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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

ゲル生活の放牧民のもてなしと新空港視察

2017年08月11日 | 議会活動

平成29年8月11日(金)

 

 明日は一日かけて帰国するため、実質的にモンゴル国の視察は今日が最終日となりました。

 新空港建設地に到着する途中で、ゲル(移動式住居)生活の放牧民に出会い、そこを突然訪問したところ、初対面であるにも係わらず、内部に招き入れていただき、放牧民の慣習である馬乳酒で歓待を受けるという貴重な体験をさせていただきました。

 このハプニングは、ご同行いただいた、ふじのくにづくり支援センター理事長で、前NEXCO中日本会長、現日本相撲協会横綱審議委員の矢野弘典氏のアプローチが効を奏した形になりました。氏によれば20年ほど前にもこのような形で放牧民からの歓待を受けた経験から、初めての私達にも貴重な体験をさせていただく機会となりました。

(遊牧民の移動住居ゲル)


(矢野氏とゲルの前で)


(遊牧民の歓迎をゲルの中で受ける)

 

 視察先は首都ウランバートルの新しい国際空港となるチンギスハーン国際空港の建設予定地でした。ウランバートルから南西に約52kmに建設中の新空港は、日本の円借款により建設中で、2018年度中に開港予定です。国営のMIATモンゴル航空の機内誌には、世界の就航先が世界地図に記されており、日本では成田空港が定期便で、富士山静岡空港がチャーター便の実績地としてのみ記されています。富士山静岡空港は現在使われているターミナルビルを国際線専用とし、2年後に1時間に3本の国際線処理能力を持つ空港に生まれ変わります。ウランバートルにはチャーター便の実績がありますが、定期便就航の可能性も含め、日本の技術支援の取り組みについてが視察の対象となりました。

(空港建設菅理事美羽所の前で)


(プロジェクトの概要)


(モンゴル国側プロジェクトおよび日本側関係者から説明を受ける)


(関係者と訪問団で記念撮影)

 

 新空港視察では、モンゴル国側から「新空港建設プロジェクト」のマネージャーである、BAT Gurdorji氏をはじめとする関係者と、日本が支援する現地窓口となるJICA(日本の国際協力機構)、建設コンサルティングや元請けとなる日本の建設JV責任者などから、これまでの取り組み状況や課題について、また開港までのスケジュールなどについて説明を受け、質疑応答がありました。その後、ほぼ完成している空港ターミナルや滑走路などに足を運び、工事の進行状況等を視察させていただきました。

 

 新空港建設プロジェクトは、2006年から始まり、2018年度の開港を予定しており、日本の円借款(既存288億円、追加368億円 計656億円)と、モンゴル政府15億円の出資で建設が行われています。現在あるウランバートルにより近い空港は、国際規格に準じておらず、これからの国の発展に必要な海外からのヒト、モノの流通に大きな課題を生じてきました。今回、日本の財政的支援により、また日本の最新の技術も導入し国際規格を満たす新空港の建設が行われてきました。

 JICAでは空港の運営維持管理を担う人材育成を柱とし、現在は来年の開港に向け、「運用マニュアル」の作成に取り組み、進捗率は53%ということでした。モンゴル国内には、24の空港があり、そのうちの5空港を国際空港にしていく計画があり、それを支える人材育成が急務であり、日本の取り組みに大変感謝しているということでした。

 

 私からは2点の質問をさせていただき、最初に「空港セールスについて」では、新たな航空会社の就航は大変重要であり、日本の円借款は文字通り借金なので返済していかねばならず、多くの航空会社の就航が収入源となることから、しっかり取り組んでいきたいとの答弁がありました。しかし実態は、まだ具体的には取り組んでいないようで、来年の開港を待たず早急な取り組みが必要と感じました。

 2点目の質問は、「運用時間」についてで、回答は24時間運用とのことでした。日本では、海上空港である羽田や、中部国際、関西空港などが24時間運用であるものの、成田や富士山静岡空港などは、内陸部にあるので騒音などに配慮し、深夜の運用を控えていますが、同じ内陸部の新空港は最初から国際空港の要件として、24時間運用を導入するとのことでした。

 また他の議員からは、気温は夏が40度で冬はマイナス40度にもなる環境での工事における課題や、下請けに韓国系企業やモンゴル企業が参入していることの課題、日本の建設関連の中小企業参入の可能性について質問がありました。そのほか、静岡県に期待することや、人材育成について、日本の高校生がモンゴルに来て農業体験をしているように、モンゴル国の青少年も静岡県に来るなどして、空港活用を図っていくことなどへの提案が提示されました。

(新空港ターミナルビル)


(ターミナルビル内)


(出発・到着ボードの試験表示)


(ボーディングブリッジも整備さ大方の設備は整っていた)


(3,600mの滑走路の真ん中付近から撮影。運用後はこんなことはできない)


(ターミナルビルを背景に滑走路上で記念撮影)

 

 その後、空港施設内を視察し、予定時間を大幅に超えた視察でしたが、改めて、相手国の立場に立った日本の国際貢献のあり方や、静岡県の支援などの重要性を学ぶ機会となりました。

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