<春日大社 かすがたいしゃ>
春日大社の特色としてあげられるのは、
日々のご神事の中に「祖霊信仰」が、
取り入れられている点だと思います。
先祖供養という言葉を聞きますと、
お寺の管轄というイメージがありますが、
もともと先祖供養は神道から派生したもの。
仏教のように、直に先祖を拝むのではなく、
「神様を通じて」先祖の冥福を願うのが、
春日大社独特の先祖供養なのだそうです。
参道にズラリと並ぶ石燈籠には、
祖先の冥福を意味する言葉が刻まれており、
また、社務所に申し出れば私たち一般人でも、
祖先祭をお願いすることができます。
春日大社が藤原氏の氏神神社となる前は、
御蓋山に先祖の冥福を祈るという、
古い神道の形が残っていたのでしょう。
神様だけでなく祖先を敬う気持ちを持つことは、
現代に生きる日本人が取り戻さなければならない、
古く新しい信仰の形なのかもしれません。