まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

東京ミッドタウンの深呼吸

2019年02月24日 | 日記

東京ミッドタウンである。
たまにサントリー美術館に立ち寄るだけで
ほとんど縁がない場所だ。
超高級ホテルのリッツ・カールトンが入るビルでもあるが
こちらはますます縁遠い。

だいたい六本木という土地柄が気に食わない。
ヒルズ族などという成金の連中が我がもの顔で闊歩しているし
やたらに外国人が多くて落ち着かない。
バーも喫茶店も洋服屋もスーパーも高級店ばかりで
金がいくらあっても足らない。
そもそも防衛省があることが気に食わない。
ヤボ用で寄っただけだからすぐにでも立ち去りたかったが・・・

敷地内を歩いていたら池があった。
ビルの間に水を引き入れて植栽を施しただけの
ずいぶんと貧相な池だが野鳥の声がうるさいぐらいに聴こえて来る。
スズメにヒヨドリにシジュウカラにムクドリ・・・
ツグミの姿も見えたしハクセキレイもピョンピョン跳ねていた。
こんなビルの谷間に餌場でもあるのだろうか。

池のほとりのピンクは紅梅だった。
我が家の公園ではまだ咲いていなかったが
日当たりがいいのか次々と蕾がほころんで咲き始めている。
無機質な鉄骨だらけのビル街だが
コンクリートで護岸を固めただけの人工池だが
こんなところにも確実に春の足音が聞こえ始めていることに
妙に感心してしまった。

紅梅の隣には寄り添うように白梅も咲いている。
背伸びをするといい匂いが漂ってくる。
弁当に缶ビールでも買ってきてここで梅見でもするか・・・
思わずそんな気になってしまった。

お婆ちゃんが池を見つめていた。
春が近づいて来た感慨を噛みしめているのだろうか。
嫁と折り合いが悪くて避難して来たのだろうか。
私もマネをして池のほとりにたたずんで
大きく深呼吸をしてみた。
この日はうらうらと陽炎が立ち上るような陽気で
大きく息を吸いこむと「日向くさい」懐かしい匂いがした。
深呼吸なんて久しぶりである。