バスと消防車のお話です。
まずは先日の秋田空港リムジンバスの新車導入に関連した話題。
●イラストバス
前回アップ時、「最近見かけなくなったから廃車になったのか?」と思っていたバスが、まだ走っていた。
これ
正面には、秋田フキと秋田おばこ? のイラスト。小さく「Air Port Limousine」とある。
側面
青空と雲の背景にかわいらしい太陽、虹、飛行機、鳥、トンボなどがデザインされている。
たしかナマハゲの絵もあったような気がしたが、別の車両なのか、あるいは反対側なのか。
誰がデザインして、どうしてこの車両だけに描かれているのかなど、詳細は不明。
●虹のガーラ
前回紹介したリムジンの新車は、2005年にモデルチェンジした「いすゞガーラ」。
中央交通では、既に貸切用に少なくとも1台、さらに同設計の「日野セレガ」を少なくとも1台保有している。つまりリムジン用を含めて少なくとも3台があることになる。
ほかにも、
こんなバスも
背が高い「スーパーハイデッカー」仕様と思われる、ガーラの貸切車。昨年頃には既にあったと思う。
側面
中央交通と同じ白地にピンクと青紫のラインに加え、虹が描かれている。(ちょっとうるさいと思う)
表記は「AKITA CHUO KANKO」、つまり「秋田中央観光」。
バス会社の関連会社に「秋田中央観光社」というのがあり、旅行代理店や男鹿の「寒風山回転展望台」をやっている。
これはそこのバスかと思いきや、そうではなく、別の関連会社「秋田中央トランスポート」の車両。かつての「秋田中央タクシー」を改組したもので、タクシー事業や郊外部の路線バス(五城目・男鹿の路線や秋田市から受託した豊浜ふれあい号など)などを運行している。本社は新国道沿いの秋田市茨島にある。
だったら「AKITA CHUO TRANSPORT」と書けよ、という気もするが…
【2014年11月11日追記】その後、いつの間にか「秋田中央観光社」は中央交通本体に吸収されて消滅したらしい。「中央観光」はトランスポートの貸切バスの表示だけになって、いちおう筋は通ることになった。
トランスポート社では、以前から貸切バス事業もやっていたが、定員30人以下の小型・中型バスで、車体の塗装は中央交通本体とは別(色遣いは似ている)だった。
しかし、現在はこのような45人乗り大型バスの貸切もあり(4台あるらしい)、ご覧の通り塗装も共通性がある。これだと、同じ企業グループ内で競合してしまっているように思う。どうすみ分けしているんだろう。
ちょっと飛躍して、バスの車種のお話。
●セレガーラ
以前も書いたけれど、いすゞ自動車と日野自動車のバス製造部門が統合された。
しかし、実質的には、かつてのいすゞの工場と日野の工場が別々に稼動しているようだ。
そうしたわけで、主に路線バスは旧いすゞの工場で、貸切・高速バスは日野の工場で製造し、両社に供給されている(OEM的なもの)。
したがって、現行の「いすゞガーラ」と「日野セレガ」はほぼ同じ仕様で、ぱっと見ただけでは違いが分かりにくい。
バス愛好家の間では、「セレガ」と「ガーラ」をまとめて、通称「セレガーラ」と呼ぶことがある。
竿燈まつりに各地からやって来た貸切バスを観察すると、圧倒的にセレガーラが多かった。
モデルチェンジから5年以上経ったから当然なのかもしれないが、先代のガーラやセレガはあまり見なかった。また、シェアが高いと思っていた三菱ふそうのバスも少ない印象だった。(三菱は貸切ではなく高速路線で好まれるのかもしれない)
ガーラとセレガではどっちが多いかというと、ガーラの方が多かったと思う。
逆光ですが、
ホテルの前に停まっていた弘前の弘南バス
「2号車」がお客を降ろしていると、後ろからもう1台「1号車」が到着。一瞬、ここは弘前かと思ってしまう状況。
揃い踏み!
2台とも、「日野セレガ」だった。いすゞガーラとそっくりだけど。
右ヘッドライトの上に「HINO」とあるのが決定的だが、よく見るとそれ以外にもいすゞガーラとの相違点がある。
まず、ヘッドライトの間(ガーニッシュとか言うのかな)のデザインが異なる。
上の中央交通の写真で見ていただきたいが、格子状の凹凸があるのがいすゞガーラ。
一方、セレガでは、横方向のラインになっており、しかも上の弘南バスでは2台が違うデザイン。右の2号車ではただの溝だけど、1号車はメッキされて銀色。
1号車は今年購入した弘前営業所所属車、2号車はたしか昨年か一昨年の購入だった(弘南バスは車体に年式が書かれている)。
また、フロントガラスの下の黒い部分に、いすゞガーラにはない、細いラインが入るのも日野セレガの特徴。セレガの“伝統”で、夜はここがオレンジ色に光る。
ガーニッシュのデザインのせいだけなのだろうか、いすゞ車よりもヘッドライト間が間延びして見える気がする。
側面
また、前面から側面への太い銀色の帯(アクセントピラー)が、窓部分までかかるのが、セレガとしての基本デザインのようだが、これはガーラと同じく窓下で途切れている。
乗客に景色を楽しんでもらうための配慮として、弘南バスで仕様を変更したのだろう。
それにしても、ドアが開くとアクセントピラーとやらがズレたり隠れたりしてしまう。デザイン的にどうなんだろう。
個人的には、どうも好きになれない。
このセレガーラは、屋根がぽこっと出ているのも特徴的。
中央交通の塗装だと、屋根も白くて印象が薄いが、弘南バスの場合、オレンジ色に塗られていて、いいアクセントになっていると思う。
全体的にきれいにまとまっているように感じられ、弘南バス貸切塗装のキャンバスとしては、ふさわしい車体かもしれない。
後日、また別のバス会社のものを紹介するかもしれません。
最後に消防車。
●消防車のキャンピングカー?
竿燈まつりの賑わいに紛れて、こんな消防車が走っていた。
デカくて真っ赤!
バスみたいな車。
車体に「支援車」とあったので調べてみると、秋田市消防本部のホームページによれば、「支援車:緊急消防援助隊派遣により派遣された隊員の後方支援のため出動し、隊員の食事、休憩場所等に使用され、内部は冷蔵庫、流し台、シャワー、トイレ、仮眠ベットなどキャンピングカーのような設備があります。」
とのこと。
なるほど。こういう車もあったのか。普段はどこにいるんだろう?
消防本部のサイトに出ていた写真は、これより小さくて古そうな車。一方、これはきれいだったのでまだ新しいのだろうか。
さらによく分からないのが、車体に「総務省消防庁」「秋田県」「秋田市消防本部」と、国・県・市の全部の名称が表示されていること。
また、屋根のサイレンの間の黄色い部分には、通常「城東」「化学」とか所属消防署名や用途が表示されているが、
「秋田県」(サイレンが光っているように見えるのは、日光を反射しているため)
消防は市町村単位が基本だから、秋田市の車なら、総務省とか県とかいらないんじゃないの? と思って調べると、今年1月20日付「わかやま新報」の「那賀消防に支援車1型一台配備」という記事が参考になった。
おそらく同型と思われる車両が、和歌山県の那賀消防組合消防本部に配備されたという記事。
「支援車I型」というタイプで、「全長11メートル、総重量20トン、最大定員26人」「側面部が約4メートル突き出し、車内に居住空間が確保できる構造」。
「国の平成21年度補正予算で平成23年度までに全国47都道府県に1台の無償配備を進めることが採択されたもの。事業費は1台当たり約7000万円、総予算32億円で、阪神淡路大震災で甚大な被害が出た教訓を機に国が配備を進めている。」
ということは、国からタダで、秋田県を代表して秋田市に配備されたから、総務省とか秋田県とか表示があるのだろう。
東日本大震災の時は出動したのだろうか。
※支援車については、この記事にいただいたコメントやこちらの記事を参照してください。
まずは先日の秋田空港リムジンバスの新車導入に関連した話題。
●イラストバス
前回アップ時、「最近見かけなくなったから廃車になったのか?」と思っていたバスが、まだ走っていた。
これ
正面には、秋田フキと秋田おばこ? のイラスト。小さく「Air Port Limousine」とある。
側面
青空と雲の背景にかわいらしい太陽、虹、飛行機、鳥、トンボなどがデザインされている。
たしかナマハゲの絵もあったような気がしたが、別の車両なのか、あるいは反対側なのか。
誰がデザインして、どうしてこの車両だけに描かれているのかなど、詳細は不明。
●虹のガーラ
前回紹介したリムジンの新車は、2005年にモデルチェンジした「いすゞガーラ」。
中央交通では、既に貸切用に少なくとも1台、さらに同設計の「日野セレガ」を少なくとも1台保有している。つまりリムジン用を含めて少なくとも3台があることになる。
ほかにも、
こんなバスも
背が高い「スーパーハイデッカー」仕様と思われる、ガーラの貸切車。昨年頃には既にあったと思う。
側面
中央交通と同じ白地にピンクと青紫のラインに加え、虹が描かれている。(ちょっとうるさいと思う)
表記は「AKITA CHUO KANKO」、つまり「秋田中央観光」。
バス会社の関連会社に「秋田中央観光社」というのがあり、旅行代理店や男鹿の「寒風山回転展望台」をやっている。
これはそこのバスかと思いきや、そうではなく、別の関連会社「秋田中央トランスポート」の車両。かつての「秋田中央タクシー」を改組したもので、タクシー事業や郊外部の路線バス(五城目・男鹿の路線や秋田市から受託した豊浜ふれあい号など)などを運行している。本社は新国道沿いの秋田市茨島にある。
だったら「AKITA CHUO TRANSPORT」と書けよ、という気もするが…
【2014年11月11日追記】その後、いつの間にか「秋田中央観光社」は中央交通本体に吸収されて消滅したらしい。「中央観光」はトランスポートの貸切バスの表示だけになって、いちおう筋は通ることになった。
トランスポート社では、以前から貸切バス事業もやっていたが、定員30人以下の小型・中型バスで、車体の塗装は中央交通本体とは別(色遣いは似ている)だった。
しかし、現在はこのような45人乗り大型バスの貸切もあり(4台あるらしい)、ご覧の通り塗装も共通性がある。これだと、同じ企業グループ内で競合してしまっているように思う。どうすみ分けしているんだろう。
ちょっと飛躍して、バスの車種のお話。
●セレガーラ
以前も書いたけれど、いすゞ自動車と日野自動車のバス製造部門が統合された。
しかし、実質的には、かつてのいすゞの工場と日野の工場が別々に稼動しているようだ。
そうしたわけで、主に路線バスは旧いすゞの工場で、貸切・高速バスは日野の工場で製造し、両社に供給されている(OEM的なもの)。
したがって、現行の「いすゞガーラ」と「日野セレガ」はほぼ同じ仕様で、ぱっと見ただけでは違いが分かりにくい。
バス愛好家の間では、「セレガ」と「ガーラ」をまとめて、通称「セレガーラ」と呼ぶことがある。
竿燈まつりに各地からやって来た貸切バスを観察すると、圧倒的にセレガーラが多かった。
モデルチェンジから5年以上経ったから当然なのかもしれないが、先代のガーラやセレガはあまり見なかった。また、シェアが高いと思っていた三菱ふそうのバスも少ない印象だった。(三菱は貸切ではなく高速路線で好まれるのかもしれない)
ガーラとセレガではどっちが多いかというと、ガーラの方が多かったと思う。
逆光ですが、
ホテルの前に停まっていた弘前の弘南バス
「2号車」がお客を降ろしていると、後ろからもう1台「1号車」が到着。一瞬、ここは弘前かと思ってしまう状況。
揃い踏み!
2台とも、「日野セレガ」だった。いすゞガーラとそっくりだけど。
右ヘッドライトの上に「HINO」とあるのが決定的だが、よく見るとそれ以外にもいすゞガーラとの相違点がある。
まず、ヘッドライトの間(ガーニッシュとか言うのかな)のデザインが異なる。
上の中央交通の写真で見ていただきたいが、格子状の凹凸があるのがいすゞガーラ。
一方、セレガでは、横方向のラインになっており、しかも上の弘南バスでは2台が違うデザイン。右の2号車ではただの溝だけど、1号車はメッキされて銀色。
1号車は今年購入した弘前営業所所属車、2号車はたしか昨年か一昨年の購入だった(弘南バスは車体に年式が書かれている)。
また、フロントガラスの下の黒い部分に、いすゞガーラにはない、細いラインが入るのも日野セレガの特徴。セレガの“伝統”で、夜はここがオレンジ色に光る。
ガーニッシュのデザインのせいだけなのだろうか、いすゞ車よりもヘッドライト間が間延びして見える気がする。
側面
また、前面から側面への太い銀色の帯(アクセントピラー)が、窓部分までかかるのが、セレガとしての基本デザインのようだが、これはガーラと同じく窓下で途切れている。
乗客に景色を楽しんでもらうための配慮として、弘南バスで仕様を変更したのだろう。
それにしても、ドアが開くとアクセントピラーとやらがズレたり隠れたりしてしまう。デザイン的にどうなんだろう。
個人的には、どうも好きになれない。
このセレガーラは、屋根がぽこっと出ているのも特徴的。
中央交通の塗装だと、屋根も白くて印象が薄いが、弘南バスの場合、オレンジ色に塗られていて、いいアクセントになっていると思う。
全体的にきれいにまとまっているように感じられ、弘南バス貸切塗装のキャンバスとしては、ふさわしい車体かもしれない。
後日、また別のバス会社のものを紹介するかもしれません。
最後に消防車。
●消防車のキャンピングカー?
竿燈まつりの賑わいに紛れて、こんな消防車が走っていた。
デカくて真っ赤!
バスみたいな車。
車体に「支援車」とあったので調べてみると、秋田市消防本部のホームページによれば、「支援車:緊急消防援助隊派遣により派遣された隊員の後方支援のため出動し、隊員の食事、休憩場所等に使用され、内部は冷蔵庫、流し台、シャワー、トイレ、仮眠ベットなどキャンピングカーのような設備があります。」
とのこと。
なるほど。こういう車もあったのか。普段はどこにいるんだろう?
消防本部のサイトに出ていた写真は、これより小さくて古そうな車。一方、これはきれいだったのでまだ新しいのだろうか。
さらによく分からないのが、車体に「総務省消防庁」「秋田県」「秋田市消防本部」と、国・県・市の全部の名称が表示されていること。
また、屋根のサイレンの間の黄色い部分には、通常「城東」「化学」とか所属消防署名や用途が表示されているが、
「秋田県」(サイレンが光っているように見えるのは、日光を反射しているため)
消防は市町村単位が基本だから、秋田市の車なら、総務省とか県とかいらないんじゃないの? と思って調べると、今年1月20日付「わかやま新報」の「那賀消防に支援車1型一台配備」という記事が参考になった。
おそらく同型と思われる車両が、和歌山県の那賀消防組合消防本部に配備されたという記事。
「支援車I型」というタイプで、「全長11メートル、総重量20トン、最大定員26人」「側面部が約4メートル突き出し、車内に居住空間が確保できる構造」。
「国の平成21年度補正予算で平成23年度までに全国47都道府県に1台の無償配備を進めることが採択されたもの。事業費は1台当たり約7000万円、総予算32億円で、阪神淡路大震災で甚大な被害が出た教訓を機に国が配備を進めている。」
ということは、国からタダで、秋田県を代表して秋田市に配備されたから、総務省とか秋田県とか表示があるのだろう。
東日本大震災の時は出動したのだろうか。
※支援車については、この記事にいただいたコメントやこちらの記事を参照してください。
路線バスについても、昔と違って中古とは思えない新車のような車両を見掛けるようになりました。以前は中古車の見本市みたいな感じで色々な車種が見られたものですが、今はお決まりのタイプしか見られなくなりました。
現在はどうなのか判りませんが、弘南バスのメーカー別占有度合は、1位が日野・2位がいすゞ・3位が扶桑となっていて、日産や北村は滅多に見掛けませんでした。
春に行ったら土手町循環100円バスに、見たことのないきれいな中古車がいました。全体的にマイクロが増えて、大型はほとんど見なくなったなという印象です。昔は貸切から格下げされたバスが、小栗山行きなどで走っていたものです。
弘南バスはいすゞがかなり少ないイメージでしたが、三菱よりは多いですか。秋田中央交通は最近は特にいすゞが増えている気がします。
県内の消防にちょっとだけ詳しい者です。
あの消防支援車は、今年3月に総務省を通し秋田県に貸与され、県内運用先として秋田市消防本部に配備されました。
震災発生直後に配備され、まだ運転訓練もままならない中での初出動となったそうです。
被災地では秋田県緊急消防援助隊の前線指揮本部として、岩手県内等で活躍し、4月後半に秋田に戻っています。
ちなみに普段は御野場にある秋田南消防署に置いてあります。
乱文失礼しました。
なるほど、総務省から「もらった」わけではなく、貸与されているのですか。
見かけた時は南消防署に帰るところだったのでしょうか。
記事中の和歌山の新聞によれば、その時点(今年1月)では全国どこでも出動例はまだないとのことですが、その後、秋田にも配備され、出動することとなってしまったわけですか。
他県からも出動したのでしょうが、幸か不幸か前例がなかった出動例が出てしまいましたが、その機能を発揮できたことでしょう。
貴重な情報、ありがとうございました。