2001年の東北夏祭り向けの長距離臨時列車の続き。
2025年8月11日の記事は、JR西日本の583系電車を使った、寝台急行「東北夏祭り号」を取り上げた。19年間(たぶん)にわたって、期間中は連日運行されたので、記憶に残っている人も少なくないようだ。
それとは別に、JR東日本の583系電車による寝台急行が運行された時期もあった。期間が短く、毎年1回しか運行されなかったので、鉄道好きでも知らない人も多そうで、ネット上にはダイヤの情報はある(参考にさせてもらいました)が、写真はなさそうだった。
その貴重な写真があります。
2001年8月5日7時15分頃、前回と同じ、秋田駅北の奥羽本線300キロポスト付近で撮影。
「臨時」表示
下手な写真&もったいぶってごめんなさい。何のことはない、当時としてはさほど珍しくない、583系9両編成の臨時列車。
JR東日本の583系電車は、1994年で定期運用は消滅。以降、臨時列車や団体列車に使われていた。当時はまだ青森の車両基地所属で、仙台と秋田に1編成ずつ転出(青森の配置がなくなる)するのは、2002~2003年のこと。
写真は、青森方面から奥羽本線を上って、秋田駅へ入線するシーン。関西から、東北夏祭りを見に来た人を乗せて夜を走ってきた「東北夏祭り号」とは、逆方向。
どういう経路で、どういう乗客が乗っているのか、想像が難しいと思う。
列車名は、寝台急行「お祭り北東北2号」。
始発駅は青森、終着駅は秋田。途中停車駅はなし。【14日追記・秋田駅は、2001年、2002年とも2番線に7時17分着。】
別の年のダイヤを後述するが、2001年もほぼ同じで、青森から秋田まで7時間程度かかったはず。電車特急なら2時間半の区間、各駅停車の倍の時間をかけている。
すなわち、青森ねぶたを見終わった人を乗せて、途中駅でドアを開けずに長時間停まりつつ秋田へ来たことになる。
“列車ホテル”の意味合いが強い列車。似たような列車が、かつては、つくば万博や甲子園の高校野球向けなどで設定されていた。
反対方向の列車もあったが、単純に往復するものではなかった。
この日(8月5日)の夜に秋田を出発、青森経由の仙台行きの「お祭り北東北4号」。下りなのに偶数号なのは、東北本線内に合わせている。
4号は、秋田竿燈まつりを見終わった人を、東北地方太平洋側へ運ぶ列車。
さらに、2号と4号を組み合わせて、青森ねぶた→秋田竿燈→仙台(北東北でないけれど仙台七夕もある)と周遊してもらう意図もあったのではないだろうか。そういうツアーがあったのかもしれない。
ネットから、お祭り北東北の変遷を拾ってみた。
1998年運行開始のようで、同年はすべて8月3日に、1号 一ノ関→八戸、3号 八戸→青森、4号 青森→秋田。
北東北を半周して、お帰りは各自というルート。
1号と3号は昼行のようだが、料金設定や座席仕様だったのかは不明。
八戸でいったん打ち切っているのは、3日がクライマックスだという「八戸三社大祭」を見てもらうためか。それならば、八戸、青森、秋田と北東北の3つの夏祭りを見られ、「お祭り北東北」によりふさわしい(岩手は無視されているけれど)。
1999年は号数なし。
8月4日 青森23時28分→秋田7時04分
8月5日 秋田22時30分→青森1時25分~1時51分→盛岡4時27分→北上4時57分→一ノ関5時44分→仙台6時56分
青森起点となり、ねぶたと竿燈の2つを見て、仙台に戻るコースに変更。
2000年からは、おおむね同じダイヤで、4日が2号、5日が4号に。
2002年が最後の運行だったようだ。
なお、東北夏祭り号と違って、グリーン車も座席として発売されていた。
仙台行き4号は、ねぶたを見た後に青森駅からも乗車可能なはずだが、時間的には遅い。
同じく2002年まで、仙台~青森で、24系客車による急行「ねぶたドリーム号」が運行されていて、そちらが最適な時刻だったはず。
今回も「居酒屋ドリーム」
この時の最後尾は、クハネ583-17。
終点到着時にカーテンが閉まっている寝台が多いのは、空席?
2003年に仙台へ転出し、その後、秋田の編成が廃車となった代替として、2011年に秋田へ転属。青森向きの先頭車となって、2017年のさよなら運転まで走り続けた。
他の車両は廃車となり、2025年時点でこのクハネ583-17は、車籍を有する唯一の583系。といっても、他の車両がないので自走は不可能だし、秋田総合車両センター(旧・土崎工場)に色あせてサビが多い状態で置かれており【2025年6月14日の記事で少々】、今後はどうなるか。
2010年代以降、夜行列車、寝台列車は、超豪華なものを除けば過去のものとなってしまった。【14日補足・唯一の定期寝台列車となり、まもなく30年を迎えるサンライズエクスプレスは、いつまで走り、その後継は出るのか。】一方で近年は宿泊価格が高騰している。
それを意識したのかは分からないが、JR西日本「WEST EXPRESS 銀河」が登場し、そしてJR東日本が2027年春に「新たな夜行特急列車」を運行する。いずれも「寝台」ではなく座席扱いだが横になることができ、そんなに高い料金ではなさそう。高くなったホテル代を考えれば、庶民でも手が届くと思って【14日訂正】ある程度納得できる価格で、庶民でもなんとか手が届きそうで、期待している。
東日本のものは、首都圏と北東北を結ぶ計画だそうだが、このような夏祭りの輸送手段にもなるだろう。運行区間を変えれば、「お祭り北東北」の復活もなくはないのでは。※「東北夏祭り号」のほうは、車両の対応電源、路線の第3セクター化、JRだけでも西日本・東日本をまたぐことになるため、復活は難しい。
【14日追記・2002年の夏祭り列車について】
2002年には、24系客車「夢空間」をつないだ(食堂車は非営業)、「夢・夏祭り号」が、8月2日、5日に上野19時23分→秋田8時02分、3日、6日に秋田19時14分→上野10時58分で運転されていた。これも、上りは、まだ竿燈まつり途中で中途半端な時間。
2025年8月11日の記事は、JR西日本の583系電車を使った、寝台急行「東北夏祭り号」を取り上げた。19年間(たぶん)にわたって、期間中は連日運行されたので、記憶に残っている人も少なくないようだ。
それとは別に、JR東日本の583系電車による寝台急行が運行された時期もあった。期間が短く、毎年1回しか運行されなかったので、鉄道好きでも知らない人も多そうで、ネット上にはダイヤの情報はある(参考にさせてもらいました)が、写真はなさそうだった。
その貴重な写真があります。
2001年8月5日7時15分頃、前回と同じ、秋田駅北の奥羽本線300キロポスト付近で撮影。

下手な写真&もったいぶってごめんなさい。何のことはない、当時としてはさほど珍しくない、583系9両編成の臨時列車。
JR東日本の583系電車は、1994年で定期運用は消滅。以降、臨時列車や団体列車に使われていた。当時はまだ青森の車両基地所属で、仙台と秋田に1編成ずつ転出(青森の配置がなくなる)するのは、2002~2003年のこと。
写真は、青森方面から奥羽本線を上って、秋田駅へ入線するシーン。関西から、東北夏祭りを見に来た人を乗せて夜を走ってきた「東北夏祭り号」とは、逆方向。
どういう経路で、どういう乗客が乗っているのか、想像が難しいと思う。
列車名は、寝台急行「お祭り北東北2号」。
始発駅は青森、終着駅は秋田。途中停車駅はなし。【14日追記・秋田駅は、2001年、2002年とも2番線に7時17分着。】
別の年のダイヤを後述するが、2001年もほぼ同じで、青森から秋田まで7時間程度かかったはず。電車特急なら2時間半の区間、各駅停車の倍の時間をかけている。
すなわち、青森ねぶたを見終わった人を乗せて、途中駅でドアを開けずに長時間停まりつつ秋田へ来たことになる。
“列車ホテル”の意味合いが強い列車。似たような列車が、かつては、つくば万博や甲子園の高校野球向けなどで設定されていた。
反対方向の列車もあったが、単純に往復するものではなかった。
この日(8月5日)の夜に秋田を出発、青森経由の仙台行きの「お祭り北東北4号」。下りなのに偶数号なのは、東北本線内に合わせている。
4号は、秋田竿燈まつりを見終わった人を、東北地方太平洋側へ運ぶ列車。
さらに、2号と4号を組み合わせて、青森ねぶた→秋田竿燈→仙台(北東北でないけれど仙台七夕もある)と周遊してもらう意図もあったのではないだろうか。そういうツアーがあったのかもしれない。
ネットから、お祭り北東北の変遷を拾ってみた。
1998年運行開始のようで、同年はすべて8月3日に、1号 一ノ関→八戸、3号 八戸→青森、4号 青森→秋田。
北東北を半周して、お帰りは各自というルート。
1号と3号は昼行のようだが、料金設定や座席仕様だったのかは不明。
八戸でいったん打ち切っているのは、3日がクライマックスだという「八戸三社大祭」を見てもらうためか。それならば、八戸、青森、秋田と北東北の3つの夏祭りを見られ、「お祭り北東北」によりふさわしい(岩手は無視されているけれど)。
1999年は号数なし。
8月4日 青森23時28分→秋田7時04分
8月5日 秋田22時30分→青森1時25分~1時51分→盛岡4時27分→北上4時57分→一ノ関5時44分→仙台6時56分
青森起点となり、ねぶたと竿燈の2つを見て、仙台に戻るコースに変更。
2000年からは、おおむね同じダイヤで、4日が2号、5日が4号に。
2002年が最後の運行だったようだ。
なお、東北夏祭り号と違って、グリーン車も座席として発売されていた。
仙台行き4号は、ねぶたを見た後に青森駅からも乗車可能なはずだが、時間的には遅い。
同じく2002年まで、仙台~青森で、24系客車による急行「ねぶたドリーム号」が運行されていて、そちらが最適な時刻だったはず。

この時の最後尾は、クハネ583-17。

2003年に仙台へ転出し、その後、秋田の編成が廃車となった代替として、2011年に秋田へ転属。青森向きの先頭車となって、2017年のさよなら運転まで走り続けた。
他の車両は廃車となり、2025年時点でこのクハネ583-17は、車籍を有する唯一の583系。といっても、他の車両がないので自走は不可能だし、秋田総合車両センター(旧・土崎工場)に色あせてサビが多い状態で置かれており【2025年6月14日の記事で少々】、今後はどうなるか。
2010年代以降、夜行列車、寝台列車は、超豪華なものを除けば過去のものとなってしまった。【14日補足・唯一の定期寝台列車となり、まもなく30年を迎えるサンライズエクスプレスは、いつまで走り、その後継は出るのか。】一方で近年は宿泊価格が高騰している。
それを意識したのかは分からないが、JR西日本「WEST EXPRESS 銀河」が登場し、そしてJR東日本が2027年春に「新たな夜行特急列車」を運行する。いずれも「寝台」ではなく座席扱いだが横になることができ、そんなに高い料金ではなさそう。高くなったホテル代を考えれば、
東日本のものは、首都圏と北東北を結ぶ計画だそうだが、このような夏祭りの輸送手段にもなるだろう。運行区間を変えれば、「お祭り北東北」の復活もなくはないのでは。※「東北夏祭り号」のほうは、車両の対応電源、路線の第3セクター化、JRだけでも西日本・東日本をまたぐことになるため、復活は難しい。
【14日追記・2002年の夏祭り列車について】
2002年には、24系客車「夢空間」をつないだ(食堂車は非営業)、「夢・夏祭り号」が、8月2日、5日に上野19時23分→秋田8時02分、3日、6日に秋田19時14分→上野10時58分で運転されていた。これも、上りは、まだ竿燈まつり途中で中途半端な時間。