上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

お不動様にもらった,きのこ

2014-07-14 10:56:29 | 瞽女街道を行く

 もう今年も既に半分が過ぎた.瞽女が越えてきた国道クラスの大きな峠道,県道,市道クラスの今も使用されている峠道,そのいずれも私は車,あるいは徒歩で歩いてきた.しかし瞽女が歩いてきた中世から近代,そして現代へと受け継がれてきた街道と峠道をたどっただけに過ぎない.中世から永々と受け継がれた道や峠も,時代の流れとともに消えて行った.瞽女もまた、それら街道とともにあったといっていいのではないか.しかし今、私はあえて廃道と化し,忘れ去られた、裏道のような瞽女道と峠を歩いている.

 春先の峠のやっかいものの残雪から,薮に変わった山中だが,暑さと湿気で体力が奪われる.既に衣服は水中を進軍したかのように汗でずぶ濡れである.こんなことなら春先にやっておけば,と後悔したが歩き始めてしまったからには,後戻りも悔いが残る.地元の方に尋ねても100mも離れていない裏山のことすら,30年くらい用がないからいってない,などと,情報が100パーセント手に入らない状態がほとんどだから,始末が悪い.でこの暑さだ!

 雨上がりの翌日は特に始末が悪いが,7月に入った途端,栃木県人の大好きなチタケに出会った.

 

Dsc_1551
              強い香りのやまゆり,このゆりの根がうまい

 

Dsc_1543_4

 ある閉鎖された自然公園の遊歩道に、この不動明王は鎮座していた.注意しながら歩いていなければ見過ごすところだったが,カメラを出して撮影しはじめると,邪魔な焦げ茶色のキノコが目についた.ありゃ~,チタケでねえか!と
栃木弁で頭の中で思わず叫んでしまうような光景だ.お不動様の直脇に,大中小の3つのチタケが、不動同様、どっしりと鎮座している.

 このチタケの出汁でつくった蕎麦つゆは絶品.栃木県人の大好物.なすとの炒めもこれまた好物料理である.上越は植林が多く,自然林が残っていても,特に小楢の木が多い林に生えるチタケにとっては,良い環境ではなく,私が上越でとるチタケの数はすくないのである.

 この日,お不動様には念入りに手を合わせ,チタケを押し頂いて帰宅したのは言う迄もないことでありました.

 

Dsc_1609
 この日、会員になっている,かみえちご山里倶楽部の増沢事務所にて購入
酒のつまみに合うばかりか、精がつくと昔から評判である。

 

Dsc_1614
  チタケとなすのあぶらいため     あんにんご(ウワミズサクラ)

 この日,撮影もそこそこにチタケ探しに重点をおいたが,成果はこの三本だけ.でも自然からの贈り物,否,お不動様の贈り物.新鮮な初チタケの香りと濃くを堪能いたしました.感謝!

 春日山の博物館で次のようなイベントがあります.

 

Dsc_1612