たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

古く新しい信仰の形

2015-06-21 11:22:35 | 奈良・京都の神社

<春日大社 かすがたいしゃ>

 

春日大社の特色としてあげられるのは、

日々のご神事の中に「祖霊信仰」が、

取り入れられている点だと思います。

先祖供養という言葉を聞きますと、

お寺の管轄というイメージがありますが、

もともと先祖供養は神道から派生したもの。

仏教のように、直に先祖を拝むのではなく、

「神様を通じて」先祖の冥福を願うのが、

春日大社独特の先祖供養なのだそうです。

 

参道にズラリと並ぶ石燈籠には、

祖先の冥福を意味する言葉が刻まれており、

また、社務所に申し出れば私たち一般人でも、

祖先祭をお願いすることができます。

春日大社が藤原氏の氏神神社となる前は、

御蓋山に先祖の冥福を祈るという、

古い神道の形が残っていたのでしょう。

神様だけでなく祖先を敬う気持ちを持つことは、

現代に生きる日本人が取り戻さなければならない、

古く新しい信仰の形なのかもしれません。