<栗枝渡八幡神社 くりしどはちまんじんじゃ>
「鳥居」の起源に関しては、
様々な説がささやかれていますが、
木と木の間を縄で結んだ「門」が、
鳥居の原型であるのは確かなようです。
今でも、地方の山間部などに行きますと、
木や竹で作られた素朴な鳥居を目にしますし、
中央(大和朝廷)の影響が少ない地域ほど、
このような原始の神社形態が残っています。
言うなれば、この栗枝渡八幡神社というのは、
神社の古い形を伝える場所でもあるのですね。
もしかすると空海は、この地に漂う古代の匂い、
この地に隠されたユダヤ人の痕跡に気づき、
大切な何かを守ろうとしたのでしょう。
剣山一帯の聖域が次々と「ヤマト色」に染まる中、
この神社だけは原始の形を消さないよう、
正式な鳥居を作らせなかったのでしょうか……。
いずれにせよ、古くから祖谷という地が、
「見捨てられた人々」をかくまう隠匿の地であり、
「見捨てられた人々の宝」を隠す聖域だった、
ということは間違いないのかもしれません。