虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

北海道マラソン

2007年09月10日 | ランニング

「突然ですが、諸事情により本日をもちまして拙ブログのタイトルを
   『虎っ娘ジョガーのジョギング日誌』と変更させていただきます。」


北海道マラソンを完走できなかった場合、こうする事を決めていた。
それ程背水の陣で臨んだ大会。

せめて最高気温25度ぐらいで・・・・。
祈るような気持ちで一週間前からチェックしていた札幌の週間天気予報。

しかし、9月9日台風一過の札幌は快晴。
日差しが両肩に痛いほど暑い。

スタート直前、真駒内競技場で流されたアナウンスは
「ただ今の札幌地方の気温は29度・・・・・・。」
ああ・・・・・・・。

【スタート前の元気な面々とその横であんぐりと口を空けて待ち受ける収容バス】
  

今回の必達目標はタイムは度外視の完走あるのみ。
その為の作戦。
このコンディションで42.195キロを走りきると考えると、それだけで降参してしまう。
5キロ28分のタイムトライアル8本と考えよう。(給水ロスタイム1分含む)
これで何とか制限タイムをクリアできるだろう。

12時10分。号砲。
夏の真昼間の過酷なレースのスタート。

5キロ1本目、26分23秒。
タイムは計画通りだが、既に目いっぱい。
給水で他のランナーと接触し転倒しそうになる。
「ああ、ここで転倒して怪我でもすりゃぁいいのにそしたらもう苦しまなくて済む。」
そんな考えがよぎるほど既に苦しかった。たかが5キロ地点で。

5キロ2本目、25分44秒。
ここは道マラDVDの写真撮影のポイントだった。
いい顔しようと決めていたのに、そんな事すっかり忘れていた。
北海道は標高が高いのか?何でこんなに空気が薄いんだ?
とにかく暑くて苦しい。

5キロ3本目、27分12秒。
苦しみながらもまだタイムの貯金を作っている。
「やっぱり無理やなぁ。これでは絶対最後まで持たない。でも何とか去年の距離は越えたい」と、極めて弱気な気持ちで走っていたこの頃。

5キロ4本目、27分20秒。
タイム的にはまだ粘っている。
給水不足で泣いた昨年。大会側もあの修羅場の二の舞はすまいと頑張ってくれたのか今年の給水箇所は多かった。
水不足恐怖症になっていた私は全ての給水に立ち寄る「ショットバー」走法
全てのスポンジと水を取り、それを頭からぶっかけるという名づけて「水掛け不動」走法に徹していた。

5キロ5本目、28分51秒。
いよいよ貯金はき出しポイントに突入だ。
25キロ地点。昨年の記憶がフラッシュバックする。
ここで歩道にコースアウトして、自らレース放棄しようとしたんだ。
そしてその時流れてきた♪震えるつま先~溢れる鼓動~
このメロディーに奮起して、またとぼとぼ走り出したんだっけ。

コースはここから長い直線だが折り返しランナーたちとすれ違えるの嬉しい。
すれ違うラン仲間が次々と声を掛けてくれる。
そんな中「ねぇさ~~~ん!頑張って~~っ!」と一際元気な声が。
おお、今年国際資格を狙う我がクラブのエースk嬢。
私より5キロも先を行きながら、あの異常なハイテンション。
「これは相当なタイムでゴールするかも。私も頑張らねば・・」
少しだけパワーを貰った。

5キロ6本目、28分30秒。
ああ、ついに来た。
昨年、引っかかった関門を通過した!
このとき初めて猛然と「完走」したい!いや出来る!との思いが沸々と沸き起こる。
幸いな事に少し涼しい風が身体を慰撫してくれている。
とは言え、歩道には倒れて手当てを受けているランナーがそこかしこに。
やっぱり過酷なレースなんやと改めて思う。

5キロ7本目、29分21秒。
タイムはダダ落ち状態。
給水取りまくりもほどほどにしないと関門が危ないか?
残る関門はあと1箇所のみ。頑張れtaocco。

しかし、このたった5キロがまるで100里はあろうかと思うほど長い、永い。
あと一秒と言うところで制限関門に引っかかる自分を想像しても足は上がらない。
おまけに40キロの制限タイムを忘れてしまっている。
不安になって、隣を走る男性に「40キロの制限タイムは何時でした?」
と聞いてみたのだが、この方もすでに末期状態で返事すらできない有り様。
諦めて暫く走ると、ラン仲間発見。
「大丈夫ですか?完走できます?」
「まだ4分の余裕あるからこのペースでいけば行けるよ。」
そうか、行けるんだ。
あと少し、あと少しで大通り公園。ここまで行けばもう関門はない。
そればかり念じてひたすら走った。

5キロ8本目、タイム不明。
ラップタイムを誤作動するほど意識混濁状態。
40キロ地点、最後の関門通過!
帰ってきたんや!もう関門はない。歩いたとしても完走できるんや!
北海道マラソンの売りはこの大通り公園の大歓声だそうだ。
多くのランナーがこの恍惚に酔うと聞いていた。
そんなの嘘や。と朦朧とした意識の中で毒づく。
ただ苦しいだけやんか、と。
確かに凄い歓声と声援。目の前に中島公園の緑が見えている。
あとたった2.195キロ。
それなのに、これがまた200里くらいに思えるほど永い!

見たことのないゴールゲートだけを思い描いて無心で走る。
苦しいと感じる事以外ほんとうに無我の境地だった。

そしてゴール!!涙をこらえる。
完走メダルを掛けてもらう。涙をこらえる。
先にゴールしたラン仲間が迎えてくれる。涙をこらえる。
「tacocoさん、やったね。よう頑張った。」、涙をこらえる。

その時、満潮状態の涙腺を全開にする言葉を聞いてしまった。








「tacocoさん、タイガースも首位だしこれで言う事ないね。」

        涙腺決壊。

そうだった。
「私の道マラ完走とタイガース首位」
9月9日夜、この二つが両方成立したら無常の喜びだと思ったのだ。
と同時にそんな事は夢物語だと思ってもいた。

夢は叶えるもんやね。不安だ奇跡だといいながら私もタイガースも頑張ったんや。
そう思ったら、もう号泣街道まっしぐら。
恥も外聞もなくしばらく泣いた。

     【これで酒が飲めると笑顔が戻ってはいポーズ】
       



【フェアウェルパーティーのご馳走】  すっかり綺麗になった千葉ちゃんと記念写真】
      

後で知った。
女子優勝の加納由理さんもゴール直後倒れ点滴治療を受けたと。
完走率も悪く、60%だったという。

つまりはこう言いたいのだ。
あんたは、ほんまよう頑張ったと!



応援メールたくさんいただきありがとうございました。
みんなの励ましがめげそうな心を鼓舞し背中を押してくれました。

満足にご返事できていないと思います。
この場を借りて心からお礼申し上げます。

       

お陰様で無事においしいお酒にありつけましたから・・・・。