TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

熱きローデシア

2003-02-24 03:44:05 | インポート
国の情勢悪化のため、ジンバブエを去る白人が増えている。

ジンバブエは、もとは英国自治植民地でローデシアと呼ばれていた。
ライオン猟犬ローデシアン・リッジバックの故郷だ。
物資不足、政情不安、低迷する経済…白人は欧州へと帰っていくが、飼っていた
犬を連れて戻ることはできない。そこで、帰国を前に獣医のもとへ連れて行き
安楽死させる。

その数が近年極端に増加し、ついにある獣医は耐えられなくなり自身もこの国を
去ることにしたという。彼は、帰国前に約650頭の犬を安楽死させなければ
ならない。犬好きな人なら、1頭1頭に致死量のペントバルビタールを注射し
殺す作業を延々と繰り返すことがどんなに精神的にきついものか、わかると思う。

並みの神経を持った人なら、最後まで人間を信頼してついてくる動物の息の根を
止める仕事なんて、イヤだろう。ましてやそれが長年暮らしたペットならば
とてもできない。だから、人々は帰国を前に獣医に託すのだろう。
だが、自分が手を下さなければ、愛犬の死に立ち会わなければ、それで気持ちが
すむものなのだろうか?手の汚れる仕事は他人にやってもらって、自分たちは
本国で新しく子犬を手に入れて楽しく暮らせるのか?

昔は、犬の始末は飼い主がつけていた。
老いて働けなくなった牧羊犬、猟犬、病気にかかった犬は納屋の裏に連れて行って
猟銃で撃ち殺す。南極探検家が帰国前にする最後の仕事は、探検の共をした
犬ぞり犬の始末だった。1頭ずつハーネスをはずし、遠く離れた氷原に連れて行き
頭に銃口をあて、引き金を引く。全員を連れて帰って世話できないのだから
他に方法がなかった。

残酷、といえばそのとおりだ。
でも「最後まで自分の犬の面倒を見る」ということは、そういうことでもある
かもしれない。

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