まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

大晦日

2020年12月31日 | 日記
いよいよ大晦日です。
今年も最後また東山魁夷の名作「年暮る」です。
大晦日になると決まってこの絵をブログに載せたくなります。
国立近代美術館が所蔵する風景画の傑作。
単なる風景を超えて深い精神性さえ感じさせる世界です。


京都は鴨川沿い、東山三条あたりの風景です。
低く連なる町家の瓦屋根、音もなくしんしんと降り積もる雪。
空もなければ人の姿もない寂寥の風景ですが
目を凝らすと手前の民家の窓にうっすらと灯りが点っています。
学生時代を京都で過ごした私は
この風景に名状しがたい郷愁を覚えてしまうのです。
当時、交流があった作家の川端康成から
「いま描かないと京都が消えてしまう」と強く勧められ
東山が渾身の思いで描いた古い町屋の風景。
今はこんな風景はもうどこを探してもありません。
いつかは京都で年越しをしたいと思いつつ
そんな機会もないまま・・・
いつしかもう40年の歳月が流れてしまいました。

皆様、どうかよいお年を。