<つるぎ町・一宇>
剣山へと続く山道に突入してからしばらくは、
集落の間を縫うようにして走る二車線道路です。
時折、急激に道幅が狭まる箇所が出現するものの、
さほど運転しにくいと感じる状況ではありません。
しかし、まだ夜も明け切らない時間だというのに、
ときには建物の間から、ときには崖の向こうから、
猛スピードで山を下ってくる車のヘッドライトが、
突如として視界を遮るように目の前を照らします。
当たり前のことではありますが、
普段私たちが利用する観光ルートというのは、
そのほとんどが土地の方々の生活道路であり、
安易な気持ちで立ち入ると、付近の住民に
迷惑をかける結果にもなりかねません。
「観光地」と名のつく場所のすべてが、
物見遊山の観光客のために、何から何まで
お膳立てしてくれるわけではないのですね。
今回、剣山周辺を巡る最中も、 地元の軽トラ、
他県ナンバーの高級車、 大型工事車両、
外国人観光客のレンタカー等々、
様々な車種、様々な立場の人々が運転する車と
すれ違いながら予定をこなしたのですが、
ある程度の事前調査をしていなければ、
車の運転にエネルギーを取られて、
ストレスばかりがたまる道中になったでしょう。