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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略 酈食其(2)

2009-09-10 10:27:41 | Weblog
酈食其2
沛公至高陽傳舎、召生入。沛公方踞床、使兩女子洗足而見生。生長揖不拜、曰、足下必欲誅無道秦、不宜倨見長者。於是沛公輟洗、起攝衣、延生上坐謝之。
生爲沛公、説下陳留。後常爲説客。

沛公高陽の傳舎に至り、生を召して入らしむ。沛公まさに床に踞(きょ)し,両女子をして足を洗わしめて生を見る。生長揖して拝せず、曰く、足下必ず無道の秦を誅せんと欲せば宜しく倨(きょ)して長者を見るべからず。是に於いて沛公洗うを(や)め、たって衣を摂(せつ)し、生を上坐に延(ひ)いて之を謝す。
生、沛公の為に、説いて陳留を下す。後、常に説客(ぜいかく)と為る。

沛公は高陽の旅舎に着いてから酈食其を呼び入れた。沛公はその時、床几に座り、二人の女子に足を洗わせながら酈食其に面会した。酈食其は両手を組んで上下する礼をしただけで、拝礼をしないで言った。「あなた様がどうしても無道の秦を亡ぼしたいと願うなら、足を投げ出したまま年長者に面会するものではありません」と。そこで沛公は洗うことを止め、起って衣服を整え、上座に引き入れて、非礼を詫びた。
酈食其は沛公の為に、陳留県の人々を説いて服従させた。その後は常に諸国を説いて廻る説客となった。

伝舎 旅館  揖 両手を組んで上下させる礼  倨 足を投げ出して座ること
摂 整える  説客(ぜいかく) 遊説のひと

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