<外宮 げぐう>
「祭主」の役目と言いますのは、
外から見ているほど楽なものではなく、
ただただ雅な衣装に身を包み、
「神前にお参りすればそれでいい」
というわけでは決してありません。
「祭主になるべき星の下」に生まれた清子様でさえ、
幾度かは天皇陛下からの依頼を固辞したそうですし、
祭主への就任を承諾するに当たって、
決死のお覚悟があったことは、
想像に難くない流れでしょう。
祭主というのは、つまり「神の依り代」です。
歴代の卑弥呼と呼ばれた女性たちと同じように、
神の啓示を正確に受け取り、国や国民を守るべく、
天の意志を遂行することができるかどうかの重圧が、
ひとりの女性の肩に圧し掛かっているのです。
恐らくその過程においては、
目をそむけたくなるほどの光景を見させられたり、
精神を取り乱してしまうほどの衝撃を受けたりと、
言葉にするのもはばかられるような
過酷な体験をするのかもしれません。