日本における「海外」とは

今年は世界中で異常気象だと日本のニュースは報道する。

東京は暖冬だと、どの友達も便りで知らせてくれたから、まあ東京はあったかい
のだろう。日本のニュースは「欧米では高温を記録している」と報じている。
これを読む限り、世界中が暖冬だという印象を持ってしまう。

「ニューヨークでは桜が開花した」と日本の報道。ま、日本人にとってニュー
ヨークってのはマンハッタンのようなごく限られた場所だ。州の北の方なんか
とてつもない田舎だなんて、知る人は少ない。ニューヨーク（＝マンハッタン）
が暖冬なら、アメリカ全土が暖冬だと思ってしまうのは、一般の日本人にとって
仕方ないことだろう。

だが実際には、今年アメリカでは中西部は記録的な寒さを経験した。
この州でもとんでもない豪雪で、除雪車が間に合わない。テキサスやニュー
メキシコでも雪による被害が出て、事故死者数も多く、ニュースになっている。
日本だったら沖縄で豪雪被害を出すようなもので、全く異常に寒い冬なのだ。
「欧米の異常高温」と報道は伝えるが、その欧米とは、ごく限られた地域の
ことなのである。

報道は、真実を伝えるとは限らない。
人々の報道に対する絶対の信頼を逆手にとり、いかようにも情報操作が可能
なのが、現代における報道の実態である。まあ今回はお天気だから別に騒ぐ
こともないが。