルされ、(予選用は赤色で)「の」の中に小さい鳥がいるデザインに。以前のよりも大きく目立って見え、一見、ただの「の」バッジだと認識してしまう。


【4月16日追記・曲順の事前告知について】番組公式ツイッター(@nodojiman_nhk)において、放送当日11時30分頃に、その日の歌唱順に曲名と歌手名が発表されるようになった。
これまでは、放送内で、出場者が曲名を言った時に(もしくはその直前のイントロで)初めて、何を歌うか分かって、それも楽しみというか特徴だった。事前に、しかもツイッターでひっそりと知らせる意味があるのか。ちょっと引っかかる。


【5月13日追記・NHK側の見解やカラオケの使いかたについて】生バンド廃止は、ネットばかりか全国紙各紙にも掲載されるなど、話題になった。
そんな中、ニュースサイト「デイリー新潮」は、5月12日に「NHK「のど自慢」はなぜ生バンドからカラオケになったのか チーフプロデューサーが苦渋の決断を語る」をアップした。

1992年入局・53歳の、番組チーフプロデューサーへの長いインタビュー記事。
吉川精一アナウンサー時代からのど自慢に関わり、NHKエンターテイメント部門の職員の中でも「僕は関与の密度が濃いほうです」という。
御本人でなくデイリー新潮側の不手際かもしれないが、生放送なのに「収録」とされていたり、番組ロゴが変わったことには触れているが、すべて「のど自慢」表記で、新しい公式表記であるはずの「のどじまん」の文字はない【5月14日付追記参照】。

生バンド廃止、カラオケとなった経緯や理由は、
・バンドのスペースを空けて、ステージ上の空間を確保するコロナ対策。
・自動演奏の”打ち込み“を使った最近の曲を、生バンドで再現するのが難しい。
・地方において、のど自慢に対応できる奏者の確保が難しくなっている。
ことを挙げている。
コロナ対策で、予選のみをカラオケで行ってみたこともあったが、本番の生バンドで歌えなくなる出場者がいて、全面カラオケに切り替えたそうで、出場者にもカラオケが受け入れられているととらえているようだ。
また、「確かに予算の問題もありましたが、あくまでも解決すべき多くの課題のひとつにすぎません」。

チーフプロデューサーとしては、バンド演奏の良さは分かっていて、リスペクトしているけれど、そうした理由から、やむなくカラオケにした、と言いたいのだと読めた。言葉は悪いが、バンド廃止ありきでいろいろと理由を並べ立てて。
NHK側の人間として、対外的にそう言うしかないのは理解する。

だけど、音楽業界の人たちの視点では、別の見解が出てきそうな気もする。
バンドの後継者が見つからないというけれど、北海道のバンドは若い人たちだし、2022年度途中でも、四国のドラムと中国のギターが新しい人に交代している。
このインタビューに対する、音楽専門家の方々の見解や反論を聞いてみたい。


カラオケの使いかたが紹介されていた。
カラオケシステムは予備を含めて2台を搬入。予選では、(カラオケ屋で歌うのと同じように)担当者が曲番号を入力して、そのまま流す。
イントロが長い曲の扱い。カラオケに備わった「イントロスキップ」機能があるが、極端にスキップされるため、「『この曲はイントロが長いので、歌う時間を長くしたければ飛ばすことができます。うまく歌えなかった場合はやり直すことができます』と説明」。

原曲キーで、変更不可(予選)。ガイドメロディーやコーラスはオフ。
「『のど自慢』は歌のコンテストという側面もあるので、歌の巧さも重要な選考要素の一つです。そこでカラオケをシビアな設定にし、皆さんの歌唱力を丸裸にするのが狙いです」
→カラオケ化で歌いやすくしましたようなことを言っておきながら、ここでは厳しくなった。だったら、生バンドで歌えない人は、その技能がないとみなす、シビアな選考をすればいいのでは? カラオケで歌える巧さ・歌唱力がある人でいいのなら、それはカラオケ大会では?

生バンドでは、50組ごとに休憩を入れていたが、カラオケではなくなって、進行がスムーズに。

本選出場者決定後。
「希望があった場合や、番組サイドからの提案により、特にキーの調整を行います。」
「音源データを、カラオケから音楽制作ソフトに移し替える。」
「プロのミュージシャンや音響の専門家が、音楽制作ソフトでイントロの短縮を行います。」音域を調整する「イコライジング」も行う。
したがって、「『のど自慢』で流れる曲は、厳密に言うとカラオケ音源とも異なります。番組のオリジナル音源なのです」。

「カラオケは民謡の音源も豊富ですが、ひょっとすると存在しないものがあるかもしれません。書類選考の段階で『この民謡はカラオケに音源がないけれど、予選会で歌ってもらおう』と決まったら、尺八と三味線の先生を手配することは充分に考えられます」
→それだと、民謡は曲によって、生とカラオケが混在することになり、それこそ不公平では? また、演歌やポップスだって、カラオケにない曲はあるだろう。それはどうするのか。


【5月14日追記・番組名表記について
気が付けば、新聞テレビ欄のほか、電子番組表、NHKサイトの表記とも「NHKのど自慢」のまま。というとは、画面表示のみ「のどじまん」に変えたということだろうか。
でも、画面に表示される文字が、公式表記であるべきではないのだろうか。
分かりやすさでというのなら、「チコちゃんに叱られる! 」「どうする家康」「大相撲」などほかの番組名も、全部ひらがな表記にするべきではないのか。

【11月10日追記】2023年10月15日は秋田県大仙市から放送。秋田県は民謡が盛んなため、現在でも、毎回1組は民謡での出場者がいるのが通例。
カラオケ化後初の秋田からの放送となったわけだが、今回は民謡歌唱者はいなかった(生バンド時代でも、民謡が出ない回もなかったわけではないが)。予選での民謡はいたと思われるが、秋田では放送されないので、詳細は不明。

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