天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2013-05-05 12:58:15 | エッセイ
「靴箱をのぞく」
靴箱から溢れんばかりの靴。「あたしを履いて」「ぼくを履いて」。靴たちは期待をこめて、私を見上げます。私は悩んだあげく、「いつもの」靴を履いてしまいます。ほとんど履いてもらえない靴は、ふくれっ面です。「綺麗なまま朽ちてしまうよ。」そんな不満が聞こえてきそうです。靴は消耗品です。駄目になって買いかえれば、収納場所もお金も節約できるのですが、ついつい買ってしまいます。歩きやすくて、お洒落で、足が綺麗に見える靴を求めて(そんな都合のいい靴なんてないと頭ではわかっているのに!)、常に彷徨っているのです。

歩くための靴、仕事のための靴、足を美しく見せる靴、ジュエリーのような靴、靴にはいろんな用途があります。その人がどんな靴を選ぶかは、その人がどんな生活なのか、何を求めている
のかに左右されます。靴箱をのぞけば、その持ち主の生き方、あるいはファンタジーがわかるかもしれません。

どんな靴を買うことが多いでしょうか。どんな靴を履くことが多いでしょうか。どんなに素敵な靴でも、足に合わなければ、苦痛です。靴は実用品です。だからといって、どんなに足にあっても、魅力がない靴は、がっかりです。靴は服飾品でもあるのです。靴は日常的に使う「もの」であり、自分を表現する「もの」でもあります。靴箱の中には現実と夢がせめぎあっているのです。

どんな靴が自分らしいと思いますか。ハイヒールの人もローファーの人もバレエシューズの人もエンジニアブーツの人もいるでしょう。そして、一つには決められない人もいるでしょう。私はスニーカーが一番自分らしいと思っています。軽やかに走ることができるスニーカーは自分の生活にあっています。そうはいっても、青のエスパドーリュにも赤のバレエシューズにもエナメルのレースシューズにもビジュー付きサンダルにも心惹かれてしまいます。足は二足しかないのに、欲望は無限です。








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