豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

被災地の小さな工務店の今後を問う…郡山市~青森市~木古内~北斗市

2012-09-14 18:33:21 | ファース本部
3・11被災地やその周辺の工務店経営の状況は、通常の工務店経営と全く異なる様相です。
膨大な復興資金は住宅市場を大きく歪ませているように感じます。
大津波にさらわれた敷地は、荒涼とした空き地になっており、山手の土地が暴騰している地域もあります。

原発被災地から現在13万人もの方々が避難しており、その避難先の受け容れ状況は、飽和状態になっているようです。そのような状況の中では、小さな仕事の得意な地域工務店の寝る間もないような忙しさです。

そのような状況の横目で見ながら大手ハウスメーカーは、そのブランド力をここぞとばかりに生かしており、復興補助金付きの新築住宅を次々と受注します。
特に補助金付きで長期優良住宅を建築するとなると、複雑な手続きを伴います。

ハウスメーカーには、専門の部署があってつつがなく手続きを行ってくれます。
案件数の少ない地域工務店は、震災改修に奔走しており、面倒な手続きがとても苦手なのでしょう。
ついつい、手軽な復興改修で日々を過ごす事になります。
この復興関連の仕事に消費税増税の駆け込みが加わる来年は、資材不足と人手不足が拍車を掛けるため、相当な建築費の高騰が予想されます。

今日は、郡山市内のファース工務店、㈱渡昭建築企画さんを訪問しました。
写真は社長の渡辺昭彦さんを撮りました。背景にある掛け軸は、渡辺さんの叔父さんが4文字熟語の1,000文字を纏めた格言掛け軸なのでしょう。
「焦らず、慌てず、冷静沈着に判断せよ」と読める格言もあります。  

渡辺社長は、奥さん、妹さんに社員大工さんの4名で工務店経営を行っています。
バブルに翻弄されない確たる気概を持っており、逃げ隠れ出来ない工務店宿命を家づくりに生かしておりました。バブル崩壊の影響を受けない工務店経営基盤を今こそ構築を。

今回は八戸から久慈市、南相馬市、いわき市、福島市、郡山市の被災地全域を視察して、帰社したところですが、北斗市もけっこう暑い一日だったようです。

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