鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

農業基盤の強化に向けて(農地利用と茶業振興)

2024年07月01日 | 議会活動
令和6年7月1日(月)

 先週行われた県議会6月定例会の代表及び一般質問では、農林水産業分野についても質疑がありました。その中から農業分野における喫緊の課題等について触れてみます。

 農林水産省は、我が国において、高齢化・人口減少が本格化する中で、農業者の減少や耕作放棄地の拡大がさらに加速化し、地域の農地が適切に利用されなくなることを懸念している。生産の効率化やスマート農業の展開等を通じた農業の成長産業化に向け、地域において、農地が利用されやすくなるよう、目指すべき将来の具体的な利用の姿等を描き、分散錯圃の状況を解消して、農地の集約化等を進めるとともに、人の確保・育成を図る措置を講ずることが必要であると述べています。

 この対策を進めるために、「農業経営基盤強化促進法」を改正し、それに基づく地域版の「地域計画(人・農地プラン)」の策定を求めています。
 静岡県では、基本構想を作成している市町(清水町を除く34市町)は、地域における農業の将来の在り方等について、協議の場を設け、協議の結果を踏まえ、農用地の効率的かつ総合的な利用を図るため、「地域計画」(人・農地プラン)を施行日(令和5年4月1日)から2年以内(令和7年3月末まで)に策定することとしています。
 今回の一般質問では、この進捗状況や取り組みが遅れている市町に対する支援等について、行政区をまたいて存在する農地の取扱などを確認する内容でした。
 答弁では、県は毎月各市町の進捗を確認し、取り組みが遅れている市町には、農林事務職員が各地の事情に合わせ支援している。また、複数市町にまたがる場合には、隣接する市町の担い手にも協議の場に参加していただくなど、広域的な調整を行っているとの答弁がありました。

 私は、農業の衰退は国力を低下させ、特に食料の確保はめまぐるしく変わる世界情勢において、先進国の中でも日本が食料の多くを輸入に依存している異常な状態から、どのような事態になっても確実に自国内で確保することが重要と考えています。このことは、農業に関わる人たちだけでなく、消費者である国民も十分理解し、どのように関わっていくかが重要と考えています。そのための基盤整備は欠かすことができません。

 地場産業である茶業の現状は深刻になりつつあります。リーフ茶の国内消費が減少していることが大きな理由です。一方で、健康志向を背景に、海外では需要が増え、特に抹茶の需要が大きく不足気味とも言われています。
 県は、海外向けの茶生産を推奨し、有機栽培やそれに適応した品種への切り替えなどを推奨し、海外でのセールス支援などに力を入れています。一方で、輸出関係者からは、県内にある個々の茶産地ブランドでアピールするよりも、「静岡茶」の統一ブランドの方が伝わりやすく知名度が上がるとの指摘もあり、その検討も必要と感じています。
 これらの動きは、茶生産の現場からすれば、大きな転換点であり、短時間で大きく変えることは、脆弱な経営体質の現状を考えると簡単にはいかないと感じています。実現のためには、それなりの茶農家の覚悟と行政支援も重要となってきます。
 一方で、国内でのリーフ茶普及には、まだ支援の余地があるようにも感じます。以前、茶の効能について議論し、県立大学などでの研究成果に大きな期待を寄せていますが、それをうまく戦略に載せる動きが鈍いようにも感じられます。
 ある議員の質問の中で、前知事時代は茶振興に積極的に取り組んできたが、主に「茶の文化」についてであり、「茶業そのものの支援等」にはあまり積極的ではなかったと厳しい意見を申し述べていました。私もその考えには同感です。

 私は、茶の消費につながる本件農業の主力生産である茶業振興は、その支援策について、今一度、スピード感を持って見直す必要があると考えています。
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