「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

石原慎太郎の名を防災行政の反面教師として歴史に残そう!

2007-04-09 23:27:19 | Weblog
 入学式の翌週ゆえ、各種ガイダンスが進行中。午前中は新入生に対する学部教員の
顔見世。午後は大学院生向けガイダンスと懇親会。

 それはそれとして、防災行政の歴史に刻むべき重大事件がこの日発生。
 以下、怒りに任せて某MLに投げたメールをほぼそのまま転記する。どうやら、
「東京都の防災行政から学ぶべきものはない」という噂は本当だったようだ……。

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 「旅の坊主」@元防衛研究所主任研究官&兵庫県震災10年検証事業委員です。

 石原知事の発言に、井戸兵庫県知事が不快感を表したとのことですが、当然の
ことです。極めて不勉強かつ不謹慎な発言です。2000人という数字がどこか
ら出たか知りませんが、どこをどうひねっても、この数字は出てきません。

 「(兵庫県知事の)自衛隊への派遣要請が遅れた」ことを言っているようです
が、事実として、陸上自衛隊(第3師団)は、発災約1時間後には、伊丹駅舎の
倒壊現場に部隊を派遣しています。さらに、災害派遣要請の遅れを言うならば、
自衛隊側には「法律上きちんと権限が与えられていた自主派遣規定を発動させな
かった」という、不作為による人命損失の罪が糾弾されてしかるべきでしょう。

 自衛隊法83条2項の但し書き(自主派遣規定)は、阪神・淡路大震災前から
きちんと明記されていました。

 この問題、双方ともに「脛に傷を持つ身」ゆえ、そこを何とかカバーするため
にも、派遣要請時間については曖昧なままにしていたのに……。

 震災10年で盛り上がっている時、某氏・某局から「自衛隊の派遣が早かった
ら何人救えたか」のシミュレーションをしてくれないか、との話もありました。
私は断りました。某氏に対して、「あの震災最大の教訓は、死者の圧倒的多数は
自宅で即死であったこと、耐震診断・耐震補強・家具の転倒防止なくして何が地震
防災か、ということだったでしょ?自衛隊の派遣云々ではないはず。そのことを
アンタが言わなくて誰が言うの?!」と、激怒モードで言ったことがありました。

 アホがアホを言うから、アホを思い出してしまった……。

                                   「旅の坊主」 拝
 PS
 多少アルコールが入っていますので、過激モードでした。

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                                       (4月15日アップ)