広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

ジョーカーは新本店

2022-03-31 18:53:04 | 昔のこと
我が家でこんなものが発掘された。記憶の片隅にはあった。昭和末頃のものか。

プラスチックケース入り

(カードゲームの)トランプである。とある企業のノベルティグッズ。
トランプは、かつては、どの家庭にも1セットや2セットは必ずあったもの。だからこそ、ノベルティにもなったのだろう。

ケースの裏には「エンゼル」ロゴ。エンゼルプレイングカード株式会社という、ゲーム用カードでは任天堂に次ぐシェアを誇るメーカーらしい。
現在も、エンゼルも任天堂もオリジナルデザインのトランプの製作を請け負っている。マークや数字でない面(裏柄)、時には表面(表柄)も独自の柄にできる。

このトランプ、まずは裏柄を見ると、
広げかたが下手でスミマセン
みずみずしいマスカット。岡山か山梨辺りの企業?

では表柄。後述のスペードのエースとジョーカー以外は、独自デザインではないのだけど、
えっ!?
白地に黒か赤で印刷されていると思いきや、意表を突かれた。濃いめのややくすんだ緑の地に、白抜きで記号や数字!

絵札も含めて緑と白のみ
単色のトランプなんて、珍しいのでは。
そういえば、遊んでいても分かりにくく、このトランプはほとんど使ったことがなかったような気がする。

あと、秋田市営バスが1985年度に導入した新デザイン車両のうち、一部(208号車?)の行き先表示(方向幕)が、黄緑地に白文字でとても見づらく、短期間で通常に戻されたのだが、それを思い出した。


このトランプ。どこの企業が配ったものか。
「AKITA-SOGIN」裏面は単色印刷ではない
スペードのエースは、
「AKITA-SOGIN Original Playing Cards」

実はジョーカーは、カラー印刷で、
「信頼の礎・新本店 秋田相互銀行」

ということで、秋田市に本店があった「秋田相互銀行」のグッズでした。
秋田相互銀行は、1989年に第二地方銀行「秋田あけぼの銀行」に転換・改称、さらに1993年に羽後銀行に吸収合併されて北都銀行となっている。

ジョーカーの「新本店」とは、土手長町通り、中通五丁目に1982年10月にできた(その前の本店も場所は同じだったらしい)。北都銀行になってからは本店機能がなくなって「北都銀行別館」を経て、今(2011年から)はテナントビル「北都ビルディング」。
カードの面積に比べると小さい絵

(再掲)建物の外観は相互銀行本店当時と変わっていない

ジョーカーは2枚入っていて、同じ柄
新本店をアピールするジョーカーだから、新本店竣工直前~直後=1982年前後に作って配られたと考えられる。約40年前。

ところで、当時子どもだった僕には、秋田銀行や羽後銀行には、オリジナルキャラクターとかグッズになんとなく覚えがある。もしくは、近年の収集家のサイトなどで情報も少なくない。
しかし、秋田相互銀行のキャラクターとなると、まったく記憶がないし、情報も少ない。2005年2月8日の「二〇世紀ひみつ基地・相互銀行のターちゃん(http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-32.html)」によれば、「タイガーの「ターちゃん」と、チータの「チーちゃん」」なるキャラクターがいたが、短命だったとのこと。
だから、トランプがこんなモノになったのか。
【31日勘違いしていたので訂正】秋田出身の木版画家・池田修三氏の作品を、通帳やカレンダーに使っていたのが秋田相互銀行だった。池田作品の銀行グッズは覚えていたが、羽後銀行と取り違えてしまっていました。相互銀行が池田作品を起用していたのは1980年代だったそうだが、さすがにトランプに池田作品を使うのは課題も費用もあってできなかったのだろう。(以上追記)

このトランプからは、「緑色」が秋田相互銀行のイメージカラーかのようにも受け取れるが、違うと思う。
ジョーカーにあるように、赤地に白文字の銀行名表示(看板など)が印象深く、僕は相互銀行といえば「赤」だ。


そんなわけで、緑色ベース、マスカット(基本デザインの1つだったのかも)、単色印刷を選択した理由が分からない。
あと、カードの材質は、単なる厚紙のようで、その点でも使いにくい。だけどケースは立派なプラスチック製なのもなんだか。(少なくとも当時は)紙製ケースも多かったのに。
自慢の新本店をジョーカーにしてしまうのは、遊び心ともとらえられて悪くないと思うが、どうせならカード全面に大きく描くとか、いっそ裏柄にすれば、遊んでいる間ずっと、新本店が目に焼き付いて抜群の宣伝効果だったのでは?(おカネはかかるでしょうけど)

このトランプで、お客さまにに遊んでもらおうと思うのならば、もう少し使う(遊ぶ)側の立場になったトランプにできたのではないか。
当時の秋田相互銀行が、費用をケチったのか、センスがなかったのかもしれないが、本気でこれでいいと思ったのならば、自己満足のノベルティグッズかもしれない。
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AkiCA始まる

2022-03-27 19:46:51 | 秋田のいろいろ
2022年3月26日、ついに秋田市の路線バスで、ICカードが利用できるようになった。
秋田で発売されるカードは「AkiCA」。JR東日本のSuicaをベースに、ポイント機能などを付加した「地域連携ICカード」であり、独自規格のカードではない。Suicaエリアで使える他のICカードを、秋田で使うこともできる。
AkiCAの詳細は以前の記事参照。
※AkiCAでないとできないことは、バス乗車にポイントが付いて使えることと、バス定期券(2023【4月5日訂正】2022年度中開始予定【2023年4月25日追記・結局2023年5月開始となった】)を載せられること。デメリットを強いて挙げるなら、再発行や払い戻し手続きが秋田中央交通の窓口でしかできない(JR東日本駅窓口ではできない)こと程度。【4月1日補足・ポイントは1年間増減がないと失効するので、帰省などでたまに秋田に来るような、年に1回使うかどうか微妙な人は、AkiCAを持つメリットはほぼなく、手持ちのSuica/PASMO等を使ったほうが無難。】
AkiCAのカードと「ご利用ガイド」
26日は、午前はぱらぱら、午後はしとしと雨模様。午後から、秋田駅西口案内所(無記名式カードのみ販売)へ、AkiCAを買いに行った。
案内所の前では、雨の中、傘を差して中央交通の社員らしき人が立っていて、誘導。行列なんかできていないのに、ご苦労なことです。
千円札を出して、カード1枚(デポジット500円+チャージ500円)を求めると、窓口の人はカードとレシートのような感熱紙を出して、説明を少々。
別にいらないけど、袋とか説明書とかはくれなかった。なお、パンフレット「ご利用ガイド(上の写真)」は開始前から、窓口や車内に置いてあるし、公式サイトでも見られる。

レシートは「西口窓口端末」発行、中央交通名義の「領収書」。
時刻は1時間ほど前になっていて、事前に印刷していたようだ。「取扱内容:新規媒体 発売」「カード番号:E0320 …」といった欄もある。
カード番号はカード裏面のAkiCAとしてのID番号(別にJE~のSuicaとしてのID番号も振られている)で、下3桁が一致していることを確認しながら、デポジットなど説明。

最後は「チャージもここ(西口案内所)でできます」と言ってくださったが、僕はもう西口案内所へ足を踏み入れることはないだろう。回数券購入で何百回と来たものだったが。
なぜなら、今後のチャージは秋田駅のATM「ビューアルッテ」で、ビューカードから行なうつもりなので。
カードのSuicaは、ビューカードに限りクレジットカードでチャージできる(クレジットカードに0.5%ポイント付与)。AkiCAはSuicaでできることはすべてできるので、もちろんビューカードチャージ可能(実はやってみるまで少々不安だったが、本家Suicaとまったく変わらずできた)。


初のAkiCA乗車は、秋田市中心市街地循環バス・ぐるる。
雨の土曜日のせいか、多めの10人ほど乗車。そのうち3人(自分を含む)が、IC乗車券で乗車した。ただ、僕以外は若い人(別々の男女各1)で、スマホやスマートウォッチをタッチしていたので、AkiCAでなくモバイルSuicaのようだ。
タッチする時のピの音が思ったより大きいと感じたほかは、特に感想なし。残高など降車時の画面の見方(レイアウト)を覚えておかないといけない(公式サイトなどで説明してほしい)。


券面デザインのせいか、本家Suicaと比べると、AkiCAはなんだか小さく感じた。
当然、同サイズ。下は約15年もののSuica=最初はAkiCAと同じ銀色だったのに黄ばんで金色になった
【28日追記】上の写真では分からないが、AkiCAのロゴ右下に、ICチップが埋め込まれているのが透けて分かる。しかし、古いSuicaではどうやっても見えないので、15年の間で、カードの内部構造が変わったのか、薄くなったのかもしれない。

AkiCA裏面
裏面は本家の「Suicaご利用案内」が「AkiCAご利用案内」になり、中央交通の名と「SF発行元」として東日本旅客鉄道株式会社。JRロゴはないし、「金矢」でない普通の「鉄」。
案内の文中では「AKICA」と全部大文字。内容は、Suicaと共通のところもあるが、違うところもある。例えば↓

●持参人式定期券
ご案内の中に、「記名カードは、カードに登録および記載された記名人以外は利用できません。ただし、持参人式定期券として利用する場合は、この限りではありません。」というのがあった。

忘れていた。秋田中央交通の(現行の紙の)通勤定期券は「持参人式」で、1枚の定期券を、使い回して誰でも利用できる。※購入時に購入者の氏名等の記入は必要。
今後導入予定である、AkiCA定期券では、必ず記名式AkiCAでないと搭載できないとされている。
そして、記名式AkiCA(My Suica)は、通常の乗車であっても、登録した人以外が使うことはできない。ということは、AkiCA定期券は、持参人式ではなくなるという理屈になるはずだった。
しかし、この文言があるということは、引き続き持参人式とする可能性があるのだろうか。


以下、AkiCA開始に関連していろいろ。
●利用履歴
帰ってから、スマートフォンでICカードの利用履歴が見られるアプリ「みるCa」で、AkiCAを読んでみた。
下から上の時系列
「新規」が初々しい。
「バス等SF」がぐるる乗車。ほかのバス会社でも、鉄道と違って乗降した駅/停留所名までは表示されないが、バス会社名は表示される。ここでは、そこが「3-090E」となっている。おそらく、それが秋田中央交通に割り当てられた番号であり、アプリ側で未対応なのだろう。

駅の券売機で履歴表示または印字するとどうなるか。また今度。【末尾リンクの続き記事参照】


●車体表示 写真がなくて恐縮です
ICカードが使えるバスでは、車体にその旨のシールが貼ってあるのが普通。
中央交通の一般路線バスでは、26日の時点で、過半数の車にシールが貼ってあった。

それが、大きい割に目立たない。
横長の大きな白いシールで、左に「icロゴ」、右は3行で「Suica/モバイルSuica/ご利用いただけます」。余白が多い。大きすぎて、入口表示などと干渉し、貼る位置に悩む車があるようで、入口ドアの右か左の車体またはガラスと、位置はまちまち。

たしか、ネットで見たよそのバスでも同じシールが貼ってあったので、JR東日本が作ったのかもしれない。もう少しコンパクトにして、目立つようにして、AkiCAのロゴなど入れられなかったのか。


AkiCA開始に際し、中央交通も秋田市も、宣伝とかプロモーションがどうもうまくできていないように思えてならなかった。
●掲示
例えば、車内や乗り場などに、「AkiCAいよいよスタート」みたいなポスターが貼られるかと予想した。ところが、
秋田駅西口の乗り場には事務的な掲示
車内には別のAkiCAロゴが入った掲示ではあったが、パソコンで作ったもので、あまり訴求力がない。

今後二度とない、記念すべきことなのだから、多少費用がかかっても、デザイナーや印刷屋に頼んでちゃんとした掲示物を作って、店舗や公共施設にも掲示するなどしたほうがよかったのでは。
「AkiCA 始まる」
3月25日の秋田魁新報 県央地域面には、広告が載った。これが唯一のカネをかけたプロモーションかも。これをポスターにすればいいのでは…


●キャンペーン
AkiCA開始に当たって、利用促進やPRのキャンペーンは、実施された。
だけど、その主催者は、中央交通でも秋田市でもなく、JR東日本秋田支社。
秋田地区のJRでSuicaが使えるようになったのではと誤解しかねない力の入れよう。※秋田市周辺の在来線では、2023年春開始予定。

「AkiCA デビュー記念!!秋田でSuica を使ってみようキャンペーン」なるもので、AkiCAのほかモバイルSuicaも使わせたい意図。
26日には、ぽぽろーどの期日前投票所になるスペースで、「えきねっと・モバイルSuica・JRE POINT 相談会」と「モバイルSuica・AkiCA ユーザー向け大抽選会」を開催。
AkiCAを持っていって、アンケートに回答すれば、ガラガラくじでホテル「和のゐ角館」の湯呑、扇子、クッキーが当たるとのこと(当選総数たった9本)。


もう1つ。4月2日から17日まで、JRE POINTに登録したSuicaやAkiCAを対象箇所で決済した人に、ポイントが当たる(500~2000ポイント、当選総数120)キャンペーンも。
対象箇所は、1会計1000円以上で対象となるのが、駅ビルテナントやNewDays、秋田生鮮市場保戸野店といったJR系。さらに、中通四丁目の「イタリア食堂ビランチャ」、「薪林舎」という飯島の薪ストーブのお店も対象。

ほかに利用額を定めないところもあって、「秋田市役所の施設・窓口」での「各種手数料のお支払いまたは物品購入時のご利用」。
そのうち、「新屋ガラス工房」は、作品購入や飲食の利用だろうから、分かる。
それ以外は、市民課、市民税課、各市民サービスセンターなど。ということは、住民票の写しの手数料や粗大ごみ証紙の購入で、ポイントが当たる対象になるのか(秋田市サイトページ番号1031110によれば、18項目でキャッシュレス決済可能)。
なんかヘンな感じ。

【31日補足・盛岡、八戸、青森市でも地域連携ICカードが導入されたわけだが、JR東日本盛岡支社では、同種のキャンペーンは実施しない模様。】


●記念式典
この春、地域連携ICカードが導入された各地域ではたいてい、開始日に記念セレモニーが挙行されたようだ。市長なども来て、カードをタッチするデモンストレーションをして。
盛岡行き高速バス限定でこじんまりと始まった、秋北バス「Shuhoku Orange Pass」でさえ、大館市長も出席して行っていた。
当然、秋田でもやるんだろうと思いつつ、秋田市長の週間予定を見ると、
3月18日更新 秋田市サイトページ番号1034061 より
未掲載。式典をやらないのか? やるけど市長は出ないのか?

ところが実際には、「記念セレモニー」が行われ、市長も出ていた。秋田市発表で漏れがあることは珍しいが、どういういきさつか。
26日9時から、ぽぽろーど(JRイベント会場の前付近)で行われたそうで、テレビや新聞で報道された。その後、下の待機場所にデモンストレーションのバス【28日追記・秋田営業所1160号車】を置いて、恒例の市長のタッチも実施。

セレモニーの主催者は不明【下の追記参照】だが、テープカットを行った主賓的人物は3名。
秋田市長、JR東日本秋田支社長、秋田中央交通取締役営業部長【28日訂正】取締役営業本部長。

市長、支社長(執行役員)とくれば、中央交通の代表取締役社長が出てもよさそう、いや出るべきな気もするが…
中央交通としては、本件で市とJRにはひとかたならぬ世話になっているはずだが、実はイヤイヤなのか、などと邪推したくなる。
【28日コメントいただき追記】セレモニーの主催は中央交通、中央交通社長は「所用により欠席」で、主催者あいさつとテープカットは、営業本部長が代読・代行したとのこと。

中央交通の前社長(後の会長)は、商工会議所会頭も務め、新聞のインタビューを受けるなど、露出が多かった。
その子息である後任の社長は、顔も知らないし、魁の正月の経営者インタビュー特集みたいなのにも出ない。まだ若いから、会社経営に専念したいから、などの理由かもしれない。
あと、中央交通の取締役営業部長【28日訂正】取締役営業本部長は、昨年、秋田県バス協会がクリスマスバスを運行させた時、運転士とともにサンタクロース姿になって、西口乗り場に現れていたので、人前に出るのが好きな人なのかもしれない。
だけど、今後二度とないAkiCA導入というタイミングでテープカットするくらい、社長が出てきても良かった気もする。

話がそれますが、辻さんについても、同様(それ以上の)の心境になってしまう。先代も、先代の右腕も亡くなった今、若くもない現経営者は、今後どうしていきたいのか(具体的にはニューシティ跡地)、まったく見えてこないのが、地域住民として不安でならない。【28日補足・社長とは、やはりその会社を「代表」する人であるはずだから、出る時には出るのが役目だと思うし、(仮にも)地域で著名な企業の社長には、なおさらそれが求められるだろうし、そのことを自負してほしいと思う。両社現社長とも、先代社長であった父を見て知っているはずだが。】

【10月2日追記・高齢者向け「シニアアキカ」運用開始の10月1日にも、同様の記念式典が開催。今回は、市長(市長予定にも掲載)、JR支社長、そして中央交通社長本人が現れ、テープカットした。ただ、シニアアキカの申し込みが予想以上に多いとかいう理由で、10月1日になってもカードが手元に届かない人も多い(紙証明書+現金払いは2023年3月まで存置)。】


【28日追記・25日付 秋田魁新報 1面コラム「北斗星」でAkiCAが取り上げられた】●北斗星
筆者の利用経験を交えて、報道済みのメリットを並べたのが大部分だが、1つの段落は、

早速入手しようと窓口に出向いたが、発売は運用開始と同じ26日という。事前に発売すればいいのに随分悠長な対応だ。一方、従来の回数券はきょうまで販売。割安なのでまとめ買いする人がひっきりなしに窓口を訪れていた

他地域でも事前販売はしていないし、それはやむを得ないと思う。
一方、AkiCAと比べて、なくなる回数券の割引率が高かったことは、これまで(おそらく)すべてのマスコミで触れていなかった。ここが唯一ではないだろうか。文章が簡潔すぎて、意味が伝わらない人もいるかもしれないが。(にしても、ほんとに「ひっきりなし」に買いに来るほどいたのだろうか?)


1週間後の続き
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3社共同新聞

2022-03-24 20:51:30 | 秋田のいろいろ
2022年4月の秋田県教育委員会の人事異動が、3月23日に発表された。
一般人がその中身を知る術は、昨年(2021年の記事)までと変わらない。すなわち、
・県教委からのネット発表はなし。
・(夕刊はないので)翌朝の新聞掲載の名簿を見るのが、実質的に最速かつ唯一の方法。
・ただし、秋田魁新報では発表直後から自社サイトに名簿を公開。だけど、紙の新聞を購読している世帯でも、別に料金がかかる有料会員登録をしないと見られない。県が作った名簿で金儲けをしているも同然。
といったもの。※上記は県教委だけでなく、県知事部局、県警本部の異動でも同じ。魁さんは、県以外の秋田市役所、秋田大学など規模が大きい異動名簿も同様にネット公開すれば、さらに儲かりそうなのに、なぜやらないのだろう? なぜ県関係だけ?


今年の異動発表最大の変化かつ驚きは、全国紙の対応だった。
ちなみに秋田魁新報では、34面のうち15~20面(15面は半分)を横書き・大きめ文字(近年の県・県教委はこの形)にして掲載した。

一方、全国紙は名簿を別刷り1枚もの(つまり2面)で折り込んでいた。朝日新聞の場合、昨年までは概要記事と県立学校長など一部の管理職の異動名簿を、本紙秋田版に掲載。別刷りには残りの教職員を小さい文字の縦書き(昔の魁と同じ形式)で掲載するが、実習助手など一部職種は掲載せず。
(再掲)2013年の朝日新聞の別刷り「教員異動特報」

今年の朝日新聞にも、一見、昨年と変わらない別刷りが入ったのだが…
「教員異動特集」
右上に新聞名が入っていないのが珍しい。その下には、
「朝日新聞秋田総局 毎日新聞秋田支局 読売新聞秋田支局 共同発行」
なんと3大全国紙が共同というか合同で、別刷りを作ったらしい!!

その下には「教員異動関係の記事は、秋田県版に掲載しました。」とある。さすがにそこは各社の取材と視点か。朝日新聞の場合は、人数程度の短い記事。3紙共同発行としたことの説明などはなし。
したがって、高等学校長なども別刷りに掲載。掲載順は、昨年までの朝日と同じ・魁と逆に、小学校→中学校→高校。


新聞業界では、印刷業務を他の新聞社へ委託するなど、読者に見えないところでライバルでもある新聞社どうしの連携はある。
だけど、県内限定とはいえ大手3社が、明示した上で同じものを配るというのは、かなり思い切ったことかもしれない。

ただでさえ人口が少ない秋田県では、大手各社とも読者数は多いとは言えない。記者も多くないから、名簿作成に人員を割くのは負担だろう。
しかし、読者からはある程度求められる情報でもあり、廃止するのにもためらいがあったのかもしれない。なお、高校入試の問題の別刷りは、今はやめたはず。

どこの社が言い出しっぺか知らないけれど、紙面用に名簿の体裁を整え、印刷を3社分一括すれば、人員も費用も効率的だと、始めたのだろう。県の発表をそのまま転載する異動名簿だからこそできることでもある。読者としても、これで何も問題はなかろう。




ところで、この共同紙面は誰が作ったのか。どこか1社が代表したのか。文字を見れば分かるかと思ったが、分からなかった。
名簿本体は扁平にしてあるので確証が持てないが、モリサワの一般のフォントを使っている。
ヘッダーというのか紙面上部の日付と新聞名は丸ゴシック体の「じゅん」。
「朝日新聞・毎日新聞・読売新聞[共同発行]」
↑「読売」が旧字体でないが、こだわりはないのでしょうか。

「第三種郵便物認可」
「第三種郵便物認可」だけは、よそからコピーしてきたかのような古めかしい文字。現在3紙とも、紙面本体では「第3種」と、漢数字でなくアラビア数字のはず。


大手新聞社の共同発行は、他県でもやっているのだろうか?

【追記】翌2023年も、魁のネット掲載、3紙合同紙面とも、2022年と同一の状況。
2024年は3紙合同は変わらず。朝日新聞本紙の秋田版では、異動の概要の記事の横に「教職員異動で別刷り特集」との告知があるが、「駅売りやコンビニ販売には入っていない場合があります。」とも。さらに紙購読者向けの朝日新聞デジタルで見られる紙面には、別刷りは非掲載。
さらに、魁ではいろいろあって、3月中は誰でも無料で名簿閲覧・検索できるようになった。詳細は冒頭のリンク先に追記。
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“すずらん橋”消滅?

2022-03-23 23:12:32 | 
秋田市の川反の風景をご存知のみなさま。この写真は、旭川に架かるどの橋か、お分かりですか?
下流側から

大町三丁目と大町四丁目の間の市道の「三丁目橋」。橋から西へ向かう一方通行で、川反の一角をなす歓楽街・すずらん通りの入口でもある。
遠景の写真でも、見覚えのある三丁目橋と違うと思われるかもしれない。

秋田市では、ここ何年もかけて、老朽化した市道の橋を順次、段階的に長寿命化する改修工事を行っている。
架け替えるのではなく、構造はそのままに、徹底的に見た目も中身もきれいにするといったところ。
工事前後では、塗装の色が変わったり、まれに高欄(欄干、手すり)など部分的に新品に交換されたりはするが、基本的には以前の橋がそのままきれいになったと感じられるものだった。保戸野・千秋の「新中島橋」では、昔ながらの低くて外向きに反り返った高欄が残った。


2021年度は、三丁目橋がその改修の対象となり、このほど工事が終わった(看板表記の工期は18日までで撤去済み)のだが、過去に工事された他の橋に例がないほど、以前と違う橋になった。
以前の姿は…
(再掲)2009年。上流側・北都銀行本店前にあった歩道橋から
長さ24.5メートル、幅5.5メートル、中央部が外側にせり出したバルコニーがあるという構造は、例によって変わらず。

まず変わったのが、道路の下の部分=橋桁の見た目。
以前は、桁の上(外側)に【24日分かりにくい言い回しを修正】桁そのものを隠すように、外側に白い正方形のパネル(色合いなど後述の親柱と同じか?)が貼られていたようだ。2009年の写真ではだいぶ汚れている。
工事後
今回の工事で、パネルが撤去されて、金属の桁がむき出しになったようで、少し軽く薄くなったように見える。桁は薄い小豆色のような塗装。何かの配管が張り巡らされているのが、かなり目立つが、今まではパネルで隠されていたのか。

高欄は、以前は角張ったこげ茶色のものだった。高さは充分あって問題ないはずだが、今回、似てはいるが、やや丸みを帯びてメタリック感のあるものに交換された。

親柱と橋名板。
3月初め撮影
↑工事で高欄が外されている。その外側に囲いはあるので川には落ちないが、無人で人が通れる状態なのに、これでは、ちょっと心もとないかも。

桁のパネルと同色と思われる、等間隔に横線が入った白い親柱。西側は純粋な直方体で、橋名板は川に対して垂直向きなのに対し、東側は橋名板のある面が斜めにカットされた四角柱。接続する道路形状に合わせているようだ。
橋名板は手書きと思われる毛筆の縦書きで、上写真の左岸上流側が「三丁目橋」、下流側が「旭川」、右岸上流側が「平成二年三月竣工」、下流側が「さんちょうめはし」。


それらが今は…
親柱は形はそのまま(同一の物かは不明)で、黒くなった。横方向に細かく不規則な横線と凹凸がある。
橋名板は別物【24日追記・石→金属】になり、色合いで親柱と一体化して見える。表面が白く粉をふいたように見えるところがあるのは、まだなじんでいないためか。

文字は、「三丁目橋」「さんちょうめはし」だったところは、
 
どちらも「三丁目橋 Sanchome Bridge」。
「旭川」は、
「旭川 Asahi Riv.」
そして竣工年月は、
「平成二年三月竣工」日本語のみ

横書きに変わって、英字入り。秋田市の橋名板で、英字が併記されるのって初めてではないだろうか。(横書きは先例多数)
ひらがな表記がなくなってしまったが、それはいいのだろうか。漢字やローマ字は読めなくても、ひらがなは読めるという人だっているのに。

日本語は行書体系の活字。フォント名はシステムグラフィの「GMA行書B」。
聞かないフォントだけど、どこかで見た気もする(「丁」のハネかたとか)。こういう公共の表示で使われるのかも。
でも、横書きに変更しながら、毛筆体にするというセンスは、個人的には理解できない。ユニバーサルデザインのフォントでも良かったのでは。


橋の上にも、変化がたくさん。
(再掲)2014年

工事後
まず路面。
以前は、車道部分は普通のアスファルト舗装。歩道とするには狭すぎる路肩は、ピンク系のタイルが敷かれていた。
工事後は、車道がやや狭く・路肩がやや広くなった。【24日追記・車道幅は橋の西側に立つ「すずらん通り」ゲートの幅に合わせてあるようで、合理性はある。】
路肩はピンクのカラー舗装で、車道は石畳っぽく見せたカラー舗装。最近の秋田市はレンガ風カラー舗装がお好きで、この近くの川反通りでも今年度工事が行われたが、石畳スタイルは初めて見た。
別に、バルコニー部分は、白っぽい石畳風舗装がされている(下に写真あり)。
まあ、見た目としては悪くないけど、こうまでする意味は…

中央部のバルコニー。
以前は、道路との境界を示すかのように、円柱の上部がドーム状になった、白っぽい車止めが、片側に5個ずつ並んでいた。
工事後
工事後はそれがなくなり、ベンチが1つずつ置かれた。
車止めだとつまづいたり、雪に埋もれることもあったかもしれないし、カラー舗装でも境界が分かるという判断もあったかもしれない。
座って川を眺めるのなら、ベンチはもっと外側(川側)にあればいいが、それだと境界区分の役目にはならない。でも、ここだと道路側に足を投げ出して座った人(酔っぱらいなど)が、車にひかれたり、ほかの通行人を引っ掛けて転ばせたりしないかも心配。
また、両側とも、バルコニー(=橋)のど真ん中ではなく、やや左岸(上の写真では右)側に寄った位置にあるのが不思議。ちょうどベンチの西端(=後述の照明の立つ位置)が橋の真ん中だと思われる。
【24日補足・三丁目橋の2つ下流で、少し新しい五丁目橋(車歩道ともずっと広い)にもバルコニーがあり、当初からベンチがある。】


変化はあと2つ。
(再掲)西側から
「さんちょうめはし」の橋名板あった親柱の上に、両面電気時計が設置されていたのがなくなった。
時計はセイコー製で、文字盤は12・3・6・9だけのローマ数字。夜間は内側から光る。
止まっているのを何度も見たし、JRでも地域によっては駅の時計を撤去する時代。別に駅・バス停でも公園でもない、小さな道路の橋に、時計を設置し続けるのは、今は意味が低いことは理解できる。個人的にはまれに役に立ったこともあったのだけど、なくなってもしかたないだろう。

そして最後。橋の中央両側にあったものが、別物に変わってしまった。
(再掲)左右はお盆の精霊流し
特徴的な形の街灯・照明が、ありふれたシルバーのものに変わってしまった。LED化などはあるのだろうが、これが三丁目橋のいちばんのシンボルと言えるものであったので、惜しい。
以前の照明は、1基につき4灯の花形の灯具がぶら下がっていた。「すずらん通り」にちなんで、スズランの花がモチーフ。
照明、時計とも、柱は抹茶のような緑色。僕は、三丁目橋には「白と緑」のイメージがあったのだが、親柱・桁と照明・時計の影響だったようだ。


全体を通してみると、架けられた時期がバブル最盛期であったことを裏付ける、まさにバブリーな橋であったかもしれない。今の姿が、これからさらに何十年も使い続ける三丁目橋にふさわしいとは思う。
一方、三丁目橋が架け替えられた当時は、すずらんの照明や新しい橋への期待(先代の橋は太鼓橋の欠陥構造物だった)から「別称「すずらん橋」とも呼ばれ」たらしい。(秋田県広報誌「あきた」336号1990年5月1日)僕は聞いたことはないけれど。
ここが秋田市を代表する街・川反の一角であり、「すずらん橋」とさえ呼ばれていたのなら、スズランを跡形もなく消し去ってしまっていいのかとも思う。
石畳舗装をするくらいならば、路面にスズランの柄を入れるとか、高欄や親柱・橋名板にスズランのレリーフなどを付けるとか、そういう形でスズランを残すこともできたのではないだろうか。


【4月8日追記】4月8日付 秋田魁新報 秋田市地域面に「スズラン形の街灯ひっそり消えゆく」が掲載。ネット版限定記事としては3月下旬からアップされていた。
商店会が設置管理する、道路部分のスズラン形街灯が、老朽化でなくなった(※)こととともに、三丁目橋にも触れていた。秋田市道路維持課のコメントとして「さまざまなメーカーに新しくスズラン形の街灯が設置できないか問い合わせたが、良い返事は得られなかった。今後の維持管理費を考え」て、汎用品としたとあり、秋田市としては、いちおう努力はしたようだ(街灯がダメなら銘板とか路面とか高欄とか、思い至らなかったのか)。

※商店会の街灯は、故障と落下等のおそれがあり、2021年末にシンプルなLED街灯に交換。ただし、点灯しない状態の、部分的にスズランの形を留めるものが6つ残っているとのことで、紙面の「姿を消した(なくなった)」は若干、気が早いかも。
沿道の店舗の中には、LED化で明るくなったと歓迎する声、特に感想はないとの声もあり、地元の人たちがそれでいいのならば、もういいのかもしれない。
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久々の地震

2022-03-18 22:26:20 | 地震
2022年3月16日23時35分頃(複数の地震が連続して発生したのかどうか、気象庁もまだ判断できていないようなので、あいまいにします。)、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生した。
秋田市では、久しぶりの大きな、そして気持ち悪い揺れの地震だった。震度4。

部屋を暗くして、寝床に入った直後。ボロ屋の窓ガラスがカタカタと音を立てた。小さな地震かと思ったが揺れは感じない。強風時も風向きによりそうなることがあるので、様子見。明かりを点けて、ヒモなどの揺れ具合を見れば分かったが、面倒なので。
カタカタは10~数十秒続き、今度は揺れだとはっきり分かる揺れが来た。それは震度2~3程度の揺れで、P波とS波なのかと思った。
この揺れもしばらく続いて、最初のカタカタから1分は経った頃。長い地震だと思いつつ、情報を調べようとスマホでYahoo!のトップページへアクセスしても、地震情報は出ていない。小さい地震だったのだと思いかけた時、3つ目の揺れが来た。前2つより大きい。
飛び起きてテレビを点けると、太平洋側を中心とした東北に緊急地震速報が出ている。テレビより遅れて、スマホにも緊急地震速報。
※この点については、今回、緊急地震速報が連続発生などで迷ったことと、秋田市の震度は速報放送・通知の対象かどうか微妙な震度だったことによるものでしょう。

はっきり横方向(東西方向?)と分かる、大きくて、周期の長い揺れ。それが長い時間、弱まることなく続く。
日本海中部地震(旧震度5)ほど激しくはなく、震度4と言われれば納得の強さであるが、ゆさゆさと揺れ、このまま続けばボロ屋は耐えきれずにミシッと壊れるのではないかとちょっと心配になった。
東日本大震災の時、東京の高層ビルが、長周期地震動によりずっと揺れ続けた映像が思い浮かんだ。
※東日本大震災は自宅では経験していないので、今回との比較はしません。

感覚としては3度目の大きい揺れは3分くらい続いた気がした。それもようやく収まって、テレビで津波は注意報レベルであること、その他差し当たって危険もなさそうなのを確認して、寝た。
秋田市の震度4の揺れだけでも、忘れかけていた地震の揺れの怖さを再認識させられた。【5月4日追記・棚などから物が落ちることはなかった。】


秋田市では、停電や断水もなく、食品やガソリンの買いだめなども起きていなそうで、翌日以降は平常の生活。
だいぶ減ったとはいえ、雪が多く積もった今冬の終わりの地震。揺れでなだれが生じたり、積雪により重さが増した家が倒壊したりしないか気になったが、秋田県内あるいは東北他県でも、そのようは話は幸いなかったようだ。
しかし太平洋側では、またも大きな被害が出てしまった。

大手企業だからなんとかなるだろうが、衝撃が大きいのが東北新幹線のダメージ。
白石蔵王駅手前を走行していた17両編成の「やまびこ223号(東京発仙台行き最終便)」のうち16両が脱線。その他、高架などの損傷も多い模様。
脱線現場は、白石蔵王駅の2キロ強手前、東北本線と交差する手前辺りらしい。ただ、時刻表では同列車は白石蔵王23時31分着/23時32分発。定刻ならば、白石蔵王発車後に地震に遭遇するはず。2~3分遅れていたのか。
車両(編成)は、こまち+はやぶさ連結状態での、やまびこ運用。前寄りがE6系「Z9」編成、後寄りが「H2」編成。はやぶさ側はE5系ではなく、JR北海道のH5系。H5系にも、仙台止まりやまびこ運用があり、それが終列車とは知らなかった。【19日追記・H5系のやまびこ運用は、223号が唯一とのこと。】

脱線対策もされていたのに脱線するとは、揺れの強さを思い知らされるが、駅近くでもともと減速できていたことも功を奏したと思う。もし、たくさんの新幹線が300km/h超で行き交う時に、同じ地震が起きていたら。もっと大変なことになっていたかもしれない。
その他、総合的に考えれば、津波がなく、子どもたちなど多くが寝静まった深夜に地震が起きたのは、不幸中の幸いとするべきかもしれない。



さて、東日本大震災などの時もそうだったが、当面、西から東北へ東北新幹線で来られなくなってしまった。新型コロナウイルス感染症で人の動きがいくぶん減っているとはいえ、年度またぎの時期なのに。減便や運休が続いていた、航空や高速バスが活躍する時ではあるが、転勤や入学で初めてその地に赴く人は鉄道でという人も多いかもしれない。

秋田新幹線が鉄道でのメインルートである、首都圏対秋田の移動も同様。しかし、直接被害があった太平洋側・フル規格区間でないためか、JR東日本ホームページでの説明は、分かりにくい場所に分かりにくく出ているので、以下にまとめておく。※3月18日現在。利用時は各自最新情報を確認してください。
・秋田新幹線は、減便して秋田~盛岡の折返し運転。おおむね2時間に1本、1日7往復。
盛岡より仙台・東京側の新幹線が止まっているのだから、そちら方面との行き来にはほぼ使えない。

こんな時こそ、新潟駅で乗り換える、羽越本線~上越新幹線回り(正確には白新線も経由)。
・酒田止まりの特急「いなほ」1往復を、秋田まで快速として延長運転。
今ダイヤ改正で、秋田に来なくなった5号・10号の復活(ゴールデンウイークには臨時特急として延長される予定になっている)。
「普通車全車自由席」とのことで、指定席も、延長快速区間では自由席として開放。
今改正で、この1往復は4両編成に減車されグリーン車がなくなっている。ネット上の情報では、臨時快速は7両編成のようなので、収容力を考慮して差し替えたのだろう。「普通車全車自由席」の言い回しからすれば、グリーン車開放はないでしょう。

・酒田止まり19時25分着「いなほ9号」に接続しない、酒田発19時08分普通秋田行きの発車を遅らせ、乗り換え可能に。
酒田周辺では、新潟支社・仙台支社・秋田支社が三すくみとなっているせいか、客にとって非常に“意地悪な”ダイヤ設定が散見される。例えば、秋田方面から「いなほ8号」で余目へ着く(12時09分)と、その6分前に陸羽西線新庄行きが出てしまっているとか(次は2時間後)。
その中では、英断か、というかこれは秋田支社だけの判断と権限で済むからか。
※秋田到着も20分程度遅れるはずなので、その間に発車してしまう奥羽南線や男鹿線への接続がどうなるかは不明。

安全に復旧を進めていただき、少しずつでも確実に鉄道での移動が元に戻ることを願います。


17日の朝、新聞にこんなチラシが折り込まれた。
部分
秋田駅ビルトピコ・アルスのチラシ。
片面は「駅弁味の陣 宴」。3月19~21日に、各地から40種類の駅弁を、新幹線などで輸送して販売する。昨年秋にやったのと同じだが、今回は秋田新幹線開業25周年記念の秋田単独開催のようだ。
前回はなかった、新潟の「えび千両ちらし」、直江津の「にしんめし」「さけめし」も(チラシ未掲載だが「鱈めし」も)来る。

裏面は、
「東京・下町の人気スイーツを新幹線で直送、販売!」
3月25日から27日まで、日替わりで2商品ずつ、16時から販売。
ゲリラ的にNewDaysで宣伝もろくにせずやっているのの、トピコ版。
NewDaysでも売られた「御菓子司 中里」のセットや、あの柴又「高木屋老舗 草だんご」。
直前に売られることを知りながら、都合で買うことができなかった草だんご。その後、ろくに告知もされないので、今週は何が売られるのかと、何度、中央改札口まで足を運び、何度肩を落としたことだろう。それがやっと再び秋田へ!!

と、駅弁と草だんごに胸を踊らせかけた。しかし、それとほぼ同時にテレビで流れていたのは、東北新幹線の脱線。あれでは無理だ。
トピコのホームページを見ると、この2つのイベントは中止でなく「延期」と告知され、日程が決まり次第お知らせするとなっていた。それでは、復旧と復興と、輸送販売を待つことにしよう。

秋田新幹線は3月22日に開業25周年を迎え、19日からその記念行事がいくつも企画されていた。その多くも中止になってしまった。


【2022年3月22日追記・電力について】週明けになっても、被災地の石炭火力発電所が停止しており、気温低下による暖房の電力需要が増加しているため、政府は東京電力と東北電力管内に「電力需給逼迫警報」を出して、節電を呼びかけている。
東日本大震災後の寒さと計画停電が思い浮かぶ。

これを受けて、家庭や企業・店舗のほか、テレビ局ではスタジオの照明を暗くして放送している。ただ、ネットでの呼びかけが足りないように感じてならない。
ポータルサイトを見ても、ニューストピックスの中に項目はあるが目立たない。地震発生直後の震度や津波情報のように、画面上部に目立つように表示することもできるだろうし、呼びかけるエリアメールを送信することもできるだろう。自分は新電力会社に切り替えたから、節電は無関係だと勘違いしている人もいるかもしれない。

ということで、節電協力を口実に、ブログ更新がちょっと間があきます。


【4月13日追記】東北新幹線は、最後まで不通だった福島~仙台も復旧し、4月14日・木曜日から全線で運転再開(減便・減速ダイヤ)。
輸送販売は完全復旧後だろうと思いきや、早々に実施されることになった。ただし、地震前に予定されていたものとは内容が異なる。秋田に運ばれるものを抜粋。
・上野 みはし あんみつと高木屋老舗 草だんごを、14日または15日に盛岡駅、秋田駅、仙台駅のNewDaysで販売。
ついに草だんごと思いきや、草だんごは仙台のみ。また振られた。

・秋田駅「こまち苑」で16、17日に駅弁販売。詳細不明。
【15日追記・ネットにはそれ以上の情報はなく、こまち苑店舗前に販売商品の写真・名前入り(駅・メーカー名なし)ポスターが出ていたので転記】
東北福興弁当、牛肉どまん中、しらす弁当(大船と思われる)、深川めし、炭火焼風牛タン弁当、そば屋の天むす(小淵沢と思われる)。
両日とも11時40分頃から販売。


【4月28日追記・秋田での輸送販売の5月開催決定】5月13日・金曜日から通常ダイヤでの運行になり、完全復活
珍しく、4月28日付でJR東日本秋田支社、JR東日本クロスステーション、秋田ステーションビルによるJR東日本グループニュース(プレスリリース)、「『はこビュン』を活用してスイーツや駅弁を新幹線で秋田にお届け! 都内有名店舗の商品を数量限定でトピコ1階特設会場にて販売します。」が掲載。5月に仕切り直して開催されることになった。
駅弁は5月13日(金)~15日(日)の3日間の11時から。
「東京下町スイーツフェア」が5月27日(金)~29日(日)の3日間の16時から。「一例」として3点だけ紹介されているが、草だんごはない。どうなるか【下参照】。
【5月4日追記】トピコのサイトに4月28日付で販売商品など詳細が掲載された。今回は早い対応。
駅弁は40種。3月19~21日の折込チラシに載っていた商品は、すべて販売されそう。→買った商品
スイーツは3月25~27日と同一ラインナップで、日替わりで毎日2品=計6品。どれが何日目に売られるかの順番も変わらず、高木屋老舗草だんごは5月27日。→ついに購入できた
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逆に進め

2022-03-15 22:35:01 | 津軽のいろいろ
2021年12月の弘前の話はほぼ終わりましたが、ちょっとした残り。
前回は弘大正門前の押しボタン信号更新。今回も信号機の話で、行く直前に、ネットで情報を得たもの。
弘前市某所にある、歩行者用信号機(歩灯)
小糸工業(現・コイト電工)製の、電球式信号機のボディはそのまま、点灯部分をLEDにしたタイプ。信号機がLED化された当初は、この方式が多かった(後にボディが薄型化した)。銘板を見ないでしまったが、2000年代中頃製か?

初期のLED信号機の中には、経年で不具合が生じるものも出てきており、秋田県警では交換対象となっているものもある。しかし、小糸の歩灯は耐久性があるのか、秋田市の久保田町交差点に設置されていた同タイプの歩灯は、昨年更新されたものの、手形陸橋の通り(県道28号)の押しボタン信号が連続するところの一部へ転用されている。まだしばらく使いそう。

で、弘前の信号。アームの形やボディ色は独特かもしれないのは別として、エラー・間違いと言える点が生じている。上の写真では分かりづらいので、これは↓

いかがでしょう。
参考に、他の信号機。
これが普通
青灯の人(※)の向きが逆なのです。 ※歩灯の人のシルエットは「人形」と称されることもあるのだが、「ひとがた」と読めばいいのだろうか?
この交差点の1台だけ、逆向き。
人が逆向きでも認められているということはないので、何らかの手違いによるもの。そして、Googleマップストリートビューで確認すると、2019年10月時点では正常だったから、その後に何かがあった。

ここで、青灯のフードに注目。

ひしゃげている。

車が接触するなどして破損し、修理されたと思われる。
その際、信号機本体にも手を加えられ、人の形のパネルというか部品を、裏表逆に取り付けてしまったのだろう。

それにしても、人の向きが違うのは、個人的には違和感があった。ぼーっとバスに乗って一瞬通り過ぎただけで、目に留まり、そうかここだったと思い出したほど。
でも、点灯のしかた、見えかたに関しては、さほど違和感がない。
部分的に若干、暗い感じがする程度?


電球式信号なら、裏表逆にすることも難しくなさそうだが、LEDはそう簡単じゃない気もしていた。LEDの粒が直接見えるタイプでは、あり得ないと思う。このような粒が見えないタイプでは、電球式とそう変わらないのかも。

通行人のどれほどが気付いているか分からないけれど、運用上の支障はないでしょうし、末永くひっそりと残ってくれることを願います。
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雪の下の鉄板

2022-03-13 15:49:49 | 秋田の季節・風景
急速に雪が消えた秋田市
それによって、雪の中に混ざっていたモノたちが、姿を現した。
それらの多くは、ホコリや泥や、ゴミだけど…

鉄板!

秋田市街地某所の市道。車道も、いちおう区分された歩道もどちらも狭い。その歩道のほぼ真ん中に、細長い鉄板が2枚、無造作に存在していた。
民地側には、某金融機関の某支店(に某支店が同居)。上写真右奥が店舗で、その手前側が広めの駐車場。

冬の間ずっと通っておらず、久々に通ったらこれで驚いた。
駐車場と歩道の境には、雪が残っているから、少し前までは鉄板ごと雪に埋もれていたのだろうか。ともかくこの状態では、歩行者には障害物にほかならずジャマ。

さらに、もう1枚の鉄板は、
怖い
一部がほぼ垂直にめくれ上がって、隅のとがった部分が上を向いている。

昼間ならば、駐車場側へ回りこめば通行には支障ない。それでも目や体の不自由な人、歩きスマホの人には危険だが。
しかし、夜間はあまり明るくはないだろうこの場所。例えば自転車が勢いよく歩道を走行して来て、鉄板の発見が遅れ、鉄板に乗り上げる危険はあるだろう。
昼夜問わず、めくれた鉄板付近で転倒すれば、とがった鋭利な先端が体に突き刺さり、重大な事故になる可能性だってあろう。子どもが乗っかるなどふざけて遊んでいて、事故になるおそれもある。


この鉄板の正体は、車道と歩道・民地との段差解消のための製品に違いない。見回すと、
赤い車の左・銀行駐車場出入口に同じような鉄板が
Googleマップストリートビューで確認すると、以前より鉄板2枚分が少なくなっている。今は停止線(赤い車の後部)付近で鉄板が途切れているが、以前はもっと手前側にもあった。
その2枚がここへ来てしまったと考えるのが妥当。確証はないが。
それが数メートル移動し、折れ曲がったものも生じたのは、除雪作業によるものだろう。

除雪作業が下手だとかではなく、そもそもこのような物を公道上に置くのが法律違反。
歩行者がつまずいたり転倒したり、排水が悪くなったりという理由があるようだが、積雪地では除雪作業の支障になるという点でもまずい。
※車の出入り等で段差をなんとかしたければ、道路管理者の承認を受け、自己負担で工事を行う必要がある。【14日補足・←これは民家や駐車場など私有地との乗り降りの話。横断歩道など歩行者の通行に必須の段差解消については、当然道路管理者が行なう。】

秋田市では、除排雪に関する注意事項として「雪国秋田に住む皆さまへ(五箇条のお願い)」を出しており(秋田市サイト ページ番号1007330)、その1つに「4. 敷鉄板などを置かないで!!」がある。
「除雪作業中に雪に隠れた敷鉄板を引っかけて破損するほか、これにより工作物を破損するなどといった事故の恐れがあり、大変危険です。」としている。
子どもの頃から漠然と知っていた注意ではあるものの、身近にこのような段差がない道路環境で育ったものでピンと来なかった。鉄板の上を通る時も、極端なツルツルやガタつきがあれば気にする程度で、違法で危険であることなど意識していなかった。
今回、やっと思い知らされた。これは危ない。

※上記、秋田市のサイトでは「敷鉄板や段差プレート」としているが、「敷鉄板」だと工事現場に敷くような平らな鉄板のことでは? 全国的には「段差スロープ」「乗り入れブロック」などと称することが多いようだ。
また、敷鉄板は「注:法令(道路法など)に違反しています。」としながらも、「これらの障害物は取り外してください。」と、あまり熱心にやめさせていないようにも読める内容。「雪が消えたら再設置してもいい」と都合よく解釈する人もいかねない。もっと積極的に、通年で周知をしたほうがいいと思う。

そんなわけで、ただでさえ法律違反のものが、危険な状態で道路を占有しているわけで、これで事故になったら、鉄板を管理する者が責任を問われるに違いない。


鉄板設置がいけないことはとりあえずここまで。次に気になること。
ここは比較的人通りが多い道路。いつからこうなっていたのかは知らないが、歩道をふさぎ歩行の支障になる物体があるのに、放置状態になっていたことについて。ここを通る人なら気付かないわけがないはずなのに、揃いも揃って見て見ぬふりを決めこんだのだろうか。

まずは金融機関。百歩譲って、仮に自社管轄の鉄板でないとしても、自分の店の目の前の道路をふさぐ物があるのに、何もしないってのはどうなんだろう。お客さんや、店と共存するはずの地元住民に影響があるかもしれないのに。また、業種を問わず商売人なら、自分の店の前の道路をきれいに維持管理することも、客を迎え、近所の人たちに気持ち良く通ってもらえるための大事な仕事の1つではないか。店舗統廃合などお忙しいようなので、そんな余裕すらないのか。さらに言えば、この程度の残雪なら、ザクザク切り崩して早く融かしてしまうくらい、やってもいいのに。

金融機関の顧客や通行人にしても、金融機関に伝えるなり(支店長や行員と顔なじみの、近所のお店の経営者とか。今どきはそんなつながりもなくなったのだろうか)、道路管理者や警察へ連絡するなりできなかったものか。
そうそう、ここの数件先には、秋田県警察本部某警察署某交番だってある。お巡りさんたちも、民事&道路管理者管轄のことには、関わりたくなかったのだろうか。

以前の繰り返しだが、道路管理者自身によるパトロールには限界があろう。だから、日頃から道路を利用させてもらっている(とあえて表記)我々一般人が、もう少し広い視野を持ち、気になることがあったら積極的に伝えていかなければならない。それが現場の業務や税金の負担軽減、持続可能な街にもつながるはずだ。
もちろん、本件は金融機関と、念のため秋田市建設部に伝えてあります。よその地域の者が差し出がましいですが。
【14日追記】さっそく撤去してくれた模様。迅速な対応には感謝。
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JR東日本 新幹線チャイムの謎

2022-03-10 19:46:51 | 昔のこと
JR東日本の各新幹線(東北・上越・北陸・山形・秋田)の、自動車内放送の前に流れるチャイムの話。

1982年の東北・上越新幹線開業時は、各停車駅にちなんだ民謡などをアレンジして「ふるさとチャイム」として流していた。
1985年の上野、水沢江刺、新花巻の各駅開業時にも、追加で導入(ちなみにこのタイミングで、浦佐駅の曲を変更したほか、全駅分を再収録しているので、この前後で音色が違う【6月11日補足・特に開業時バージョンの、上毛高原「上州馬子唄」の鈴や燕三条「岩室甚句」の太鼓の音が特徴的。】。CDやネットで聴く時は注意)。
しかし、1990年のくりこま高原駅開業時に、同駅に「イメージに合致する地元の曲がない」として、導入を見送り。くりこま高原に停まる列車では、全駅で新たな共通のチャイムを流すようになった。
これが、今も使われるチャイムの最初。
【10日・言葉足らずだったのでこの段落書き換え】※この時点の、仙台~盛岡間の運行形態(停車パターン)は、「各駅停車」と「途中無停車(スーパーやまびこ)」の2つだけだったはず。したがって、このタイミングをもって、各駅停車しか停まらない、古川、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻のふるさとチャイムは聴くことができなくなったことになり、水沢江刺と新花巻は5年間しか流れなかったことになろう。

そして1991年6月の東京駅開業時には、上越新幹線も含めてすべての列車でふるさとチャイムを廃止して、共通チャイムに替えた。【2022年にふるさとチャイムが復活した! 末尾の追記参照】
だから、このチャイムはもう30年以上流れている。
※東京開業のタイミングで、自動放送の英語のナレーターが日本人からネイティブ(イギリスのJean Wilsonさん)に変わったようだ。日本語ナレーターは開業時から元フジテレビ堺正幸さん。

(再掲)200系電車
1991年東京開業時点では、東北上越新幹線には200系しか走っていなかった。左の先頭車がとがった(100系タイプ、シャークノーズ)のも200系だが、1990年代中頃に製造・改造された車両もあり、ふるさとチャイムを“知らない”200系もいたようだ。


共通チャイムは、2種類(2曲)あり、路線(方面)で使い分けている。東北新幹線系統の曲と上越・北陸新幹線の曲。※以下、それぞれを東北版、上越版と表記します。
山形、秋田両新幹線は、東北新幹線から枝分かれするためか、(単独運行区間も含めて)東北版。北海道新幹線も、JR北海道所有のH5系電車を含めて、東北版らしい。
一方、北陸新幹線のうち、JR西日本所有のW7系電車では、まったく違うチャイム。

また、Wikipediaでは、東北版は「北千住駅1番線で使用されていた発車メロディに類似」とある。2000年代まで使われていたようで、Youtubeに投稿されているのを聴いたら、前半はそっくりだった。詳細は不明。



僕は幼稚園の時に初めて東北新幹線に乗り、駅ごとに違うチャイムにも興味を持ち、そのカセットテープを買ってもらった。
そして、「特急ものしり百科」の類の本で、秋田にも新幹線が来る計画があることを知って(ミニ新幹線ではなく、田中角栄の頃の整備新幹線構想)、その時はどんなメロディーになるだろうと心を躍らせた。

その後10年近く経って中学生になっていたが、ふるさとチャイムがなくなってしまうのを知った時は、残念だった。
でも、聴いてみれば共通チャイム(当時は東北版しか聞く機会がなかった)も、上品で耳障りでなく、シンプルすぎずうるさすぎず、好きになった。



さて、このチャイム、誰が作ったのか。ネット上では一切、情報を見たことがない。
実は、我ながら感心することに、それが分かる当時の新聞を切り抜いていた。
1991年6月16日・日曜日 朝日新聞 社会面
「東北・上越新幹線の車内放送 民謡調から電子音楽に 20日から」
↑ふるさとチャイムも、エレクトーンのようなアナログ電子楽器(当時の機種の場合)で演奏していたと思われるので、それも電子音楽と言えるのではないか。ちなみに共通チャイムは、FM音源のデジタルシンセサイザーの音色か。

その中に、

JR東日本が決めた新しい電子音は、環境音研究家渡辺久芳さんの作曲。
とある。
「環境音研究家」という作曲家とかじゃない人らしい。ネットでも、日本音楽著作権協会(JASRAC)の登録を検索しても、渡辺氏についてはこれ以上分からず。

さらに、
「(チャイムは)東北、上越の両新幹線で別々だが、いずれもバロック調で「広い草原」や「さわやかな朝」をイメージした
東北版が「広い草原」ってこと? う~ん。上越版は、朝っぽいかも。
【12月15日追記・「さわやかな朝」は、開業時~2002年まであった上越新幹線の列車名「あさひ号」からの連想ではないかとのコメントをいただいた。だとすれば、筋が通る。】



実はネットには、東北版が「TR-11」、上越版が「TR-12」という曲名であるとの情報がある。
後年(2000年以降頃)、携帯電話の着メロなどで曲を商品として販売する時、管理の都合上で命名したのか、などと思った。駅のホームの発車メロディーには、そんなものがある(JR-SHシリーズなど)。
じゃあ、それをJASRAC検索(J-WID作品データベース検索サービス)したら…
あった!(JASRACが管理をしているわけではないが、登録はされているらしい)
作品タイトル「TR11-車内放送音楽」、著作者名(作曲)「八幡電気産業」、アーティスト名「金益 研二」
作品タイトル「TR12-車内放送音楽 」、著作者名(作曲)「八幡電気産業」
、アーティスト名は未登録
確証はないが、これ?
作曲者とされている八幡電気産業株式会社は、今も鉄道用の放送や通信機器を製造している。公式サイトでチャイムへの言及はないが、東北上越新幹線開業時に「テープ式自動放送装置」が採用されていた。ふるさとチャイムを再生して放送できるデッキのことだと思う。
「金益 研二」は、同名のピアニストはいらっしゃった。でも年齢的に、ちょっと若い気がする。

ふるさとチャイムからの流れで、八幡電気産業が共通チャイムにも関わることになり、渡辺氏に作曲を依頼した(が著作権登録では……)、みたいなことか???


【11日追記・さらに「株式会社スイッチ」という企業も関係するらしいことが分かった】
TR-11、TR-12があるのなら、TR-10とかもあるのではと思い、調べた。
JASRACには、八幡電気産業名義で、1、2、3、13も登録されていた。
Google検索すると「株式会社スイッチ」という企業のサイトを発見。鉄道向け音源制作などを行なう企業で、「音源供給先」の1つに鉄道会社とともに八幡電気産業も挙げられていた。
「音源リスト」には、「Water crown」など駅ホームの発車メロディーも挙げられていた。Water crownは、東洋メディアリンクスの製品だと思っていたが、スイッチが作っていたということか?

リストの「特急メロディー」には、TR01からTR28まで挙げられており、一部は列車名・曲名も出ていた。TR11とTR12は、やはり両新幹線。「TR」はtrainか。
そのほかは、JR東日本を中心に、小田急電鉄やJR西日本、JR九州も。
TR05~TR08は、青森と新潟の485系電車3000番台(リニューアル編成)に搭載されていた、「美しき青きドナウ(TR08)」などのクラシック曲のチャイム。※サイトでは「かもしか」も出ているが、かもしかは国鉄時代のままのオルゴールの「鉄道唱歌」でしたよ。

485系3000番台は、1995年登場。また、2001年改造の「きらきらうえつ」用チャイムにTR09、TR10、TR13が割り当てられている。登場時期と数字がバラバラ。
したがって、TR11とTR12は、制作時もしくは直後に命名されたのではなく、やはり後年に付けられたのだと思われる。【12日追記・スイッチの会社設立は1996年なので、この点からも、最初から関わったということではないのかもしれない。】(以上追記)


断片的な情報で、余計に分からなくなってしまった。



さて、もう1つ、東北版共通チャイムに関する話。
今回、ネットでいろいろ調べていたら、NHK「読むらじる。」で「車内チャイムに隠された謎とは? クラシックデュオ・スギテツが徹底検証!(https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/tetsutabi/vIMSiQQ9nI.html)」を見つけた。2021年4月16日放送。

その中で「東北新幹線のチャイム」について、「この車内チャイムの謎は4小節目3拍目の“ラソ”の音がコケちゃっているところ。」「そうそう。滑っているとも言いますよね~。」「これはワザとなのか偶然なのか? 東北を旅する、鉄道に興味のない音楽家の中でも話題になっています。」というやり取りがされていた。
音楽の素人には、そもそもどの部分なのか、そしてコケる/滑るの意味が分からない。

ツイッターでも、何人かが指摘しており、ゴスペラーズの北山陽一氏(八戸出身)は2014年10月10日に「三拍子で四小節目の三拍目のラソ(同時発音にきこえる)が、なぜ八分音符でないのか気になって仕方ない人が実は結構いるのではないか。」。
その他の方々のツイートも見て、自分なりに理解できた。

場所は、後半のトレモロ(?【11日追記・ここの場合は「トリル」のようだ】)に入る直前の、最後の部分を指すようだ。
その部分が音楽を知る人には、「ラソが同時発音」もしくは「ラが短く、すぐソが続く」と聞こえ、違和感を受けるという。その原因が「コケる/滑る」。すなわち、演奏時に指がもつれるなどして(ミスタッチ)、譜面と違う演奏になっているのではないか、ということのようだ。

つまり、チャイムの謎とは、
「本来は8分音符で等間隔に演奏されるべき「ラソ」が、それより短く不規則な長さで演奏されている。それは演奏ミスなのか、意図的に作曲されたのか」
ということのようだ。

そういえば、鉄道運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」で、プレイ中の車内放送として、このチャイムが流れるものがあった。実物とは異なる音源で、その例の部分が、車内で流れるのと違う音符の配置じゃないかと思ったのを思い出した。ゲームでは正規の8分音符の長さで「ラソ」と鳴っていたのか。【11日追記・音が1音多いように聞こえたので、それが「ソ」に当たる。】


共通チャイムの音源は、後年にデビューした新型車両(400系~E7系まで8形式)も含めて、すべて同じ1990年の音を使い続けているはずである。各形式ごとの放送機器やスピーカーの性能で、違って聞こえることはありそうだけど。
他の鉄道車両のチャイムでは、曲は同じでも、車両型式によって音源が異なることがあるし、今ならば、途中でチャイムの音声データを入れ替えることも可能だろう。それなのに30年一貫して使い続けているのだから、演奏ミスではないと思う。最初からこう作曲されていたと考えるべきではないか。
ネットでは、放送前の注意喚起が目的のメロディーなのだから、気付かせるためにあえて不自然にしているのではないかとの声もあり、素人ながらそちらのほうが納得できる。【11日追記・素人には別に気にならないから、注意喚起の効果は低いようにも思えるが。】
【11日追記】ネット上では、一部に「E2系とE3系のチャイムは、若干音色が違う(高い)」という指摘もあった。それでも、例の箇所は同じなのだから、これはもうそう作曲されていると考えるほかないのではないか。


そういえば、上越版チャイムには、最後のほうで音が途切れて無音になる瞬間があるというか、テンポが一瞬乱れるような感じがして、ちょっとドキッとする。同じ意図でそうしているのかも。
ネット上で、音楽に詳しい人による指摘は見つけられなかったが。東北新幹線と比べると、やはり上越・北陸新幹線の利用者は少ないということなんだろうか。



謎はあるものの、多くの乗客にすっかりなじんでいるメロディー。
北海道新幹線が開業しても変わらなかったし、まだしばらく聞くことができそう。2030年度末という、北海道新幹線札幌開業の時どうなるか。その頃には、自動放送のナレーターも、そろそろ交代を視野に入れないといけなくなるだろうし。


【6月11日追記・2022年のふるさとチャイムの復活について
「「鉄道開業150年」事業」として、JR東日本が「懐かしの 200 系カラー新幹線が復活運転!!」を行なう。2022年は東北・上越新幹線開業40周年でもあるが、5月10日のプレスリリースでは、その名目とはしていない(その後のネットニュースでは40周年を謳うものもある)。
E2系電車の1本、J66編成を200系の塗装に変更するとともに、ふるさとチャイムを搭載して、定期営業運行(団体運行も)する。

6月9日から営業運行し、塗装は意外に違和感がない。
「上越新幹線と東北新幹線仙台以南で営業運行」との報道を見たが、とりあえずは東北新幹線で運行されているようだ【13日追記・この後、6月12日には上越新幹線でも運行】。Youtubeに投稿されたものを視聴すると、音源は廃止時と同一のようで、ふるさとチャイムがない東京駅は共通チャイムが鳴る。
一ノ関~盛岡のチャイムも再生できるのだろうが、仙台以北でE2系の定期運用がないので、団体列車以外では聞くことができなそう。
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雪激減

2022-03-08 19:34:24 | 秋田の季節・風景
寒さも雪も厳しかった、今シーズン(2021~2022年)の冬。
秋田市は2月に入って、いくぶん緩んだものの、2月18日には今シーズン最大の積雪56センチに達した。※その頃の記事

2月後半以降も、晩秋~12月頃かのような強風が吹き荒れたり(今季は少なかった)、気温よりは風が冷たく感じられたりした。それでも、気温が5℃を越える日、雨や長時間の晴れも増えてきて、ぐっと冬の終わりが感じられるようになった。
積雪は2月24日に40センチ、27日に30センチ、3月1日に20センチをそれぞれ切り、5日には9センチに。8日は4センチ。ぐんぐん減った。
南通亀の町の小さな道
そんなわけで、道路の雪もほとんど消えて、夏靴でも問題なく歩くことができる、と言いたいところだけど、一部の歩道や狭い道では…
保戸野の菊谷小路
全体に圧縮されて固くなっていて、表面は多少凹凸があってザラメ状。足腰が健康で雪に慣れた人ならば、滑って転ぶようなことは、あまりないと思う。でも、条件によっては水っぽくなったり、下部が融けて空洞ができていて、その上に足をかけて踏み抜いてしまったりすることもある。こんな区間を長く歩く時は、靴選びが悩ましい。
道路管理者が除雪するまででもないだろうし、前のお宅にも事情(空き家・高齢者等)もあるだろうし、早く完全になくなるのを願いつつ、慎重に通るしかあるまい。

赤れんが館通りのタイル風舗装には島状の残雪

気象台の積雪量観測点と比べて、こうした道路では、除雪で積み上げられたこと、除雪や通行で押し固められたこと、日陰といった条件により、雪が残っているのだろう。

イオン秋田中央店前のバスベイの奥に雪山
バス停の切り欠き(バスベイ)の奥のほうは、車は通らないので、除雪された雪山がそのまま残って(横の郵便ポストの回収は困ってそう)、自然に小さくなっている。地層のような線が入り、道路の汚れがグラデーションを作り、この冬を物語っている。

東部ガス秋田支社付近の市道
歩道の車道寄りに、わずかな雪の山脈。※先週撮影。現在は消えました。
薄っぺら
ここの歩道はロードヒーティング入っている。でも、ロードヒーティングはセンサー部分が反応しないと作動しないので、端のほうの車道の除雪でできた雪山を融かすまでは作動していない(それで問題ないし、妥当)から、残った雪でできた山脈。

旭川の大町公園橋(幸橋・さいわい橋の後継の歩行者専用橋)は、ロードヒーティングがないのか壊れたのか、積もり放題。今季は、中央部分を比較的広めに除雪してくれていた。
現在
ここは除雪の山はあまり作られず、自然に積もった(最大56センチ)ままの雪だと思っていた。気象台では4センチになった今、ここは20センチは積もっている。そんなに日当たりが悪いのか? 川の上だと気温が低いのか?


いつになく長かった冬の終わりが、はっきりと感じられるようにはなったけれど、春はもうちょっと先か。でも、ウェザーニューズは、4月8日に秋田市で桜が開花する予想を、3月2日に出している。ちょうど1か月か。※ウェザーマップは3月7日に4月16日と予想。

【9日追記】9日15時に、秋田市の積雪がついに0に。昨年12月25日以来で、根雪は2か月強だったことになるが、長かった。
【11日追記】11日に今年初めて、気温が10℃を越えた。
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弘大前の押ボタン信号

2022-03-06 23:24:58 | 津軽のいろいろ
2021年12月の弘前の続き。※直近はバスの話
間が空いてしまったが、弘前大学文京町地区(文京町キャンパス)前の青森県道127号(富田大通り)周辺で、道路改良工事などいろいろ変化しているところまで記事にしていた。
それらと関係ない別の変化が、あと1つ生じていた。実際には、2020年12月中旬より前に変化していたようだ。
場所は弘大正門のすぐ横。
2019年末撮影

現在

2019年末撮影

(再掲)現在

押しボタン式信号の一式が、更新された。

ここで前提として、青森県警と秋田県警の信号機の方針の違いについて。
青森も秋田も、車両用信号機は設置される時期によって、電球式横型→(昭和末期頃)電球式縦型→(2000年代)LED式縦型→(2010年代)フラット型や低コスト仕様のLED式、と変化してきた。
最後の現行のフラット型・低コストタイプ世代では、秋田県警は縦型のままなのに対し、青森県警は横型に変更した。

また、小学校の前などによくある、基本的な構成の押ボタン式信号の設置方法も、両県で異なる。弘大前のような、信号が設置されない小さな道(校門等も含む)と、丁字路・十字路を構成する交差点。
(再掲)秋田市の押ボタン信号。小さな市道2本との十字路
↑秋田では、横断歩道の近くに停止線がある進行方向向きでは、交わる道を越えた位置に車両用信号機を設置する(上の写真右端)。したがって、信号柱が3本必要になる。

対して青森では、上記の条件であっても交わる道より手前、歩行者用信号機と同じ信号柱に、車両用も設置する(弘大前の場合、農学生命科学部方向から来る側)。信号柱は2本で済むものの、その向きの車両は、停止線に達するよりも手前で信号機が見えなくなる【7日補足・見えることを確認して位置を決めているとは思うが、運転者の視点の高さによってはなくはなさそう】、もしくは上を見上げないと信号機が見えないおそれがある。それは結果的には、ブレーキが遅れたか、信号無視したかのように見えてしまうことになる。実際、その条件下では、(本来は黄信号だけど)赤信号になった瞬間でも、止まらない(止まれない)車がわりと見受けられる印象がある。

ほかに、青森では車両向けに「押ボタン式」などの表示板を設置しないのも特徴的だが、これは別に構わないと思う。


そんなわけで、今回の更新は、以前と同じ位置に同等品を設置した、単純な更新。押ボタン箱も更新(後述)。
車両用は縦型を経ずに、電球式横型→LED式横型フラット型・低コストタイプになった。コイト電工製。
歩行者用は、
2020年9月 三協高分子製
三協高分子製の信号機は、秋田県ではほとんどないが、青森県は好む。富田大通り周辺では電球式時代から設置例があり、2008年にLED式も設置、新青森駅前にもあった。
電球式と比べると、LED歩行者用信号機はかなり薄くなっているわけだが、三協高分子のそれは他社と比べると厚ぼったく見える。2020年製でも変わっておらず、一瞬、中古品かと思った。



さて、交換される以前に使われていた信号機のこと。以下6枚は2018年撮影。
全国的な傾向として、押しボタン式や県庁所在地以外の信号機は、交換が遅い=古いものが残る傾向がある。また、青森県は秋田県と比べると、LED化は遅いようにも感じる。
したがって、秋田市では、電球式信号さえ残りわずかになり、(電球式の)横型や平成初期製の信号機はほぼなくなっているのに対し、弘前市内ではそれらがまだまだ残っている。
正門の向かい側の柱
車両用・歩行者用とも、金属でなく樹脂=ポリカーボネートでできた信号機。昭和末~平成初期にかけて、青森でも秋田でも多く採用されているが、経年で変色やヒビ、視認性低下が生じる。

ポリカーボネートの信号機は、実は上記、三協高分子がOEM元となって製造し、他の信号メーカーへ供給していた。だから、姿形はそっくりなのに、銘板だけが違うのが基本。
ただし、この車両用だけ、例外。

点灯する面=レンズの質感と色が独特。表面に規則正しくドットが打たれており(他に斜め格子などのものも)、青信号は緑でなく紺色っぽく、黄信号は橙色っぽく、赤信号はエンジ色っぽい。
小糸工業(現・コイト電工)では、車両用の樹脂製は、OEMでなく自社で作っていたそうで、これがそれ(銘板の記録も記録もないがたぶん)。なお、秋田市内でもかつてはちらほらあった。むしろ弘前ではあまりなかったかも。

歩行者用東側(大学側から渡る時に見る)

歩行者用西側。背後は弘大敷地内の桜
当然、いっしょに製造されたものがいっしょに設置されたかと思いきや…
東側銘板。昭和54年8月、小糸工業製

西側銘板。昭和54年9月、松下通信工業製
なんとメーカー違い!
車両用と違い、歩行者用は小糸でも三協高分子からOEMを受けていたそうだ。ただしその数は少なく、全国的に珍品とのこと(=小糸の樹脂製歩灯自体が少ない)。
松下通信工業(現・パナソニック系)は、当時はわりとあったようだ。

製造年月が1か月違い。
最初はオール小糸だったのが、1台が初期不良や早期の事故で壊れて、松下製に替えた可能性はなくはない。でも、工事の準備段階でまぎれてしまうなどして、最初から1台だけ松下製になってしまった、というところではないだろうか。


ところで、この弘大正門前と、北隣の国立弘前病院前の交差点の、1本だけ押しボタン動作となる横断歩道(前回の記事参照)の信号柱、押ボタン箱の上には、とある掲示が設置されている。正門前でも、少なくとも東側は今回は撤去されずに健在、西側はあった位置に「工事中」表示が貼られてしまっており、確認不可能。
けっこう大きいサイズ
なお、大学側は単独の信号柱(=柱ごと警察管轄)。こういう時、秋田県警は信号機と同時もしくは近いタイミングで柱も新しくするのが一般的だが、ここでは継続使用。【7日訂正】両側とも信号専用ではない、電信柱・電力柱を曲がりした設置でした。ということは、ほぼ向き合った絶妙な位置にちょうどよく柱がある、信号機にとっていい場所。
話がそれますが、今回の工事では、黄色い押ボタン箱も更新された。タッチ式だったかは忘れてしまったが、たぶん違ったか。
東側は以前と同じ北向きに設置。西側では上の写真の通り、前は南向き(バス停方向)だったが、更新後はほぼ逆側、正門から出てくる人が押しやすい位置に付け替えられていた。

「この信号は押ボタンを押しても 青になるまで時間がかかる場合 があります。 しばらくお待ち下さい。」
ふりがな付きの石井太丸ゴシック体。1990年代後半時点で設置されていた。

国立病院前の押しボタンは、他の3方向の信号サイクルに割りこんで青になるため、当然、待ち時間は生じてしまう。
一方、単純な押しボタンである弘大前も、たしかに待ち時間が異様に長いことがあるので、表示はウソではない。2021年12月は3分は待たされ、こんなに待たされたことは過去なかったような気もしなくはない。富田大通りの車の流れを滞らせないため、ボタンが押されてすぐ作動ではなく、隣の国立病院前の交差点と同期というか連動しているのだろう。そのわりには渋滞するけど…
秋田市でも、旧・秋田銀行保戸野出張所前、外旭川野村の隣などがそうだが、こういう掲示がなく延々と待たされるだけだから、弘前のほうが親切ではある。
県道が改良されれば(信号柱の移設や更新)、この表示もなくなってしまうかもしれない。


そんなわけで、実に41年にわたって、富田大通りや弘前大学正門を見守った信号機たちが役目を終えた。
ちなみに、秋田大学正門前も押しボタン式信号。こちらは横断歩道が2本あり(歩行者用4台)、緑色のデザイン化された柱と信号機、LED化やタッチボタン化もされている。こちらも県道拡幅があったが、41年の間で3回以上更新されていると思う。

今回は時間がなくて行くことができなかったが、大通りを南に進んだ、市立第四中学校南側の交差点にも、同年代の樹脂製信号機が残っていた。こちらは松下のほか、立石電機(現・オムロン)製のもあったのだが、やはり交換されたか。今後の課題。※2021年12月の弘前の信号機の続き
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4回キムラ/’19連載終了

2022-03-04 20:24:17 | その他もろもろ
朝日新聞(夕刊のある地域では朝刊掲載)の連載漫画、いしいひさいち作「ののちゃん」。
3月4日付に掲載された「8743」は、落とした食べ物の“3秒ルール”を元にした“343システム”の話。
「ののちゃん」は、たまにオチが難解で悩まされる回もあるが、今回は明瞭。しかし、3コマに書かれていた文字が、理解できず悩んだ。



上下の「3秒でひろう」「3秒以上水をかける」は分かるが、真ん中の行。
「4回キムラ」と読んで、大いに悩んだ。木村という登場人物がいたっけ? とか。
【8日追記・忘れていた。ののちゃんのクラスメイトで、秀才で金持ちの男子児童「キムラくん」がいた。頻度は多くないがたまに登場する。彼が関わるのかと、(誤読してさらに)誤解する読者もいたかもしれない。】


横の絵の「パッパッパパ」と見比べて、やっと分かった。「4回払う」か!!!

大変失礼だが、あまたある新聞連載漫画の作者の中でも、いしい先生は文字が汚い【4日補足・「汚い」こそ失礼。「雑」か】。お願いだからもう少し、きれいにとは言わない、丁寧に文字を書いていただけないだろうか。
また、朝日新聞も、子どもも読む主要全国紙なのであれば、読まれやすさについて気を遣ってほしい。毎日締切があって大変なのだろうが、全国紙という大舞台だからこそ、しっかりと。
内容で考えさせるのは悪くはないが、文字が読みづらくて考えさせるのは、読者としては徒労にほかならない。

なお、「払」は教育漢字ではない(=小学校で習わない)ので、かなを振るとかひらがな書きするとか、配慮があってもいいだろう。なお、3年生で習う「拾う」はひらがなにしてしまっている。



朝日新聞には、連載漫画が2つある。
昔(1979~1991年)なら「フジ三太郎」と「ペエスケ」、今なら「ののちゃん」と「地球防衛家のヒトビト」。
子どもの頃、朝日にはどうして2つも漫画が載っているのか、ペエスケは連載されない日(月曜?)もあるはなぜか、不思議だった。
理由は、夕刊がある地域で夕刊に連載される漫画を、夕刊がない(統合版)地域でも遅れて載せてくれているのだった。エッセイなどでもそういうものはあり、当然ではあるが、地方読者のことも考えてくれているのだと感じていた。
※朝日新聞で夕刊が発行されているのは、今でも全国で20都道府県(一部地域のみを含む)だそうで、意外に多い。

Wikipediaの「地球防衛家のヒトビト」の項にも、現時点で「夕刊発行がない(統合版)地域では、前日の掲載作が最終面の3面前のページに掲載される(日によってはそれより後のページになる)。 」との記述がある。
しかし実際には、現在は統合版地域では、「地球防衛家~」は読むことができなくなってしまっている。


2019年3月31日のことだった。
統合版にいつものように掲載

その下に、
「◆「地球防衛家のヒトビト」は掲載を終了します。」
淡々とした冷徹な、最低限の宣告であった。【4日補足・「本日をもって」など「いつで掲載終了」か説明がないのは、新聞としてはいかがなものか。】【6日追記・サイトでの告知は特になかったと記憶する。】

2019年4月1日から読めなくなるらしいことは分かった。一瞬、この回をもって完結=夕刊でも連載終了なのかと思った。
でも、2002年から長く続く作品が、最終回のそぶりもなくぷっつり終わるのはおかしい。
ツイッターなどで調べると、夕刊への連載は続いている。だから、統合版に限り掲載が終わった=統合版での連載打ち切りということらしかった。

ペエスケ(あるいはもっと前のサザエさんとかも?)時代から続く、地方読者への配慮が、ろくな説明もなく突然終わったのが悲しかった。
特に昔、地方テレビ局では、キー局ではまだ放送が続くアニメなどを、何らかの理由で途中で打ち切ってしまい、見られなくなることがあった。それも思い出させる、地方の哀しさ。


「地球防衛家のヒトビト」は、幅広い分野の風刺を多く扱っていて、おもしろくて好きだった。
おそらく、統合版に連載されなくなった次の日に発表された新元号令和、新型コロナウイルス、菅義偉総理、東京オリンピック・パラリンピック等々もいろいろと題材になったと推測するが、地方読者は蚊帳の外。
単行本には全作載らないだろうし、リアルタイム感はないし。有料オンライン版だと読めるのか?【2023年5月27日追記・紙の朝日新聞の定期購読者(法人は除く)は、会員登録すれば、過去14日分の全紙面(もちろん漫画も)を全地域版・朝刊夕刊とも追加料金なしで「朝日新聞デジタル『紙面ビューアー』」で見ることができたのだった。だったらその旨を、連載終了時に告知してほしい。】

なお、ツイッターで検索すると、統合版での連載終了への言及はあるが多くはない。少なくとも地方では、人気がなかったのかウケなかったのか…
あまりに惜しいので、朝日新聞社と作者・しりあがり寿先生の事務所公式サイトにメッセージを送り、掲載再開を訴えたのだが、現時点では、かなっていない。
【6月7日補足・しりあがり先生も、文字は雑だ。統合版で連載されていた末期は、たまに部分的に筆跡が異なる文字が混ざることがあったが、あれはアシスタントなんかが修正したのだろうか。】


それにしても、どうして統合版に載せなくしたのだろう。
地方で読ませるにはそぐわないと判断したのか、作者の意向か。そういうのだったら、ちゃんと説明するべきだ。【4日追記・作者にとっては、より広い地域で掲載され、より多くの読者の目に触れたほうが、心境としても商売としても良いはずで、エリアを狭めたがるとは考えにくい。】
載せても載せなくても、紙面作成上の労力や作成費用は違わないと思う。
あとは、作者への原稿料が掲載地域や掲載部数で違うとかだろうか??

現在再放送中の、1979年のNHK連続テレビ小説「マー姉ちゃん」。長谷川町子氏の自伝が原作。
ドラマでは「サザエさん」の新聞連載は、福岡の地元紙→いったん終了(サザエ結婚)→福岡のほか北海道など3地域の地元紙→毎朝新聞と変遷しており、事実とほぼ一致する流れのようだ。※ドラマでよく出る毎朝新聞が、ここでは朝日新聞。

いったん終了させたサザエさんを、再度執筆してほしいと説得に来た新聞社の人は、「3紙に載れば原稿料も3倍になりますよ」と話し、マチ子さんたちもそれもあって乗り気になっていた。
そういう慣習が今もあるのならば、統合版掲載取りやめは、やはり原稿料削減???
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弘前マイナーバス路線

2022-03-01 20:27:16 | 津軽のいろいろ
白神山地ラッピングバスに続き、2021年12月の弘南バスから。今回は、存在感が薄い、路線・系統の話。

秋田市でも弘前市でも、たいていの地方都市のバス路線網は、駅・市街地と周辺各地域を結ぶ放射状の路線網がメインであることが多い。駅・市街地一極集中。
ターミナル駅や中心市街地が1つしかないこと、そこを通らずに地域と地域を結ぶ路線は、需要が低く成り立ちづらいのだろう。例外は、郊外と市街地から離れたところにある高校や病院へ向かう系統がわずかにある程度。
しかし、弘前の場合、思いがけない経由地や行き先のバスを見かけることがけっこうあり、街の規模を加味すれば、秋田市よりは複雑な路線網で、少頻度・多系統運行の傾向があると感じる。


弘前駅近く、イトーヨーカドー弘前店1階の弘前バスターミナル。
和徳車庫の中型車

「桝形・金属団地 桜ヶ丘」
金属団地・桜ヶ丘方面といえば、桔梗野経由。この桝形(ますがた)経由はマイナー。

先に、普通の金属団地・桜ヶ丘線について。「桔梗野経由 金属団地・桜ヶ丘線」としたほうが分かりやすいが、弘南バスホームページでは単に「金属団地・桜ヶ丘線」として、桝形経由は別の時刻表=別路線として扱っている。
(下りはバスターミナル始発~)弘前駅~土手町~弘前高校前~桔梗野~緑ヶ丘~南高校前~金属団地~桜ヶ丘案内所 ※現在は案内所が廃止されたので「旧桜ヶ丘案内所」としている。
再掲)絵に描いた「桔梗野」上りバス停は今回も健在だった

桔梗野経由は弘前市内でも運行本数の多い系統で、弘前に住んでいた1990年代後半では、毎時3本くらい走っていた印象があるし、金属団地・南高校に立ち寄らない便(清水地区を直進)もあったと記憶する(←実は少々勘違い。正解は後述)。
写真↓のように大型車も入っていた。この幕は「桔梗野 桜ヶ丘」なので、金団・南高に入らなそう。
再掲)2002年
Wikipediaによれば、桔梗野経由金属団地線(南高経由? 金団止まり?)と桔梗野経由桜ヶ丘線が2003年4月に統合され、現在の形になったらしい。本数が多かった記憶は、2路線分か?
その後、大型車がなくなり、小型車・マイクロバスも入るようになり、近年は減便されて毎時1~2本。


桝形経由以外にも、市街地~桜ヶ丘を結ぶ路線がある。これらは金団・南高は入らない。
「ミニバス緑ヶ丘線」と「城南線」。
弘南バスでは、2000年前後に小型バス(日野リエッセ)、マイクロバス(三菱ローザなど)を大量導入し、これまで中型以上しか運用されなかった路線にも充当するようになった。それ以前は、マイクロバスの数が少なく、運用路線は限定され(かつ中型以上が入ることがなく)「ミニバス○○線」と称されていた。城南線もミニバス城南線だった。
ミニバスの名は現在も引き継がれているが、2013年の記事のように、なぜか城南線はミニバスが抜かれてしまっている。

ミニバス緑ヶ丘線は桔梗野も経由し、通常の桔梗野経由の代替にも使えるのだが、弘前駅には入らない(上下ともターミナル発着)、土手町~市役所~大学病院~弘前高校前と独特の向きで少し遠回りし、緑ヶ丘地内で市営住宅の中を通るという違い。下り4本(うち2本土日祝運休)、上り7本(同)。

城南線は、まったく経路が異なり、ターミナル~市立病院前~住吉入口~弘前大学入口~西弘前駅前~城南~桜ヶ丘。
桔梗野経由とは土淵川の対岸に当たる、弘大文京区地区の裏手=バカヤローカーブを通る。下り7本(うち1本土日運休)、上り5本(2本)。昔はさくら野まで行く便が多かったが、今は1往復のみ。

以上の全系統、さらに桝形経由いずれも、駅~桜ヶ丘の運賃は同額(360円)。
Wikipediaによれば、2014年までは茂森経由桜ヶ丘線も存在した。2010年4月の時刻表では、桜ヶ丘発7時45分、バスターミナル発8時55分の日祝運休1往復。


そして、桝形経由桜ヶ丘線。これは金団・南高に入る。というか、2003年までは桝形経由金属団地線だったようで、桜ヶ丘まで行かなかったのか。
バスターミナル・駅~上代官町~上土手町~中央松森町~桝形~西弘前駅前~西ヶ丘~緑ヶ丘~以降桔梗野経由と同

土手町から取上交差点を曲がってブックマックスの通りを抜け、桝形交差点を直進して、弘南鉄道大鰐線を渡って、桔梗野経由と合流する。全体にシンプルなルートではあるが、細部はクセがある。
土手町では桔梗野経由と逆方向に走る上、下りはバスターミナル(屋内)→弘前駅→弘前バスターミナル前(路上)と、イトーヨーカドー周辺を行ったり来たり。
「桝形」バス停は、交差点の西・文京小学校の前にある。「西弘前駅前」は、商店街にあるミニバス城南線用とは別で、「入口」程度の位置。

1990年代後半の弘前在住当時、桝形経由を見かけることはあったが、乗る機会はないままに終わった。
僕が住んでいたのは、西弘の西側、ミニバス城南線沿線。でも、本数は少ないし、車内は混むし、運賃は(乗る距離が長い分)高いし、ほとんど利用しなかった。
800メートル歩くが、本数が多い富田大通り経由各線を、桝形交差点南側の「三中校前」で乗降することが多かった。
しかし、桝形経由を西弘前駅前で乗降すれば、いくぶん近くて良さそうで、タイミングが合えば乗ってみたかったが、かなわなかった。※実際の歩行距離は600メートルほど。駅からの運賃は、三中校前と桝形が同額(現在210円)、西弘前駅前だと10円上がる。

4コマの授業が終わって買い物などして帰ろうと歩いていると、桝形交差点を越えて文京小方向へ向かうバスを何度も見かけた。時間的には16時台。
当時は、古いいすゞの中型車のほか大型車が入っていた気もするが、21世紀に入って何度か見た限りでは、小型はなく中型車のみ見かけている。

さて、今回の写真の桝形経由桜ヶ丘行きは、ターミナル14時50分発で下り最終便(土日祝運休)。
ということは、何度も見た、16時台の便がなくなっていた!

この便と、折返しの上り桜ヶ丘発17時10分の1往復が、2021年冬ダイヤから減便されていた。
現在は、下りはターミナル7時40分(毎日運行)と14時50分の2本。上りはいずれも土日祝運休で、7時35分発弘前営業所(小栗山)行き、15時40分、19時00分の3本。

2015~2016年の夏ダイヤでは、
バスターミナル発7:40(毎日。他は日祝運休)、14:50、16:25。桜ヶ丘発7:35義塾高校行き、15:40、17:10、19:00。

元から本数は少なく、著しく減っているわけではなさそう。東奥義塾では、今は別のバス会社に委託してスクールバスを走らせているようなので、朝の通学便は小栗山止まりに短縮されたのだろう。

昔の16時台も、今回の14時50分も、乗客は多いとは言えない数。需要がないのか、ダイヤ次第では(昔の僕のように)利用したい人もいるかもしれないが、本数が増えることもなさそう。
同じルートで、南高校のスクールバス(生徒限定の路線バス)も設定されているらしいので、その関係での免許維持路線的な位置付けもあったりするのかも。

【2022年3月31日追記】この次の夏ダイヤ、2022年4月からは、桜ヶ丘発19時00分発が減便となり、上下とも2本ずつ、上り弘前駅行きは1本になった。



もう1つ。実物は初めて見た。
弘前営業所のリエッセ

「(清原)(安原)弘前営業所」
経由地を青文字にした上にカッコでくくるのがよく分からないが、「弘前営業所」行きがレア。
なぜなら、弘南バスでは、弘前営業所行きを、通常「小栗山(方面)」行きと案内するから。
(再掲)富田大通り経由弘前営業所行き
これは、弘前市内に本社や車庫が複数ある弘南バスにおいて、客に対して「弘前営業所」では分かりづらいという配慮だと思われる。秋田中央交通の秋田営業所行きを「大川反車庫行き」とするのに似ている。
また、小栗山とは、富田大通り経由で弘前営業所の1つ手前のバス停。これは秋田の割山線(秋田市営バス時代から)で、南浜町(南浜回転地)行きを「運転免許センター方面行き」としているのと同じ。


では、この路線はなぜ、小栗山行きでないのか。
ちゃんとした理由がある。
ひろさき公共交通マップに加筆
公共交通マップでは広域図と市街図の境界(緑の直線)で分かりづらいのですが、太い薄ピンクの線が富田大通り経由小栗山線、右側の細い濃いピンクの線が清原安原経由。

富田大通り経由は、大通りを南下して、弘南鉄道小栗山駅近くの踏切を渡って、小栗山、営業所。
清原安原経由は、それより東側のルートで、松木平駅近くの踏切を渡る。つまり、小栗山バス停を通らない。
しかも、踏切を渡ってすぐ曲がれば営業所が近いのに、反対方向へ曲がって、松木平地区をぐるりと回って営業所に入る。なかなか個性的な路線。

小栗山行きとしないのも納得できるが、側面の経由地付き行き先表示(看板式ではなく珍しく幕式)では、
「弘前営業所(小栗山)」
側面は往復兼用で、 弘前駅(ターミナル)-柴田幼稚園前-清原-清水森-(小栗山)弘前営業所。安原が出てこない。
時刻表では「清原・安原~小栗山線」とされている。小栗山がなければないでまぎらわしいから、やむを得ないのかも。富田大通り経由などとは逆に、駅/ターミナル→営業所方向が上り扱い。

【1日追記】弘前営業所の所在地は、松木平かと思っていたら小栗山だった。だから、「小栗山」は弘前営業所の所在地を表示しているととらえることもできる。コメントのように、かつての秋田市営バス北営業所を「飯島」、南営業所を「新屋」と案内していたように。ただ、別に「小栗山」バス停があることを踏まえれば、微妙というか難しい。大した問題ではないけれど。

富田大通り経由と比べ、清原安原経由は遠回りしていそうだが、駅~営業所は、所要時間は富田大通り経由が30~35分、清原安原経由は35分、運賃は340円と同じ。
便数も思ったより多い。ターミナル発は7、10、14、15、17時台(毎日運行)の5本。営業所発は7、8、9、11(土日祝運休)、13、15(土日祝運休)の6本。

写真はターミナル15時15分発の便だが、イトーヨーカドーでの買い物帰りと思しき母さん方が、けっこう乗った。
その前の14時15分発も同様だった。これは三菱ローザで、LED表示でも「弘前営業所」だった(側面も正面と同じ)。

路線名である清原地区と安原地区は、他の路線も通る。その先の、農村部で在来トウガラシ・清水森ナンバの産地の清水森地区~松木平地区ではこの路線単独区間。その辺りの住民の需要(対駅だけでなく、安原のスーパーなどへの利用も含めて)があるということか。そう考えると「清水森・松木平経由」と称したほうがふさわしいのではないか。
【3日追記】この路線は、かつてはバスターミナルをはさんで反対側の神田線とつながった路線だった(のが分割された)とのコメントをいただいた。

秋田市のような、高齢者の路線バス料金優遇が行われていない弘前市ではあるが、買い物のしやすさ、運賃以外も含めた総合的な高齢者の移動のしやすさという点では、秋田市よりも便利で活気があるようにも感じてならない。
100円でバスに乗れても、乗りたいルートやダイヤがない、乗って買い物に行ける店が少ないでは、人もバス路線も街も衰えてしまう。


弘前では、4月に新中核病院ができて、郊外からのバス路線が乗り入れるというし、やはり利用減・乗務員不足は問題になっているだろう。レアなバス路線は今後どうなっていくだろうか。

※弘前の次は信号機の話
※この次の訪問時の弘南バスの話題は2023年6月
コメント (6)
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