沖縄都市モノレールの石嶺、経塚両駅で昨年12月から、営業時間中に駅員が不在の「無人駅」となる時間帯が生じ、利用客や障がい者団体から懸念と戸惑いが上がっている。本来は全ての駅に常駐させるべきだが、2019年の浦添延伸に伴う要員増や採用の難航で配置できていない。今は1人の駅員が両駅を巡回しており、モノ社は「目立った支障はない」とする。一方で障がい者団体は「車いすは少しの段差だけでも乗降が大変。知的障がい者は駅員の案内が必要だ」と常駐の必要性を指摘する。(社会部・城間陽介)

 モノ社によると、これまで各駅に駅員1~2人を常駐させ、障がい者が乗降する際のスロープ設置、切符販売の補助、改札口でのトラブル対応に当たってきた。

 3年前の首里-てだこ浦西区間の延伸に伴い要員が増えたが、その分の採用が追い付かず、やむなく1人配置が決まったという。

 石嶺、経塚駅を対象とした理由は利用客が少なく、スロープ設置が不要など設備面で支障が少ないと判断したため。改札口にインターホンを、券売機横にはモニターを設置し、リモートで対応している。

 両駅を往復して対応している駅員は「当初は利用客から『なぜいないのか』と苦情もあったが最近はない」。ただ、券売機に不具合があると数分の待機をお願いし、急行することもある。「お年寄りだとモニター越しのやりとりが難しいこともある」と話す。

 モノ社によると、11日時点で要員補充のめどは立っていない。運輸部営業サービス課は「求人を出しているが応募が来ない。やむを得ずこのように対応している。目立った支障があれば要員補充の緊急策も講じたい」と述べた。

(写図説明)カーテンが閉め切られた無人の駅事務室。改札にはインターホンが設置され近隣の駅員が対応する=11日午後5時半ごろ、浦添市の経塚駅