GOVAP便り

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バクリュウ省教育局

2006-12-10 03:40:00 | 新聞・書籍
きょうの新聞にメコンデルタ、バクリュウ省教育局幹部逮捕の記事がありました。今年六月の高校卒業試験に際し、採点に手心を加えたとの罪です。他に既に高校の教師も父兄からお金を受け取って不合格者の点数を改ざんしたとのことで逮捕されています。不心得な教師が親の弱みに付け込んで一人当たり8Mドンもの金額を受け取っていたわけです。わがスタッフのNが最近買い換えたサムスンの携帯電話が4Mドンですから、僅か携帯電話2台分とも言えるわけですが、バクリュウ省の平均所得からすればかなりの金額です。

メコンデルタはベトナムの中で高校進学率が低く、中退率が高い地域ですが、その中でもバクリュウ省は1・2を争う地域です。サイゴンから280km、その隣はベトナムの南端に位置するカマウ省です。
今年の高校卒業試験受験者7000名中合格者の比率は70%だったそうです。これを79%に引き上げる操作がなされたのは、省教育局の方針だったようです。数字に追われるお役所仕事ですから、毎年の卒業試験結果には様々な問題が報道されてもいます。お役人の自分の成績を下げまいとする要求とこれに逆らえない学校当局に加え、折角三年間学費を払ったのに卒業証書を手にできない親の悔しさとそれに付込む悪徳教師が織り成すドラマのようです。

それにしても不合格者が30%ということは、2000名を超えます。その内9%、630名ほどは卒業証書を手にしたようですが、これは没収されてしまうのでしょうか。記事では触れていません。今日の大学・短大への進学率を見れば、その中で既に進学をした学生も含まれているとも考えられます。

以前、北部と南部の進学率の違いについて、北部の官僚主義、南部の経済実力主義の反映などという見解を目にした記憶があります。あるいは、北部では家を売っても子供の学費をつくる、南部では子供を売っても自分が楽をする、などと口にする性質の悪い友人もいますが、最近はどうも違うように感じています。卒業証書や学歴へのこだわりという意味では人々の意識における南部の人々も北部の人に劣ることはありません。