国の情勢悪化のため、ジンバブエを去る白人が増えている。
ジンバブエは、もとは英国自治植民地でローデシアと呼ばれていた。
ライオン猟犬ローデシアン・リッジバックの故郷だ。
物資不足、政情不安、低迷する経済…白人は欧州へと帰っていくが、飼っていた
犬を連れて戻ることはできない。そこで、帰国を前に獣医のもとへ連れて行き
安楽死させる。
その数が近年極端に増加し、ついにある獣医は耐えられなくなり自身もこの国を
去ることにしたという。彼は、帰国前に約650頭の犬を安楽死させなければ
ならない。犬好きな人なら、1頭1頭に致死量のペントバルビタールを注射し
殺す作業を延々と繰り返すことがどんなに精神的にきついものか、わかると思う。
並みの神経を持った人なら、最後まで人間を信頼してついてくる動物の息の根を
止める仕事なんて、イヤだろう。ましてやそれが長年暮らしたペットならば
とてもできない。だから、人々は帰国を前に獣医に託すのだろう。
だが、自分が手を下さなければ、愛犬の死に立ち会わなければ、それで気持ちが
すむものなのだろうか?手の汚れる仕事は他人にやってもらって、自分たちは
本国で新しく子犬を手に入れて楽しく暮らせるのか?
昔は、犬の始末は飼い主がつけていた。
老いて働けなくなった牧羊犬、猟犬、病気にかかった犬は納屋の裏に連れて行って
猟銃で撃ち殺す。南極探検家が帰国前にする最後の仕事は、探検の共をした
犬ぞり犬の始末だった。1頭ずつハーネスをはずし、遠く離れた氷原に連れて行き
頭に銃口をあて、引き金を引く。全員を連れて帰って世話できないのだから
他に方法がなかった。
残酷、といえばそのとおりだ。
でも「最後まで自分の犬の面倒を見る」ということは、そういうことでもある
かもしれない。
ジンバブエは、もとは英国自治植民地でローデシアと呼ばれていた。
ライオン猟犬ローデシアン・リッジバックの故郷だ。
物資不足、政情不安、低迷する経済…白人は欧州へと帰っていくが、飼っていた
犬を連れて戻ることはできない。そこで、帰国を前に獣医のもとへ連れて行き
安楽死させる。
その数が近年極端に増加し、ついにある獣医は耐えられなくなり自身もこの国を
去ることにしたという。彼は、帰国前に約650頭の犬を安楽死させなければ
ならない。犬好きな人なら、1頭1頭に致死量のペントバルビタールを注射し
殺す作業を延々と繰り返すことがどんなに精神的にきついものか、わかると思う。
並みの神経を持った人なら、最後まで人間を信頼してついてくる動物の息の根を
止める仕事なんて、イヤだろう。ましてやそれが長年暮らしたペットならば
とてもできない。だから、人々は帰国を前に獣医に託すのだろう。
だが、自分が手を下さなければ、愛犬の死に立ち会わなければ、それで気持ちが
すむものなのだろうか?手の汚れる仕事は他人にやってもらって、自分たちは
本国で新しく子犬を手に入れて楽しく暮らせるのか?
昔は、犬の始末は飼い主がつけていた。
老いて働けなくなった牧羊犬、猟犬、病気にかかった犬は納屋の裏に連れて行って
猟銃で撃ち殺す。南極探検家が帰国前にする最後の仕事は、探検の共をした
犬ぞり犬の始末だった。1頭ずつハーネスをはずし、遠く離れた氷原に連れて行き
頭に銃口をあて、引き金を引く。全員を連れて帰って世話できないのだから
他に方法がなかった。
残酷、といえばそのとおりだ。
でも「最後まで自分の犬の面倒を見る」ということは、そういうことでもある
かもしれない。