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突然、話は話は仲井真県政が計画中の「物流・情報ハブ化構想」に飛ぶ。
ひと言でいえば、返還前の「東京⇒沖縄」という物流が沖縄を拠点にして東南アジア20億人の消費に輸出されるという構想だ。
さらにそれを下支えするのが東京からシンガポールまで敷設された高速、大容量の海底ケーブルに沖縄県が僅か20億の負担金で直結するという仲井真知事の政治力。
これは、東南アジアに向けての情報のハブ化も同時進行中という壮大な構想なのだ。 しかも、この大容量の海底ケーブルには沖縄2紙が忌み嫌う安全保障関連に利用できる余力もある。
これには仲井真知事の沖縄電力社長時代からの「マルチメディアアイランド構想」に基づくIT関連の子会社設立に端を発する
米国が警戒、中国が脅かす「海底ケーブル」覇権
(塚田俊三:立命館アジア太平洋大学客員教授) 4月19日付の読売新聞オンラインに、<海底ケーブル敷設、日米豪が連携・・・急速に台頭する中国に対抗>との記事が掲載された。
【参考写真】2009年、ケニアの沿岸都市モンバサのジーザス要塞近くで、ケーブル敷設船から伸びた海底ケーブルを設置する業者たち (外部リンク)https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210418-OYT1T50206/
同記事によれば、情報通信のみならず安全保障面においても重要なインフラである海底ケーブルの分野で急速に存在感を増している中国に対抗するため、アメリカ、日本、オーストラリアの3カ国は相互に連携し、太平洋地域での新たな敷設事業に対して資金協力を強化することで本年3月に合意したとする。
触れられたグローバルに張り巡らされた海底ケーブルをめぐる覇権争いについては、今後、中国の一帯一路構想の進展とともに、さらに激しくなっていくことが予想されるところ、本稿ではこの問題の意味合いについて、太平洋諸国地域を例として、論じて行きたい。
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太平洋地域を主導してきた豪・NZ・米を揺るがす事態 広大な太平洋に点在する十数個の島嶼国からなる太平洋諸国地域は、漁業資源に恵まれ、サンゴ礁に浮かぶ平和で美しい地域である。その太平洋地域が、今、米中間の覇権争いの波に巻き込まれている。
太平洋地域は、戦後永らく、豪州、ニュージーランド(NZ)の支援・庇護の下で比較的安定的に推移してきた。しかし、近年、同地域への中国の進出は目覚ましく、それは、貿易面に留まらず、インフラ投資、さらには外交の分野にも及んでいる。このような急速な中国の進出に対しては、この地域における宗主国ともいえる豪州、ニュージーランド(NZ)、そして米国は警戒を強め、対抗策に乗り出している。
この緊張関係を象徴するような事件が昨年東ミクロネシアで起きた。
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東ミクロネシアの海底ケーブル敷設事業に名乗りを上げたファーウェイ関連会社 発端は、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)が融資する東ミクロネシア・海底ケーブルプロジェクトの調達案件に関し米国がセキュリティー上の警告を発し、「待った」をかけたことにある。このプロジェクトは、太平洋地域の海底に既設されている光ファイバー網を一部延伸し、東ミクロネシア地域もカバーしようとするものである。 同地域に存するミクロネシア連邦、ナウル、キリバスの3カ国はインターネット・サービスの安定提供を確保するため、上記の光ファイバー網に接続する海底ケーブルを3国共同で設置することとし、世銀、ADBにその支援を求めた。両行は2018年4月この要請を受け入れ、海底ケーブルの敷設に必要な7200万ドルの資金をグラント・ベース(無償資金)で供与することとした。
この資金援助を受け、上記3カ国からなるコンソーシアムは、2020年半ば、海底ケーブルを設置するための国際競争入札を開始した。この公募には、仏国のアルカテル・サブマリン、日本のNEC、中国のファーウェイ・マリーン・ネットワークの3社が応じた。これら3つのプロポーザルを相互に比較するとファーウェイ・マリーンの入札価格が一番低く、通常であれば、最も低い価格を提示したファーウェイ・マリーンが落札者として選ばれるはずであった。
ところが、ここで横槍が入る。このままでは、ファーウェイ・マリーンへの発注が確定すると見た米国は、昨年9月関係国にサイバー・セキュリティー警告を発したのだ。
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海底ケーブル関連の過去記事の抜粋です。
大阪の頭越し!沖縄ハブ化 2014-08-29
(略)
■沖縄のハブ化は大阪首都圏構想の頭越し
日本の企業が国内販路を拡大する場合、先ず東京本社の次に大阪支社を作り、それから九州(福岡)支社、北海道(札幌)と、支店網を伸ばすのが一般的だ。
現在の沖縄の商品移入経路は、九州支社管轄が多い。 従がって商談で来沖するメーカーなども九州支社の社員が多い。
つまり商品の流れ(実際はインボイスの流れ)は、東京本社⇒大阪⇒九州⇒沖縄という形態をとる。
ところが返還前の沖縄は商取引の大小を問わず全ての商品の流れは東京本社⇒沖縄というように本社直結であった。
親子で経営する小さな沖縄の商店が東京に本社を構える大企業と直接取引していたのは二つの理由による。
1)当時は本土から沖縄への商品の移出は、貿易手続きによる輸出であり貿易の専門的知識を要求される他に、例えば石鹸などの日常品でも厚生省の輸出許可書の入手など複雑な手続きが要求され、貿易部門を持つ本社でなければ対応できなかった。
2)返還前の沖縄は米国ドルが流通しており、当時の日本は恒常的外貨不足に悩み、輸出を奨励していた。 その点、手軽に外貨の得られる沖縄取引は各企業は、取引金額の大小に関わらず、垂涎の的であった。
沖縄ではマチヤーグヮーに毛の生えたような商店主が仕入れのために羽田に着くと、仕入先の社長や大会社の貿易部長クラスが自家用車を連ね、出迎えるのが常であった。
ところが沖縄返還と共に状況は一変する。
沖縄取引は国内取引の一環となり、外貨獲得の旨みも消えた。
取引管轄も、九州支社、場合によっては鹿児島営業所の若い社員が沖縄担当になる有様だった。
状況の変化に対応できない沖縄の商店主の中には、東京本社のかつての担当重役に東京出張の連絡をしたが、羽田には誰一人出迎えの者がいないことに激怒した、といった話が暫くは続いた。
話は現在の仲井真県政が計画中の「物流・情報ハブ化構想」に飛ぶ。
ひと言でいえば、返還前の「東京⇒沖縄」という物流が沖縄を拠点にして東南アジア20億人の消費に輸出されるという構想だ。
さらにそれを下支えするのが東京からシンガポールまで敷設された高速、大容量の海底ケーブルに沖縄県が僅か20億の負担金で直結するという仲井真知事の政治力。
これは、東南アジアに向けての情報のハブ化も同時進行中という壮大な構想なのだ。 しかも、この大容量の海底ケーブルには沖縄2紙が忌み嫌う安全保障関連に利用できる余力もある。
これには仲井真知事の沖縄電力社長時代からの「マルチメディアアイランド構想」に基づくIT関連の子会社設立に端を発する・・・が、これについての詳細は後述する。
橋下大阪市長が東京に対抗しいくら大阪首都圏構想をいくらぶち上げてみても、物流、情報の流れは東京から大阪、福岡の頭上を通り越して沖縄に集中する。
そして沖縄を拠点にした物流、情報のネットワークは20億人のアジア市場に張りめぐらされつつある。
東京⇒大阪⇒福岡⇒沖縄の時代ではなく。
「東京⇒沖縄」直結時代の到来である
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ちなみに仲井真知事の「マルチメディアアイランド構想」は、県知事選で沖縄2紙の「反仲井真キャンペーン」が効を奏し、「辺野古阻止」を公約に掲げる翁長知事が勝利した結果、現在頓挫したままである。
残念!