TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

はたらく犬たち

2010-07-06 14:47:49 | インポート
今日は、盲導犬訓練所のオープンハウスに行って来た。

訓練中の犬とハンドラーによるデモとか、すでに盲導犬として活躍している
犬に触らせてもたったり、ケネルを見学したりしてとてもおもしろかった。

ほとんどがラブとゴールデンなのだが、意外と大型のタイプを使っている
ので驚いた。アジリティに出ている子達は、どちらかというと小型のタイプ
ばかりである。スポーツの性格上、骨格に異常が出にくく敏捷で体の軽い犬
の方が有利であるから、パフォーマンス・ドッグのブリーダーは小型軽量
タイプを繁殖するのが常識。アジで競技しているゴールデンは、ダックトーラー
かと思うほど小型の子がいる。

しかし盲導犬は、場合によってはハンドラーの危険防止のため体を張って
ハンドラーが前に進むのを止める必要があるから、大柄でなくては仕事に
ならないのだ。また大人をリードするにはある程度の体高がなくては困る。

大型ということは、寿命が短く、従って勤務年数も短い。子犬のフォスター
から始まり、訓練に長い時間をかける割には、ピークが十年足らずなのだ。
本当に、貴重な犬達である。

そして、非常におとなしい。逆に言うと「犬らしさがない」ということに
なるが、厳しい訓練により食べ物をねだったり、周囲に愛想をふりまいたり、
テニスボールを追いかけたりしないように躾られている。ふつうのペット犬
と暮らしている人々にとって、なんだか違う種類の動物のように映る。
「ハーネスをとればもう仕事中じゃないので、ふつうの犬のように遊ぶのです」
と説明しているが、本当だろうか?そんな簡単に気分が替えられるものだろうか?

全ての盲導犬訓練生が無事卒業するわけでなく、どうしても性に合わない
犬が出てくる。こうした子は、普通のペットとして新しい飼い主のもとへ
行くものもあるが、警察犬など違う職種へつくものがある。しかし、あまり
にもキッチリ盲導犬の訓練が入ってしまうと、探知犬などの訓練が難航する
ことがあるという。これまで「ダメ」と言われたことを全てキャンセルし、
逆にすすんでやるように教えられるため、犬が混乱してしまうのだ。

いずれハイテク盲導犬ロボットが出現し、盲導犬の需要がなくなる日が来る
のだろうが、それまでの間は彼らが目の不自由な人々の杖となる。
けなげな犬達の姿が、忘れられない。


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