TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

オーデュボンの祈り

2009-01-29 15:07:23 | インポート
先日友人が送ってくれた本の、二冊目。

なかなかシュールでおもしろかった。
みんな共犯、ってのは「オリエント急行殺人事件」もそうだったね。

興味深かったのは、作者はこの小説の中で男性登場人物は全てかなり詳細な
描写をしていて、実際のイメージが目の前に浮かぶようだ。また、美青年が
たびたび登場する。それに対し、女性の描写は大雑把で、若いかそうでないか、
美人か並みか、「ウサギ」のように異形であるか、くらいしか書いてない。
具体的なイメージが全然浮かばない。

ミケランジェロがそうだった。
彼は有名なゲイだが、美少年好みのダヴィンチと違い、美青年好み(つまり、
オトナで筋肉隆々が好き)で、作品にそれがありあり。ダビデを始めとする
彫刻の数々は、彼のモデルに対するパッションが伝わってきてすごい。
それと対照的に、女性はどうでもいいようで、男性の体におっぱいをつけて
「こんなもんでどうだ」ってかんじでテキトウそのもの。ピエタのマリアに
しても、母性は全く感じず、美青年に女装させたようにしか見えない。

人間というものは、自分が関心がない対象については、観察眼が働かない
ものなのであろう。


最新の画像もっと見る