ひよりの音楽自己満足

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ATARAXIA/アタラクシア

2010-09-08 21:17:00 | ジャパン・プログレ
 以前とあるプログレ本のなかで今回紹介させていただく<ATARAXIA>のアルバム「刻まれた時間/Adolescence Of An Ancient Warrior」のレビューが載っていたんです。それで興味を持ったんですけど、このアルバムがなかなか手に入らなかったんです。そんなときに偶然<ATARAXIA>の曲が1曲だけ収録されたオムニバスアルバムを見つけて手に入れたんですよね。それで先日そちらを紹介させていただきました。で、そのとき手配中だったこのアルバムがやっと手に入りました。1994年にmade in japanレーベルから発表されたもので、レコーディングの時期などは書かれていません。この<ATARAXIA>は、当時の慶応義塾のユーロロック研究会が母体となっているそうで、メンバーはヴォーカルの<村田秀明さん>、ギターの<大宮淳さん>、キーボードの<小町明さん>、同じくキーボードの<沼田伸子さん>、そしてドラムスの<松尾泰明さん>の5人編成です。プロデューサーにはヌメロ・ウエノ氏と小町さんのお名前が。バンドの経緯や活動などは現時点で全くわかりません。
 西洋の妖怪(?)が描かれた地獄絵のようなジャケット。気味が悪いんですけど、逆に“何か”を感じさせてくれて期待しちゃいます。
 アルバム1曲目はタイトル曲「Adolescence Of An Ancient Warrior」。ゆったりと美しいピアノリフからほのぼのとした感じではじまって、ややダミ声のナレーションがはいって。その後ミドルテンポのヘヴィなギターリフから爽やかな感じのヴォーカルがはいって明るく楽しい曲調に。シロホンの音色が印象的なメルヘンっぽいサウンド、いいですねぇ。終盤ではスネアにおもいっきりエコーをかけたようなバシャーン!って感じの衝撃音が響きます。そして元の美しいピアノリフとソフトで伸びやかなヴォーカルがながれ、アップテンポになってパワフルなドラムが盛り上げて。
 2曲目は「Gabble」。ミドルテンポのリズミカルな感じではじまってソフトなヴォーカルが心地よくながれて。ちょっぴり浮遊感があって幻想的な雰囲気もありますね。中盤ではシンセサウンドがゆったりと伸びやかにながれて爽やかな感じに。終盤ではパワフルなヴォーカルとともにドラマティックに盛り上がって、ラストは劇的にFin。
 3曲目は「A Low-Vatue Counting」。シンセサウンドがゆったりとしっとりとながれ、そしてミドルテンポのパワフルなシンセリフがはいって明るく楽しい感じに。変拍子リズムにのって力強いヴォーカルが。中盤では伸びやかなギターがゆったりとながれ、そしてパワフルなドラムにのってリズミカルなキーボードリフが。その後ギターのゆったりとしたエモーショナルなソロから、明るく爽やかなシンセリフがはいって盛り上がってFin。
 4曲目は「~Plug Cord Ⅱ」。アップテンポのリズミカルなドラムからはじまって、シンセのスケールの大きなのびやかなリフがながれて。その後ギターのヘヴィサウンドが響き、力強いヴォーカルがはいって。中盤にはリフをバックにややダミ声のヴォイスがはいり、その後アップテンポのきらびやかな感じのシンセリフが。一旦Finしたあと、1.2.3!の掛け声からアップテンポのパワフルなリズムにのってギターの伸びやかなリフ、そしてシンセの爽やかなフレーズがながれて。その後シンセの透明感のあるサウンドがながれ、そしてパワフルなドラムをバックにテクニカルなギターソロが。終盤ではギターの伸びやかな音色が爽やかにながれて。
 5曲目は「Against The Wind」。透明感のあるクリスタルなサウンドのリフからリズミカルにはじまって、ギターのアヴァンギャルドなソロが。その後ソフトでしっとりとしたヴォーカルがはいって、それが徐々に盛り上がっていって、ヘヴィなギターサウンドのダイナミックなリフが響いて。その後一旦リズムが止まって荘厳なシンセサウンドが響き、そしてミドルテンポのリズムがはいって力強いヴォーカルのヴァースへ。中盤ではメロウなキーボードリフとギターのヘヴィなリフからパワフルに盛り上がって、ヴォーカルがサビを歌い上げて。その後エモーショナルなギターソロ、そしてパワフルなドラムをバックにキーボードのテクニカルなリフが。終盤では静かになってヴァイオリントーンのギターをバックにヴォーカルがゆったりと情感たっぷりに歌い上げ、ギター伸びやかな音色とキーボードの美しいリフがながれて。13分に及ぶドラマティックな大作です。 
 ジャケットのような怪奇的なものはほとんど感じられず、初期GENESISのようでしかも明るく爽やかで楽しい感じの曲が楽しめますね。各ソロもあまりなく、リフを繰り返して盛り上げていくような感じでしょうか。アルバムがこの1枚しかないのは残念です。

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10 コメント

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初めまして。 (柚子)
2011-08-13 03:05:04
こんばんは。
こちらの記事に書かれている<ATARAXIA>について、他に何か情報がありましたら教えて頂きたいと思いコメントさせていただきました。

キーボードの方のお名前や経歴が母校の先生と同じだったもので気になっています。
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すみません。 (ひより)
2011-08-13 07:42:15
 柚子さん、いらっしゃいませ。
コメントを書いてくださってありがとうございます。
残念ながらここに書いてある以外の情報は、当時大学生だったメンバーの皆さんは、卒業後就職されてバンドとしての活動は休止してしまったそうで。メンバーの皆さんのその後の動向もまだ掴んでおりません。
お役に立てなくてすみません。
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アタラクシアについて (マグマニア)
2011-12-12 17:41:42
アタラクシアを知っている人がいるなんてびっくり
懐かしさのあまり立ち寄りました。
私は、慶應義塾大学ユーロ研の4代目代表をしていました。

“アタラクシア”のアルバムは87年か88年頃にレコーディングしたと記憶しています。
元々、早稲田大学の村田さんがリーダーで、ユーロ研2代目代表の小町氏と知り合い結成されたバンドだったようです。で、沼田女史は小町氏の彼女、大宮氏は慶應義塾大学法学部でユーロ研所属、松尾さんは村田さんの友人だったと思います。
だから、《アタラクシアはユーロ研中心》と言うと微妙ですね。
実際、レコーディングが決まってから“アタラクシア”にしたはずで、以前は“村田バンド”と呼称していましたよ。

それから、ギター担当の大宮さんは、ユーロ研のニューウェーヴ派(当時、ユーロ研はニューウェーヴ派とプログレ派が混在しており、ニューウェーヴ派は演奏系・プログレ派は鑑賞系)のJAPAN大好きなフレットレスベーシストでプログレは“新月”位しか好きではなかったのに…、レコーディング直前に前任の荒牧(理工学部で私と同期のユーロ研メンバー)が、アウターリミッツに行ってしまい、身近で演奏系の人材と言うことで駆り出されたんです。

作曲にも関わっていた荒牧のギターリフが『弾きにくい』と困っていましたね。

荒牧は高校時代から、イエスやオザンナ等イタリアのプログレっぽいバンドをやっていて、ユーロ研のプログレ派では珍しい演奏系のやつでしたよ。私にも無理やり?ベースをやらせて学園祭でも演奏活動をする位に…。バチがあたって?か、ユーロ研恒例のシルバーエレファント詣でのうちに、杉本さんのベースをいじったりしているから、アウターリミッツでベースをやらされたりするんだ苦労の様子は、このブログにあった通りです。

結局、“アタラクシア”は、アルバムを完成させた時点で、村田さんと小町氏は卒業していたし、大宮さんもポーラ化粧品に内定していたので、解散してしまいました。
小町氏は神奈川県立百合ヶ丘高校の職員になってからも、活動再開に奔走していたようですが…、それ以降は不明です。

イタリアの“アレア”に触発された村田さんと“キャメル” “ジェネシス”大好きな小町氏のいい味出してるシンフォニックプログレでしたから残念です
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ありがとうございます (ひより)
2011-12-12 21:34:00
 わぁ!マグマニアさま、いらっしゃいませ!
貴重なお話を書き込んでくださってありがとうございます。ビックリしました。なにせアタラクシアに関しての情報がないもので、こうして実際にかかわっておられた方から当時のことを教えていただけると本当に嬉しいです。感激しております。
 <ユーロ研が母体>というのは2009年11月に発行された「トランス・ワールド・プログレッシブ」という音楽本にこのアルバムが紹介されていて、そのように書いてあったものでそのまま引用させていただいた次第です。このブログにUPしたあとに手に入れた、1994年2月に発行された「ヒストリー・オブ・ジャップス・プログレッシブ・ロック」という本には、いま確認したところ
”慶応大学内にあるユーロ・ロック研究会で村田・松尾・小町らがやっていたジェネシスのコピーバンドを母体として84年に<POSITION A>を結成。同年秋にアタラクシアと改名”と書かれていました。こちらも微妙に違うようですね。正しい情報を教えてくださってありがとうございます。勉強になりました。
 この記事を書いている時点では荒牧さんが参加されていたことも知りませんでした。貴重な裏話も教えていただけてとっても嬉しいです。
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Unknown (Blue Jays)
2013-06-14 01:33:20
小町氏は、現在娘の学校の先生です。軽音系サークルの顧問をなさっていらっしゃって、去年の学園祭では、教員バンドで「エピタフ」「ムーンライトシャドウ」等を演奏されていました。チッタでもお見かけしますよ。
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ありがとうございます (ひより)
2013-06-15 13:36:27
 Blue Jaysさん、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
小町氏の近況を教えてくださってありがとうございます。現在もプログレされているんですね。学園祭のライブってめっちゃ羨ましいっす。いつか一般公開の場でもライブをやってくれたら嬉しいですが・・・難しいかな。
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Unknown (Blue Jays)
2013-06-16 03:52:45
こまちん(娘の学校で、こう呼ばれているそうです)も私も、3月の吉祥寺での新月プロジェクト観に行ってますよ。そうそう、HMVでAtaraxiaの輸入盤扱ってますね。
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おぉ!そうだったんですか (ひより)
2013-06-16 11:59:20
 Blue Jaysさん、いらっしゃいませ!
おぉ!あのときいらしてたんですか!ご一緒できて光栄です。
自分はこのアルバムを手に入れるのに1年以上某オクをチェックしてやっとてにいれましたが。私も先日、新宿の某CD店で売っているのを見つけました。貴重盤、ドンドン再発してくれると嬉しいのですが。
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Unknown (Blue Jays)
2013-10-17 00:34:26
小町先生、今年の学園祭ではRoundabout、Ocean Gypsy、In The Dead Of nightを演りました。AtaraxiaのGabbleが時間の関係でカットされちゃいました。
来月のE.Jobsonは3連チャンで行かれるそうです。Ataraxiaの再発をご存じなかったようで、娘に知らされて驚かれていらっしゃいました。
来年3月に、新月と美狂乱+2バンドで、チッタでプログレフェスが企画されているって噂がありますよ。
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ありがとうございます (ひより)
2013-10-17 12:39:44
 わぁ!Blue Jaysさん、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
おぉ!小町さん、学園祭でプログレ代表曲を演奏されたんですか!観れるものなら観たかったっす。なんて羨ましい・・・
小町さんはCD再発をご存じなかったのですか。海外レーベルが勝手にプレス発売してしまうこともあるみたいですね。
そうそう!来年3月にジャパンプログレフェスがあるらしいです。たしか今月あたりに正式発表されるのでは、と出演予定バンドの方がライブのMCでおっしゃったましたけど、まだのようですね。結成30年クラスのバンドが数バンドと、新鋭バンド2つが出演との噂です。とっても楽しみです。
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