令和元年10月12日(土)
昭和33年に伊豆半島に大きな被害をもたらした狩野川台風級の大型で強力な勢力を持つ台風19号が、本県に近づいています。精度が高くなった天気予報により、数日前からこの事態を想定して、様々な対応が進められています。
午前7時現在の台風の位置は暴風圏が三重県あたりであるにもかかわらず、自宅周辺では既に昨夜遅くから強風が吹き付け、雨も時より強く降るなど、その兆候が現れています。衛星写真では、台風の雲が日本列島を全て覆うほどの大きさであることから、雲の動きによって台風の影響が現れているものと思われます。
この状況は、台風が遠方にあってもその影響が及び、さらに通過した後もしばらく影響が残ることになり、長時間続く風雨の影響は、1,200人以上の犠牲者が発生した狩野川台風と同様なリスクが高まっているといえるのでしょう。
狩野川台風は私にとっても運命的な関わりがあり、当時2歳であった私は、大きな被災を受けた中伊豆地域内にある身内の墓参りに祖父母と出かけたところ、途中で祖母が財布を忘れたことに気付き、自宅に引き返したことで、この大災害に遭わずに済んだということを、祖父母から何回も聞いて育ちました。
また、その当時、地元消防団に所属していた父も、被災現場への救援活動に従事し、その悲惨さを話してくれたことも記憶に刻み込まれています。
今でこそ、被災地状況はリアルタイムで映像として見ることができますが、当時は新聞の活字が唯一の情報源であり、家族の現場での体験話を台風シーズンが来る度に聞いて育ったことが、災害の悲惨さや備えに対する心構えの根拠になっているのかもしれません。
朝、住宅からほど遠くない市内各地の河川状況などを見て回りましたが、著しい増水などの兆候は現れていません。今年度初めには、ある地域から強い要望のあった河川の危険箇所の対策が県により講じられたため、少しは安心していますが、私の手元には災害対策を求める数々の要望が残されており、今回のような大型台風の襲来には、気をもむ時が続きます。
まずは、一人ひとりが今からでもできる台風対策がないか再度見直すことも大切ですが、一番大切なことは、早めの避難であることを再認識すべきでしょう。私の地元では、全市内にある避難所が今朝から使えるとの伝達がありました。