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モップス 御意見無用

2011-06-18 07:04:54 | 70's J-Rock
 1960年代に全盛を誇ったGSブームも末期には衰退し、フォークが盛り上がってきて、GSバンドはヨーロッパのCREAMやジミヘン等の新たなロックに目を向けて“ニュー・ロック”へシフトチェンジを。(アルバムのライナーノーツを参考にさせていただいております)
 <モップス>は1966年にリードギター<星勝さん>、ドラムス<スズキ幹治さん>、ベース<村上薫さん>、そしてスズキさんの実兄であるヴォーカル<鈴木ヒロミツさん>、サイドギター<三幸太郎さん>の5人で11月に結成されました。そして某ディスコのオーディションに合格して専属バンドとなって活躍されて人気上昇。翌67年にはプロ契約となって11月にシングル「朝まで待てない」でメジャーデビュー。そして当時ヨーロッパで主流だった“サイケ”をいち早く取り入れて68年5月に1stアルバム「サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン」を発表されます。さらにこの年はオーケストラと共演されたり、芝居の音楽を担当されたりと意欲的に幅広く活動されます。
 翌69年にはサイケ路線からハードロック路線に。そんな折に村上さんが家庭の事情で脱退されることに。バンドは三幸さんがベースに転向して4人編成となり、この年の「第2回10円コンサート」翌70年の「日本ロックフェス」に出演して脚光を浴びます。そして71年にシングル「御意見無用(いいじゃないか)」を発表されます。“阿波踊り”という日本の伝統音楽とロックの融合というオリジナリティあふれる作品で独自色を強め、5月に同タイトルのこのアルバム「御意見無用(いいじゃないか)」を発表されます。ギリシャの神殿遺跡のような背景にメンバー4人の写真、そして中央に美しい女性ヌードの写真のジャケット、いいですねぇ。
 アルバム1曲目は「御意見無用(いいじゃないか)。ミドルテンポのパワフルなドラムからヘヴィなギターリフがはいって、そしてアップテンポになってから“阿波踊り”のリズムになって、パワフルなヴォーカルがノリノリで展開して。ドラムも叩きまくってお祭り騒ぎです。中盤では静かになって、ドラムがリフで阿波踊りのリズムを刻んで、ヴォーカルが♪いいじゃないか、いいじゃないか~って囁くように歌って。終盤ではヘヴィなギターリフと和太鼓の掛け合いも。そこから再び盛り上がって。めっちゃかっくいいっす。 2曲目は「Town Where I Was Born」。アップテンポのパワフルなドラムからヘヴィなギターリフが。ドラム叩きまくりです。そしてぶっといベースリフとパワフルなヴォーカルがはいって、サビではノリノリで盛り上がって。中盤ではスローモードになってしっとりとしたヴォーカルがはいって、そしてバラード調で歌い上げ、盛り上がって。その後ヘヴィなギターリフがはいってベースも加わってユニゾンで、そしてアップテンポになってギターのアグレッシブなソロが。バックではベースがうねりまくってます。終盤ではヴァースに戻ってサビでノリノリになるも、再びバラード調になって盛り上がって、ラストはダイナミックに♪ジャーン!でFin。
 3曲目は「Good Morning, Good Afternoon, Good Night」。ミドルテンポのパワフルなドラムからギターがはいって。ゆったりとしたインストのヘヴィブルースです。中盤のエモーショナルなギターソロではベースもうねりまくってます。
 4曲目は「Nobody Cares」。アコギのカッティングリフからミドルテンポではじまって、爽やかなコーラスがはいって、そしてしっとりとしたヴォーカルが。中盤ではギターの哀愁ただようメロディと奥深いベースラインがながれ、そしてしっとりとしたヴォーカルがはいって。
 5曲目は「月光仮面」。ミドルテンポのけだるいヘヴィブルーズ調のアレンジです。サビではリズミカルにコミカルに。ラストはちょっとおフザケが過ぎるかなって感も。
 6曲目は「Traces of Love」。ギターのメロウなアルペジオリフからはじまって、ブッといベースリフとカウベルのリズムがはいって、ヘヴィなギターリフからアップテンポでリズミカルになって、パワフルなヴォーカルがはいって。サビではめっちゃノリノリっす。明るく爽やかで楽しい曲ですね。
 7曲目は「To My Sons(The Best Thing in Our Life is Pain)」。トランペットの哀愁ただよう伸びやかな音色がゆったりと響き、しっとりとしたアコギリフからヴォーカルがはいって、サビでは力強く盛り上がって。2ndヴァースではオルガンのカウンターのメロもはいって、そして盛り上がっていって。なんとなく“夕陽”が目に浮かぶような曲ですね。
 8曲目は「No One Knows What They Were」。ヘヴィなギターリフからミドルテンポのパワフルなドラム&ベースのリズムがはいって、そしてアップテンポになってパワフルでリズミカルなヴォーカルはいってノリノリモードに。めっちゃドライブしててかっくいいっす。中盤ではギターのエモーショナルなソロが。
 9曲目は「Alone」。アコギのしっとりとしたリフからゆったりとはじまって、シブいヴォーカルはいって、そして歌い上げて盛り上がっていって。2ndヴァースではチェロやオーボエのようなサウンドも響き、サビではフルオーケストラもはいってバラード調で盛り上がって。中盤ではヴァイオリンとオーボエの美しい音色がながれ、コントラバスのベースサウンドも響き渡って、そして再びドラマティックに盛り上がって。 
 様々なジャンルの音楽を楽しめる、非常にバラエティに富んだ聴き応えのあるアルバムですね。特にパワフルなドラムとうねりまくるぶっといベースは凄いっす。ハスキー気味のヴォーカルもめっちゃパワフルでかっくいいっす。
 さらに自分の買ったこのCDにはこの年の10月に発表されたライブアルバム「雷舞」のなかの5曲「I Want You Hold Your Hand」「Gimme Some Lovin’」「To Love Somebody」「New York 1963~America 1968」「月光仮面」が収録されています。
 <モップス>はこの後、72年に一転フォーク系のアルバムを発表し、74年にライブアルバム「EXIT」を発表して解散してしまいます。星勝さんは後に音楽プロデューサーとして、鈴木ヒロミツさんは俳優としても活躍されます。が、ヒロミツさんは残念ながら2007年に天国へ旅立って・・・ご冥福をお祈りいたします。

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4 コメント

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Unknown (加藤)
2011-06-22 23:21:21
ゎお!ついに出ましたか!
歌謡曲路線と揶揄され以外に評価が低いバンドなんですが、きっとこれは鈴木ヒロミツが後に役者で売れたり、星勝がプロデューサーで売れたことに対する”やっかみ”と私は思っています。多分、この当時のモップスの先鋭さはフライドエッグの成毛滋が影響を受けていると思います。
タイコの幹治は最初兄貴に言われてイヤイヤやっていたようです。
星勝のアレンジの特異性はすでに「月光仮面」に見て取れますし何より後にビックヒットと成る一連の陽水(「氷の世界」、「二色の独楽」のプロデュース)やアレンジャーとして安全地帯「ワインレッドの心」井上陽水「傘がない」上田正樹「悲しい色やね」 など日本のポップス・ヒットのかなりな曲を手がける名アレンジャーとして開花したことです。
鈴木家は裕福で当時の英国ポップスを常時聞いていてそれを星勝に聞かせた結果・こんなすごいことが起きたと思います。
人と人が集まることですごい触媒作用がおきこんな素晴らしい結果が生まれる・・・人間の良さが如実に表れた貴重なバンド・・・モップス
だったと思います。

ありがとうございます! (ひより)
2011-06-23 12:45:32
 わぁ!加藤さん、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
加藤さんがおっしゃる通り、自分もモップスはどこかで歌謡曲系と思うところがあって、アルバム紹介が遅くなってしまいました。すみません。以前に70’Sのオムニバスライブアルバムでちょこっと紹介させていただきましたが、アルバムは今回初です。
 で、聴いてみると、これまで紹介させていただいた70年代初期の日本ロックバンドと全くひけをとらない凄いバンドだったことを再認識しました。
 モップスのこと、いろいろ教えてくださってありがとうございます。勉強になります。
Unknown (Unknown)
2011-07-30 06:43:48
「モップス」も重(思い)入れのあるバンドです。
 ♪たどりついたら♪を聞いたとき、日本語のロック、かっこいいと思った。
 才能のある集団にヒロミツはいっしょにやることの限界を感じたと。コメディアンもしたかったはずです(笑う)。 浜省も、鈴木ミキハル関係とききおそれいった。  
ありがとうございます (ひより)
2011-07-30 12:43:45
 いらっしゃいませ!コメントを書いてくださってありがとうございます。とっても嬉しいです。
♪たどりついたら~は、ずいぶん前になりますが、子供ばんどのヴァージョンを聴いて、あらためて曲の良さ、モップスのかっこよさを見直したしだいです。いま聴いてもノリノリでめっちゃかっこいいですもんね。
 日本ロックの礎を築いた70年代初期のバンド、ほんと凄いっす。

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