虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

「無料」のからくり

2007年09月28日 | ランニング

甲子園マラニックでいつも大変お世話になっているスーパー銭湯「熊野の郷」から、
「しまなみ海道日帰りバスツアー」に当選したと、招待状が送られてきた。

一瞬、やった~!と喜んだが、ちょっと待て。
タダほど怖いものはないと、主催者であるH旅行社で検索を掛けてみた。
すると、あるわ、出るわ。
H旅行社主催の「無料バスツアー」参加者の体験ブログが続々と・・・。
これは極めて胡散臭いわ~。
でも、だからこそ余計に面白そう♪


彼らの営業術に挑戦するつもりでツアーに申し込んでみた。
題して、
    「『無料バスツアー』のからくり探索ツアー」

それに行き先の「しまなみ海道」にも興味がそそられる。
私が密かにウルトラマラソンのデビューレースの候補として挙げているのが
「しまなみ100キロマラソン」なのだから。

つ~ことで、東京都心爆走マラニックの翌日の早朝。
強行軍対策として「鉄人VMドリンク」を飲み、広島に向けて旅立つ。




【無料バスツアーのからくり、その1.】
まず無料ご招待者は1名と言うところがミソ。
ご同伴者希望の場合は一人1万数千円が必要となる。
普通の方々は大抵お一人様での行動を嫌う。
概ねここで招待者一人に対してバス旅行1名様の売上が計上できるという算段だ。
挑戦者tacocoさんは、そんなからくりはお見通しと、当然一人で申し込む。


【無料バスツアーのからくり、その2.】
第1行程の白金工房見学。
これが超くせ者。
この悪情報は結構出回っているので敢えて実名報道(笑)

ジュエリー細工の工房見学という名目で、旅程に組み入れられている。
しかも、入館したくないと思ってもバスには残れない仕組みになっている。
全員が入れられた一室では、会社の沿革と自社の商品が軽妙洒脱な話術で繰り広げられる。
う~ん、少々催眠商法的な匂いがしないでもない。

その後客が導かれたのは、煌びやかな宝石が並ぶ商品展示場。
値札を見てびっくり仰天。すべてが数十万円也。
興味がありそうな客には、営業レディーがぴったりと張り付いてくる。
バスツアーに出て、こんな高額な買い物をする人間がいるのか?
という疑問も虚しく先ほどの商品説明トークに酔った数名がローン用紙にサインをしているではないか。
あちゃ~、言ってやりたいよ。こんなの市価ではもっと安いはずだよ、と。
う~ん、ここの売上から入るH旅行社へのマージンはかなりデカイぞ。
勿論、挑戦者は飴玉ひとつ買わなかった。


【無料バスツアーのからくり、その3.】
で、バスはやっと目的地しまなみへと向かう。
因島の隣りに浮かぶ生口島という所でお昼休憩の予定。
バスの中で添乗員がお昼のご膳の説明をする。

「お昼を摂って頂く会場には併設されたお土産物屋がございます。この島には大きなお土産物屋が他にございません。ですからお買い物はこちらで済ませられた方が良いと思います。」
キタ━\( 〇 ⌒   ▽   ⌒ 〇 )/━!!
さては、この土産物屋からまたまたバックマージンをいただこうって算段ね。
と警戒していたら、やはりご当地の薦め土産の紹介トークを延々となさる。

続いて、オプショナルツアー「遊覧船」の説明に入る添乗員さん。
「2時間の自由時間がありますが、この島には他に見るところがあまりございませんので、ご参加された方が宜しいかと・・・。」
と、またまた半強制的?
そして、
「乗船料は1200円ですが、たくさんお申し込みになられますと団体割引が適用できます。」ときた。
参加人数を確認した後、
「良かったですね皆さん!たくさんお申し込みいただいたので団体割り引きが効きました!お一人1000円です!!」と大げさに仰る。

結局、挑戦者tacocoを含む2名以外、全員が遊覧船に申し込んだ。

この時の添乗員のトークがすべて真っ赤な嘘であった事が、この後島を回ってみて明らかになる!ジャジャジャ~ン!!



バスを降りて向かったのは、お土産物屋併設のお食事処。
          
お昼の「蛸づくしご膳」は可もなく不可もなくのお味。

食後、土産物屋のレジ上の貼紙を見てまず第一の嘘発見!
そこには、
「当店でお食事、お買い物のお客様は遊覧船の乗船料1000円に割引します。」
とあった。
なんだよぉ。団体じゃなくても割引できるやんっ!
さっきの大げさなパフォーマンスは一体何??

ともあれ、次の集合時間まで2時間ある。
ここで今回のメインイベント開始。

勿論、ランランラン♪

トイレで颯爽とランニングウェアに着替え、足取り軽く、恒例の
    「知らない土地マラニック」、スタート!

島を1周しても20キロ少しと聞いている。迷う事はないだろう。

数分走った所で早くも第二の嘘発見。
何と、立派なお土産物屋さんがたくさん軒を並べているではないか。
しかもさっきのお店よりもずっと小奇麗で品数も豊富そうなお店ばかり。
「大きなお土産物屋は他にない」って言わなかったっけ?


暫く行くと観光案内所があったので、マップを入手する。
ここで、第3の嘘判明。
なんと、この瀬戸田地区はかの高名な平山郁夫画伯の故郷だという。
島にある、「平山郁夫美術館」は島髄一の名所と書かれてある。
そんな話、チラとも言わなかった、添乗員。
ランで通りがかったが、瀟洒な建物で、館内には画伯の有名な絵が多数展示されているという。
絵に造詣が深くない私でも覗いてみたくなる。
島内マップにはシトラスパークと言うフルーツ園はじめ、楽しそうな観光ポイントがたくさん紹介されていた。島内を巡るレンタサイクルの設備さえあった。
こんなの知ってたら、誰が遊覧船になど乗るかよ。


そんな思いとは裏腹にランは快適に進む。
だってこんな素敵な景色の中を走るんだもん♪

  

おまけにこんなお店に遭遇しちゃった。

   

島の特産品を売る果物屋さんに飾られていた。
因島はポルノグラフィティーの出身地。
店主自慢げに曰く。
「ウチの蜜柑は、晴一の兄ちゃんの蜜柑農園から仕入れてるんや。」
店内に展示のギターは晴一所有のものだそう。
ポルノファンの姫2号と虎ブロガーのTさんの為にと写真を撮らせてもらった。

帰りにお土産を少し買って(添乗員御用達のお店以外で)、集合時間直前に到着。
あ~、楽しかった♪

バスは一路最後の観光先、尾道千光寺に向かい、めでたく全旅程を終了し帰路についた。



これにて、私の無料バスツアー潜伏取材旅行はおしまい。

こと私に関しては、大満足の旅だった。
なんつ~たかて、使ったお金は3千円ばかし。(休日割り増し料金1050円含む)

企業の営業戦術に負けぬよう、消費者も賢くあらねばっ!

でも、最後に少々フォローも。
今回の添乗員さんは、笑顔でてきぱきと仕事をこなす高感度抜群の方だった。
嘘と言うかオーバートークはあったものの、それも会社の営業方針だもんね。
社員の鑑だ。

それに、客は皆それなりに無料の旅を楽しんだ様子であり、誰も傷つくことのないこの相互利益システムは、賢い商売かもしれないな~。