たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

かずら橋

2017-12-09 09:34:42 | 剣山・イスラエル

<奥祖谷二重かずら橋>

 

眠りから覚めたばかりの朝のかずら橋には、

谷川の流れる音だけが静かに鳴り響いていました。

両側を急峻な崖に挟まれた深い谷の底に降り、

たくさんの巨石が転がる川原に腰を下ろして、

そっと息をひそめていると、あちらこちらから

精霊の気配が漂ってくるような気がします。

今では剣山観光のスポットとなっていますが、

その昔はまさしく「秘境」だったのでしょう。

 

ちなみに、こちらの奥祖谷二重かずら橋は、

源平の戦いに敗れた平家一族が、

剣山・平家の馬場での訓練に通うために架設されたという説や、

弘法大師が困っている村人を見かねて作ったという説……等々、

様々な伝承が取り沙汰されているものの、

正確な用途は未だによくわかっていません。

 

地元の方の話によると

「近年観光用に作った(架け替えた?)」

とのことで、 元々かずら橋の向こうに集落はなく、

「生活のために作られたものではない」

というような話も聞きます。

いずれにせよ、この祖谷の地が、

日本の三大秘境のひとつと言われるように、

「何かから隠れる場所」「何かを隠す場所」

であったのは、確かなのかもしれません。