「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

能登半島地震緊急報告会

2007-04-24 23:06:26 | Weblog
 2限に「災害医療システム」の講義。2回目なのだが、初回は事情で日時・
時間を変更したのが災いしてか、初回の3倍ほどの受講生数。といっても
20名弱ではあるが。
 結局、半分以上、前回の繰り返しとなる。

 「災害時の医療活動を支えるのは、私たち、非医療人である一般市民である」
 「災害時の医療活動は、氷山の水から上に出ている部分であり、水面下にある
  9割の社会システムが機能しない限り、十全な機能発揮は期待できない」
 「大規模災害時、医療機関に担ぎ込めば何とかしてもらえる、とは決して
  思うな!大規模災害であればあるだけ、その期待が適うことはない。」

 こんなことを議論し考える半期のコマである。さて本学の学生は、このような
議論にどこまでついてきてくれるだろうか……。

 終了後大急ぎで、入試広報課Aさんの運転で、静岡市葵区の静岡県地震防災
センターへ。昼食は食べ損ねる。

 静岡県と本学の共催による能登半島地震緊急報告会。立ち見もでるほどの盛況。
県関係で6報告、本学からは「姐御」ことS先生、同い年のT先生、そして「旅の坊主」
の三報告。それぞれに考えさせられるところあり。

 閉会の辞を述べたのが、「ベンザブロック」のO学部長。この御仁、やはり只者
ではない。

 O学部長曰く。(一部「旅の坊主」による修文あり)
 災害対応には、確かに未知な部分、新たに学ばなくてはならない部分もある。
だからこそ、今日のような報告会の意義はある。しかし、例えば静岡県や県下
市町の防災担当者、そして広く全国の防災担当者が、おしなべて、初心者ぶること
がいつまで許されるのであろうか。

 なるほど、災害対策業務は、慣れ親しんだ日常業務でないことは明らかである。
しかし、いかに日常業務でないとはいえ、どこの被災地であれ、程度の差こそ
あれ、同じような(似たような)ことが繰り返されている。であれば、自らを
初心者と言ったり、それに逃げ込んだりしてはいけないのではないか。

 参加者の多くは県内の自治体職員のようで旧知の顔も多かった。O先生の発言は
重く深い。それぞれ、どのように受け止めたのであろうか。

                                       (4月30日アップ)