<熱田神宮・土用殿 あつたじんぐう・どようでん>
三種の神器のひとつである、
草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)は、
伊勢内宮や皇居に安置されている
八咫の鏡・八尺瓊勾玉と比べると、
少々数奇な運命をたどっています。
もともと宮中に揃っていた三種の神器ですが、
崇神天皇(すじんてんのう)の時代に、
八尺瓊勾玉以外は皇居の外へと遷されました。
草薙神剣が倭姫の手に渡り伊勢に運ばれ、
熱田神宮に落ち着くまでの記述は少なく、
その後水没、偽造、消失などの経緯を経て、
明治時代に熱田神宮の御用殿から移動した後、
所在が不明になっているという話も…。
昨年の3月、天皇皇后両陛下が、
皇居内に保管されている
八尺瓊勾玉と草薙神剣のレプリカとともに、
八咫の鏡のある伊勢内宮を訪れた
「剣璽ご動座(けんじごどうざ)」という儀式は、
崇神天皇の時代にバラバラになった三種の神器を、
伊勢に集結させるという非常に意義深い出来事です。