池袋の新文芸坐の前を通ると
菅田将暉主演の「あゝ荒野」が上演中だった。
寺山修司の長編小説が原作で
前からぜひ観たいと思っていた映画なのだが・・・
前後編一挙公開はうれしいが
上映時間が5時間と知って一気にくじけてしまった。
うーん、5時間かあ・・・
とてもそんな体力はないので泣く泣く諦めたのだった。
ご存じのように菅田将暉はこの作品で居並ぶ映画賞を総なめだった。
いま最も勢いがある俳優かも知れない。
もともとは仮面ライダーがデビュー作だったと聞く。
NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」で注目を浴びたらしいが
残念ながらどちらも観ていない。
マイナー映画のチョイ役で出演しているのを何度か観たが
彼だけ異次元のような輝きを放っていた。
まさに「いま」を生きているといった存在感があった。
この映画でもボクシングシーンが秀逸らしい。
うーん、やっぱり観るべきだったか・・・
来週は川地民夫の追悼特集らしい。
先日亡くなったばかりだがマスコミの扱いは小さかった。
もう忘れられた俳優なのだろうか。
華やかなりし頃の日活を代表する青春スターだった。
悪役や敵役を中心にした癖のあるバイプレーヤーではあったが
この人の存在感もまた際立っていた。
デビュー作の「陽のあたる坂道」はもちろんのこと
「野獣の青春」「憎いあンちくしょう」「東京流れ者」などなど
鮮烈な印象をのこす名作ばかりだった。
石原裕次郎、菅原文太といった大スターを向こうに回し
一歩も退かない独特の存在感があった。
観ていない作品も多いのでぜひ行きたいと思うのだが
果たしてどうだろか・・・
最近、見逃す映画が多くなった。
ぜひ観たいと思う映画もいざとなると断念したりする。
体力的な問題と言うより
そもそも映画に対する「熱度」が不足して来ている気がする。
ひょっとしてこれは感性の「老い」だろうか。
ちょっと深刻な問題なのである。