日本のお友達から、小包で源氏物語の本が送られてきた。
彼女は、女子高で古典の先生をしている。
私が古典好きなのを知っていて、よく古典文学の本をカナダまで送ってくれる。
日本の本はなかなか手に入らないから、毎回箱を開けるときワクワクだ!
今は知らないが、昔は源氏は受験必出だった。だから高校の時は点を稼ぐために
ひたすら読み、鑑賞しているヒマはなかった。文学として味わいようになったのは
大人になってからだ。源氏の登場人物に対する想いも、年とともにかわっていく。
私の好きな能の名曲「葵上」を初めて観たのは、OL時代だ。
源氏の正妻を呪い殺そうとする六条御息所の生霊。私は当時、御息所を中年女性の
イメージで見ていた。「オバさんの恨みって恐い」と(笑)
だが、実際には御息所は26歳くらいの若さだ。
故皇太子との間に娘をもうけたシングルマザーであったが、昔は12、3で嫁に行ったから、
彼女が源氏の愛人となったとき、まだ20代の半ばであった。
年上OLと男子高校生の恋愛みたいなものだ。そう考えると、「葵上」の観方が全く
違ってくる。
後年結婚してカナダに渡り、日本へ里帰りした際に機会があり再び「葵上」を観た。
今度は薪能であったから、鬼女の面をつけたシテが暗闇に浮かび上がり、怨念が
炎となっておそいかかるおどろな様子が実に迫力だった。
そして、立派なオバさんとなった私は(笑)すっかり御息所に感情移入してしまった。
高貴な身分で高い教養があり美貌の御息所は、年若い愛人への想いを理性で押さえ
ようとする。でも押さえようとすればするほど、愛憎はふくれあがっていく。
そしてついに、魂が肉体を離れ愛人の妻に襲いかかるまでに至る。
だが法力に負け、消え去る魂… なんとあわれな。
悲しい女の性ってやつか。
こういうキャラクターを描いた紫式部って、どういう女性だったのか…
彼女は、女子高で古典の先生をしている。
私が古典好きなのを知っていて、よく古典文学の本をカナダまで送ってくれる。
日本の本はなかなか手に入らないから、毎回箱を開けるときワクワクだ!
今は知らないが、昔は源氏は受験必出だった。だから高校の時は点を稼ぐために
ひたすら読み、鑑賞しているヒマはなかった。文学として味わいようになったのは
大人になってからだ。源氏の登場人物に対する想いも、年とともにかわっていく。
私の好きな能の名曲「葵上」を初めて観たのは、OL時代だ。
源氏の正妻を呪い殺そうとする六条御息所の生霊。私は当時、御息所を中年女性の
イメージで見ていた。「オバさんの恨みって恐い」と(笑)
だが、実際には御息所は26歳くらいの若さだ。
故皇太子との間に娘をもうけたシングルマザーであったが、昔は12、3で嫁に行ったから、
彼女が源氏の愛人となったとき、まだ20代の半ばであった。
年上OLと男子高校生の恋愛みたいなものだ。そう考えると、「葵上」の観方が全く
違ってくる。
後年結婚してカナダに渡り、日本へ里帰りした際に機会があり再び「葵上」を観た。
今度は薪能であったから、鬼女の面をつけたシテが暗闇に浮かび上がり、怨念が
炎となっておそいかかるおどろな様子が実に迫力だった。
そして、立派なオバさんとなった私は(笑)すっかり御息所に感情移入してしまった。
高貴な身分で高い教養があり美貌の御息所は、年若い愛人への想いを理性で押さえ
ようとする。でも押さえようとすればするほど、愛憎はふくれあがっていく。
そしてついに、魂が肉体を離れ愛人の妻に襲いかかるまでに至る。
だが法力に負け、消え去る魂… なんとあわれな。
悲しい女の性ってやつか。
こういうキャラクターを描いた紫式部って、どういう女性だったのか…