TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

お金の価値というものは

2008-07-11 16:04:31 | インポート
ひとによって、本当に様々。

近所の子供が、「うちの犬が家出した」という。
よく塀を飛び越えて脱走してた、赤毛の若いゴールデンだ。

二年前にカリフォルニアから引っ越してきたこの家族は、ちょっと毛色が
変っている。旦那はIT関係の仕事でホームオフィス。奥さんは教師の資格が
あるとのことだが、今は主婦業専念。彼女はなんというか、フラワーチルドレン
の成れの果てのような人で、この界隈には珍しくエコに強い関心がある。
そして、四人の娘たちに「大草原の小さな家」みたいな拵えをさせている。
足首まである花柄のワンピースに、白いエプロン。

たまに着るならかわいいが、いまどきこんな格好してるガキなんていないよ。
店じゃ売ってないから、きっとお婆ちゃんのお手製なんだろう。

さて、犬だがまた脱走したあげく迷い犬収容所に保護された。しかし、保釈料
が高いので「もうその犬はいりません。処分して下さい」と電話したのだそう。

十歳くらいの少女は、悲しむ様子もなくケロリとしてそう語った。
典型的なケースである。かわいい子犬を見た子供にせがまれて買ったものの、
躾ができずもてあまし、結局は処分してしまう。あの奥さんも、エコロジーに
ついて熱く語る割りには、生き物に冷たい女である。

それにしても、保釈料が高いって…。
正確な数字はわからないが、だいたいどこでも100ドル前後だ。
ミリオンダラー・ハウスに住み、子供に家庭教師をつけ、何台もの車やボート
を所有している人が、それくらい払えないはずはない。犬が保護されたのを
いいことに、これ幸いとサヨナラしてしまったのだろう。

子供はこうした親を見て育ち、大人になったら同じことをする。
これだから、不孝な犬の数は減ることはないのだ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする