「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

富士発、兵庫県教委・災害対応研究会・美々卯のうどんすき経由、和倉温泉へ

2007-04-27 16:26:01 | Weblog
 朝、富士を出発、新幹線で新大阪。在来線に乗り換え、大阪駅のコイン
ロッカーに荷物を預けてまずは三宮・兵庫県庁へ。県教委にM先生を訪ね、
5末~6初の2泊3日の合宿研修・学校安全指導者養成研修について
1時間ほど議論。

 お施主さんである文部科学省サイドに、(学校での)防災教育・防災訓練に
ついてどういうイメージがあるのか、どうにも理解できない中、M先生と
ウンウン言いながらアイディアを練る。

 M先生の発言の中からはっとさせられたことが一つ。恐らく99%の学校に
とっては、防災教育の指定校にでもならない限り、年1回1コマ50分以外に、
防災教育に時間を使うことはないだろう、とのこと。この発言は、けっこう
ショックであった。

 出前講座でお付き合いしている学校の多くは、少なくとも50分×2コマ
ないし4コマ、多くは50分×10コマ程度、所によっては一学期分や通年の
プログラムを求められることすらある。しかし、それらは例外中の例外という
ことなのだろうか。

 では、現役世代として、21世紀の半ばまでにはまず間違いなく襲ってくる
「スーパー広域災害」について、「お・は・し・も」のような避難訓練を防災教育と
呼ぶことで、将来の世代に対する責任を果たしていると言えるのだろうか……。

 考えされられるところ、非常に大。

 午後は大阪・関電会館へ。京都大学防災研究所のH先生主宰による災害対応
研究会の例会。その前身が阪神淡路大震災のあった年の6月にスタートした訳
だから、もう12年の長きになる。今回は、災害時における排泄の問題と、
災害とゴミ(特に水害ゴミの処置)についての2題の報告。災害時における
「静脈系」社会システムについてはまだまだ議論されていない。大いに考えさせ
られる。

 終了後は、いつものように場所を改めての懇親会。今回、はじめて、かの
「美々卯」の「うどんすき」をいただく。なるほど、うどんを高級鍋料理に
アレンジしたものだったのだ、と納得。それにしても、うどんすきをパクつき
ながら、災害時の排泄やトイレの問題を声高に議論しているのだから、ここに
集まっている面々は、相当「いってしまっている」なぁ……。

 国際防災協力の大ベテラン、Wさんから、タイ・プーケット島の土石流災害の
危険性について、いろいろと教えていただく。風化花崗岩で出来た島、災害
リスクを考慮しない開発、舗装道路が土石流の経路になるであろうこと、犠牲者が
出た時の国際的インパクトの大きさ、等々。先日、現地を見てきたつもりだった
が、眼力の無さを痛感する。7月にタイに行けるとして、きちんと見ておける
だろうか……。

 GW前半の土、日を能登で過ごすべく、雷鳥47号で金沢、さらに各駅停車に
乗り換えて七尾、最後はタクシーで今宵の宿のアルファーワン能登和倉へ。

                                       (4月30日アップ)