TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

慣れというもの

2011-03-26 11:41:03 | インポート
どんな状況下でも、人間は慣れてしまうという特性がある。

東京の友人はメールで、「もう震度4くらいじゃ炬燵から出ないよ」と
言っていた。確かに、自分にも覚えがある。

もう八年前になる。NS州に住んでいた時、ハリケーンが大西洋岸州を遅い、
甚大な被害を出した。うちのところは十日間の停電。計画停電じゃなくて、
全く電気のない生活。送電線が断裂して、復旧に十日を要したからだ。

温水器は電気で温度調節のスイッチが入るから、停電中はお湯が使えず水の
シャワー。秋口とはいえ、さすがに寒い。キャンプ用品を使って調理したり、
夜はロウソクの灯りを使ったり。犬の散歩に出ると、道にはガラスの破片や
飛んできた枝とかがいっぱい。

しかし一週間もすると、そうした「難民生活」にも慣れてしまった。
最初の頃は、毎朝起きるたび「今日は電気が復活してるかも」と期待していた
が、後半にはもう電気など頭からなかった。森から飛んできた倒木とか枝とか
を集め、暖炉で燃やしたり、すっかり野生の生活。夜は暗くなると何にも
できないから、早く寝てしまう。なんか、江戸時代の生活に戻ったかんじ。

もう二度とあの経験はしたくはないが、今思い出すと「あの時はねえ」みたい
な、多少の懐かしささえ覚える。子供の頃、お年寄り達が「戦争中はねえ」
みたいな話をよくしていたが、それと一緒か。人間というものは、どんな不幸
を体験しても、意外とたくましく生きてゆけるものなのだろう。


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