GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

泥棒

2006-12-06 01:31:00 | 社会
台風は南部東海岸沿いにメコンデルタのカマウ岬からタイ湾へと抜けたようです。5日未明に雨音で目が覚めましたが、風雨はいたって控えめなものでした。気温は前日より二度ほど下がって心地良く、思いっきり朝寝坊してしまいました。ホーチミン市の被害がなかったとは言え、沿岸や離島では被害を免れることはなかったようです。暑さも戻りかけた夜空には十五夜の月が輝き、その隣にはオリオン座も見えます。

昼にK君に携帯で電話を入れると電波が弱く聞き取れないとのことで、PCからスカイプを繋ぎました。忘年会の予定でも入れようかと思ったわけですが、「話聞いてくれる?大変なんだよ」とのこと。先週は、順調で忙しすぎてどうにもならない、とのことだったのですが。お互い大変なことが起きるのは日常茶飯事ですから、どんな深刻なことでも今では当たり前のように感じてしまいます。あるいは大変さの軽重を量る計器が使い過ぎと暑さで麻痺してしまったのかも知れません。

工場に泥棒が入り、昨日きょうの二日間は警察の調査もあり、工場の操業を停止しているそうです。工場の設備が盗まれ、被害額は10万ドル程度だとか。ドンナイ省にある工場で働いてた時も盗難は日常茶飯事でしたが、工場のラインが止まるような経験はありませんでした。生産設備を再び手配し、その間半分のラインは止まることになるのだそうです。一番の悩みは休業期間中にワーカーが他の職場に移り戻ってこないのでは、という危惧のようでした。
手当たり次第に盗みまくったわけではないので、まったくの外部からの窃盗とは考えられないものがあります。換金したところでせいぜい1000ドル程度にしかならないのに、被害に遭った方はその数十倍の損害を計上しなければならないわけで、そう考えると一般的に犯罪とは経済的には不合理的な行為で、社会的な損失額というのはかなりの規模に膨らみそうです。

K君が心配するように、年末間近のこの時期に新たにワーカーを募集しなければならないようになったら面倒です。近所のカフェのように住み込みで働けるのなら地方から集めることもできるのでしょうけど。
メコンデルタのロンアン省では今年高校に進学した10年生の中、15%にあたる3138名が既に中退したと発表されました。更に11年生も3000名ほどが中退とのことです。主要な理由は家庭の経済的困窮とされています。そのメコンデルタですら水産加工労働者不足が指摘されているわけですから、工業団地が次々に建設されるサイゴン近郊の労働者不足は深刻のようです。