たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

祭主の役目

2017-11-03 09:28:31 | 伊勢神宮

<内宮 ないくう>

 

日本が国難に襲われたとき、天皇陛下は真っ先に

「自らの責任」と己の不徳を責めるのだそうです。

天皇陛下の名代として伊勢神宮に赴かれる祭主も、

天皇と同じように、様々な災難が起こるたび、

自らの力不足を嘆いてきたのかもしれません。

 

前任の池田祭主が祭典に挑まれている最中、

時折、伏せていた目をおもむろに上げ、

鋭い光を宿した眼で、神前のほうを

じっと見据えていたお姿を思い出します。

 

その視線は、とても80歳を過ぎた方とは

思えないような力強さで満ちており、

命をかけて自らの責務を全うするという熱意が、

何気ない所作の端々からも伝わってきました。

 

祭主を引き受けるということは、

日本と日本人が背負った罪穢れを、

御身で祓い清めるということです。

一旦そのお役目に就いたなら、

愚痴ひとつ吐き出すことさえ許されない、

険しく孤独な日々が続いて行くのでしょう。