流産か死産してしまったことに対して、ご冥福をお祈りいたします。
ところで、マスコミの論調は今回も受け入れを断った病院や受け入れ先をすぐに探せなかった救急体制に向けられています。
でも、この事件はこれだけではないのです。
現在の産婦人科の現状は、身近かな場所に産科がないという地域がたくさんあります。
事件のあった奈良県南部もそのひとつです。
奈良県南部では1年前の大淀病院事件によって産科がなくなってしまったのでした。
今回、妊婦かもしれない女性(産科の診察を受けていなかったようです)の受け入れ先が見つからなかったのは、深夜の産科というただでさえ人手が足りないところに、当日は満月で出産が多いタイミングであったこと。
そして、出産に関連した訴訟が増えているため、善意で患者を引き受けると訴訟に巻き込まれるだけでなく、賠償責任を負うことにもなりかねないという背景があります。
福島県立大野病院事件では、帝王切開時の胎盤剥離という手術中の出来事で医師が逮捕されているという事実があります。
いました。
前述した大淀病院事件では、出産中に極めて稀な子癇が発症したという経緯がありながら、病院や医師が訴えられています。
マスコミはとりあえず患者を受け入れればいいじゃないかという論調ですが、「病院が不十分な体制で患者を受け入れ、それによって患者が死亡した場合、責任は病院にある」という判例が出ているため、病院は安易に患者を受け入れられないという現状があるのです。
産科の不足している地域では、妊娠がわかるとすぐに産科に予約を入れないとお産ができないという状況になっているのです。
産科で診察を受けていれば、かかりつけの産科に連絡をして、受け入れ先を探してもらうこともできます。
それなのにこの女性は、産科の診察を受けていないどころか、午前3時前にスーパーで買い物をしていたのです。
こんな背景があることを知っておいて欲しいのです。
それからポンコツ研究日記~悩める産婦人科医のブログ~に詳しいことが書かれていますので、関心のある方はご一読下さい。
ところで、マスコミの論調は今回も受け入れを断った病院や受け入れ先をすぐに探せなかった救急体制に向けられています。
でも、この事件はこれだけではないのです。
現在の産婦人科の現状は、身近かな場所に産科がないという地域がたくさんあります。
事件のあった奈良県南部もそのひとつです。
奈良県南部では1年前の大淀病院事件によって産科がなくなってしまったのでした。
今回、妊婦かもしれない女性(産科の診察を受けていなかったようです)の受け入れ先が見つからなかったのは、深夜の産科というただでさえ人手が足りないところに、当日は満月で出産が多いタイミングであったこと。
そして、出産に関連した訴訟が増えているため、善意で患者を引き受けると訴訟に巻き込まれるだけでなく、賠償責任を負うことにもなりかねないという背景があります。
福島県立大野病院事件では、帝王切開時の胎盤剥離という手術中の出来事で医師が逮捕されているという事実があります。
いました。
前述した大淀病院事件では、出産中に極めて稀な子癇が発症したという経緯がありながら、病院や医師が訴えられています。
マスコミはとりあえず患者を受け入れればいいじゃないかという論調ですが、「病院が不十分な体制で患者を受け入れ、それによって患者が死亡した場合、責任は病院にある」という判例が出ているため、病院は安易に患者を受け入れられないという現状があるのです。
産科の不足している地域では、妊娠がわかるとすぐに産科に予約を入れないとお産ができないという状況になっているのです。
産科で診察を受けていれば、かかりつけの産科に連絡をして、受け入れ先を探してもらうこともできます。
それなのにこの女性は、産科の診察を受けていないどころか、午前3時前にスーパーで買い物をしていたのです。
こんな背景があることを知っておいて欲しいのです。
それからポンコツ研究日記~悩める産婦人科医のブログ~に詳しいことが書かれていますので、関心のある方はご一読下さい。
奈良から救急搬送の妊婦が流産 10病院受け入れ断る
29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を搬送中だった中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、流産が確認された。女性らにけがはなかった。事故と流産の因果関係は不明だという。
女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。
奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡しており、産科医療のあり方が改めて問われそうだ。
高槻署や中和広域消防組合などによると、女性は知人男性とともに近所のスーパーで買い物をしている最中に突然、腹痛を訴え出血。同日午前2時44分、知人男性が「過去に流産している。今も妊娠しているが、切迫流産しているかもしれない」と119番した。
女性にかかりつけの医師はなく、通報を受けた同組合が県内の空きベッド情報を確認したところ、県立医大病院(橿原市)にベッドがあったものの「手術中で対応できない」と断られたという。
消防組合は大阪府内の病院に受け入れ要請を続けたが、難航。10病院、延べ12番目に問い合わせに答えた高槻病院に搬送することが決まった。その間、救急車はスーパーで待機。出発できたのは午前4時19分だった。
高槻署によると、救急車は赤色灯をつけて直進、青信号で進入した軽ワゴン車と接触したという。救急隊員3人と軽ワゴン車の運転手にけがはなかった。
妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。(2007/08/29 10:33)産経新聞