<東祖谷名頃・かかしの里>
かかしの里として知られる
東祖谷・名頃地区を取材した海外メディアは、
「見捨てられた日本の村」いうタイトルで、
この集落の様子を放映したと聞きます。
とは言え、少ないながらも
まだ住民が住んでいるわけですから、
「見捨てられた」と表現するのは、
少々失礼な気がしますが、
現実問題としてあと数年もすれば、
この集落も消滅の危機を迎えるのでしょう。
剣山の周辺を調べておりますと、
「見捨てた」「見捨てられた」
という言葉に頻繁に遭遇します。
全国に存在する似たような地域の中でも、
どういうわけか剣山の周りというのは、
とりわけ「見放された感」が強いのです。
もしかするとそれは、
古くからこの地を漂い続けていた
「見捨てられた人々」の
やりきれない思いの残影なのかもしれません。