イチロー・フィーバー

オールスターゲームで、イチローがジョンソン投手から内野安打をうばった。
今ごろ日本じゃ大騒ぎだろうな。
と思ったら、タイミング良く池袋の街頭が映り、大画面を見守る日本人の
フィーバーぶりが見られた。

日本人選手が大リーグで活躍している現状は、日本のメディアの格好の
メシの種になっているらしい。
「将来オールスターは、全日本対全米の決戦になるかも」
などと言い出す報道機関まで出て（そりゃ無理だよ）、なんかすごい
盛りあがり。
そしてそのフィーバーぶりは、北米メディアにメシの種にされている。

「日本のメディアはジャンボ機をチャーターして、あの坊やを北米中
追いかけている」
だの、
「日本にだってプロ野球はあるのに、全国民がわざわざ地球の裏側の試合の
成り行きに一喜一憂している」
だのとまことしやかに報道されている。
ま、結局、笑い者にされてるってことか。

ちょっと前まで、このままではイチローが今年のMVPをかっさらってしまう
のではないか、と「心配」されていた。その時、ほとんどの反応が、好意的
というよりも
「日本からふらっと来たあのガキにMVP?!冗談じゃないよ、そんなことは
させるもんか」
であった。

野球はアメリカ人のプライドだ。古き良き時代のアメリカを代表する
スポーツだ。最近はラテン系選手も活躍しているが、アメリカ人の我慢も
そこまでで、東洋人なんかが土足で踏み込んでもらっちゃ困る。

そういった彼らの本音が、よ?くわかる報道だった。

そりゃちょっとイジワルだよ。
と、私は思う。
我々日本人は、アメリカからの青年を国技・相撲の世界に入れさせ、
横綱にまで育てたんだ。逆に日本人が大リーグで活躍したっていいじゃない。

でもね…
彼らの日本人に対する侮蔑感は強い。
しかも、フィーバーが高まれば高まるほど、侮蔑感も強化されるのである。