<東祖谷名頃・かかしの里>
とかくポジティブなイメージが付きまとう
「旅」や「旅行」というキーワードですが、
個人的に「旅」という言葉を聞きますと、
「またか……」「しんどいな……」
という思いのほうが先に立ちます。
私にとって旅というものは、
「やらなければならない義務」のような感覚で、
「出かける」と決めたそのときから、
自分を追い込む修行の毎日が続くのです。
なぜそんなしんどい思いをしてまで、
「旅に出かけるのか」と問われれば、
それは恐らく自分の目で見たことを、
自分の言葉に置き換えたいからなのでしょう。
その場に立ち、その場の空気を感じ、
「自分自身が何を思うのか」……に対し、
私自身が一番興味を持っているのだと思います。
これまで見たことのない未知の光景、
これまで見たことのない未知の感覚は、
やはり自らの足で探るしかないのかもしれません。