虎っ娘ランナーのランニング日誌

マラニックバッグにタイガースメガホンをさして国道2号線を西へひた走るランナーを見かけたら・・・、それは私です。

初のDNS経験。

2006年08月29日 | ランニング
突然ですが、
イソップ童話「すっぱい葡萄」というお話をご存知ですか?
飛び上がっても届かないもんだから、「すっぱい葡萄なのさ」って悪口を言って立ち去る狐のお話。

8月27日(日)北海道マラソン当日。
この日の札幌地方の最高気温は32度。完走率大会史上最悪の52%。
ああ、良かったわ。完走したら熱中症で倒れとったわさ。
30キロでリタイアして大正解!
初めての収容バス。
水もタオルも支給され、サービス満点、乗り心地満点、ああ、楽チン楽チンっ!
この暑さの中、あと12キロも走って帰るなんてとんでもないさ。

「・・・・・・・・・・・」


女狐は辞めて、素直になります。

北海道マラソン自己記録、30キロ関門にてタイムアウト。
悔しいっ!!
でも、良くやった!・・・という気持ちが合い半ば。

以下レース奮闘記です。

午後12時10分。
夢にまで見た北海道マラソンのスタートラインに立つ。
このレースを引退レースに選んだ千葉真子さん始め、ワイナイナ、渡辺共則、アナスタシア・ヌデレバ、などそうそうたるメンバー達と同じ舞台に立てる感動で胸が一杯になる。
号砲。さあ、真駒内競技場をスタート。

さすがに皆、凄いスピードだ。
「その流れに付いて行っては絶対駄目!」という数々の忠告を無視して、5キロのラップは25分50秒。やはり少し早過ぎるか。

気温30度近く。しかし大阪の蒸し暑さに比べれば湿気の少ないこの暑さはそれ程苦には感じない。
10キロの関門を余裕でクリア。(54分)
15キロまでは時折、時折木陰もあるしのぎ易い道のりを快調に飛ばす。
ランナー仲間のT氏が、「ちょっと飛ばし過ぎ。もう少し抑えた方がいいよ。」とのアドバイスを残して追い抜いく。
ハーフポイントを1時間55分で通過。(これは計画通りのタイム)
疲れもさほど感じず、「これは完走できるかも・・。」と、淡い期待感がよぎる。しかし、悪夢はその後の5キロであっけなく訪れた。

この辺りから木陰の全くないコースに入り、しかも太陽はまさに頭上。
前半、先輩諸氏の忠告を無視してハイペースで入ったツケがいよいよ現れ始めた。
ラップタイムが1キロごとに下降していく。

25キロの関門、「関門封鎖まで残り2分です!」のアナウンス。
え~っ!何時の間にそんなに遅れたのか。
やはり完走は無理だ。諦念感が気力を蝕んでいく。
「ここで、断念する方はゼッケンを外してコースアウトして下さい!」のアナウンス。
「どうせ駄目ならここでバスーツアーに参加すれば?」と、悪魔の囁きが。

しかし、其の時。(これはデフォルメでも創作でも何でもなく!)

本当に、
♪every precious thing 奇跡のゴール信じて今大地を踏み出した~♪
のフレーズが耳元に流れたのだ。

悪魔の囁きを振り払って最後の気力で走った残り5キロ。

結局予想通り30キロの関門手前にてタイムアウトとなったのだが、この大会を満足した気持ちで振り返ることができるのも、最後の力走あったればこそ。
球児、サンクス!
後で知ったのだが、その6時間後、彼もまた復活の嬉し涙を流していたのだ。
「チームが連敗してファンの皆さんも悔しい思いをしているだろうけど、選手も悔しい気持ちでやっていますんで…」
お立ち台での球児のこの言葉を翌朝の新聞で読んで、私は初めて少し泣いたよ。
悔しくて、それでいて嬉しくて。
30キロまで頑張った自分と30キロで挫折した自分に対して。

レース後の休息日は今日でお終い。
明日からまた練習再開。
2007年、北海道マラソン完走に向けて!
今夜から応援も再開。
2007年、日本シリーズに向けて!

前日の開会式にて。選手宣誓と笑顔の千葉真子。



フェアウェルパーティーにて。
女子優勝の吉田香織(資生堂)