狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

集団自決、「もうやめなさい!」 パニックに瀕した長老たちの悲劇

2022-08-01 10:09:50 | ★改定版集団自決
 

 

沖縄戦の再検証のため過去ブログ「もうやめなさい!」 パニックに瀕した長老たちの悲劇2008-07-14 

を一部編集して再掲します。

               ★

集団自決を決めたのは、長老たちの咄嗟の判断だった。

昭和61年沖縄で開催された「海邦国体」は、全国1巡目の最後の国体であった。

その翌年の昭和62年、2巡目のトップとして「京都国体」開催された。

前年の沖縄国体の熱がまだ覚めやらぬ沖縄の老人会グループが郷土の選手団の応援に京都国体を訪れた。

その中の一人に座間味島の戦争体験者の長老がいた。

長老は、戦時中座間味島に駐屯していた旧軍人を訪ね、懐かしい昔話に花を咲かせた。

そのときの長老の談話が聞き取りされている。

「昭和19年の11月3日か12月8日のこと、(日付がどちらかは不明確)那覇市の護国神社で決起大会があり、そこで在郷軍人(沖縄出身の武勲者)たちが主となって、県民鼓舞の大演説をぶち上げた。 中でも印象に残ったのが直前まで那覇市長を勤めていた當間重剛氏は演壇で日本刀を振りかざし、『米軍が来たら、戦国時代の落城と同じ、女子供は自決させるべし』と演説をし、『決議』となり、それを参加していた座間味村三役がそれを帰島後、村民に伝えた」

座間味島に駐屯していた軍人たちはこの民間主導の決起大会には参加しておらず、この事実も戦後40数年を経ってから京都国体に応援に来ていた島の長老から初めて聞かされた事実だったのだ。

 ちなみに抜刀して大演説した當間重剛氏とは戦後、米軍民政府に琉球政府の主席に任命された人物だ。

確認のため昭和19年の11月3日前後と、12月8日前後の「沖縄新報」を調べてみたら、11月3日前後の新聞自体が県立図書館などには保存されていなかたが、12月8日付けの新聞は保存されていた。

米軍が座間味、渡嘉敷両島に殺到して猛攻撃を開始する約二ヶ月前の「沖縄新報」(昭和19年12月8日)に次のような記事がある。

けふ大詔奉戴日

軍民一如  叡慮に応え奉らん

一人十殺の闘魂

布かう滅敵待機の陣

戦時の新聞なので見出しと記事がやたらと勇ましいのは何処の新聞も同じだが、沖縄新報の見出しによると、特に昭和19年の大詔奉戴日は10月10日の那覇大空襲の後だけに、県庁、県食料営団、県農業会などの各団体が主催して沖縄各地で関連行事が行われた様子が報じられている。

ちなみに大詔奉戴日とは日米開戦の日に日本各地の行政機関を中心に行われた開戦記念日のことをいう。

真珠湾攻撃の翌月の1942年1月8日から、戦争の目的完遂を国民に浸透させるために、毎月8日が記念日とされた。

そして、同記事では「鬼畜米英」についても各界の体験者の談話を交えて、次のような大見出しを使っている。

米獣を衝く  暴戻と物量の敵を撃て

お題目で獣性偽装

野望達成で手段選ばぬ

昔も今も新聞が国民を扇動するのは同じこと。新聞が舞い上がって県民を鼓舞しているのが分かる記事だが、慶良間島からも県庁で行われた「大詔奉戴日」式典には島のリーダーたちが参加している。

村長を始め村のリーダーたちはこの雰囲気に煽られて、島に帰った後数ヶ月で目前に迫った米軍上陸にパニックを起こし判断を誤ったのではないのか。

島のリーダーたちにとって、「鬼畜米英」の話は単なる新聞記事の見出しだけではない。その数ヶ月まえの7月ににサイパン陥落の際、鬼畜米兵から逃れた多くの日本人が、崖から身を投げた「集団自決」があり、その大部分は慶良間出身の沖縄県人であったという。

                  ◇

「集団自決は軍の居た所にのみ発生した」という「軍命あり派」の主張は軍人がいなかった読谷村チビチリガマの集団自決やその他の例で否定されている。

集団自決実行の分岐点は避難時のグループリーダーの判断の如何だった。

自決実行の間一髪、子供の泣き声で我に返ったリーダーの一瞬の判断で集団自決を免れたグループ。

その目撃談を紹介しよう。

座間味国民学校上級生(今の中学2年生)の宮里米子氏の体験談である

忠魂碑の前に集まった宮里米子氏の家族は敵の砲弾を受けて逃げ惑う。

<『潮だまりの魚たち』クリエイティブ21刊より引用

轟く艦砲の恐怖と寒さに震えながら、米子の家族は避難所を探して近くの山を目指して歩いていきました。 丘の斜面を登っている途中、砲弾のうなり声の合間から、ひそひそと人の声がもれてくるのに気がつきました。話がよく聞き取れないので、敵か見方かはっきり分かりません。おそるおそる声の方に近づいていきました。そして気づかれないように、雑木の間からのぞいてみました。すると、月明かりの下でひとつの家族が寄り添っているのが目に止まりました。年寄りと子供たちのようでした。うつむいた人たちの髪に雲間からもれてくる月が淡くさしています。 そしてすぐ側に銃を持った一人の兵隊が立っていました。米子は「どうするんだろう」と、息を殺して見ていました。長い沈黙をやぶったのは、群れの中の男性の悲壮な声でした。

「トー、ナマヤシガ(さー!今だよ)」

するとその日本兵はおもむろに家族の方に銃を構えました。腰には弾丸を詰めたベルトが重そうに巻かれています。銃身が月影に鈍く光ります。引き金に指をかけた時、一人の子が緊張に耐えられなくなったのか、突然わめき出しました。その瞬間、兵隊の指が引き金から離れました。泣き出した子どもは抱きしめている母親の両腕から抜け出ようと、もがきます。 母親も泣き声でさとしながら必死になって止めています。突然、この親子の姿を見ていたおばぁさんらしい人が、銃を向けていた兵を止めました。

「ナー、シムサ、シムサ(もう止めなさい、止めなさい)」

兵隊は間をおいて、銃を降ろしました。そして、その家族から目を背けるように、こちらを向きました。兵隊の姿をしていたのは、何と村役場の職員一人でした。>(『潮だまりの魚たち』クリエイティブ21刊、P149、150)

生きるか死ぬかの緊迫の瞬間。この家族の生死を分けた分岐点は「軍命令の有無」ではなく、その家族のリーダーの判断だった。

そのリーダーの判断に従った村役場職員は、銃の引き金から指を離した。

ところがこの哀れな村役場職員、別の壕で自決して果ててしまう

<息も絶え絶えに着いたところは産業組合の壕でした。 そこは村の三役などの避難所で、書類や食料なども保管されています。村で一番大きな防空壕でした。そこにはちょうど誰もいません。ほっとした疲れがどっと押し寄せてきて、米子の家族はいつの間にか深い眠りに落ちていきました。「新神里の家族は出てください。新神里の家族は出てください。ここは役場の家族が入ります。出てください」  何度もそう繰り返されて目が覚めました。 その声の主を見ると、先程、銃を構えていたあの役場の男の人でした。 当時の役場の職員といったら、とても怖い存在だったので、米子たちは何も言わずに、素直に従うしかありませんでした。(略)米子たちが出た後、役場職員の家族を中心に大勢の人たちが、その壕の「集団自決」をしたのです。生き残った者は一人もいませんでした。>(p151、152)

村役場の職員は軍人より怖い人が多かったという証言があるが、助役が腰には弾薬帯を巻いて三八銃を持ち歩いていたという証言と役場には常に2~3丁の三八銃があったという証言から、座間味島の助役が、渡嘉敷島の金城兄弟のような役割りで銃で自決の「手助け」をして回ったことも推測できる。

>「トー、ナマヤシガ(さー!今だよ)」

>「ナー、シムサ、シムサ(もう止めなさい、止めなさい)」

いずれもグループリーダーのとっさの判断である。

「軍命の有無」なんて彼らにとってはどうでもよかったのだ。

繰り返し述べよう。

野生の動物でも人間でも、グループのリーダーはパニックに瀕すると往々にして判断を過つ。

 

ここにもパニックで判断を誤った長老(リーダー)の悲しい話がある。

子供を殺し自分は生き残った長老と伯父。

金城重明氏は特殊な例ではなかったのだ。

慶良間島の集団自決には他にも沢山の「金城重明」がいたのだ。

ただ、彼らは「軍の命令」と責任転嫁することなく自分で贖罪の十字架を背負って生きた。

ここが、金城重明氏と他の「金城氏」との大きな違いである。

 整備中隊の壕 -3- (沖縄タイムス8月23日朝刊総合3面)
「父さんも来るんでしょ」
(40)子どものために伯父「自決」

 四月一日朝、座間味村阿護の浦に米軍の船団が近づいて来るのが見えた。「大変だ。速く逃げよう」。壕入り口に出ていた宮村文子(81)は、奥でひざを抱え一塊に座っている人々に呼び掛けた。
 伯父は「私は逃げない。やーん、死にぃー?(あんたも死ぬね)」。「いーいん、わんねぇ死なん(嫌だ、私は死なないよ)」。親にも家族にも会えずに、死ぬわけにはいかない。文子は即座に断った。

 一方の伯父は家族を失っていた。自らが手にかけた妻や二人の子の遺体は壕入り口に毛布を掛けて横たえられていた。伯父はポケットを探り、黒砂糖を取り出した。「これを食べて、お母さんに会いなさい。会ってから死ぬんだよ」と、文子に渡した。

 伯父は文子に「子どものためにも、自分はどうしても死ななければいけない」と話した。幼い息子に手をかけようとした時、「お父さんも来るんでしょ」と問い掛けられたのだという。伯父は「絶対に行くから」と安心させていた。伯父は子どもたちの遺体の場所を示し「僕が死んだら、そばに寝かせて」と言った。

 伯父はいつの間にか、壕の天井の丸太に掛けたひもを、自分の首に巻きつけていたようだった。文子を挟んで隣に座っていた老人にひもの先を押し付け、「おじー、へーくな、ひっぱてぃ、ひっぱてぃ(おじいさん、早くこの綱を引っ張ってください)」と懇願した。

 伯父が本当に死のうとしていることに文子は驚いた。「やるな、やるな」。老人を押し留めようと強くつねった。しかし返事をしなかった。

 暗闇の中、急に隣にいた伯父の体がパーッと上がっていく気配がした。「うっ、うっ、うっけけけけけ…」。うめき声が壕内に響いた。二、三分して声が途切れると、ひもが緩められたようで、伯父はドサリと地面にたたきつけられた。「なんで、そんなことするか」。文子が怒ると、ひもを引いた老人は「わんにん、なーふりむんなってぃよ、わきんわからんどぅやんどー(私はもう頭がおかしくなっている。訳も分からないんだよ)」と、泣き続けた。老人も伯父同様に、妻や子どもたち、親族たちを手にかけていたのだった。

 文子らは壕を出て、ユヒナの浜へ急いだ。老人を急かすと、「わんねぇーふりむんなとぉくとぅ、あっちんしーうさんろー(頭がおかしくなって歩くこともできない)」。老人は苦しげにうめいた。=敬称略(編集委員・謝花直美

                      ◇

(私はもう頭がおかしくなっている。訳も分からないんだよ)」と、泣き続けた。老人も伯父同様に、妻や子どもたち、親族たちを手にかけていたのだった。

パニックで判断を誤り妻子や親族に手をかけ、なお且つ死に切れなかった人たち(別の「金城氏」)の心中は平和な時代に生きる我々の思慮の到底及ばない世界である。

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食糧危機の救世主か?、バイオ3Dプリンターで代替肉を開発

2022-08-01 07:11:29 | 医学・健康

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読者の皆様へ

昨年来、沖縄タイムス編著『鉄の暴風』による歪められた沖縄戦の歴史を是正すべく、「慶良間島集団自決」を中心に長年当ブログで書き綴ってきた記事をまとめて出版する予定でした。 ところが思わぬ難問が続出して出版の足を引っ張りました。 

まず昨年末から今年の初めにかけて、思わぬ腰痛を患い寝たきり状態を余儀なくされました。 そのため、ブログを休載したり、今まで経験したことのないコロナ禍、ウクライナ戦争で思考が乱れ、加えて安倍元首相の暗殺というショッキングな事件で右往左往し、脱稿が遅れてしまいました。

最後のそして最大の難関が出版費用の問題です。

出版不況の折、すでに忘れ去られた感のある「沖縄集団自決」という地味な問題の出版に興味を示す出版社が無いという現実です。

 

■出版費用の献金のご協力願い

しかしながら、沖縄タイムスが、梅澤、赤松両隊長の名誉を傷つけ、同時に旧日本軍を「残虐非道」と決めつける反日史観に対し、万難を排し已むに已まれぬ思いで立ち向かう決意です。

出版の目的の詳細は下記引用の「前書き」(※)に、説明してあります。

※⇒「前書き」

皆様の献金ご協力を伏してお願い申し上げます。

献金額の多寡は問いませんが、一口1000円以上にして頂けると幸いです。

まことに勝手なお願いですが、宜しくお願いいたします。

狼魔人日記

江崎 孝

お振込先

  • 金融機関:ゆうちょ銀行
  • 名義:江崎 孝
  • 記号:17050
  • 番号:05557981

 

ゆうちょ銀行以外からお振り込む場合の振込先

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  • 金融機関コード:9900
  • 預金種目:普通預金
  • 名義:江崎 孝
  • 店名:708(読み ナナゼロハチ)
  • 店番:708
  • 口座番号:0555798

 

※「前書き」に続き、週一回の割りで本文の一部を抜粋、紹介して、皆様のご理解に供したいと思います。
 

 

 

 

3Dプリント肉のレストラン!食糧危機を考える

3Dプリンター, 代替プロテイン, 代替肉, 培養肉 

3Dプリンター

バイオ3Dプリンターで代替肉を開発するスペイン企業Cocuusが約3.5億円を調達

 

スペインのスタートアップ企業であるCocuusは、プレシリーズAで250万ユーロ(3億5000万円)の資金調達に成功した。

Cocuusは、植物や細胞由来の代替肉製造を容易にする技術開発に取り組む企業で、今回の資金調達は、新たな世界市場への事業展開を支援するものとなる。

同社はバイオ3Dプリンティングと自動化技術により、従来の食肉に代わる本物に近い代替品を提供することで、既存の食料システムを変革していくことを目指している。

植物/細胞由来の代替肉開発を可能とする3Dプリンティング技術

CEO・共同創業者のPatxi Larumbe氏 出典:Cocuus

Cocuusは2021年、植物や細胞由来の材料に適した独自の3Dプリント技術を開発したと発表した。同社は3Dプリントで製造されたサーモンやリブロースステーキ、ベーコンを公開し、リアルなものを作れることを証明した。

2021年の時点で、毎分8キログラムの代替肉をプリントすることができたという。さらに、毎分10キログラムの植物肉を3Dプリントできる装置の特許を出願するとしていた

Mimethicaと名付けられたCocuusのプラットフォームは、AIを使って既存の食品の組成を分析する。次に数学的モデルを用いて、バイオインクに変換された新しい食材を使い、元の食材と同じ構造を再現する。

このプラットフォームでスケールアップが可能になると期待されており、今回の資金調達はこの目標に向けた一歩となる。

CocuusのCEOで共同創業者のPatxi Larumbe氏は、「今回の資金調達で国際的な投資家の関心を集めたことを大変誇りに思います。この資金調達のおかげで、タンパク質を工業規模でプリントしたいと考える企業の手の届くところに、私たちの技術を届けることができるようになるでしょう」と発言している。

人口増加による食糧不足と環境汚染問題への解決策

出典:Cocuus

FAOが以前発表したデータによると、2050年までに世界人口が91億人に達した場合、食糧生産を70%増加させる必要がある。

具体的には年間2億トン以上増加させる必要があるという。しかしこれは、2050年までに大幅な改善を目指すとされている排出量削減目標とは相反するものとなっている。

植物肉や培養肉の開発は、従来の食肉に比べて生産に必要な土地やエネルギーが大幅に削減されるため、排出量の危機に対する潜在的な解決策と見なされ推進されているが、生産規模の面では、既存の動物性タンパク質と比較するとまだ苦戦しているのが状況だ。Cocuusは、このボトルネックを取り除くことを目的としている。

今回のCocuusへの投資はBig Idea Venturesが主導し、Cargill VenturesTech Transfer UPVが参加したことが注目されている。

Big Idea Venturesの創業者でマネージングゼネラルパートナーのAndrew D Ive氏は、「Big Idea Venturesでは、代替タンパク質産業のバリューチェーン全体に影響を与える技術に投資をしています。Cocuusの技術は、構造化された植物肉や培養肉の生産における主要課題であるスケーラビリティに対処しています。我々は、この革新的なチームを支援することにワクワクしており、彼らのスケーラブルな食品技術が世界中に衝撃を与えることを楽しみにしています」とコメントしている。

世界での3Dプリント代替肉の発展

出典:Cocuus

3Dプリンターを使った代替肉開発では、国内外で多くの企業や大学が取り組みを始めている。

香港に拠点を置くAlt Farmは、A5ランクの代替和牛肉を2023年に上市することを目指している。イスラエルのSavorEatはバーガーチェーンBBBと提携し、タンパク質、脂肪から焼き加減までカスタマイズできるパティをその場で3Dプリントする装置を店舗に導入している。

Redefine Meatは昨年、3Dプリンター製のステーキ肉をイスラエル国内、欧州の一部の国で市販化した。

これらの企業は植物成分を使用しているが、イスラエルのMeaTechアレフ・ファームズ大阪大学などがバイオ3Dプリンターによる培養肉開発を進めており、3Dプリンターの代替肉開発への応用は今後さらに活発化していくだろう。

 

参考記事

Spanish Startup Cocuus Nets $2.6 Million For 3D Bioprinted Meat Acceleration

 

【おまけ】

 

3Dプリンターで「培養肉」を自動生産。大阪大学が島津製作所と共同研究「万博で展示目指す」

大阪大学、島津製作所、シグマクシスは3月28日、3Dバイオプリント技術の社会実装に向けて3者が協業すると共同記者会見で発表した。

これに先立ち、大阪大学と島津製作所は「3Dバイオプリントを応用したテーラーメイド培養肉の自動生産装置の開発」に関する共同研究契約も締結。2025年に開催を予定している大阪万博で、3Dバイオプリント技術を活用した「培養肉」の展示を目指すとしている。

ステーキのような培養肉「自動化で」

培養肉自動

 

画像:島津製作所プレスリリースより引用

今回の協業で基礎的な技術開発を担うのは、大阪大学大学院工学研究科の松崎典弥教授だ。

松崎教授の研究室では、2021年8月、和牛の培養細胞を3Dプリンターを使って組み合わせることで「ステーキ」を作り、大きな話題を呼んだ

培養肉のステーキ

松崎教授が開発した培養肉のステーキ。

画像:大阪大学プレスリリースより引用

細胞を培養して肉を作り出す「培養肉」の研究は、「代替肉」の一つとして世界的に注目されている。

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代替肉の業界では、現状では大豆などの植物をベースとした製品が大半。一方で、動物細胞を培養して肉そのものを作ろうとする動きもある。

2020年にはシンガポールで、世界初となる培養肉によるチキンナゲットの製造販売が許可された。開発したのはアメリカのスタートアップ企業「イート・ジャスト」だ。

国内では、スタートアップのインテグリカルチャーが2022年度中に培養フォアグラの市場投入を狙っている。2021年11月には、日揮HDも培養肉の技術開発を目的に新会社を設立した

培養肉の開発では、ミンチのように肉の繊維が細切れになったものはできていても、繊維が保たれたステーキのような「構造化された培養肉」を作ることは難しい。

これを実現するには、実際に「筋肉の組織」に近い構造を構築する技術が必要となる。

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また、「iPS細胞を培養して臓器を作る技術」のように、細胞を培養する中で、うまく筋肉の組織構造を作る研究の方向性もありうる。松崎教授はこれを3Dプリンターを使って実現しようとしているわけだ。

「細胞レベル、1ミリメートル以下の繊維構造を作り、束ねていかなければならない。そこに3Dプリンターが活用されます」(松崎教授)

松崎教授らは2021年夏に培養細胞を使ったステーキ肉を発表したが、これは焼肉の肉から組織標本を取り、作成した設計図に基づいて脂肪や血管、筋繊維を配置することで構築したという。

今回の協業では、基本的に2021年夏に発表した培養肉の作成方法を自動化。世界中のどこででも作成可能にすることを目指す。

自動化する上での技術的な課題はどこにあるのか。Business Insider Japanの質問に対し、松崎教授は

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「やはり手作業でやっている部分と、自動化でやるところで大分変わってくるところがある」

と、微細な構造の構築を自動化する際に難しさが生じると語った。

また、今回の協業では培養肉の3Dプリント技術だけではなく、3Dプリンターの可能性を追求する新たな基礎技術の開発にも取り組むとしている。

「心臓の形をプリントするなど、(3Dプリンターを使えば)さまざまな立体構造を作成することが可能になります。そういった新しい技術の開発をこれから進めていきたいと思います」(松崎教授)

大阪大学の松崎典弥教授

大阪大学の松崎典弥教授。

画像:記者会見の動画をキャプチャ

島津製作所、シグマクシスの役割は?

今回の協業における3者の主な活動は以下の通り。

  1. 3D バイオプリント技術の開発推進に向けた他企業との共同研究
  2. 周辺技術・ノウハウを有する企業・団体との連携
  3. 食肉サプライチェーンを構成する企業・団体との連携
  4. 3Dバイオプリント技術に関する社会への情報発信

島津製作所では、松崎教授らが開発した技術を生かして「3Dバイオプリント技術による培養肉生産の自動化」と「培養肉開発に関わる分析計測技術の提供」を担う。

また、島津製作所の馬瀬嘉昭馬・専務執行役員は記者会見で、培養肉の開発に加えて、将来的には3Dバイオプリント技術を医療面で利活用することも視野に入れていると語った。

培養肉の3Dプリント技術を発展させれば、例えばヒトの臓器モデルのようなものも作成することが可能になると考えられている。

ヒトの組織に近いものが実現できれば、再生医療としての活用はもちろん、動物実験の代用や稀少疾患など創薬分野への研究への応用が期待できる。

シグマクシスは、3Dバイオプリント技術の社会実装に向けたプログラム・マネジメント・オフィスとしての役割を担うとしている。

(文・三ツ村崇志

 

 

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2022-08-01 06:00:34 | 政治

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沖縄集団自決「軍命」の大嘘!

『歪められた神話の墓標』

鉄の暴風』の著者大田記者は「見てきたような嘘をつく講談師」だった!
 
➀「軍命と援護法」
➁大江岩波裁判の本質
③43年ぶりに県史発刊
④県発行の「援護金支給の裏手引き書」
⑤決定的証拠入手―「援護法と軍命のカラクリ」
■日本兵と米兵を故意に入れ替える悪質な歴史捏造
安仁屋教授の歴史捏造■
 
 
【前書き】
 
 
今年は沖縄の祖国復帰50周年の節目の年である。
沖縄戦の体験者は次々と鬼籍に入り、活字として残された記録が検証されることなく真実として流布されていく。
 昭和という戦争の時代は、遠い昔話であり、沖縄戦以前に生まれた「戦前世代」の県内人口が今年末までに、沖縄県内総人口の1割を切ると予想される。
 
本書執筆中、7月24日付沖縄タイムスは「金城重明さん死去 93歳 元キリスト教短大学長 平和活動に尽力」との見出しで集団自決の重要証人の死去で一面を飾った。さらに7月27日付沖縄タイムスは次のようなコラムを書き、金城氏を追悼した。
 
▼歴史の歪曲(わいきょく)を許さず、法廷や講演に何度も立った。用意した原稿を淡々と読み上げる姿が印象に残る。恐ろしさや悲惨さだけではなく、皇民化教育、軍国主義といった本質や背景に目を向けてほしかったと感じる

▼語られない体験が多い中、金城さんの証言で、私たちは強制集団死の実相を知ることができる。あふれる感情をせき止め、逆に身を削るように絞り出した言葉の一つ一つはこれからも生き続ける。(福元大輔)》

歴史の歪曲をした張本人の沖縄タイムスの記事は、今でも嘘が多い。金城重明氏のいう集団自決の実相とは、自分が犯した大量殺戮に対する自己弁護と責任転嫁に過ぎなかった。

 

 大東亜戦争末期、慶良間諸島で「軍命」によって起きたとされる集団自決は、確たる証拠も信憑性も無いまま語り継がれ、長きに渡り神話となっていた。ところが、多くの研究者による史実究明により、「軍命」という根も葉もない伝聞は霧散し、隠されていた悲惨な事実が公の場で露にされる事となった。1950年に発行された沖縄タイムスの『鉄の暴風』は沖縄戦のバイブルとされ、同書を出典として数え切れない引用や孫引き本が出版され続けてきた。また、旧日本軍の残虐行為を告発する戦記本もその内容を検証した形跡はなく、これに信憑性を持たせる為に度々引用されて来たのが『鉄の暴風』である。同書に記された「軍命による集団自決」は、大嘘であり著者が”見てきたように”に書いた講談の類だった。ところが、元軍人らによる大江岩波集団自決訴訟は敗訴が確定し、残念ながら集団自決問題は国民・県民の記憶から遠ざかりつつある。

さて、すでに決着済みと思われている沖縄戦「集団自決問題」に今さら屋上屋を架し、本書を世に問う理由は何か。  

その訳を述べよう。

確かに沖縄の集団自決問題は「大江岩波訴訟」で被告の大江健三郎・岩波書店が勝訴し、その結果すでに決着済みと思われている。
この現実を見たら、多くの国民や沖縄県民は、沖縄タイムス編著『鉄の暴風』が主張する通り「軍命論」で集団自決論争は結着したと考えても不思議ではない。
 
だが、事実は違う。
 
岩波大江訴訟で確定したのは、大江健三郎と岩波書店に対する名誉棄損の「損害賠償請求の免責」という平凡な民事訴訟の勝訴に過ぎない。肝心の「軍命の有無」については、一審、二審を通じて被告大江側が「両隊長が軍命を出した」と立証することはできなかった。  
その意味では原告梅澤さんや赤松さんら両隊長の汚名は雪(そそ)がれたことになる。しかし沖縄タイムス等反日勢力は問題をすり替え、あたかも両隊長の「軍命」が確定したかのように、次の目標として「軍命の教科書記載」を目論み、あくまでも日本を貶める魂胆だ。
 
本書執筆中、ほとんどの県民が集団自決問題を忘れた頃の2022年7月10日付沖縄タイムスは、こんな記事を掲載している。
 
「軍命」記述を議論 9・29実現させる会 教科書巡り、2022年7月10日

 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」を巡り、歴史教科書への「軍強制」記述の復活を求める「9・29県民大会決議を実現させる会」(仲西春雅会長)の定例会合が4日、那覇市の教育福祉会館であった。3月の検定で国語の教科書に「日本軍の強制」の明記がされたことについて意見を交換。社会科の教科書で記述の復活がないことから、今後も活動を継続していく意見が相次いだ。》

2007年春、文科省は歴史教科書から「集団自決は軍の命令で起きた」などの文言を削除するよう検定意見を出した。これに対し沖縄県内外のサヨク活動家たちが反発して同年9月29日「教科書検定意見の撤回を求める県民大会」が開かれ、政府に抗議の拳を突き上げた。特に沖縄メディアが連日大々的に扇動記事を書いて、県民を反日運動に誤誘導した。(実際は、1万数千人の動員数を11万人余と大巾水増しした報道でのちに「11万人大幅水増し集会」と言われた)

「軍命」が教科書に記述されたとしたら、国が歴史として認めたことになる。だが歴史は裁判が決めるものでも無ければ、沖縄タイムス等の新聞が決めるものでもない。ましてや、サヨク活動家たちの「県民大会」で決めるものではない。

本書を世に問う第一の目的は、沖縄タイムス編著の『鉄の暴風』が歪曲した沖縄戦歴史を正し、「残酷非道な日本軍」を固執する沖縄タイム史観の教科書記述を阻止することである。最高裁による確定後、歴史の是正を巡る状況はさらに新たな展開があった。 『鉄の暴風』が主張する「軍命論」を粉砕する決定的証拠が出てきたのだ。 仮にこの証拠が大江岩波訴訟の前に登場していたら、裁判の判決も逆だった可能性すらある。沖縄戦遺族会のご協力により、集団自決の「軍命論」を葬り去る定的証拠を入手することが出来たのだ。

これまで「軍命論争」には、「手りゅう弾説」~大江健三郎の「タテの構造説」など数多くの証拠、証言が論じられた。その中で「援護法による軍命説」は、法廷では一つの推論に過ぎず決定的ではないと言われ、証拠として採用されなかった。
ところが「援護法と軍命のカラクリ」を一番熟知する沖縄戦遺族会から決定的証拠を提供していただき、この証拠を事前に入手していた「軍命派」の研究者達が、「軍命を捏造した」と白状し、さらに証拠の捏造に「恥を感じる」とまで言い切っている。これ以上の決着はないだろう。この一件こそが本書を世に問う最大の目的である。
 
しかし、歴史の解釈は立場によって意見が分かれる、という反論もあるだろう。
例えば、大東亜戦争で日米のどちらに正義があるか、という問い対しては日米で意見が異なる。交戦国にとって正義の解釈が異なるからだ。
 
筆者のような無名の一個人が、新聞社や大学教授らの歴史解釈を真っ向から否定することは、一般国民の支持を得るどころか蟷螂の斧の誹りを受けるだけである。
 
だが、本書の目的は歴史の解釈ではない。 
歴史の嘘の是正である。
 
日米戦争で「沖縄が米国の領土になった」という説は、歴史の解釈ではなく、紛れもない歴史の嘘である。 保守対リベラルというイデオロギーの問題ではない。本書を世に問う最大の目的は沖縄の集団自決を巡るウソの是正である。
 
次に本書を出版するもう一つの目的を述べておこう。
 
本書執筆中のNHK報道によると、ウクライナでは西部の町で巡航ミサイルにより子どもを含多くの民間人が死亡するなど、ロシア軍の攻撃によるジェノサイドが増えているという。翻って沖縄の集団自決は、ジェノサイドではなかったのか。 集団自決は、米軍による民間人虐殺(ジェノサイド)の最中起きた事件であり、逆に言えば米軍のジェノサイドが無ければ集団自決は起きなかった悲劇である。沖縄ではほとんど知られていない「米軍によるジェノサイド」の事実を世に知らしめたい。沖縄戦を論じる場合、1944年の「10・10那覇空襲」については、ほとんど語られことはなく、翌年の3月10日東京大空襲、さらに8月の広島、長崎への原爆投下という民間人大虐殺(ジェノサイド)へと繋がっていく。

1945年3月末、慶良間列島を、海が黒く見える程膨大な量の軍艦で取り囲んだ米軍は、無抵抗で逃げまどう民間人を容赦なく雨あられと艦砲射撃で攻撃した。まさに米軍の艦砲射撃は『鉄の暴風』と呼ばれるジェノサイドであった。米軍による無差別攻撃のパニックの最中起きたのが、悲惨な「集団自決」ということになる。

戦争にもルールがある。

戦時国際法には、ハーグ陸戦法規などがあり、戦争とは軍人同士の戦闘を意味し、軍人が民間人を攻撃するのは虐殺であり、戦争ではない。ハーグ条約違反である。

米軍が1944年10月10日に那覇市を空爆したことは、紛れもなくハーグ陸戦条約等でいう「民間人への攻撃禁止」に相当する。

これ等の例は、誤爆による民間人虐殺ではない。米軍による確信犯的ジェノサイドだ。これ等はすべて戦時国際法違反の民間人の大量虐殺である。

沖縄タイムス編著『鉄の暴風』は、「10・10那覇空襲」を含む米軍の民間人大量虐殺の事実を知りながら、敵の米軍は「人道的米兵」と記述し、一方で味方の日本軍には「残虐非道な日本兵」などと主張、現在も堂々と書店で販売されている。 沖縄戦後史を歪める『鉄の暴風』の呪縛から沖縄県民を解き放ち、梅澤、赤松両隊長の名誉を回復する。同時に日本国民の名誉を回復するための已むに已まれぬ大和魂、これも本書を世に問う目的である。

本書に収録の記事のほとんどは、約20年間ブログ『狼魔人日記』で書き綴った記事を編集したものである。だが、何事にも終りがある。
『狼魔人日記』の継続に終りが来た時、収録されて記事は広いネット空間に放り出される。 そして、そのほとんどが人の眼に触れる機会もないだろう。
古来、歴史とは文字に書かれ事物・事象が歴史として刻まれるという。 その伝で言えば、ネット上の記録など歴史としては一顧だにされないだろう。
ネット上の記録を紙に書いた記録にする。これが本書出版のもう一つの目的である。
 
おわり
 
【追記】

本書執筆中、安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に銃撃され、非業の死を遂げました。心からご冥福をお祈りいたします。一方、安倍首相の死を喜ぶかのような朝日新聞は、安倍氏の死を冷やかした川柳を掲載した。沖縄タイムスの親分と言える朝日新聞は『鉄の暴風』の初版発刊元であり、『鉄の暴風』による歴史の歪曲を後押しをしてきた。そこで、『鉄の暴風』の歴史歪曲を連想する一句を「朝日川柳」から引用する。

「ああ怖い歴史はこうして作られる」(朝日川柳)

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売国奴大江健三郎、現代史家秦郁彦の大江岩波裁判批判

2022-08-01 04:26:08 | ●●沖縄の黒歴史

 

集団自決、大江・岩波訴訟、現代史家秦郁彦の高裁判決批判

2021-07-02

現代史家秦郁彦の高裁判決批判

2008-11-19

 

現代史家秦郁彦氏の「集団自決控訴審判決」に関する、インタビュー記事。(強調部分は引用者)

沖縄戦集団自決控訴審判決
現代史家 秦 郁彦氏に聞く


 沖縄戦で住民に集団自決を命じたとする虚偽の記述で名誉を傷つけられたとして、元隊長・梅澤裕氏らが「沖縄ノート」の著者、大江健三郎さんらを相手に出版差し止めなどを求めた控訴審で、大阪高裁(小田耕治裁判長)は請求を退けた一審判決を支持、梅澤氏らの控訴を棄却した。判決の評価を、現代史家の秦郁彦氏に聞いた。
(聞き手=編集委員・鴨野 守)
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「判決は暴論で非常識」

 はた・いくひこ 昭和7年、山口県生まれ。東京大学法学部卒。ハーバード大学、コロンビア大学に留学。防衛研修所教官、大蔵省財政史室長、プリンストン大学客員教授、日本大学教授などを歴任。法学博士。平成5年度の菊池寛賞を受賞。著書に『現代史の争点』『昭和史の謎を追う』(上・下)『昭和史20の争点―日本人の常識』『南京事件増補版―「虐殺」の構造』『統帥権と帝国陸海軍の時代』『旧制高校物語』など。


 ――判決の内容をどう見るか。
 裁判の争点は隊長の自決命令があったか否かであるのに、「その有無を断定することはできない」としながら、「総体としての日本軍の強制ないし命令」を認めたもので、「逃げ」の判決だ。名誉毀損があったと認めているが、さまざまな理由で原告側を勝訴させるわけにはいかないという大前提があり、事実上の門前払いをした。

 原告側を勝たせることができない理由の第一は、もしノーベル文学賞作家の作品が出版差し止めとなれば、世界中に報じられ、大騒ぎとなる。これは、日本の国益にマイナスになるという判断だ。

 第二は、沖縄への特別の配慮。昨年九月の県民大会に象徴される、ただならぬ「反対」の気勢を見て、沖縄の世論を敵に回したくないという気持ちがあったのだろう。

 第三に、戦時中の古い話を論議するのは歴史家の仕事であって、これを裁判所に持ってくるな、という考え方。第四に、原告側弁護団のビヘイビア(振る舞い)が、裁判所の心証を悪くしたという面だ。

 ――判決文のどこからそのように判断したのか。

 例えば判決の中に、「このような歴史的事実の認定については……本来、歴史研究の課題であって……司法にこれを求め、仮にも『有権的な』判断を期待するとすれば、いささか、場違いなことであると言わざるを得ない」などという判示は、こんな訴訟をやるな、と言っているに等しい。また、「新しい資料の出現によりある記述の真実性が揺らいだからといって、直ちにそれだけで、当該記述を含む書籍の出版の継続が違法になると解するのは相当でない」という指摘は、ひどい暴論。

 新しい資料、新しい証言が出て、過去の通説に間違いがあると分かれば、そのたびごとに訂正し、修正するというのが常道であり、歴史に対する本来の姿というべきだ。小田判決は、非論理的で、非常識な判決と言わざるを得ない。

 ――原告、被告双方から多くの陳述書や証言が出たが、原告側のものが一審に続き、全くと言ってよいほど評価されなかったが。

 梅澤氏の主張は「到底採用できず」、ニセ命令書を捏造したという照屋昇雄氏の証言も「全く信用できず」、座間味島の宮平秀幸氏の新証言に至っては「明らかに虚言」などと、その信憑性を一切認めないという極端な判断を出したのは極めて珍しい。梅澤氏は原告だが、照屋氏も宮平氏も第三者の立場で全くの別人格なのに。裁判長が意地になっているとしか思えない。

 ――高裁が「明らかに虚言」とした、宮平秀幸氏の証言については、どう評価するか。


 これが単独で出てきたのであれば疑問も出よう。だが、すでに梅澤氏が命令を発しなかったという証言は、宮城初枝さんが語り、宮村幸延が詫び状まで書いており、その内容と宮平証言は符合するもので大筋で正確だと私は判断している。裁判長は、過去の発言とブレがあるから信用できない、と指摘するが、時間とともに証言に多少のブレが出てくるのは当然であり、その理由も「村幹部の圧力」に起因するというのは、宮城初枝証言と同様、理解できる。逆に、時間を隔てた証言が全く違わないとなれば、それこそおかしい。

 ――判決は、住民自決命令について「関与」という形で認めたわけだが。

 「関与」という範疇には、「関与しなかった」ということも含まれる曖昧な言葉だ。だが、当時の日本政府も第三二軍も、大方針は「非戦闘員を県内外の安全地帯に避難させる」というもので、これは住民自決とは正反対の指示である。だが、判決はこの流れに沿わない住民殺害など例外的な事件をことさら重視して、自決命令に「関与」したと決め付けており、変な判決と言わざるを得ない。(世界日報 2008年11月18日)

                   ◇

 

再三繰り返しているが、高裁判決を、狼魔人日記風に言わしてもらえば、小田裁判長は、次のような判決を下したことになる。

裁判長⇒「原告の元軍人が、命令を出したといえないが、梅澤氏も老い先短いことだし、今さら名誉毀損なんて我慢しなさい。 ノーベル賞作家と大手版社の表現の自由に比べたら、90歳余の老人の名誉なんてどうでも良いではないか、それにもう一人の赤松氏は死んでいるのでしょう。 我慢、我慢」

こんなデタラメな判決が通るなら、日本はとんでもない人権無視の国家であるということを司法が示したことになる。

原告側の証言を一切認めないという裁判長の判断は、被告側の「証言者は嘘つき」という被告側の主張を、そのまま鵜呑みにした恣意的判断である。

原告が軍命を下したという証拠がないので、被告側は、本裁判とは関係ない別件の「住民虐殺」を持ち出してかく乱作戦を企てた。裁判長は、この被告側の「印象操作」に取り込まれて、軍の「関与」を全て原告が不利になるようにムリヤリつじつま合わせの判断をした。

>第二は、沖縄への特別の配慮。昨年九月の県民大会に象徴される、ただならぬ「反対」の気勢を見て、沖縄の世論を敵に回したくないという気持ちがあったのだろう。

この点に関して、原告側はマスコミ等の「法廷外闘争」で徹底し、「原告側は沖縄を敵にしている」という印象操作で裁判官にプレッシャーを与える作戦を続けており、結果的に成功している。

今朝の沖縄タイムスは「『集団自決』訴訟 控訴審判決を読む」(村上有慶・沖縄平和ネットワーク代表)というタイトルで連載特集が始まっているが、その記事の中でも「・・・『正論』や『WILL』などの雑誌上で展開される、沖縄側への口汚い攻撃を見れば明らかである」といったさりげない表現で、卑劣にも、この裁判が「原告側vs沖縄」の裁判であるかのような印象操作をしている。

いうまでもないが「集団自決訴訟」の被告は大江健三郎と岩波書店であり、沖縄が被告ではない。

原告側が被告側を、口汚いかどうかはさておき,攻撃するのは当然のことであるが、それがどうして「沖縄側への口汚い攻撃」に摩り替わるのだ。

沖縄タイムスに聞きたいのだが、いつから沖縄県民が「大江健三郎・岩波書店=沖縄」という等式を認めたというのだ!(怒)

こういうところで、勝手に「県民」と言うのは止めて欲しい。

岩波・大江訴訟 県民納得の妥当判決だ (琉球

 

0071/産経4/14・秦郁彦コラム-ノーベル文学賞作家・大江健三郎の「醜悪な心事」。

 

 産経新聞4/14コラム「正論」の秦郁彦「沖縄戦の集団自決と大江氏裁判」は内容的にきわめて適切なもので、秦郁彦と掲載新聞・産経に敬意を表する。
 

私もこの件についてはこのブログの3/30の20時台でまず言及した。そして、大江がたんに沖縄タイムズ社刊の本を信じて虚偽を事実と思い込んだというのではなく、沖縄ノート(岩波新書)で、事実であったことには微塵の疑いも抱かず、それを前提として、渡嘉敷島元守備隊長(赤松嘉次氏)の沖縄再訪時の心情を想像=創作=「捏造」する長々とした叙述をしていることの方が許せない、と感じた。
 秦郁彦は、大阪地裁への訴訟提起を受けたとき「ついでに、沈黙を守ればよいのにと思わぬでもなかった。/だが、くだんの『沖縄ノート』を読んで、その思いは砕かれた。大江氏は両守備隊長を集団自決の命令者だという前提で、「ペテン」「屠殺(とさつ)者」「戦争犯罪人」呼ばわりしたうえ、「ユダヤ人大量殺戮(さつりく)で知られるナチスのアイヒマンと同じく拉致されて沖縄法廷で裁かれて然るべき」と「最大限の侮蔑を含む人格非難」(訴状)をくり返していたからである」と書く。私も全く同様の思いだった。≪稀に見る人権侵害的記述≫との見出しは完璧に正しい。
 しかも、私も既述のように大江と岩波書店は1970年以来、上の新書を売り続けているのだ。秦はこう書く。-「他の孫引き本がほとんど絶版となっているのに、この本は昭和45年の初版から修正なしに50刷を重ね、現在も売られているのは信じがたい事実だった。/こうした稀(まれ)にみる人権侵害的記述を有名文学者だからという理由で、許容する余地はないと私は感じている
 よくぞ書いてくれた。大江には有名作家、ノーベル賞受賞作家という慢心・「思い上がり」があるのではないか。それに加えて、原告たちは(簡単に表現すれば)<右翼・反動派だ>といった「政治的」感覚の偏向があるのだろう(後者は岩波書店にも共通する)。
 必ずしも詳細には知らないが赤松氏、梅沢裕氏は「すぐれた人間性」をもつ方々らしい。それに対して、と秦は書く。-「「現存する日本人ノーベル文学賞作家」の醜悪な心事はきわだつ」。
 大江健三郎よ、自信と良心があるなら、すみやかに法廷の証言台に立て。
 秦氏の文によると2005.08.16に大江は法廷で証言したい旨述べたようだが、原告が要求しているにもかかわらず、まだ実現していないのだ

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