虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

明治の英傑達。

2009年06月22日 | ランニング

登山の予定が雨予報の為に順延となった日曜日。
残念な予定変更は逆に素敵な予定を舞い込んで来てくれる事に・・。

その日はランニングクラブ恒例のビールマラニックの日。
登山が駄目なら、少しだけでも仲間と一緒に走りたいと、急遽集合場所の武庫川駅に向かう。
阪急仁川駅まで楽しくお喋りランをした後、これから甲山を攻める仲間達と別れて
一人43号線を目指す。
「あっ、姐さん、これから甲子園やねっ!」と皆が口々に叫ぶ。

しっ、失敬なっ!
確かにこの日は聖地で楽天戦が予定されていた。でも!
私にだって、ランやヤキュ以外の予定だってあるのだ!(極たまにだが・・。)

向かう先は西宮戎神社。(ここまでで、走行距離トータル20キロ弱)

ここは、例年正月に俊足を競う、福男で有名なあの神社。
尚且つタイガースがシーズン前に選手一同で優勝祈願に参る神社としても有名。
なんや。姐さん、やっぱりヤキュ&ランですやんか~~~。

だから~。違うって!
実はこの神社に移築されている、「六英堂」をどうしても見学したかったからなのっ!
一般公開は6月までというから、今日がほぼラストチャンスだったのだ。

六英堂とは元岩倉具視私邸の称。
「明治高官集会所」などの異名を取るように、木戸孝允・大久保利通・伊藤博文などがしばしばこの室で会合したという。
大正11年7月、神戸に移築された際に「六英堂」と名付けられた。
六英とは、木戸・西郷・大久保・岩倉・三条実美・伊藤の6人のこと。
彼らの位牌と写真をまつり、当時の日本を代表する政治家の英知を集めた建物という意味で「六英堂」となったそうだ。
後に具視公病臥の折は明治天皇の再三にわたる見舞いのご臨幸を仰いだ邸宅。由緒あるお邸は、その威厳を宿したまま、ひっそりとそこに佇む。
          

 【何気に展示されている公ご愛用の狩り衣】
ご維新の英傑たちの息吹をそこかしこに感じたひと時。
こんな素敵な歴史旅をランで巡る幸せをかみ締めつつ次の目的地へ。

2番目のヤキュラン以外のお楽しみは・・・・。
山へ行けなかった代わりに山岳映画を見よう!ツアー。

話題の超大作映画。

     「剣岳、点の記」

を観る!
明治の測量士たちの大自然への不屈の挑戦を描いた新田次郎原作の傑作。
これを映像化した木村監督の手腕と。
死と隣り合わせの長くハードな撮影を全うされた出演陣に盛大な拍手を送りたい。
前評判に違わぬ素晴らしい作品であった!!
本当に剣岳に2回も登頂したという俳優の方のコメントがこのロケの過酷さを集約している。
「40キロもの荷物を背負って数十キロを歩く日々が何日も続く。そこにはスターさんも大部屋さんの区別もない。危険と隣合わせのその旅の途上には完全に素の自分が
いる。しかし、その緊張感の中で、カメラが廻るや全く別な人格を演じなければならない。その苦るみを嫌というほど味わった。」と。


トレイルランナーという名の傲慢な山走りの民達よ。
お山マラニックと称しては、山を興じるそこかしこの市民ランナー達よ。
この映画を必ず観なさいっ!

そして。
神々が宿る峻厳なる山々への。
底知れぬ畏怖と、それでも抱かずにはいられない限りない憧憬と挑戦心。
我々が山に魅入られるこの矛盾した想いを、再認識してくるのですっ!
そして、また。
神々が宿る崇高なる山々を・・。
ランという名の行為で蹂躙する、畏れ多い無礼をひたすら詫びて来るのですっ!

と或る休日のヤキュラン以外のイベント2連発は。
奇しくも明治の漢たちの胆力に衝撃を受けた一日と相成った。
これで、駄作の記憶も見事に吹っ飛んだようだ。


前半戦の忌まわしい記憶を忘れて明治の漢たちの気概で頑張って欲しいな~。
誰に、とは言いませんが。って。
やっぱり「ヤキュ」に想いを馳せずにはおれませ~ん。